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絆
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絆の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.39pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全18件 1~18 1/1ページ
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⚫︎ 著者の得意とする裁判ミステリーの一作。優しく元気だが軽い精神障害を持つ子供を、両親・姉・弟が愛情を持って育てる中で、その子がいなくなる事件が発生する。 ⚫︎ 語り手は新聞記者。子供の頃、その家族の家の近くに引越して行った。その時、荷物の運搬を手伝ってくれた見ず知らずの元気な子供がその子だった。女子高生の美しい姉さんに憧れると共に、元気で優しい弟と仲良くなるのだが、ある時、彼は姿を消してしまう。 ⚫︎ それから20年以上も後のこと。その姉が結婚した夫の殺人犯として捕らえられ自白した事件の裁判から話は始まる。記者は昔の初恋の片思いの相手の女性が被告となった裁判を、偶然、司法記者として傍聴することになったのだ。 ⚫︎ 記者は結婚後、長く子供に恵まれなかったが、第一回公判の日に妻から懐妊の喜びの電話を受ける。自分の妻と生れて来るべき子供のことが、裁判の進展と共に述べられる。やがて、友人の産科医から妻の風疹罹患による障害の可能性を告げられ、選択肢と助言を受ける。妻は、年齢からもこの機を逃すと難しい、何としても子供をと主張する。一方、記者は生後のことを案じている。 ⚫︎ 著者のミステリーだから、裁判は驚きの転回を見せて結審に至る。 ⚫︎ 結審の後の被告と家族の様子を見て、社会はもちろん、この家族も、自分も、障害者自身の気持ちを考えることなく、自分たちの偏見のもとに動いて来たのでは、という感慨を記者は持つ。その前夜、妻は陣痛を起して入院していた。被告に一言おめでとうと言ってから、病院に行って友人の医者に一言だけ言うつもりだ、・・・ と、というのが結末。 自分にも偏見が有ったと悟ったのなら、その瞬間に裁判所から病院に向けて駆け出す、というラストの方が良さそう。 ⚫︎ 蛇足:結末の上の筆者のメモ書き。 「早く行かないと手遅れになるよ。医者の方がもっと偏見に染まっているんだから」。 | ||||
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小杉さんの裁判ものにハズレなし | ||||
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今も強く訴えかけるテーマをもった社会派ミステリーの名作です。感涙。他の作家さんたちの賞をとったりするミステリーをいくつか読んでがっかりすることも多いですが、この作品は本当に歴史に残るべき、多くの人に読んでいただきたい名作だと思った。直木賞もとってほしかった。 | ||||
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早くてきれいな状態で届きました。 | ||||
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感動の法廷ドラマであることは間違いない。ただね娘への冷淡さと警察の捜査のシャバさは合点がいかんなぁ。こんな捜査をされた日にゃ国民は堪りませんよ。 | ||||
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途中で真相の予想はつきますが、筆力で読ませます。かなり有名な作品のようで映像化しやすいのでしょう。個人的にはこの弁護士さんのその後が気になります。 | ||||
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1947年生まれ。 登場人物が同世代の人々である。 データベス社会に勤めているかたわら、書いたと思えない文章の緻密さ。 <構想力>が実にすぐれている。 「障害者」という社会の底辺に位置づけられている人をめぐって「健常者」 からのよぶんな゛気くばり゛ーそして「意識」 障害者側からの視点も明らかにしてある。 「仕事をとおして生きる喜びをあじわい、成長していくわけです。」 とても美しい女性ー「奈緒子」と精神薄弱な弟をもった悲劇。 互いに「過去の事件」を背負っているがゆえに「かばいあっている。」 | ||||
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サスペンスドラマ 原島保:渡哲也主演 真実追及が最善と考える弁護士。 水木邦夫:渡辺いっけい 弓丘奈緒子:伊藤蘭(夫を殺したと罪に服したい容疑者) 弓丘美砂子:邑野未亜 筒見仁造(市橋寛吉):村田雄浩 市橋晴彦:天宮良 原島亜樹子:松原智恵子(原島の妻) で結構、うまいTVドラマの脚本でバイオリン曲「タリーズの瞑想曲」や離婚届け書類がうまく活用されていて楽しめました。 ストーリ的には、本人が認めて証拠も符合しているのに弁護士が無理矢理に無罪にするパターンです。 必ず過去に暴かれたくない事件を見つけ出し、それを白日にさらすことで関係者の心が救われるというパターンです。 | ||||
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「泣ける本を教えて下さい」とか言うやつがいるのを見て、そういう本の探し方をするんじゃねえと思ったが、これは泣く。下町で育って美貌ゆえに玉の輿に乗った女性は、夫殺しの罪で起訴された。語り手の記者は、幼い頃同じ町内に住んでいたから、あの女性が殺人を犯したとは信じられず法廷に臨む。本来の弁護士に代わって立った原島弁護士は、彼女の過去を容赦なく暴いていく。推理作家協会賞受賞作。直木賞では、文章が荒いとかで落とされたが、こういう作品に直木賞をとってほしいんだよなあ。 | ||||
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法廷もの、裁判ものの小説をたくさん読んでいる時期に、本作品に出会いました。 一度目は、大変良く出来た作品と思いながら読み終えました。 しばらくして、再度読み直ししていたら、電車の中にも関わらず、涙が止まらなくて、困りました。 結末を知っているからこそ、登場人物の発言内容に、苦悩や深みを感じてしまったのだと思います。 裁判ものでは、最高傑作と思っています。 | ||||
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週刊文春1987年 国内4位 第41回日本推理作家協会賞受賞作 弓丘奈緒子の『夫殺し』の裁判が開始される。離婚を迫る勇一への奈緒子の計画的な犯罪。彼女の自白もあり、圧倒的に検察有利と見られていたが、弁護士の原島は、彼女の過去をひとつひとつ紐解きながら、無罪を立証していくのだった。 ・・・ 全編、裁判所内で始まり、完結する、法廷劇といったところ。奈緒子が初恋の女性だった司法記者の目をとおしてストーリーは進行する。なぜ、奈緒子は自ら進んで自白をしたのか、なぜ、原島はそれを覆し、無実を主張するのかが興味の中心となる。奈緒子の知的障害をもった弟 寛吉、それを温かく見守る家族、町の人々。彼らの過去が明らかになるに従って真相が明らかになってくる。登場人物達の悲しい愛に満ち満ちたドラマ。 並行して語られる、司法記者の産まれてくる子に対する苦悩。裁判の結果をもっての清々しい決断が胸をうつ。 原島弁護士は、著者のデビュー作『原島弁護士の愛と悲しみ (光文社文庫)』で、過去をうかがい知ることができるようなので、こちらもチェックしてみよう。 3度ドラマ化されているようだが、こちらは未見。 | ||||
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週刊文春1987年 国内4位 第41回日本推理作家協会賞受賞作 弓丘奈緒子の『夫殺し』の裁判が開始される。離婚を迫る勇一への奈緒子の計画的な犯罪。彼女の自白もあり、圧倒的に検察有利と見られていたが、弁護士の原島は、彼女の過去をひとつひとつ紐解きながら、無罪を立証していくのだった。 ・・・ 全編、裁判所内で始まり、完結する、法廷劇といったところ。奈緒子が初恋の女性だった司法記者の目をとおしてストーリーは進行する。なぜ、奈緒子は自ら進んで自白をしたのか、なぜ、原島はそれを覆し、無実を主張するのかが興味の中心となる。奈緒子の知的障害をもった弟 寛吉、それを温かく見守る家族、町の人々。彼らの過去が明らかになるに従って真相が明らかになってくる。登場人物達の悲しい愛に満ち満ちたドラマ。 並行して語られる、司法記者の産まれてくる子に対する苦悩。裁判の結果をもっての清々しい決断が胸をうつ。 原島弁護士は、著者のデビュー作『原島弁護士の愛と悲しみ (光文社文庫)』で、過去をうかがい知ることができるようなので、こちらもチェックしてみよう。 3度ドラマ化されているようだが、こちらは未見。 | ||||
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小杉氏の作品はどれも内容的には無理な構成でつないでいるけれど、 読んでいて「この後、どうなるんだろう」という期待感を持たせる ような作風は興味深い。 「父からの手紙」や「父と子の旅路」ほどの感動はないが、推理小説としては読み応えがある。 最近は小杉健治氏の作品ばかり読んでいるので、なんとなくどの作品も同じような作風になっている 感じを覚える。 例えば、あまり関係ないような人物を次々と登場させて、無理矢理にその人物を事件と関係付けて 物語をつなげていくというような作風がどの作品にも見られる。 また、信じられないぐらい兄弟思いで、情の深い被告人の性格にもかかわらず、自分の娘についてはそのような深い情を示さず、 「殺人犯の娘」として今後一生を過ごさなければならない、という自分の娘が持つであろうとてつもない辛さや悲しみ については母親として全く省みることなく、無実の罪をかぶり続けるというのは、ちょっと矛盾が大きすぎて、すっきりしない。 テレビのミステリードラマもそうだけど、ミステリーというのはそのような内容にならざるを得ないんだ、と感じる。 それでも、やはり読み応えのある作品には間違いない。 | ||||
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法廷のみで事件の真相を追究していく作品は初めて読んだが、被告人が自白している事件を無実だと主張する弁護士が筋道を立てて覆していく様子は読み応えがあった。普通、弁護士は被告人の利益を第一に考えるものだが、被告人の発言を無視してまでも被告人の無罪を主張する姿は新鮮で心を打たれた。 | ||||
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’88年度「第41回日本推理作家協会賞」受賞作。文庫の帯の「書店員さん大絶賛!!」の惹句に、思わず7刷目の本書を手にとってみた。 「夫殺し」の起訴事実をすべて認めた被告人と、あくまで無実を主張する弁護人。事件の「真相」を明らかにして、無実を勝ち取ることが、被告の利益を最優先するのが務めの弁護人にとって、いいことなのかどうか、これが本書のテーマのひとつである。 裁判の進行につれて明らかになる秘められた意外な事実・・・。裁判とは何なのだろうか。真実が明るみに出ることは、ある人間の不幸を導き出す。被告人は、このことを避けるために、無実の罪を背負う覚悟をしたのだ。このドラマこそが本書のもうひとつの、そしてメインのテーマである。 本書は、終始、法廷内だけを舞台にして、‘私’こと、ある司法記者の目を通して、進行してゆく審理を追ってゆく。この独特のスタイルが、弁護人の行動、証人たちの証言、被告人の心理状態を生き生きと描写する結果を生んで、ただの法廷ミステリーの範囲を超え、本書をして、発表から20年経っても色褪せない感動の人間ドラマとならしめている。 | ||||
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’88年度「第41回日本推理作家協会賞」受賞作。文庫の帯の「書店員さん大絶賛!!」の惹句に、思わず7刷目の本書を手にとってみた。 「夫殺し」の起訴事実をすべて認めた被告人と、あくまで無実を主張する弁護人。事件の「真相」を明らかにして、無実を勝ち取ることが、被告の利益を最優先するのが務めの弁護人にとって、いいことなのかどうか、これが本書のテーマのひとつである。 裁判の進行につれて明らかになる秘められた意外な事実・・・。裁判とは何なのだろうか。真実が明るみに出ることは、ある人間の不幸を導き出す。被告人は、このことを避けるために、無実の罪を背負う覚悟をしたのだ。このドラマこそが本書のもうひとつの、そしてメインのテーマである。 本書は、終始、法廷内だけを舞台にして、‘私’こと、ある司法記者の目を通して、進行してゆく審理を追ってゆく。この独特のスタイルが、弁護人の行動、証人たちの証言、被告人の心理状態を生き生きと描写する結果を生んで、ただの法廷ミステリーの範囲を超え、本書をして、発表から20年経っても色褪せない感動の人間ドラマとならしめている。 | ||||
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第41回日本推理作家協会賞長篇賞受賞作。 法廷ものといっても、法廷外での調査活動が中心となる作品が多いなかで、この作品は意図的にその殆どを法廷シーンのみで構成している点が特徴である。 被告の無実を確信する弁護士が真相を暴いていくという定番のストーリーながら、弁護士がどうして真相に気づいたのかといった点をあえて排して、抑制のきいた文体で淡々と法廷でのやりとりを描写する形式は、むしろ緊張感を際立たせる効果を挙げている。 派手さやケレン味がないことから、推理作家協会賞の受賞作としてはそれほどの知名度があるとはいえない本作だが、作者ともどももっと評価されて良いように思う。 | ||||
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犯行を自白した被告人と、無罪を確信する弁護人。 被告人の利益となるのは真実のみ、という信念をもって法廷に臨む孤高の弁護士、 原島は言う。「人には命よりたいせつと思うものもあるということを、頭に入れて おいていただきたいと思います」 最近では横山秀夫の「半落ち」が本作と似た部分を持っていますが、数ある法廷 もの、冤罪ものの中でも傑出した出来です。 早い展開でぐいぐい引っ張るリーダビリティと、サスペンスフルなストーリーで ページをめくる手が止まりません。そして最後は涙。 法廷ものだからってお堅いと思わないで下さい。稀にみる傑作です。 | ||||
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