殺人症候群

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殺人症候群の評価:

3.79/5点 レビュー 82件。 A ランク

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平均点3.79pt

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全94件 41〜60 3/5ページ
No.54
(4pt)

早すぎた最終回

さまざまな倫理観が林立し、それぞれが脂っこく自己主張するので、読んでいてかなり不安定な気分になる。作者の禅問答かと思う倫理観の格闘の末、「これが正しい」という結論は放擲されたまま物語は終わる。強いて言えば「人を殺せば、業を背負う」という、根本的な原理だけが残る。

主軸となる環チームは、これまで法を犯してでも犯人を吊し上げてきたから、法の裁きでは救われない被害者に代わって加害者に「私刑」を下す仕事人とは似た立ち位置である。にもかかわらず環チームは仕事人を犯罪者として追う。原田がこの矛盾を述懐しているが、環自身の倫理観は最後まで述べられておらず、印象としてはエピローグ同様ごまかされた感じで、このシリーズでこのテーマを採り上げたのは無理があったのではないかとも感じてしまう。

しかし矛盾を抱えたまま動く話は嫌いではない。「ノンマルトの使者」のウルトラセブンように、自分の立脚点がわからない矛盾に突き落とされながら行動することも、それはそれで物語のエッセンスとなるからだ。

それに倉持の悲惨な過去を描き、環チームから離脱させ、途中まで単独行動か敵対かわからない存在にしたことで、構図は非常に面白くなった。

ただ仕事人の正体については奇を衒いすぎかとも思う。能力や知識については整合性があるかもしれないが、表(仕事)と裏(殺人)を破綻なく並行させる精神構造は有り得ない気がする。分の悪い推論から余分な仕事を抱え込むことは、裏の仕事や響子を守ることに対して負担にしかならないはずである。

あと、この人の暴力シーンはいつも読むのが嫌になるのだが、その理由は弱者を一方的に嬲るケースばかりだからかもしれない。暴力を受ける側は、いつも絶望的な状況である。

最後に、この作品はシリーズ3部作の第3弾、つまり最終エピソードであるが、環、原田、武藤、倉持、4人のチームのエピソードがもっと積み重ねられていたなら、さらに味わい深くなっていたのにと思う。第1弾「失踪」は原田、第2弾「誘拐」は武藤を中心に描かれたが、倉持がメインになるこの作品でいきなり離脱、そしてチーム崩壊というのはちと急すぎる。「崩壊」は積み重ねたものが多いほど感慨深く感じるものである。その意味でこの作品・この結末は早すぎた最終回で、少しもったいない気がした。
殺人症候群 <新装版> (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人症候群 <新装版> (双葉文庫)より
4575517399
No.53
(4pt)

早すぎた最終回

さまざまな倫理観が林立し、それぞれが脂っこく自己主張するので、読んでいてかなり不安定な気分になる。作者の禅問答かと思う倫理観の格闘の末、「これが正しい」という結論は放擲されたまま物語は終わる。強いて言えば「人を殺せば、業を背負う」という、根本的な原理だけが残る。

主軸となる環チームは、これまで法を犯してでも犯人を吊し上げてきたから、法の裁きでは救われない被害者に代わって加害者に「私刑」を下す仕事人とは似た立ち位置である。にもかかわらず環チームは仕事人を犯罪者として追う。原田がこの矛盾を述懐しているが、環自身の倫理観は最後まで述べられておらず、印象としてはエピローグ同様ごまかされた感じで、このシリーズでこのテーマを採り上げたのは無理があったのではないかとも感じてしまう。

しかし矛盾を抱えたまま動く話は嫌いではない。「ノンマルトの使者」のウルトラセブンように、自分の立脚点がわからない矛盾に突き落とされながら行動することも、それはそれで物語のエッセンスとなるからだ。

それに倉持の悲惨な過去を描き、環チームから離脱させ、途中まで単独行動か敵対かわからない存在にしたことで、構図は非常に面白くなった。

ただ仕事人の正体については奇を衒いすぎかとも思う。能力や知識については整合性があるかもしれないが、表(仕事)と裏(殺人)を破綻なく並行させる精神構造は有り得ない気がする。分の悪い推論から余分な仕事を抱え込むことは、裏の仕事や響子を守ることに対して負担にしかならないはずである。

あと、この人の暴力シーンはいつも読むのが嫌になるのだが、その理由は弱者を一方的に嬲るケースばかりだからかもしれない。暴力を受ける側は、いつも絶望的な状況である。

最後に、この作品はシリーズ3部作の第3弾、つまり最終エピソードであるが、環、原田、武藤、倉持、4人のチームのエピソードがもっと積み重ねられていたなら、さらに味わい深くなっていたのにと思う。第1弾「失踪」は原田、第2弾「誘拐」は武藤を中心に描かれたが、倉持がメインになるこの作品でいきなり離脱、そしてチーム崩壊というのはちと急すぎる。「崩壊」は積み重ねたものが多いほど感慨深く感じるものである。その意味でこの作品・この結末は早すぎた最終回で、少しもったいない気がした。
殺人症候群 (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人症候群 (双葉文庫)より
4575510149
No.52
(4pt)

早すぎた最終回

さまざまな倫理観が林立し、それぞれが脂っこく自己主張するので、読んでいてかなり不安定な気分になる。作者の禅問答かと思う倫理観の格闘の末、「これが正しい」という結論は放擲されたまま物語は終わる。強いて言えば「人を殺せば、業を背負う」という、根本的な原理だけが残る。

主軸となる環チームは、これまで法を犯してでも犯人を吊し上げてきたから、法の裁きでは救われない被害者に代わって加害者に「私刑」を下す仕事人とは似た立ち位置である。にもかかわらず環チームは仕事人を犯罪者として追う。原田がこの矛盾を述懐しているが、環自身の倫理観は最後まで述べられておらず、印象としてはエピローグ同様ごまかされた感じで、このシリーズでこのテーマを採り上げたのは無理があったのではないかとも感じてしまう。

しかし矛盾を抱えたまま動く話は嫌いではない。「ノンマルトの使者」のウルトラセブンように、自分の立脚点がわからない矛盾に突き落とされながら行動することも、それはそれで物語のエッセンスとなるからだ。

それに倉持の悲惨な過去を描き、環チームから離脱させ、途中まで単独行動か敵対かわからない存在にしたことで、構図は非常に面白くなった。

ただ仕事人の正体については奇を衒いすぎかとも思う。能力や知識については整合性があるかもしれないが、表(仕事)と裏(殺人)を破綻なく並行させる精神構造は有り得ない気がする。分の悪い推論から余分な仕事を抱え込むことは、裏の仕事や響子を守ることに対して負担にしかならないはずである。

あと、この人の暴力シーンはいつも読むのが嫌になるのだが、その理由は弱者を一方的に嬲るケースばかりだからかもしれない。暴力を受ける側は、いつも絶望的な状況である。

最後に、この作品はシリーズ3部作の第3弾、つまり最終エピソードであるが、環、原田、武藤、倉持、4人のチームのエピソードがもっと積み重ねられていたなら、さらに味わい深くなっていたのにと思う。第1弾「失踪」は原田、第2弾「誘拐」は武藤を中心に描かれたが、倉持がメインになるこの作品でいきなり離脱、そしてチーム崩壊というのはちと急すぎる。「崩壊」は積み重ねたものが多いほど感慨深く感じるものである。その意味でこの作品・この結末は早すぎた最終回で、少しもったいない気がした。
殺人症候群 Amazon書評・レビュー: 殺人症候群より
4575234311
No.51
(4pt)

結末が見えて切ない

ネタバレ注意

登場人物それぞれが、自分なりの正当化理由をもって殺人を繰り返し犯している。

しかし、いかに同情すべき事情があっても、所詮殺人は殺人、許される筈はなく、倫理観の強い作者が彼らを最後にどうするのかは、かなり早くから想像がつく。それがわかっていて読み進めるのが切ない。
殺人症候群 <新装版> (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人症候群 <新装版> (双葉文庫)より
4575517399
No.50
(4pt)

結末が見えて切ない

ネタバレ注意

登場人物それぞれが、自分なりの正当化理由をもって殺人を繰り返し犯している。

しかし、いかに同情すべき事情があっても、所詮殺人は殺人、許される筈はなく、倫理観の強い作者が彼らを最後にどうするのかは、かなり早くから想像がつく。それがわかっていて読み進めるのが切ない。
殺人症候群 Amazon書評・レビュー: 殺人症候群より
4575234311
No.49
(4pt)

結末が見えて切ない

ネタバレ注意

登場人物それぞれが、自分なりの正当化理由をもって殺人を繰り返し犯している。

しかし、いかに同情すべき事情があっても、所詮殺人は殺人、許される筈はなく、倫理観の強い作者が彼らを最後にどうするのかは、かなり早くから想像がつく。それがわかっていて読み進めるのが切ない。
殺人症候群 (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人症候群 (双葉文庫)より
4575510149
No.48
(4pt)

読めば後悔する

まず欠点から挙げよう。ストーリーに対してトリックが薄い、最後までオチを描いていない、説明調が多い、かな。この点、肩透かしを食らった印象がある。ただ、それらを差し引いてもストーリーの陰鬱な重苦しさ、テーマの深さは見事なものであった。素直に楽しめる。再読はするが、二回読めば事足りるだろう。

貫井徳郎さんの作品はいくつか拝読してきたが、少しずつ完璧性に欠けている気が……。そこさえ押さえれば、物凄い作品になりそう。(個人的に「夜想」が一番クオリティが高いと思う)
殺人症候群 <新装版> (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人症候群 <新装版> (双葉文庫)より
4575517399
No.47
(4pt)

読めば後悔する

まず欠点から挙げよう。ストーリーに対してトリックが薄い、最後までオチを描いていない、説明調が多い、かな。この点、肩透かしを食らった印象がある。ただ、それらを差し引いてもストーリーの陰鬱な重苦しさ、テーマの深さは見事なものであった。素直に楽しめる。再読はするが、二回読めば事足りるだろう。

貫井徳郎さんの作品はいくつか拝読してきたが、少しずつ完璧性に欠けている気が……。そこさえ押さえれば、物凄い作品になりそう。(個人的に「夜想」が一番クオリティが高いと思う)
殺人症候群 Amazon書評・レビュー: 殺人症候群より
4575234311
No.46
(4pt)

読めば後悔する

まず欠点から挙げよう。ストーリーに対してトリックが薄い、最後までオチを描いていない、説明調が多い、かな。この点、肩透かしを食らった印象がある。ただ、それらを差し引いてもストーリーの陰鬱な重苦しさ、テーマの深さは見事なものであった。素直に楽しめる。再読はするが、二回読めば事足りるだろう。

貫井徳郎さんの作品はいくつか拝読してきたが、少しずつ完璧性に欠けている気が……。そこさえ押さえれば、物凄い作品になりそう。(個人的に「夜想」が一番クオリティが高いと思う)
殺人症候群 (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人症候群 (双葉文庫)より
4575510149
No.45
(4pt)

復讐したいと思う瞬間。

復讐したいと思う瞬間は誰にでもあるはず。

手を染めるのならば、
走り続けなければならない。

自らの行動に疑念を抱いた瞬間から崩壊は始まる。
殺人症候群 <新装版> (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人症候群 <新装版> (双葉文庫)より
4575517399
No.44
(4pt)

復讐したいと思う瞬間。

復讐したいと思う瞬間は誰にでもあるはず。
手を染めるのならば、
走り続けなければならない。
自らの行動に疑念を抱いた瞬間から崩壊は始まる。
殺人症候群 Amazon書評・レビュー: 殺人症候群より
4575234311
No.43
(4pt)

復讐したいと思う瞬間。

復讐したいと思う瞬間は誰にでもあるはず。
手を染めるのならば、
走り続けなければならない。
自らの行動に疑念を抱いた瞬間から崩壊は始まる。
殺人症候群 (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人症候群 (双葉文庫)より
4575510149
No.42
(5pt)

三作を順に読んでこそ

『症候群』シリーズ三作を続けて読みました。
解説にあるように、「一作目からキッチリと読む方が絶対に楽しめ」る作品だと思います。
それぞれのキャラクターに愛着が湧いてから読んでいたので、一気にストーリーに入れました。
一、二作目からは想像出来なかった倉持の過去が、こんな形で関わってこようとは…。
「少年審判や精神鑑定の是非を問う」ような作品は色々ありますが、この作品は考えさせられるというより、純粋なエンターテイメント作品として楽しめました。
貫井作品は他にいくつか読んでいますが、個人的には『慟哭』と同じくらい好きな作品です。
殺人症候群 <新装版> (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人症候群 <新装版> (双葉文庫)より
4575517399
No.41
(5pt)

三作を順に読んでこそ

『症候群』シリーズ三作を続けて読みました。 解説にあるように、「一作目からキッチリと読む方が絶対に楽しめ」る作品だと思います。 それぞれのキャラクターに愛着が湧いてから読んでいたので、一気にストーリーに入れました。 一、二作目からは想像出来なかった倉持の過去が、こんな形で関わってこようとは…。 「少年審判や精神鑑定の是非を問う」ような作品は色々ありますが、この作品は考えさせられるというより、純粋なエンターテイメント作品として楽しめました。 貫井作品は他にいくつか読んでいますが、個人的には『慟哭』と同じくらい好きな作品です。
殺人症候群 Amazon書評・レビュー: 殺人症候群より
4575234311
No.40
(5pt)

三作を順に読んでこそ

『症候群』シリーズ三作を続けて読みました。 解説にあるように、「一作目からキッチリと読む方が絶対に楽しめ」る作品だと思います。 それぞれのキャラクターに愛着が湧いてから読んでいたので、一気にストーリーに入れました。 一、二作目からは想像出来なかった倉持の過去が、こんな形で関わってこようとは…。 「少年審判や精神鑑定の是非を問う」ような作品は色々ありますが、この作品は考えさせられるというより、純粋なエンターテイメント作品として楽しめました。 貫井作品は他にいくつか読んでいますが、個人的には『慟哭』と同じくらい好きな作品です。
殺人症候群 (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人症候群 (双葉文庫)より
4575510149
No.39
(5pt)

復讐とは

未成年犯罪の被害者、重い心臓病の息子を抱える看護婦、警察の裏チーム。複雑に絡みあうストーリーも短い章に分割されて読み易い構成となっており、引き込まれてページを繰りました。
普段幸せに暮らす平凡な人々を襲う突然の不幸に対してどう向き合うのか。テーマとしては非常に重いが、深く考えさせられる。
殺人請負人となった被害者の響子とその響子を支える渉との関係でもやはり温度差があり、最後には不幸を招くのだが、やはり実体験を伴わない限り、その深い悲しみを理解することは到底出来ないのだろう。
ただもし不幸にも自分の愛するものが傷つけられたら、間違いなく復讐もありと考えてしまう。
殺人症候群 <新装版> (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人症候群 <新装版> (双葉文庫)より
4575517399
No.38
(5pt)

復讐とは

未成年犯罪の被害者、重い心臓病の息子を抱える看護婦、警察の裏チーム。複雑に絡みあうストーリーも短い章に分割されて読み易い構成となっており、引き込まれてページを繰りました。
普段幸せに暮らす平凡な人々を襲う突然の不幸に対してどう向き合うのか。テーマとしては非常に重いが、深く考えさせられる。
殺人請負人となった被害者の響子とその響子を支える渉との関係でもやはり温度差があり、最後には不幸を招くのだが、やはり実体験を伴わない限り、その深い悲しみを理解することは到底出来ないのだろう。
ただもし不幸にも自分の愛するものが傷つけられたら、間違いなく復讐もありと考えてしまう。
殺人症候群 Amazon書評・レビュー: 殺人症候群より
4575234311
No.37
(5pt)

復讐とは

未成年犯罪の被害者、重い心臓病の息子を抱える看護婦、警察の裏チーム。複雑に絡みあうストーリーも短い章に分割されて読み易い構成となっており、引き込まれてページを繰りました。
普段幸せに暮らす平凡な人々を襲う突然の不幸に対してどう向き合うのか。テーマとしては非常に重いが、深く考えさせられる。
殺人請負人となった被害者の響子とその響子を支える渉との関係でもやはり温度差があり、最後には不幸を招くのだが、やはり実体験を伴わない限り、その深い悲しみを理解することは到底出来ないのだろう。
ただもし不幸にも自分の愛するものが傷つけられたら、間違いなく復讐もありと考えてしまう。
殺人症候群 (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人症候群 (双葉文庫)より
4575510149
No.36
(5pt)

重くて、辛くて、切ない痛み

「症候群三部作の完結編! きっと今回は倉持の過去が・・・いや、今回かなりぶ厚い本だから環の過去も書かれていたりして。
わくわく〜〜〜」
・・・・・・なんて読み始めたら、いきなり書かれていたのはショッキングな犯罪とそれに引き裂かれる被害者の家族の悲惨な姿。
最後は巨大な悪の組織が相手かと思ったら、法律で無罪になる犯罪と臓器移植がテーマとは・・・。
「まずい、このまま進んだら、絶対前ニ作のように“犯人を捕まえてハッピーエンド”でなんて終わるはず無い」
と、思いつつ、読むのを止められませんでした。だんだん胃が重くなって、痛くなって・・・・。
そして、「読まなきゃよかった!!」と思いつつ読了してしまいました。
読まなければ、あのチームはいつまでも不協和音を奏でつつ一緒に事件を追いかけている存在として覚えていられたのに・・・・。

残されたのは、きっと現実にたくさんいるであろう罪にならない犯罪の被害者とその家族たちの心の痛み。
いや、そんな事言ったら『おまえにゃ、わからないよ』と言われるんだろうな。

「復讐は正義か」なんて、結論なんて誰にも出せない。ただ、復讐を夢見ないと生きることができない人間の弱さが、切ない。
殺人症候群 <新装版> (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人症候群 <新装版> (双葉文庫)より
4575517399
No.35
(5pt)

重くて、辛くて、切ない痛み

「症候群三部作の完結編! きっと今回は倉持の過去が・・・いや、今回かなりぶ厚い本だから環の過去も書かれていたりして。
わくわく〜〜〜」
・・・・・・なんて読み始めたら、いきなり書かれていたのはショッキングな犯罪とそれに引き裂かれる被害者の家族の悲惨な姿。
最後は巨大な悪の組織が相手かと思ったら、法律で無罪になる犯罪と臓器移植がテーマとは・・・。
「まずい、このまま進んだら、絶対前ニ作のように“犯人を捕まえてハッピーエンド”でなんて終わるはず無い」
と、思いつつ、読むのを止められませんでした。だんだん胃が重くなって、痛くなって・・・・。
そして、「読まなきゃよかった!!」と思いつつ読了してしまいました。
読まなければ、あのチームはいつまでも不協和音を奏でつつ一緒に事件を追いかけている存在として覚えていられたのに・・・・。
残されたのは、きっと現実にたくさんいるであろう罪にならない犯罪の被害者とその家族たちの心の痛み。
いや、そんな事言ったら『おまえにゃ、わからないよ』と言われるんだろうな。
「復讐は正義か」なんて、結論なんて誰にも出せない。ただ、復讐を夢見ないと生きることができない人間の弱さが、切ない。
殺人症候群 Amazon書評・レビュー: 殺人症候群より
4575234311