スプートニクの恋人

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評判

スプートニクの恋人の評価:

3.95/5点 レビュー 190件。 B ランク

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平均点3.95pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全386件 101〜120 6/20ページ
No.286
(4pt)

冒頭の文章が印象深い1999年の作品

村上さんが、1999年4月に発表した長編小説である。この直前に発表した「ねじまき鳥クロニクル」が結局3巻と言う長い作品になったから、この作品はだいぶ短く感じられる。

冒頭の文章は数多くの村上さんの書き出しの中でもかなり印象深くて、暫らく読んでいなくとも再度本を開いた時には、そうだ、すごく勢いのある文章だった、と思い出すことができる。村上さんもどこかのエッセーで、ある日この冒頭部分が頭に浮かんで、そして書き留めておいて、こんなところが一流の作家と凡人の違いであるといつも思うのだが、この「スプートニク……」を書く時に使った、と書いていたことを思い出す。

それだけでなく冒頭の印象に残る文章の直後に、22歳の大学中退で作家志望の“すみれ”が、韓国人の既婚の39歳の女性に恋愛すると言う設定になっているのだから、ただでは済まないと言うことが読者にはすぐに明らかになるだろう。

“すみれ”がこの既婚女性に出合ったのは、従姉の結婚式であった。その時に会話に出てきたのがジャック・ケルアックと言うフランス系カナダ人で後にアメリカに移り、Beat Generationとして活躍した作家である。この作家は、1922年に生まれ、1967年に大量の飲酒が祟って、47歳で内部出血のために亡くなってしまった。村上さんのことだから、きっとケルアックに傾倒したこともあったのだろう。
スプ-トニクの恋人 Amazon書評・レビュー: スプ-トニクの恋人より
4062096579
No.285
(5pt)

美しい文章と精緻な人物描写、驚きのストーリー展開!

私たちは人生の途上で行き詰った時、自身のあり方に疑問を抱き、あるべき自己像を求めます。
どうすればその本来の姿を発見し、人生を再構築することができるのでしょうか?

内的世界に足を踏み入れるすみれと、外的世界で現実と向き合う主人公のぼく。
幻想的なギリシャの小島を舞台に、二人の自己再生の行方が描かれます。

【すみれの恋】
「22歳の春にすみれは生まれて初めて恋に落ちた。広大な平原をまっすぐ突き進む竜巻のような激しい恋だった。」

同性愛の衝動と亡き母への思慕が、すみれを新たな世界への挑戦に導きます。

【ミュウの喪失したもの】
「ここにいるわたしは本当のわたしじゃないの。今から14年前に、わたしは本当のわたしの半分になってしまったのよ。」

ミュウは自我の強さゆえに、大切な自分のたましいを失っていました。

【にんじんとの邂逅】
「ぼくは子供の頃からずっと一人で生きてきたようなものだった。家族の誰とも気持ちが通じ合わなかったんだ。」

にんじんとの対話を通じて、こころを失いかけた過去、ひとりぼっちの寂しさを振り返り、少年と心を重ね合わせます。

【自由意志の在処】
「すべてのものごとはおそらく、どこか遠くの場所で前もってひそかに失われているのかもしれない」

村上作品の終盤で繰り返されてきたこのセリフに、物語がこのまま終りを迎える予感が漂いますが・・・。

【すみれの生還】
「いろいろ大変だったけど、それでもなんとか帰ってきた。ホメロスの「オデッセイ」を50字以内の短縮版にすればそうなるように」

すみれは「あちら側」の世界に辿り着き、私たちの知らないところで物語を完結させていました。
失った魂を取り返し、自己を再構築し、そこから新たな人生を推し進める彼女の無限の可能性を秘めた生き方。
そんなこの世のものと思えない奇跡の物語が語られる時を、ぼくは静かに待ち続けます。
スプートニクの恋人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: スプートニクの恋人 (講談社文庫)より
4062731290
No.284
(5pt)

美しい文章と精緻な人物描写、驚きのストーリー展開!

私たちは人生の途上で行き詰った時、自身のあり方に疑問を抱き、あるべき自己像を求めます。
どうすればその本来の姿を発見し、人生を再構築することができるのでしょうか?

内的世界に足を踏み入れるすみれと、外的世界で現実と向き合う主人公のぼく。
幻想的なギリシャの小島を舞台に、二人の自己再生の行方が描かれます。

【すみれの恋】
「22歳の春にすみれは生まれて初めて恋に落ちた。広大な平原をまっすぐ突き進む竜巻のような激しい恋だった。」

同性愛の衝動と亡き母への思慕が、すみれを新たな世界への挑戦に導きます。

【ミュウの喪失したもの】
「ここにいるわたしは本当のわたしじゃないの。今から14年前に、わたしは本当のわたしの半分になってしまったのよ。」

ミュウは自我の強さゆえに、大切な自分のたましいを失っていました。

【にんじんとの邂逅】
「ぼくは子供の頃からずっと一人で生きてきたようなものだった。家族の誰とも気持ちが通じ合わなかったんだ。」

にんじんとの対話を通じて、こころを失いかけた過去、ひとりぼっちの寂しさを振り返り、少年と心を重ね合わせます。
そして、かけがえのないすみれを失ってしまったことを改めて実感します。

「すべてのものごとはおそらく、どこか遠くの場所で前もってひそかに失われているのかもしれない」

村上作品の終盤で繰り返されてきたこのセリフに、物語がこのまま終りを迎える予感が漂います。

【すみれの生還】
「いろいろ大変だったけど、それでもなんとか帰ってきた。ホメロスの「オデッセイ」を50字以内の短縮版にすればそうなるように」

すみれは「あちら側」の世界に辿り着き、私たちの知らないところで物語を完結させていました。
失った魂を取り返し、自己を再構築し、そこから新たな人生を推し進める彼女の無限の可能性を秘めた生き方。
そんなこの世のものと思えない奇跡の物語が語られる時を、ぼくは静かに待ち続けます。
スプ-トニクの恋人 Amazon書評・レビュー: スプ-トニクの恋人より
4062096579
No.283
(4pt)

比較的読みやすい村上作品。

割とさらっと読了。
これ以前の村上作品と比べて、割と「わかりやすい」小説だったように思う。人に薦めやすくはある。今までだったらぼかしていただろう部分も丁寧に小説内で説明されていた。ねじまき鳥でもその傾向はあったが、よりその方向が明確になった。
初期作品は日本を舞台にしているにもかかわらず、全然違う異世界の話にしか感じられなかった。この小説の表現を借りるなら、「鏡の向こうの世界」「夢の世界」といった小説世界だった。でもこの「スプートニクの恋人」はちゃんとこちら側の世界にあるように感じられた。
個人的には前のテイストの方が好きだったので、少し残念。でもそれは比較の話で、この小説単体としてはとても面白く読めた。
スプ-トニクの恋人 Amazon書評・レビュー: スプ-トニクの恋人より
4062096579
No.282
(4pt)

比較的読みやすい村上作品。

割とさらっと読了。
これ以前の村上作品と比べて、割と「わかりやすい」小説だったように思う。人に薦めやすくはある。今までだったらぼかしていただろう部分も丁寧に小説内で説明されていた。ねじまき鳥でもその傾向はあったが、よりその方向が明確になった。
初期作品は日本を舞台にしているにもかかわらず、全然違う異世界の話にしか感じられなかった。この小説の表現を借りるなら、「鏡の向こうの世界」「夢の世界」といった小説世界だった。でもこの「スプートニクの恋人」はちゃんとこちら側の世界にあるように感じられた。
個人的には前のテイストの方が好きだったので、少し残念。でもそれは比較の話で、この小説単体としてはとても面白く読めた。
スプートニクの恋人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: スプートニクの恋人 (講談社文庫)より
4062731290
No.281
(5pt)

高品質の完璧な製品です。

良質およびよいプロダクト 私はこの購入をしてうれしいです。 優れた経験 優れた品質の製品と超高速出荷! もし私がもっと必要ならば、私はこの店に来るだろう。 店主は非常に忍耐強い、約3日間の前に購入することを決定した。私は非常に満足している品物を受け取った。
スプ-トニクの恋人 Amazon書評・レビュー: スプ-トニクの恋人より
4062096579
No.280
(5pt)

高品質の完璧な製品です。

良質およびよいプロダクト 私はこの購入をしてうれしいです。 優れた経験 優れた品質の製品と超高速出荷! もし私がもっと必要ならば、私はこの店に来るだろう。 店主は非常に忍耐強い、約3日間の前に購入することを決定した。私は非常に満足している品物を受け取った。
スプートニクの恋人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: スプートニクの恋人 (講談社文庫)より
4062731290
No.279
(5pt)

2度目に読んだのだけど、やっぱり素敵だ。

どうしたらこんなに素敵な言葉を綴れるのだろうかと
いつも思ってしまう。とてもかなわない、当たり前な
のだけれど。
書棚を整理していたら「おや、『スプートニクの恋人』?と
思い手にとった」。数ページ読んで思い出したのだけど
最後まで読んでしまった。
こんな感じで、村上春樹氏の作品は繰り返して読むこと
が多い。なんど読んでも引き込まれてしまう。村上春樹
マジックで春樹ワールドに引き込まれてしまう。
内容に触れるのは野暮なので、この辺にしておこう。

帯より
『22歳の春にすみれは生まれて初めて恋に落ちた。広大な平原をまっすぐ突き進む竜巻の
ような激しい恋だった。それは行く手のかたちあるものを残らずなぎ倒し、片端から空
に巻き上げ、理不尽に引きちぎり、完膚なきまでに叩き潰した。そして勢いをひとつま
みもゆるめることなく大洋を吹きわたり、アンコールワットを無慈悲に崩し、インドの
森を気の毒な一群の虎ごと熱で焼きつくし、ペルシャの砂漠の砂嵐となってどこかの
エキゾチックな城塞都市をまるごとひとつ砂に埋もれさせてしまった。みごとに記念碑的
な恋だった。恋に落ちた相手はすみれより17歳年上で、結婚していた。更に付け加えるなら
女性だった。それがすえての物事が始まった場所であり
(ほとんど)すべての物事が終わった場所だった。』
スプートニクの恋人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: スプートニクの恋人 (講談社文庫)より
4062731290
No.278
(5pt)

2度目に読んだのだけど、やっぱり素敵だ。

どうしたらこんなに素敵な言葉を綴れるのだろうかと
いつも思ってしまう。とてもかなわない、当たり前な
のだけれど。
書棚を整理していたら「おや、『スプートニクの恋人』?と
思い手にとった」。数ページ読んで思い出したのだけど
最後まで読んでしまった。
こんな感じで、村上春樹氏の作品は繰り返して読むこと
が多い。なんど読んでも引き込まれてしまう。村上春樹
マジックで春樹ワールドに引き込まれてしまう。
内容に触れるのは野暮なので、この辺にしておこう。

帯より
『22歳の春にすみれは生まれて初めて恋に落ちた。広大な平原をまっすぐ突き進む竜巻の
ような激しい恋だった。それは行く手のかたちあるものを残らずなぎ倒し、片端から空
に巻き上げ、理不尽に引きちぎり、完膚なきまでに叩き潰した。そして勢いをひとつま
みもゆるめることなく大洋を吹きわたり、アンコールワットを無慈悲に崩し、インドの
森を気の毒な一群の虎ごと熱で焼きつくし、ペルシャの砂漠の砂嵐となってどこかの
エキゾチックな城塞都市をまるごとひとつ砂に埋もれさせてしまった。みごとに記念碑的
な恋だった。恋に落ちた相手はすみれより17歳年上で、結婚していた。更に付け加えるなら
女性だった。それがすえての物事が始まった場所であり
(ほとんど)すべての物事が終わった場所だった。』
スプ-トニクの恋人 Amazon書評・レビュー: スプ-トニクの恋人より
4062096579
No.277
(3pt)

まあ、こんなものか、と。

個人的には、カフカと並び有ってもなくても良い作品。
すみれの失踪?と、再び現れるくだりが、納得が行かなかったのですが、全体的な雰囲気、読了感は良かったので、星三つ。
スプートニクの恋人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: スプートニクの恋人 (講談社文庫)より
4062731290
No.276
(3pt)

まあ、こんなものか、と。

個人的には、カフカと並び有ってもなくても良い作品。
すみれの失踪?と、再び現れるくだりが、納得が行かなかったのですが、全体的な雰囲気、読了感は良かったので、星三つ。
スプ-トニクの恋人 Amazon書評・レビュー: スプ-トニクの恋人より
4062096579
No.275
(5pt)

大きなテーマである「孤独」

「どうしてこれほどまで孤独にならなくてはならないのだろう」「この惑星は人々の寂寥を滋養として回転をつづけているのか。」(p272)

今作の中で最も感服させられた部分。
スプートニクの恋人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: スプートニクの恋人 (講談社文庫)より
4062731290
No.274
(5pt)

大きなテーマである「孤独」

「どうしてこれほどまで孤独にならなくてはならないのだろう」「この惑星は人々の寂寥を滋養として回転をつづけているのか。」(p272)

今作の中で最も感服させられた部分。
スプ-トニクの恋人 Amazon書評・レビュー: スプ-トニクの恋人より
4062096579
No.273
(4pt)

喪失、孤独、それでも想うという事

村上春樹の作品の中でも、特に好きな作品です。
小学校教師の僕に、僕が想いを寄せる作家志望の友人すみれ、そしてすみれが想いを寄せる実業家の年上の女性ミュウ。
物語はこの3人の一方通行的な想いを中心にして展開されます。
作中にある「すれ違い、別れていくばかりの孤独な人工衛星」の比喩が示す通り、「孤独」「喪失」「大切な人の不在」が根底にあり、所謂エンターテイメント的なハラハラドキドキストーリー!を期待するとやや退屈な内容になるかもしれません。

しかし、どこにも行けないことを知りながらも回り続けることを止められない僕と、思考し回り続けるのを止め、「あちら側」へと消えてしまったすみれ、そして自身の半分を残して「あちら側」に持って行かれたミュウが示す通り、「こちら側」と「あちら側」の対比が非常に印象的。

起伏のあるストーリー展開そのものよりも、そうしたテーマ自体に焦点が当てられていると言いましょうか、とにかく村上春樹の独特の世界観が濃縮され堪能出来る作品だと思います。
失って孤独になってそれでも大切な人を想うことは止められない。
美しい文章が胸をかきむしるようです。
好き嫌いは分かれるかもしれませんが、興味があれば是非手に取ってみて欲しい作品のひとつ。
スプートニクの恋人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: スプートニクの恋人 (講談社文庫)より
4062731290
No.272
(4pt)

喪失、孤独、それでも想うという事

村上春樹の作品の中でも、特に好きな作品です。
小学校教師の僕に、僕が想いを寄せる作家志望の友人すみれ、そしてすみれが想いを寄せる実業家の年上の女性ミュウ。
物語はこの3人の一方通行的な想いを中心にして展開されます。
作中にある「すれ違い、別れていくばかりの孤独な人工衛星」の比喩が示す通り、「孤独」「喪失」「大切な人の不在」が根底にあり、所謂エンターテイメント的なハラハラドキドキストーリー!を期待するとやや退屈な内容になるかもしれません。

しかし、どこにも行けないことを知りながらも回り続けることを止められない僕と、思考し回り続けるのを止め、「あちら側」へと消えてしまったすみれ、そして自身の半分を残して「あちら側」に持って行かれたミュウが示す通り、「こちら側」と「あちら側」の対比が非常に印象的。

起伏のあるストーリー展開そのものよりも、そうしたテーマ自体に焦点が当てられていると言いましょうか、とにかく村上春樹の独特の世界観が濃縮され堪能出来る作品だと思います。
失って孤独になってそれでも大切な人を想うことは止められない。
美しい文章が胸をかきむしるようです。
好き嫌いは分かれるかもしれませんが、興味があれば是非手に取ってみて欲しい作品のひとつ。
スプ-トニクの恋人 Amazon書評・レビュー: スプ-トニクの恋人より
4062096579
No.271
(5pt)

主人公の最初の辺りのセリフと警備員のセリフだけでも読む価値あり

まずこの物語のキーパーソン、すみれ。
この人物設定は生き急ぐことが民族性でもあるかのような、日本人への非常に強力なアンチテーゼになっています。
この人物は日本や韓国のような国において非常な効力を発揮するでしょう。
「よく育つものはゆっくり育つ」のです。この言葉に彼女という存在は集約されています。
そして最後に出てくる登場人物、にんじんとスーパーの警備員。
にんじんというのはジュール・ルナールの書いた非常に残酷な虐待小説、「にんじん」に出てくる少年の名前と同じです。
「にんじん」と「スプートニクの恋人」のにんじんは、子供というのがどれほど大人の無思慮な、邪悪な行動で傷つくかを克明に描き出しています。
そして警備員。
彼は日本の、子供は平等という概念、まやかしとそれを前提に行動する学校教員や社会に対し痛烈なセリフを放ちます。
子供は「学校でだけは」平等な(ように見える)のです。
「人は無意味に生き急ぐことで損なわれていく」「子供は大人の無思慮で損なわれていく」などの、村上春樹の大事な思想が詰まった小説です。
村上主義者は必読!
スプートニクの恋人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: スプートニクの恋人 (講談社文庫)より
4062731290
No.270
(5pt)

主人公の最初の辺りのセリフと警備員のセリフだけでも読む価値あり

まずこの物語のキーパーソン、すみれ。
この人物設定は生き急ぐことが民族性でもあるかのような、日本人への非常に強力なアンチテーゼになっています。
この人物は日本や韓国のような国において非常な効力を発揮するでしょう。
「よく育つものはゆっくり育つ」のです。この言葉に彼女という存在は集約されています。
そして最後に出てくる登場人物、にんじんとスーパーの警備員。
にんじんというのはジュール・ルナールの書いた非常に残酷な虐待小説、「にんじん」に出てくる少年の名前と同じです。
「にんじん」と「スプートニクの恋人」のにんじんは、子供というのがどれほど大人の無思慮な、邪悪な行動で傷つくかを克明に描き出しています。
そして警備員。
彼は日本の、子供は平等という概念、まやかしとそれを前提に行動する学校教員や社会に対し痛烈なセリフを放ちます。
子供は「学校でだけは」平等な(ように見える)のです。
「人は無意味に生き急ぐことで損なわれていく」「子供は大人の無思慮で損なわれていく」などの、村上春樹の大事な思想が詰まった小説です。
村上主義者は必読!
スプ-トニクの恋人 Amazon書評・レビュー: スプ-トニクの恋人より
4062096579
No.269
(3pt)

私がハルキストになれない理由

主人公の「僕」は小学校教師で「すみれ」という女友達がいる。主人公はすみれに恋愛感情を持っているがすみれにそんな気は全くなく、主人公は仕方なく他の女と付き合っていて、現在の彼女は担任のクラスの生徒の母親、当然、不倫である。主人公はある日すみれから恋をしていると相談されるが、その相手「ミュウ」はすみれと同じ女性だった。
ザ・村上春樹とでもいうようなとても春樹らしい作品だと思う。よく言われる文章比喩の洒落た感じとか、年上の美しい女性との恋とか、いつの間にかファンタジーになってしまう展開とか。それに面白いし文章のリズムが良くて、グイグイ引っ張られるのではなくさりげなくエスコートされて物語に引き込まれる感じも悪くない。でも個人的に私がハルキストになれない理由も歴然としている。

以下ネタバレです。

すみれは結局ミュウに振られて行方不明になる。ミュウはすみれが自殺したのではないかと心配して主人公に相談するが、主人公はすみれは別の世界に行ったのだろうと考える。
そうなると、いやいや無理でしょう、と現実的な私は考えてしまうのだ。多分すみれは自殺したのであって死体が見つかっていないだけだろうと普通は考えるでしょ?他の世界に行ったんでしょう、なんてそんな馬鹿な。
後半には主人公と不倫の関係にあった女性との問題も出てくるのだが、かなり危険な関係であると理解しているにも関わらず、主人公のノンシャランぶりにはもうあきれるしかない。
要するに主人公は不幸な事実を否認して、結局は自分だけのファンタジー世界に閉じこもってしまうのだ。それもこっちが戸惑うほどの自然さで。
まあ誰が困るわけでもなければ、どのように現実に向かおうとそれは彼の自由なんです。だけど現実に不倫相手の子供である彼の生徒は変になってしまうわけだし。私にはちょっと…いやいやそれは無理があるでしょう、とどうしても思ってしまうのだ。
スプートニクの恋人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: スプートニクの恋人 (講談社文庫)より
4062731290
No.268
(3pt)

私がハルキストになれない理由

主人公の「僕」は小学校教師で「すみれ」という女友達がいる。主人公はすみれに恋愛感情を持っているがすみれにそんな気は全くなく、主人公は仕方なく他の女と付き合っていて、現在の彼女は担任のクラスの生徒の母親、当然、不倫である。主人公はある日すみれから恋をしていると相談されるが、その相手「ミュウ」はすみれと同じ女性だった。
ザ・村上春樹とでもいうようなとても春樹らしい作品だと思う。よく言われる文章比喩の洒落た感じとか、年上の美しい女性との恋とか、いつの間にかファンタジーになってしまう展開とか。それに面白いし文章のリズムが良くて、グイグイ引っ張られるのではなくさりげなくエスコートされて物語に引き込まれる感じも悪くない。でも個人的に私がハルキストになれない理由も歴然としている。

以下ネタバレです。

すみれは結局ミュウに振られて行方不明になる。ミュウはすみれが自殺したのではないかと心配して主人公に相談するが、主人公はすみれは別の世界に行ったのだろうと考える。
そうなると、いやいや無理でしょう、と現実的な私は考えてしまうのだ。多分すみれは自殺したのであって死体が見つかっていないだけだろうと普通は考えるでしょ?他の世界に行ったんでしょう、なんてそんな馬鹿な。
後半には主人公と不倫の関係にあった女性との問題も出てくるのだが、かなり危険な関係であると理解しているにも関わらず、主人公のノンシャランぶりにはもうあきれるしかない。
要するに主人公は不幸な事実を否認して、結局は自分だけのファンタジー世界に閉じこもってしまうのだ。それもこっちが戸惑うほどの自然さで。
まあ誰が困るわけでもなければ、どのように現実に向かおうとそれは彼の自由なんです。だけど現実に不倫相手の子供である彼の生徒は変になってしまうわけだし。私にはちょっと…いやいやそれは無理があるでしょう、とどうしても思ってしまうのだ。
スプ-トニクの恋人 Amazon書評・レビュー: スプ-トニクの恋人より
4062096579
No.267
(5pt)

不思議な小説です

この小説にはなぜか強く心を引きつけられるところがあり、通しで10回くらいは読んでいると思う。
わかりやすく言ってしまえばこれはすれ違いの物語だ。
語り手である「僕」はすみれを求め、すみれはミュウを求める。しかしミュウは誰も求めていない。
それゆえに彼・彼女の思いはどこにも届かず、みんな孤独の中で生きている。
すれ違いに耐えられなくなったのか、すみれは姿を消し、ミュウは心を失ってしまう。
僕もまた満たされない思いを抱えて生き続け、すり減っていくが、自分の生徒との思わぬ交流によって心を取り戻す。
そしてその僕の元に、姿を消したすみれから連絡が届く。

筋立てだけを書いてみるとなんとも奇妙で、一読しただけですんなりと受け入れられる物語ではない。
それゆえに私は何度もこの作品を読んでいるのだろう。

村上春樹の作品はあちらとこちら、2つの世界を行き来する物語が多い。
この作品ではあちらの世界のことがほとんど描かれておらず、こちらの世界に取り残された僕の視点から見たものが描かれている。
その点が作品のわかりにくさになっていて、それを乗り越えるために作者は三人称の文体に移行し、多面的に物語を描くための形式を手に入れていったのだろう。
村上春樹が一人称から三人称に移行していく過程の中間に位置する作品で、村上春樹の作品を系統立てて読むのであれば、はずすことのできない作品だろうと思う。
スプートニクの恋人 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: スプートニクの恋人 (講談社文庫)より
4062731290