殺人症候群

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殺人症候群の評価:

3.79/5点 レビュー 82件。 A ランク

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平均点3.79pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全144件 41〜60 3/8ページ
No.104
(4pt)

良かった

やっぱり貫井さんの本は読みごたえがあります。
読後感は重いけれど、やはり構想とかうまいなぁと唸ります。
最近トリックだけのミステリーで空振り続きだったので久々に満足できました。
殺人症候群 <新装版> (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人症候群 <新装版> (双葉文庫)より
4575517399
No.103
(4pt)

良かった

やっぱり貫井さんの本は読みごたえがあります。
読後感は重いけれど、やはり構想とかうまいなぁと唸ります。
最近トリックだけのミステリーで空振り続きだったので久々に満足できました。
殺人症候群 (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人症候群 (双葉文庫)より
4575510149
No.102
(4pt)

良かった

やっぱり貫井さんの本は読みごたえがあります。
読後感は重いけれど、やはり構想とかうまいなぁと唸ります。
最近トリックだけのミステリーで空振り続きだったので久々に満足できました。
殺人症候群 Amazon書評・レビュー: 殺人症候群より
4575234311
No.101
(5pt)

必殺。

「失踪症候群」「誘拐症候群」に続く三部作完結編。これは、警察に設けられたスパイ大作戦的チームを主人公メンバーにしたような連作なのだけど、前2作は、駄作ではないし面白いのだけど、特筆すべき感銘も驚きも正直に言って私にはなかった。
けれど、この完結編は、前評判の「スパイ大作戦対必殺仕事人」「ハングマン対必殺」とかいう、あまりにもネタ的なものとは裏腹に、非常に面白かった。いや、紛れもなくスパイ大作戦対必殺仕事人だったのだけど(笑)、この作者の貫井徳郎がちゃんと本当に必殺者だった点が、この作品を必殺まがい物ではなく、しっかり「作品」として成立させていたんだろうと思う。
一般ミステリファン(こんな言い方があるかどうかは知らぬ)にも、この作品は貫井徳郎作品としては割とメジャーで(TT)、『金で恨みを晴らす、まるで必殺仕事人みたいだけど、実はすごく重いテーマのミステリ』というふうに、必殺が実はすごく重いテーマとして観られるテレビ番組だ(だった)と思ってもらえてないと解る好評ぶりで(T.T)(T.T)。
まあ、その辺の、前期必殺者としての愚痴はさておき、ミステリとして見たときも、さすがは貫井徳郎という仕掛けが施されていて、充分に堪能いたしました。
時々、後期必殺で散見された「名セリフ」がわざとらしく模写されているのはご愛敬。特に前2作を読んでいなくても、これだけで楽しめるとは思う。
恨み、復讐、人が人を殺す、そういったことへの徹底した物語としては、この「殺人症候群」以上のものを今のところ知らない。刊行後、年に一度「殺人症候群」は読み返しているが、読み返せば読み返すほど、この小説の凄み、重み、悲しみをより一層感じさせられる。
もう勘弁してくれ、というところもあるくらいだ。
ミステリとしての部分について追加するなら、もっとも「騙し」のテクニックが発揮された或る人物の「正体」については、物凄く今さらながら、実は意外でもなんでもないはずだったのだと気付いた。なぜって、中村○水は仕○人に決まっていたのだから。。。
3年目になってやっと「あー」と思ったんだから、バカみたいだね(笑)。

「必殺」と絡めても書いておこう。
「必殺仕事人」もIIIの中盤辺りからは一気に「あっけらかん」化に加速がかかり、もうナンも考えずにバラエティを見るように観ていられた。
「必殺仕置人」が「悪の上前をはねる極悪」と山崎努らが自分たちを規定して始まりながら、「なんだかまともな人間になった気がする」などと気持ち良く思ってしまった直後崩壊し、続く「暗闇仕留人」では石坂浩二が難病の妻のために中村主水のスカウトにのって仕置人になりながら、途中それがために逆に妻を失い、最後には「俺たちのやってきたことで少しでも世の中良くなったか?」などと考え始めてしまい、「俺たちにやられた奴にだって家族や好きなやつがいたかもしれないんだ」と思いながら逆に殺されていく……そんなことを繰り返しながら、シリーズが重なるごとにテーマが重層的に増えていった……たぶんそれがいきなり限界になって、「新必殺仕事人」あたりからポキッと折れてバラエティ化してしまったのだと思うのですが。
このようなテーマの流れを、「殺人症候群」のストーリー、プロットと比べ合わせると、「あー」と感じられるものがあるかと(笑)
ちなみに、倉持が接触してきたとき、仕置屋の女性が「お金を貰わなければただの人殺しよ」と言って「なんだそりゃ、金を貰えばただの人殺しじゃなくなるのか、どういう理屈だ」と倉持に笑われていますが、この「金を貰わなければただの人殺しだ」というのが、やはり新必殺仕事人から出てきた三味線屋勇次の得意なセリフなわけです(笑)。
倉持のキャラクターは、例えば山崎努の演じた初代仕置人の「念仏の鉄」などに微かに近い部分があるので、このシーンは、後期仕事人の変に正義の味方ぶった言動に対する、初期仕置人からの揶揄のような感じはします。
殺人症候群 <新装版> (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人症候群 <新装版> (双葉文庫)より
4575517399
No.100
(5pt)

必殺。

「失踪症候群」「誘拐症候群」に続く三部作完結編。これは、警察に設けられたスパイ大作戦的チームを主人公メンバーにしたような連作なのだけど、前2作は、駄作ではないし面白いのだけど、特筆すべき感銘も驚きも正直に言って私にはなかった。
けれど、この完結編は、前評判の「スパイ大作戦対必殺仕事人」「ハングマン対必殺」とかいう、あまりにもネタ的なものとは裏腹に、非常に面白かった。いや、紛れもなくスパイ大作戦対必殺仕事人だったのだけど(笑)、この作者の貫井徳郎がちゃんと本当に必殺者だった点が、この作品を必殺まがい物ではなく、しっかり「作品」として成立させていたんだろうと思う。
一般ミステリファン(こんな言い方があるかどうかは知らぬ)にも、この作品は貫井徳郎作品としては割とメジャーで(TT)、『金で恨みを晴らす、まるで必殺仕事人みたいだけど、実はすごく重いテーマのミステリ』というふうに、必殺が実はすごく重いテーマとして観られるテレビ番組だ(だった)と思ってもらえてないと解る好評ぶりで(T.T)(T.T)。
まあ、その辺の、前期必殺者としての愚痴はさておき、ミステリとして見たときも、さすがは貫井徳郎という仕掛けが施されていて、充分に堪能いたしました。
時々、後期必殺で散見された「名セリフ」がわざとらしく模写されているのはご愛敬。特に前2作を読んでいなくても、これだけで楽しめるとは思う。
恨み、復讐、人が人を殺す、そういったことへの徹底した物語としては、この「殺人症候群」以上のものを今のところ知らない。刊行後、年に一度「殺人症候群」は読み返しているが、読み返せば読み返すほど、この小説の凄み、重み、悲しみをより一層感じさせられる。
もう勘弁してくれ、というところもあるくらいだ。
ミステリとしての部分について追加するなら、もっとも「騙し」のテクニックが発揮された或る人物の「正体」については、物凄く今さらながら、実は意外でもなんでもないはずだったのだと気付いた。なぜって、中村○水は仕○人に決まっていたのだから。。。
3年目になってやっと「あー」と思ったんだから、バカみたいだね(笑)。

「必殺」と絡めても書いておこう。
「必殺仕事人」もIIIの中盤辺りからは一気に「あっけらかん」化に加速がかかり、もうナンも考えずにバラエティを見るように観ていられた。
「必殺仕置人」が「悪の上前をはねる極悪」と山崎努らが自分たちを規定して始まりながら、「なんだかまともな人間になった気がする」などと気持ち良く思ってしまった直後崩壊し、続く「暗闇仕留人」では石坂浩二が難病の妻のために中村主水のスカウトにのって仕置人になりながら、途中それがために逆に妻を失い、最後には「俺たちのやってきたことで少しでも世の中良くなったか?」などと考え始めてしまい、「俺たちにやられた奴にだって家族や好きなやつがいたかもしれないんだ」と思いながら逆に殺されていく……そんなことを繰り返しながら、シリーズが重なるごとにテーマが重層的に増えていった……たぶんそれがいきなり限界になって、「新必殺仕事人」あたりからポキッと折れてバラエティ化してしまったのだと思うのですが。
このようなテーマの流れを、「殺人症候群」のストーリー、プロットと比べ合わせると、「あー」と感じられるものがあるかと(笑)
ちなみに、倉持が接触してきたとき、仕置屋の女性が「お金を貰わなければただの人殺しよ」と言って「なんだそりゃ、金を貰えばただの人殺しじゃなくなるのか、どういう理屈だ」と倉持に笑われていますが、この「金を貰わなければただの人殺しだ」というのが、やはり新必殺仕事人から出てきた三味線屋勇次の得意なセリフなわけです(笑)。
倉持のキャラクターは、例えば山崎努の演じた初代仕置人の「念仏の鉄」などに微かに近い部分があるので、このシーンは、後期仕事人の変に正義の味方ぶった言動に対する、初期仕置人からの揶揄のような感じはします。
殺人症候群 Amazon書評・レビュー: 殺人症候群より
4575234311
No.99
(5pt)

必殺。

「失踪症候群」「誘拐症候群」に続く三部作完結編。これは、警察に設けられたスパイ大作戦的チームを主人公メンバーにしたような連作なのだけど、前2作は、駄作ではないし面白いのだけど、特筆すべき感銘も驚きも正直に言って私にはなかった。
けれど、この完結編は、前評判の「スパイ大作戦対必殺仕事人」「ハングマン対必殺」とかいう、あまりにもネタ的なものとは裏腹に、非常に面白かった。いや、紛れもなくスパイ大作戦対必殺仕事人だったのだけど(笑)、この作者の貫井徳郎がちゃんと本当に必殺者だった点が、この作品を必殺まがい物ではなく、しっかり「作品」として成立させていたんだろうと思う。
一般ミステリファン(こんな言い方があるかどうかは知らぬ)にも、この作品は貫井徳郎作品としては割とメジャーで(TT)、『金で恨みを晴らす、まるで必殺仕事人みたいだけど、実はすごく重いテーマのミステリ』というふうに、必殺が実はすごく重いテーマとして観られるテレビ番組だ(だった)と思ってもらえてないと解る好評ぶりで(T.T)(T.T)。
まあ、その辺の、前期必殺者としての愚痴はさておき、ミステリとして見たときも、さすがは貫井徳郎という仕掛けが施されていて、充分に堪能いたしました。
時々、後期必殺で散見された「名セリフ」がわざとらしく模写されているのはご愛敬。特に前2作を読んでいなくても、これだけで楽しめるとは思う。
恨み、復讐、人が人を殺す、そういったことへの徹底した物語としては、この「殺人症候群」以上のものを今のところ知らない。刊行後、年に一度「殺人症候群」は読み返しているが、読み返せば読み返すほど、この小説の凄み、重み、悲しみをより一層感じさせられる。
もう勘弁してくれ、というところもあるくらいだ。
ミステリとしての部分について追加するなら、もっとも「騙し」のテクニックが発揮された或る人物の「正体」については、物凄く今さらながら、実は意外でもなんでもないはずだったのだと気付いた。なぜって、中村○水は仕○人に決まっていたのだから。。。
3年目になってやっと「あー」と思ったんだから、バカみたいだね(笑)。

「必殺」と絡めても書いておこう。
「必殺仕事人」もIIIの中盤辺りからは一気に「あっけらかん」化に加速がかかり、もうナンも考えずにバラエティを見るように観ていられた。
「必殺仕置人」が「悪の上前をはねる極悪」と山崎努らが自分たちを規定して始まりながら、「なんだかまともな人間になった気がする」などと気持ち良く思ってしまった直後崩壊し、続く「暗闇仕留人」では石坂浩二が難病の妻のために中村主水のスカウトにのって仕置人になりながら、途中それがために逆に妻を失い、最後には「俺たちのやってきたことで少しでも世の中良くなったか?」などと考え始めてしまい、「俺たちにやられた奴にだって家族や好きなやつがいたかもしれないんだ」と思いながら逆に殺されていく……そんなことを繰り返しながら、シリーズが重なるごとにテーマが重層的に増えていった……たぶんそれがいきなり限界になって、「新必殺仕事人」あたりからポキッと折れてバラエティ化してしまったのだと思うのですが。
このようなテーマの流れを、「殺人症候群」のストーリー、プロットと比べ合わせると、「あー」と感じられるものがあるかと(笑)
ちなみに、倉持が接触してきたとき、仕置屋の女性が「お金を貰わなければただの人殺しよ」と言って「なんだそりゃ、金を貰えばただの人殺しじゃなくなるのか、どういう理屈だ」と倉持に笑われていますが、この「金を貰わなければただの人殺しだ」というのが、やはり新必殺仕事人から出てきた三味線屋勇次の得意なセリフなわけです(笑)。
倉持のキャラクターは、例えば山崎努の演じた初代仕置人の「念仏の鉄」などに微かに近い部分があるので、このシーンは、後期仕事人の変に正義の味方ぶった言動に対する、初期仕置人からの揶揄のような感じはします。
殺人症候群 (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人症候群 (双葉文庫)より
4575510149
No.98
(2pt)

くそつまんね

この人の作品に共通する事だが、トリックに走り過ぎて、キャラが立ってないし無理矢理感が半端なくて感情移入出来ない。
あと東京23区外の人と早慶大以下の人を馬鹿にしてる感が否めなくてムカついた
殺人症候群 <新装版> (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人症候群 <新装版> (双葉文庫)より
4575517399
No.97
(2pt)

くそつまんね

この人の作品に共通する事だが、トリックに走り過ぎて、キャラが立ってないし無理矢理感が半端なくて感情移入出来ない。
あと東京23区外の人と早慶大以下の人を馬鹿にしてる感が否めなくてムカついた
殺人症候群 (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人症候群 (双葉文庫)より
4575510149
No.96
(2pt)

くそつまんね

この人の作品に共通する事だが、トリックに走り過ぎて、キャラが立ってないし無理矢理感が半端なくて感情移入出来ない。
あと東京23区外の人と早慶大以下の人を馬鹿にしてる感が否めなくてムカついた
殺人症候群 Amazon書評・レビュー: 殺人症候群より
4575234311
No.95
(3pt)

不満は多い

シリーズ第三作
現代社会のタブーに触れるようなテーマや行動が多く、思想的な部分で
興味深くはあるものの、とにかく倉持と環の行動や存在があまりに酷い

思わせぶりな行動を繰り返し、何の意外性もない終着点にたどり着く倉持
これだけ多くの登場人物に光を当てておきながら、冷静ぐらいなキャラ付けしか
されておらず、バックボーンすら語られずに終わる環

シリーズ最終作っぽいのに終わり方が投げやりなのも、かなりマイナス
読めない作品では決してないが、全てに満足がいく作品ではないことを
読む人は覚悟したほうがいいだろう
殺人症候群 <新装版> (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人症候群 <新装版> (双葉文庫)より
4575517399
No.94
(3pt)

不満は多い

シリーズ第三作
現代社会のタブーに触れるようなテーマや行動が多く、思想的な部分で
興味深くはあるものの、とにかく倉持と環の行動や存在があまりに酷い

思わせぶりな行動を繰り返し、何の意外性もない終着点にたどり着く倉持
これだけ多くの登場人物に光を当てておきながら、冷静ぐらいなキャラ付けしか
されておらず、バックボーンすら語られずに終わる環

シリーズ最終作っぽいのに終わり方が投げやりなのも、かなりマイナス
読めない作品では決してないが、全てに満足がいく作品ではないことを
読む人は覚悟したほうがいいだろう
殺人症候群 (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人症候群 (双葉文庫)より
4575510149
No.93
(3pt)

不満は多い

シリーズ第三作
現代社会のタブーに触れるようなテーマや行動が多く、思想的な部分で
興味深くはあるものの、とにかく倉持と環の行動や存在があまりに酷い

思わせぶりな行動を繰り返し、何の意外性もない終着点にたどり着く倉持
これだけ多くの登場人物に光を当てておきながら、冷静ぐらいなキャラ付けしか
されておらず、バックボーンすら語られずに終わる環

シリーズ最終作っぽいのに終わり方が投げやりなのも、かなりマイナス
読めない作品では決してないが、全てに満足がいく作品ではないことを
読む人は覚悟したほうがいいだろう
殺人症候群 Amazon書評・レビュー: 殺人症候群より
4575234311
No.92
(5pt)

岡嶋二人の眠れぬ2部作に捧げた症候群完結編

貫井氏が大ファンだという岡嶋二人の後期の裏ベストとも評される「眠れぬ夜の殺人」、「眠れぬ夜の報復」と発表された警視庁0課2部作の斬新な設定を貫井氏流に味付けした作品である。
この症候群シリーズの一つの事件をもう一つの裏の警察組織が検証し、非合法な決着を付けるというアイデア自体は岡嶋二人からの流用ではあるが、そこは貫井氏のことなので、非常に重いテーマを扱ったダークな作風になっている。
最終作の本作では未成年や精神障害者の殺人をテーマに被害者の依頼でそれらを抹殺する謎の男の正体と背景を警察の裏組織のメンバーが追うというもので、一応謎の男は誰?という要素はあるもののいわゆる本格ミステリー要素は殆どない作品。
陰惨かつ重いテーマを扱っているのは最近の重厚文学路線の作品と同趣向だが、裏組織からの客観的視点があるため、ギリギリのところでエンターティメント小説の体裁は保っている。
大作だが、次々と殺人事件が発生し、展開がスピーディーなため一気に読ませる。
貫井氏の非本格ミステリーの初期の代表作と言えるだろう。
殺人症候群 <新装版> (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人症候群 <新装版> (双葉文庫)より
4575517399
No.91
(5pt)

岡嶋二人の眠れぬ2部作に捧げた症候群完結編

貫井氏が大ファンだという岡嶋二人の後期の裏ベストとも評される「眠れぬ夜の殺人」、「眠れぬ夜の報復」と発表された警視庁0課2部作の斬新な設定を貫井氏流に味付けした作品である。
この症候群シリーズの一つの事件をもう一つの裏の警察組織が検証し、非合法な決着を付けるというアイデア自体は岡嶋二人からの流用ではあるが、そこは貫井氏のことなので、非常に重いテーマを扱ったダークな作風になっている。
最終作の本作では未成年や精神障害者の殺人をテーマに被害者の依頼でそれらを抹殺する謎の男の正体と背景を警察の裏組織のメンバーが追うというもので、一応謎の男は誰?という要素はあるもののいわゆる本格ミステリー要素は殆どない作品。
陰惨かつ重いテーマを扱っているのは最近の重厚文学路線の作品と同趣向だが、裏組織からの客観的視点があるため、ギリギリのところでエンターティメント小説の体裁は保っている。
大作だが、次々と殺人事件が発生し、展開がスピーディーなため一気に読ませる。
貫井氏の非本格ミステリーの初期の代表作と言えるだろう。
殺人症候群 (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人症候群 (双葉文庫)より
4575510149
No.90
(5pt)

岡嶋二人の眠れぬ2部作に捧げた症候群完結編

貫井氏が大ファンだという岡嶋二人の後期の裏ベストとも評される「眠れぬ夜の殺人」、「眠れぬ夜の報復」と発表された警視庁0課2部作の斬新な設定を貫井氏流に味付けした作品である。
この症候群シリーズの一つの事件をもう一つの裏の警察組織が検証し、非合法な決着を付けるというアイデア自体は岡嶋二人からの流用ではあるが、そこは貫井氏のことなので、非常に重いテーマを扱ったダークな作風になっている。
最終作の本作では未成年や精神障害者の殺人をテーマに被害者の依頼でそれらを抹殺する謎の男の正体と背景を警察の裏組織のメンバーが追うというもので、一応謎の男は誰?という要素はあるもののいわゆる本格ミステリー要素は殆どない作品。
陰惨かつ重いテーマを扱っているのは最近の重厚文学路線の作品と同趣向だが、裏組織からの客観的視点があるため、ギリギリのところでエンターティメント小説の体裁は保っている。
大作だが、次々と殺人事件が発生し、展開がスピーディーなため一気に読ませる。
貫井氏の非本格ミステリーの初期の代表作と言えるだろう。
殺人症候群 Amazon書評・レビュー: 殺人症候群より
4575234311
No.89
(5pt)

法のあるべき姿とは?

本作は、三部作の最終作であり、エンターテイメントとして、またミステリーとしてもそれなりに読み応えがある。
しかし、本作はいわゆる復讐をテーマとした小説であり、自分は完全に社会派小説として読んでしまった。
同じ題材のものとしては東野圭吾の「さまよう刃」等があげられる。
本作は法律に対する完全なる挑戦といえるだろう。

作中には「職業殺人者」が登場する。
当然に否定されるべき存在だが、完全に否定しきれるだけの人生経験が自分にはなく、読了後は自分が
いかに幸せな環境にいたのか思い知らされた。
しかし、そんな自分のような人間でも考え続けねばならない問題である。
現実に凄惨な殺人事件は後を絶たず、確実に本作で描かれたような被害者遺族は存在するからである。

この本の中では、前作まで仲間であった倉持がチームを離脱することで、この「復讐」という行為に
説得力をもたせるうまさがある。
そして、読んでいくごとに「正義」と「悪」の境目は少しずつ曖昧になってくる。
勧善懲悪など存在しない。
判断するのはあくまで読者である私たちである。

個人的には、この手の小説の中では間違いなくトップクラスだと思う。
現在の刑法・少年法のあり方について考えたい人にとっては読んで損はないと思う小説である。
殺人症候群 <新装版> (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人症候群 <新装版> (双葉文庫)より
4575517399
No.88
(5pt)

法のあるべき姿とは?

本作は、三部作の最終作であり、エンターテイメントとして、またミステリーとしてもそれなりに読み応えがある。
しかし、本作はいわゆる復讐をテーマとした小説であり、自分は完全に社会派小説として読んでしまった。
同じ題材のものとしては東野圭吾の「さまよう刃」等があげられる。
本作は法律に対する完全なる挑戦といえるだろう。

作中には「職業殺人者」が登場する。
当然に否定されるべき存在だが、完全に否定しきれるだけの人生経験が自分にはなく、読了後は自分が
いかに幸せな環境にいたのか思い知らされた。
しかし、そんな自分のような人間でも考え続けねばならない問題である。
現実に凄惨な殺人事件は後を絶たず、確実に本作で描かれたような被害者遺族は存在するからである。

この本の中では、前作まで仲間であった倉持がチームを離脱することで、この「復讐」という行為に
説得力をもたせるうまさがある。
そして、読んでいくごとに「正義」と「悪」の境目は少しずつ曖昧になってくる。
勧善懲悪など存在しない。
判断するのはあくまで読者である私たちである。

個人的には、この手の小説の中では間違いなくトップクラスだと思う。
現在の刑法・少年法のあり方について考えたい人にとっては読んで損はないと思う小説である。
殺人症候群 (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人症候群 (双葉文庫)より
4575510149
No.87
(5pt)

法のあるべき姿とは?

本作は、三部作の最終作であり、エンターテイメントとして、またミステリーとしてもそれなりに読み応えがある。
しかし、本作はいわゆる復讐をテーマとした小説であり、自分は完全に社会派小説として読んでしまった。
同じ題材のものとしては東野圭吾の「さまよう刃」等があげられる。
本作は法律に対する完全なる挑戦といえるだろう。

作中には「職業殺人者」が登場する。
当然に否定されるべき存在だが、完全に否定しきれるだけの人生経験が自分にはなく、読了後は自分が
いかに幸せな環境にいたのか思い知らされた。
しかし、そんな自分のような人間でも考え続けねばならない問題である。
現実に凄惨な殺人事件は後を絶たず、確実に本作で描かれたような被害者遺族は存在するからである。

この本の中では、前作まで仲間であった倉持がチームを離脱することで、この「復讐」という行為に
説得力をもたせるうまさがある。
そして、読んでいくごとに「正義」と「悪」の境目は少しずつ曖昧になってくる。
勧善懲悪など存在しない。
判断するのはあくまで読者である私たちである。

個人的には、この手の小説の中では間違いなくトップクラスだと思う。
現在の刑法・少年法のあり方について考えたい人にとっては読んで損はないと思う小説である。
殺人症候群 Amazon書評・レビュー: 殺人症候群より
4575234311
No.86
(4pt)

早すぎた最終回

さまざまな倫理観が林立し、それぞれが脂っこく自己主張するので、読んでいてかなり不安定な気分になる。作者の禅問答かと思う倫理観の格闘の末、「これが正しい」という結論は放擲されたまま物語は終わる。強いて言えば「人を殺せば、業を背負う」という、根本的な原理だけが残る。

主軸となる環チームは、これまで法を犯してでも犯人を吊し上げてきたから、法の裁きでは救われない被害者に代わって加害者に「私刑」を下す仕事人とは似た立ち位置である。にもかかわらず環チームは仕事人を犯罪者として追う。原田がこの矛盾を述懐しているが、環自身の倫理観は最後まで述べられておらず、印象としてはエピローグ同様ごまかされた感じで、このシリーズでこのテーマを採り上げたのは無理があったのではないかとも感じてしまう。

しかし矛盾を抱えたまま動く話は嫌いではない。「ノンマルトの使者」のウルトラセブンように、自分の立脚点がわからない矛盾に突き落とされながら行動することも、それはそれで物語のエッセンスとなるからだ。

それに倉持の悲惨な過去を描き、環チームから離脱させ、途中まで単独行動か敵対かわからない存在にしたことで、構図は非常に面白くなった。

ただ仕事人の正体については奇を衒いすぎかとも思う。能力や知識については整合性があるかもしれないが、表(仕事)と裏(殺人)を破綻なく並行させる精神構造は有り得ない気がする。分の悪い推論から余分な仕事を抱え込むことは、裏の仕事や響子を守ることに対して負担にしかならないはずである。

あと、この人の暴力シーンはいつも読むのが嫌になるのだが、その理由は弱者を一方的に嬲るケースばかりだからかもしれない。暴力を受ける側は、いつも絶望的な状況である。

最後に、この作品はシリーズ3部作の第3弾、つまり最終エピソードであるが、環、原田、武藤、倉持、4人のチームのエピソードがもっと積み重ねられていたなら、さらに味わい深くなっていたのにと思う。第1弾「失踪」は原田、第2弾「誘拐」は武藤を中心に描かれたが、倉持がメインになるこの作品でいきなり離脱、そしてチーム崩壊というのはちと急すぎる。「崩壊」は積み重ねたものが多いほど感慨深く感じるものである。その意味でこの作品・この結末は早すぎた最終回で、少しもったいない気がした。
殺人症候群 <新装版> (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人症候群 <新装版> (双葉文庫)より
4575517399
No.85
(4pt)

早すぎた最終回

さまざまな倫理観が林立し、それぞれが脂っこく自己主張するので、読んでいてかなり不安定な気分になる。作者の禅問答かと思う倫理観の格闘の末、「これが正しい」という結論は放擲されたまま物語は終わる。強いて言えば「人を殺せば、業を背負う」という、根本的な原理だけが残る。

主軸となる環チームは、これまで法を犯してでも犯人を吊し上げてきたから、法の裁きでは救われない被害者に代わって加害者に「私刑」を下す仕事人とは似た立ち位置である。にもかかわらず環チームは仕事人を犯罪者として追う。原田がこの矛盾を述懐しているが、環自身の倫理観は最後まで述べられておらず、印象としてはエピローグ同様ごまかされた感じで、このシリーズでこのテーマを採り上げたのは無理があったのではないかとも感じてしまう。

しかし矛盾を抱えたまま動く話は嫌いではない。「ノンマルトの使者」のウルトラセブンように、自分の立脚点がわからない矛盾に突き落とされながら行動することも、それはそれで物語のエッセンスとなるからだ。

それに倉持の悲惨な過去を描き、環チームから離脱させ、途中まで単独行動か敵対かわからない存在にしたことで、構図は非常に面白くなった。

ただ仕事人の正体については奇を衒いすぎかとも思う。能力や知識については整合性があるかもしれないが、表(仕事)と裏(殺人)を破綻なく並行させる精神構造は有り得ない気がする。分の悪い推論から余分な仕事を抱え込むことは、裏の仕事や響子を守ることに対して負担にしかならないはずである。

あと、この人の暴力シーンはいつも読むのが嫌になるのだが、その理由は弱者を一方的に嬲るケースばかりだからかもしれない。暴力を受ける側は、いつも絶望的な状況である。

最後に、この作品はシリーズ3部作の第3弾、つまり最終エピソードであるが、環、原田、武藤、倉持、4人のチームのエピソードがもっと積み重ねられていたなら、さらに味わい深くなっていたのにと思う。第1弾「失踪」は原田、第2弾「誘拐」は武藤を中心に描かれたが、倉持がメインになるこの作品でいきなり離脱、そしてチーム崩壊というのはちと急すぎる。「崩壊」は積み重ねたものが多いほど感慨深く感じるものである。その意味でこの作品・この結末は早すぎた最終回で、少しもったいない気がした。
殺人症候群 (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: 殺人症候群 (双葉文庫)より
4575510149