家守綺譚

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評判

家守綺譚の評価:

4.52/5点 レビュー 148件。 A ランク

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平均点4.52pt

Amazonレビュー一覧

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全213件 161〜180 9/11ページ
No.53
(4pt)

ほっとできる

駆け出しの物書きである綿貫征四郎は、学生時代亡くなった親友である高堂の家を管理することになる。
あるとき「庭のサルスベリがおまえに懸想している」という忠告と共に死んだはずの高堂がボートに乗ってやってきて……
季節折々の自然とそこに在る怪異をごく自然に描いてくれる短編集です。
短編、とは言ってもそれぞれの話が巧妙につながり、ところどころで接触しながら読ませてくれました。
高堂にからかわれながらも、常にまっすぐで素直な綿貫のキャラクターもよかったです。
個人的には「ふきのとう」から登場する小鬼がかわいくて好きだったのと、サルスベリが健気な一方、ときたま人間らしい艶かしさや嫉妬を見せるのが魅力的でした。
家守綺譚 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 家守綺譚 (新潮文庫)より
4101253374
No.52
(2pt)

良質な「レプリカ」の感は否めない

梨木果歩は力のある作家だな、と思い注目もしているのですが、
この作品に関しては、ちょっと他のみなさんの感動に水をさすような
コメントを書かざるをえません。
この作品を読んで「本当によかった、美しい日本語に出会って
感動した」と思う人は、この作品の親本ともいえるような過去の日本の
作家の作品に触れていないんじゃないでしょうか。
そういう作品に出会いにくい時代になったのはたしかだし、若い人が
本格的な読書を始めるためのきっかけになればこの作品の価値も
あるとは思いますが、鏡花であれ百間であれ鴎外であれ、当時の本物
と比べると、器用に雰囲気や小道具を使い、文体も模倣してはある
ものの、二次的な複製にしかみえないのです。
ラストのあたり、たしかにグッとくるものはあり、「この作家はちゃんと
核を持った書き手だ」とは思わせるのですが、だからこそ苦言を呈したい
気持ちがあります。こういう形式の作品に挑戦してしまった、という意図
への批判も込めて。
家守綺譚 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 家守綺譚 (新潮文庫)より
4101253374
No.51
(5pt)

静謐な世界

読み始めてすぐに「これはヤバイ」と思った程、いい本に出会ってしまった。
本好きサイトでも絶賛されていたので早く読んでみたいと思っていましたが、
大勢の方が感想を述べている通り確かに心に染みる作品でした。続きを読むために
この本を手に取る時、自然と心が安まりました。家守綺譚に出てくる草や花という
ホームページがあったので、どんな植物かわかってすっきりしました。
見た目にも個性のある植物が多いですね。
最後のほうで征四郎が葡萄を食べない理由を語ったシーンが最高です。
これで作品が引き締まった感じがしました。
文庫にすると380円という安価ですが、読む価値は計りしれません。
家守綺譚 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 家守綺譚 (新潮文庫)より
4101253374
No.50
(5pt)

上品にして寛容な成熟

疎水の近く、山の手の住宅地。山を越えれば湖。
関西弁は一切出てこないが、舞台は京都東山辺り。舞台と言語のズレが、異世界めいた味わいを増す。
どこか自然に、不思議な者達が息づいていた景色。かすかに懐かしく、驚きに満ちた生活。
物語の筋を追うよりも、日記を読むように、世界の空気を味わった。
その家は、彼岸と此岸の交わる場所、過去と未来の重なる仮屋。平気で矛盾を背負い込む健康な衆生ではないものの、避難場所。
滅びの予感は雨のようにしっとりと降り注ぎ、やがて滋養となるのだ。
疎水べりの桜を愛でながらそぞろ歩いた思い出も、胸苦しい。心の奥深いところにしまった景色を彷彿とさせる、まさに珠玉のような小説だった。
家守綺譚 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 家守綺譚 (新潮文庫)より
4101253374
No.49
(5pt)

感覚的な情景

四季の情景などが、感覚的に描かれていて、本書を眼ではなく、感覚で読んだ。
あくまで理屈ではなく、感覚だ。
季節感豊かな、この作品の情景に、自然と入ってゆける。
サルスベリとの会話、まるで乾物の様な河童の話、花鬼などに違和感を感じない。
そして、季節は盛夏からススキ、啓蟄、満開の桜へと移りゆく。
すぐに、それらの季節に同化出来る。
読む度に新しい発見がある。
物語は題材別に短く区切られているので、読み返しやすい。
そして、読む度に、季節感豊かな情景に浸る事が出来る。
心が洗われる。
家守綺譚 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 家守綺譚 (新潮文庫)より
4101253374
No.48
(4pt)

お留守番

文庫の表紙もすてきですがこちら雰囲気。装丁買いした一冊。「えらばれた」家守の身のまわりにおきる不思議な出来事。淡々としていていながらどこかゆらゆら。たくさんのなかから掬いだしたほんの短い文章が活きています。
家守綺譚 Amazon書評・レビュー: 家守綺譚より
4104299030
No.47
(5pt)

透明であたたかい

風景の描写、季節感など、ストーリーも素晴らしいが何よりそっちに夢中になってしまいました。目をつぶったらありありとその景色を思い描けるし、澄んだ空気も感じられそうなほどです。キャラクターも個性的で、なんとなく可愛らしい。夕暮れ前に縁側で読みたくなるような一冊です。
家守綺譚 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 家守綺譚 (新潮文庫)より
4101253374
No.46
(5pt)

最上の水彩文人画のような

亡くなった友人の家の家守をする主人公に、庭の前栽、里山の草木や動物たちが、懸想をし、悪戯をし、語りかけてきます。
一編ずつは数ページの短いものですが、それらは互いに関連し合い、大きな一幅の作品となっています。
身近な自然との交歓を、ほとんど散文詩のような文体で織りなしてゆくさまは、幻想的な水彩文人画を思わせます。
色彩はあくまでも淡く、それでいてまなざしはあくまでも瑞々しく、その上死者さえも活き活きと描かれています。
一編ずつ慈しむように手の中で転がして鑑賞したくなる作品です。
家守綺譚 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 家守綺譚 (新潮文庫)より
4101253374
No.45
(5pt)

いつまでもいつも読み返したくなる

ハードカバーをもう持っていたのですが、綿貫の随筆を読みたかったのと外出先でも読みたかったので文庫版も購入しました。文庫が出て、人にすすめやすくなったのも嬉しいです。綿貫の随筆には溜め息をつかせる物がありました。いい意味での溜め息です。ちゃんと最後に読んでもらいたい。連作なので、通勤通学の間に読んだりするのにいいかもしれないが、不思議と次々と読みたい気持ちにさせる。ただ穏やかな空気ただようこの物語に、どうしてそんな力があるのか上手い説明は出来ない。どこか愉快で温かみがあり、惹かれるものを感じてしまう、物語の中に息づく人々。時代も曖昧な中でさも当然な顔をして存在する不思議。純粋なエンターテイメントとしても申し分なく、美しい日本の風景の描写は、美しい。けれど、それ等だけで終わらせたくない何かがある。安易なエンターテイメントとして終わらせたくない。好き、何度もページをめくってしまう、感慨深い一冊。
家守綺譚 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 家守綺譚 (新潮文庫)より
4101253374
No.44
(5pt)

いつまでもいつも手元に置いておきたいような

ハードカバーを買いました。文庫も買いました。それぐらい好きな作品です。文庫の書き下ろしもよかったです。キャラクターがいい、というよりは、綿貫や高堂の人柄に惹かれる、といった感じです。すぐそこに手をのばせば届くようなその場所にある、不思議なコト、奇妙なコト、それをあるがままに当然と受け入れる愛しい人々。それが出来ない“私たち”は、同じくそれが出来ない綿貫が物語に存在することに安堵する。それが出来ない綿貫は、ある意味とても真っ直ぐな眼差しを持っているように思えるが、私たちは、私は果たしてそうなのだろうか。純粋なエンターテイメントとしても申し分はない。個性的なキャラクターという点では、アニメやコミックに慣れ親しんだ人達にもいいかもしれない。掌編(よりは長いかもしれないが)連作というのも読みやすいだろう。面白いし、美しい。けれどそれだけで終わらせたくない。ふと、立ち止まっては振り返りたいような気持ちにさせる一冊なのかもしれない。少なくとも、私にとっては。
家守綺譚 Amazon書評・レビュー: 家守綺譚より
4104299030
No.43
(5pt)

丁寧に書かれた日本的でかわいらしいファンタジー

とても面白く読めました。
書店に平積みされており、何気なく手に取り購入し、電車の中で読みました。
これがなかなかいいんです。
ぶらぶらしている小説家がいて、
自宅に友人が遊びに来たり、
季節の移り変わりの度に花鳥風月を愛でるという、
志賀直哉のような日本の私小説的エッセイのフォーマットを使いながら、
友人が死人だったり、物の怪だったり、動物だったり、
時代、地域をちょっぴりあざとくぼかすことで、
日本的なファンタジーになっています。
また飼い犬のゴロー、サルスベリ、ダァリアの君、和尚、隣家のおかみさんといった登場人物のキャラクターがとてもかわいらしいのです。
それらの脇役も含め、登場人物が過剰に何かを語ることがなく、
それは漫画版「陰陽師」に通じるものを感じました。
セックスや残酷さ等は上手に回避しているので、
若干の物足りなさがありましたが、
それは梨木さんという方の作風なのでしょう。
彼女のことは全く分からないのですが、
すごく才能のある作家さんではないでしょうか。
家守綺譚 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 家守綺譚 (新潮文庫)より
4101253374
No.42
(4pt)

犬っコロ

文学青年!!この甘美な響きが似合うお話でした。
各話に出てくる不思議な生き物もステキで、雰囲気も抜群です。
主人公がちょっとドライな感じがしたのですが、まあそういう性格なんでしょうな。
話の筋はありがちなんですが、それを感じさせない作者の文章表現はさすが!です。
個人的には犬好きの人にも読んでほしいなぁ。
作中に出てくる犬がかなり変わっていて面白いです。
家守綺譚 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 家守綺譚 (新潮文庫)より
4101253374
No.41
(4pt)

『家守綺譚』を読んで

日本語がとても美しい。丁寧な文章は読んでいて気持ちが落ち着いてくる。日常にはないはずの不思議な世界が、でも日常のすぐ隣に存在しているのだと自然に信じられる。草、木、犬、河童…さまざまな登場人物(!?)と主人公とのやりとりに、ほっと心が温められる。
家守綺譚 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 家守綺譚 (新潮文庫)より
4101253374
No.40
(4pt)

純和風

本当に綺麗な日本語だと思いました。
亡き友人の家守をしていると、その亡き友人が掛け軸から出てきたり庭の池に河童が流れてきたりするわけですが、それを否定したり恐れたり、そういう無粋な事はしません。
文庫の解説にも書かれているように「理解はできないが受け容れる」のです。しかも難なく。
そして他の梨木さんの作品にも見られるような、植物の描写。何だかお庭の匂いが香ってくるようで、本当に和みます。
健康的な和食をおいしくいただいた、と言うような読後感でした。
家守綺譚 Amazon書評・レビュー: 家守綺譚より
4104299030
No.39
(5pt)

梨木香歩の散文に堪能しました。

 湖畔の疎水から取り水を引き込んだ池のある亡くなった友人の家に家守として住むことになった文筆家の綿貫。
 彼のぐるりをさまざまな人間・植物・動物・霊・異形のものたちが入り交じり、多層に重なる空間で彼を取りまいてうごめいている。それらのものたちとの日々の交わりが季節の移ろい中に綴られていく。
 湖中の水底で暮らす優雅な理想の生活をきっぱり断った綿貫。その潔さに作者の気持ちを重ねてしまいました。
 「貝母」の段の最終行など、散文とはこうあるんだろうと堪能しました。
 
 
家守綺譚 Amazon書評・レビュー: 家守綺譚より
4104299030
No.38
(4pt)

古きよき日本

亡き友人の家守を任された征四郎の、徒然の記。サルスベリに懸想されたり、河童が庭の池に流れてきたり、小鬼がいたり狸に化かされたり・・・ほんの百年と少し昔の、不思議な者たちが似合う頃の日本の物語。
「ヒツジグサ」が一番好きです・・・。思わず笑ってしまった。
文体も、昔風にしてあって、いかにも当時(明治末期?)の文筆家が記した感じになっている。でも読みやすく、無駄がない。会話文が"「 」"ではなく、"ー"になっているのがとてもいい。
四季折々の、古きよき日本。
ゆったりとした時間が流れる。
春には佐保姫、秋には竜田姫。
いろいろな怪異がありつつ、いかにも日常を徒然に記している自然さがまた素晴らしい。読んでいて、こんな時代に生きてみたいと思わせる。
現代人が忘れてしまったものが、この本の中には生きている。
一つ一つの物語が数ページずつなので、朝の10分間読書にもいいかも。
家守綺譚 Amazon書評・レビュー: 家守綺譚より
4104299030
No.37
(5pt)

何度でも読み返したくなる、だから手元に置きたくなる。

冒頭の「サルスベリ」が凄い、鳥肌が立った。
とにかく文章に無駄が全く無く
「静と動」を梨木独特の文体で美しく描いています。
繰り返すように言いますが、
「サルスベリ」たった6ページ、これだけでも読む価値あり。
家守綺譚 Amazon書評・レビュー: 家守綺譚より
4104299030
No.36
(5pt)

これは購入してしまった。

装丁もあわせて、イイです。この一言に尽きます。
多くの人に読んで欲しい。
梨木さんにしか書けないものがここにあります。
最初は図書館で借り、読んだのですが、
どうしても欲しくなって買ってしまいました。
家守綺譚 Amazon書評・レビュー: 家守綺譚より
4104299030
No.35
(5pt)

ゆっくり読みたい気分

本屋大賞ノミネート作品にはいっていたので、手にとりました。
登場人物(河童や植物なども含む)達の不思議なやりとり、
それこそが、すごく自然なことであるように描かれています。
知らない漢字や慣用句、言い回し、植物の名前等をその都度
辞書で調べ、ゆっくりと読み進めていきました。普段なら決して
しないだろうというこんなことを、やりたくさせる魅力が
このお話にはあると思います。
夏の夕暮れに、早めのお風呂からでて、ゆっくりビールを飲みながら、
この本を読みたかったな。次回、読むときにはそうします。
家守綺譚 Amazon書評・レビュー: 家守綺譚より
4104299030
No.34
(4pt)

極めて独創的な連作「綺譚」

表題だけ見て、藤原家守とかいう名前の平安貴族の話かな?ぐらいのつもりで読み始めた。
まさか家守=家の管理人だとは。
何か懐かしさのある、不思議な掌編連作集だが、私の知る限り、「あの本に似ている」というところのない、極めて独創的な作品である。
旧家の庭の植物や、床の間の掛け軸の鳥との「交流」。河童も出れば、鬼も出る。
とにかく突然出る、前触れも必然もない。まるで居て当たり前という描き方である。
作者は、そういう「異界のもの」とも共存していた、少し前の日本の風情を描いている。懐かしさは、そこから来るのだろう。
加えて、全く無駄のない見事な文章にも感服する。「静物」の描写には、この作者の、文体・文章力は、まことによく合う。
梨木香歩ファンならずとも、体験してみる価値はある作品だと思う。
家守綺譚 Amazon書評・レビュー: 家守綺譚より
4104299030