OUT

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評判

OUTの評価:

4.11/5点 レビュー 292件。 A ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.11pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全355件 281〜300 15/18ページ
No.75
(4pt)

人物描写がすばらしい

出てくる人物全てがいきいきしてて、とても親近感をもって読みやすいミステリーでした。「ああこんな人いるよなあ」「いそうだなあ」って感じで、そのせいで、夫を殺して、パート仲間で遺体をバラバラにして捨てるっていう特異な状況が、すんなりと受け入れられてしまいます。別に異常な精神状態じゃなくてもできてしまうんだなあ。
OUT 下 講談社文庫 き 32-4 Amazon書評・レビュー: OUT 下 講談社文庫 き 32-4より
4062734486
No.74
(4pt)

人物描写がすばらしい

出てくる人物全てがいきいきしてて、とても親近感をもって読みやすいミステリーでした。「ああこんな人いるよなあ」「いそうだなあ」って感じで、そのせいで、夫を殺して、パート仲間で遺体をバラバラにして捨てるっていう特異な状況が、すんなりと受け入れられてしまいます。別に異常な精神状態じゃなくてもできてしまうんだなあ。
OUT 上 講談社文庫 き 32-3 Amazon書評・レビュー: OUT 上 講談社文庫 き 32-3より
4062734478
No.73
(5pt)

傑作。英語版も購入希望

何度読み返しても面白いので好きです。
雅子と佐竹の一夜限りの悲恋?に泣きました。
分かり合えたと思った次の瞬間には別れだなんて哀しすぎる。
犯罪者とはいえ、登場人物達の鬱屈には共感できるものがあるので
捕まって終わり、みたいな陳腐なラストでないのが良かったです。
雅子の死体解体は自分の出世を閉ざした男社会への無言の復讐に
見えました。でなきゃあんな凄いことできません・・私にも無理。
不謹慎ながらあの後どうかうまく逃げてほしい、と思いました。
主人公と自分がダブって見える稀有な小説です。
でも自分だけ楽をしていた弥生には同情できず。
自分が殺したなら処理も自分でやるべきだろうに。
私はこういう女が嫌いです。
OUT(上)-日本推理作家協会賞受賞作全集(89) (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: OUT(上)-日本推理作家協会賞受賞作全集(89) (双葉文庫)より
457565888X
No.72
(5pt)

傑作。英語版も購入希望

何度読み返しても面白いので好きです。雅子と佐竹の一夜限りの悲恋?に泣きました。分かり合えたと思った次の瞬間には別れだなんて哀しすぎる。犯罪者とはいえ、登場人物達の鬱屈には共感できるものがあるので捕まって終わり、みたいな陳腐なラストでないのが良かったです。雅子の死体解体は自分の出世を閉ざした男社会への無言の復讐に見えました。でなきゃあんな凄いことできません・・私にも無理。不謹慎ながらあの後どうかうまく逃げてほしい、と思いました。主人公と自分がダブって見える稀有な小説です。でも自分だけ楽をしていた弥生には同情できず。自分が殺したなら処理も自分でやるべきだろうに。私はこういう女が嫌いです。
OUT 下 講談社文庫 き 32-4 Amazon書評・レビュー: OUT 下 講談社文庫 き 32-4より
4062734486
No.71
(5pt)

傑作。英語版も購入希望

何度読み返しても面白いので好きです。雅子と佐竹の一夜限りの悲恋?に泣きました。分かり合えたと思った次の瞬間には別れだなんて哀しすぎる。犯罪者とはいえ、登場人物達の鬱屈には共感できるものがあるので捕まって終わり、みたいな陳腐なラストでないのが良かったです。雅子の死体解体は自分の出世を閉ざした男社会への無言の復讐に見えました。でなきゃあんな凄いことできません・・私にも無理。不謹慎ながらあの後どうかうまく逃げてほしい、と思いました。主人公と自分がダブって見える稀有な小説です。でも自分だけ楽をしていた弥生には同情できず。自分が殺したなら処理も自分でやるべきだろうに。私はこういう女が嫌いです。
OUT 上 講談社文庫 き 32-3 Amazon書評・レビュー: OUT 上 講談社文庫 き 32-3より
4062734478
No.70
(4pt)

あきらめて、あきらめきれない主人公

主人公の雅子が強烈な印象を残します。
一言で言うと、地味な、コワい中年女性。
でもいわゆるオバサンではなく、そこそこ綺麗な人なのですが、
甘い柔らかいものをすべて削ぎ落としたような、硬質で無表情な女性。
長い間勤めた会社に失望し、追い出されるように退職して、
その痛みを家族と分かち合うこともできず、家族のなかでも孤独。
雅子の心は行き場をなくして、殻の中に閉じこもったまま。
絶望と鬱憤と、誰に向けるものとも分からない静かな凶暴な怒り。
夜勤の弁当工場の同僚である弥生が女とギャンブルに狂った夫を
絞殺してしまったことを知ったとき、雅子は迷い無く動き出す。
いきなり死体を解体することを少しもためらわない雅子の
言動が、とてもリアルに感じられました。
もう社会に何も期待していない雅子にとっては、
自分が庇ってやりたいと思う人間を庇うために、
犯罪に手を染めることが自然だった。
まるでそれが自分自身に対する義務のように。
この肝の据わった中年女性が、最初の犯罪をきっかけに
だんだん深い闇に近づいていき、ついに最も深い闇に出会う。
彼女は一体何を求めていたのか。
スピード感のある展開に引き込まれて一気に読んでしまいますが、
読後は重~いものが残ります。
OUT(上)-日本推理作家協会賞受賞作全集(89) (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: OUT(上)-日本推理作家協会賞受賞作全集(89) (双葉文庫)より
457565888X
No.69
(4pt)

あきらめて、あきらめきれない主人公

主人公の雅子が強烈な印象を残します。一言で言うと、地味な、コワい中年女性。でもいわゆるオバサンではなく、そこそこ綺麗な人なのですが、甘い柔らかいものをすべて削ぎ落としたような、硬質で無表情な女性。長い間勤めた会社に失望し、追い出されるように退職して、その痛みを家族と分かち合うこともできず、家族のなかでも孤独。雅子の心は行き場をなくして、殻の中に閉じこもったまま。絶望と鬱憤と、誰に向けるものとも分からない静かな凶暴な怒り。夜勤の弁当工場の同僚である弥生が女とギャンブルに狂った夫を絞殺してしまったことを知ったとき、雅子は迷い無く動き出す。いきなり死体を解体することを少しもためらわない雅子の言動が、とてもリアルに感じられました。もう社会に何も期待していない雅子にとっては、自分が庇ってやりたいと思う人間を庇うために、犯罪に手を染めることが自然だった。まるでそれが自分自身に対する義務のように。この肝の据わった中年女性が、最初の犯罪をきっかけにだんだん深い闇に近づいていき、ついに最も深い闇に出会う。彼女は一体何を求めていたのか。スピード感のある展開に引き込まれて一気に読んでしまいますが、読後は重~いものが残ります。
OUT 下 講談社文庫 き 32-4 Amazon書評・レビュー: OUT 下 講談社文庫 き 32-4より
4062734486
No.68
(4pt)

あきらめて、あきらめきれない主人公

主人公の雅子が強烈な印象を残します。一言で言うと、地味な、コワい中年女性。でもいわゆるオバサンではなく、そこそこ綺麗な人なのですが、甘い柔らかいものをすべて削ぎ落としたような、硬質で無表情な女性。長い間勤めた会社に失望し、追い出されるように退職して、その痛みを家族と分かち合うこともできず、家族のなかでも孤独。雅子の心は行き場をなくして、殻の中に閉じこもったまま。絶望と鬱憤と、誰に向けるものとも分からない静かな凶暴な怒り。夜勤の弁当工場の同僚である弥生が女とギャンブルに狂った夫を絞殺してしまったことを知ったとき、雅子は迷い無く動き出す。いきなり死体を解体することを少しもためらわない雅子の言動が、とてもリアルに感じられました。もう社会に何も期待していない雅子にとっては、自分が庇ってやりたいと思う人間を庇うために、犯罪に手を染めることが自然だった。まるでそれが自分自身に対する義務のように。この肝の据わった中年女性が、最初の犯罪をきっかけにだんだん深い闇に近づいていき、ついに最も深い闇に出会う。彼女は一体何を求めていたのか。スピード感のある展開に引き込まれて一気に読んでしまいますが、読後は重~いものが残ります。
OUT 上 講談社文庫 き 32-3 Amazon書評・レビュー: OUT 上 講談社文庫 き 32-3より
4062734478
No.67
(5pt)

読み応えありました!

上下巻いっきに読んでしまいました。とても面白かった。映画やドラマを見ていなかったので、すんなりと入っていけました。読み終わったあとは、映画を見てみたくなりました。ラストもけっこう好きです。個人的に家庭に縛られない女性が好きなので・・・(笑)
OUT(上)-日本推理作家協会賞受賞作全集(89) (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: OUT(上)-日本推理作家協会賞受賞作全集(89) (双葉文庫)より
457565888X
No.66
(5pt)

読み応えありました!

上下巻いっきに読んでしまいました。とても面白かった。映画やドラマを見ていなかったので、すんなりと入っていけました。読み終わったあとは、映画を見てみたくなりました。ラストもけっこう好きです。個人的に家庭に縛られない女性が好きなので・・・(笑)
OUT 下 講談社文庫 き 32-4 Amazon書評・レビュー: OUT 下 講談社文庫 き 32-4より
4062734486
No.65
(5pt)

読み応えありました!

上下巻いっきに読んでしまいました。とても面白かった。映画やドラマを見ていなかったので、すんなりと入っていけました。読み終わったあとは、映画を見てみたくなりました。ラストもけっこう好きです。個人的に家庭に縛られない女性が好きなので・・・(笑)
OUT 上 講談社文庫 き 32-3 Amazon書評・レビュー: OUT 上 講談社文庫 き 32-3より
4062734478
No.64
(5pt)

やっぱり長編はイイ!

本棚にこの「OUT上・下」が加わってからひと月近く経っていた。最近、短編やエッセイばかり読んでいたし、この作品を読むにはきっと読者側もかなりエネルギーが要るだろうと勝手に推測していた。だから時間と気力がたっぷり出来た時に一気に読んだ。それこそ憑かれたように読み進んだ。
登場人物たちは皆、様々な事柄からOUTしていてその中でもがき苦しんでいる。そこからなんとしてでも抜け出したい、と切に願う人々である。それがたまたまバラバラ殺人という事件をきっかけにいろんな形で露呈していく。たとえ非日常的なきっかけであれ、登場人物たち(特に彼女等)の心の底に沈殿している鬱蒼とした闇の部分や、飢餓感には深く共鳴できた。
全体をとおして明るい描写は至って少ない。廃墟と化した工場や、息の詰まりそうな古くて汚れた木造アパート、新築なのにちっとも暖かさや明るさの感じられない主人公の家、等々。人によっては全くやりきれない、という感を抱くかもしれない。けれども最後の最後までめげずに読んで欲しい、そういう作品である。
OUT(上)-日本推理作家協会賞受賞作全集(89) (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: OUT(上)-日本推理作家協会賞受賞作全集(89) (双葉文庫)より
457565888X
No.63
(5pt)

愛しき女性たち

本棚にこの「OUT上・下」が加わってからひと月近く経っていた。最近エッセイや短編ばかり読んでいたし、この作品を読むには読者側もかなりのエネルギーが要るだろうと勝手に推測していたからだ。時間も気力もたっぷりと、準備万端、憑かれたように一気に読み進んだ。ここに登場する人物たちは、皆それぞれ様々な事からOUTしており鉛のような物ものを心の奥底に抱えている。バラバラ殺人という事件をきっかけに、それらが耐え切れずにどろどろと溢れ出していく。見てはいけないものを見てしまったという後悔と、妙な爽快感を抱きつつ不思議な感覚にとらわれる。全体をとおして明るい描写は殆ど無い。廃墟と化した工場、息の詰まりそうな古い汚れたアパート、新築なのにちっとも暖かさや明るさの感じられない家、等々。どんどん気が滅入っていくかもしれない。けれど、そんな暗さの中にあっても彼女等の、というか、すべての女性が持っている天性の楽天的な明るさやしたたかさみたいなものが感じられる。是非、最後まで目をそらさずに読んで欲しい、そういう作品である。
OUT 下 講談社文庫 き 32-4 Amazon書評・レビュー: OUT 下 講談社文庫 き 32-4より
4062734486
No.62
(5pt)

やっぱり長編はイイ!

本棚にこの「OUT上・下」が加わってからひと月近く経っていた。最近、短編やエッセイばかり読んでいたし、この作品を読むにはきっと読者側もかなりエネルギーが要るだろうと勝手に推測していた。だから時間と気力がたっぷり出来た時に一気に読んだ。それこそ憑かれたように読み進んだ。登場人物たちは皆、様々な事柄からOUTしていてその中でもがき苦しんでいる。そこからなんとしてでも抜け出したい、と切に願う人々である。それがたまたまバラバラ殺人という事件をきっかけにいろんな形で露呈していく。たとえ非日常的なきっかけであれ、登場人物たち(特に彼女等)の心の底に沈殿している鬱蒼とした闇の部分や、飢餓感には深く共鳴できた。全体をとおして明るい描写は至って少ない。廃墟と化した工場や、息の詰まりそうな古くて汚れた木造アパート、新築なのにちっとも暖かさや明るさの感じられない主人公の家、等々。人によっては全くやりきれない、という感を抱くかもしれない。けれども最後の最後までめげずに読んで欲しい、そういう作品である。
OUT 下 講談社文庫 き 32-4 Amazon書評・レビュー: OUT 下 講談社文庫 き 32-4より
4062734486
No.61
(5pt)

愛しき女性たち

本棚にこの「OUT上・下」が加わってからひと月近く経っていた。最近エッセイや短編ばかり読んでいたし、この作品を読むには読者側もかなりのエネルギーが要るだろうと勝手に推測していたからだ。時間も気力もたっぷりと、準備万端、憑かれたように一気に読み進んだ。ここに登場する人物たちは、皆それぞれ様々な事からOUTしており鉛のような物ものを心の奥底に抱えている。バラバラ殺人という事件をきっかけに、それらが耐え切れずにどろどろと溢れ出していく。見てはいけないものを見てしまったという後悔と、妙な爽快感を抱きつつ不思議な感覚にとらわれる。全体をとおして明るい描写は殆ど無い。廃墟と化した工場、息の詰まりそうな古い汚れたアパート、新築なのにちっとも暖かさや明るさの感じられない家、等々。どんどん気が滅入っていくかもしれない。けれど、そんな暗さの中にあっても彼女等の、というか、すべての女性が持っている天性の楽天的な明るさやしたたかさみたいなものが感じられる。是非、最後まで目をそらさずに読んで欲しい、そういう作品である。
OUT 上 講談社文庫 き 32-3 Amazon書評・レビュー: OUT 上 講談社文庫 き 32-3より
4062734478
No.60
(5pt)

やっぱり長編はイイ!

本棚にこの「OUT上・下」が加わってからひと月近く経っていた。最近、短編やエッセイばかり読んでいたし、この作品を読むにはきっと読者側もかなりエネルギーが要るだろうと勝手に推測していた。だから時間と気力がたっぷり出来た時に一気に読んだ。それこそ憑かれたように読み進んだ。登場人物たちは皆、様々な事柄からOUTしていてその中でもがき苦しんでいる。そこからなんとしてでも抜け出したい、と切に願う人々である。それがたまたまバラバラ殺人という事件をきっかけにいろんな形で露呈していく。たとえ非日常的なきっかけであれ、登場人物たち(特に彼女等)の心の底に沈殿している鬱蒼とした闇の部分や、飢餓感には深く共鳴できた。全体をとおして明るい描写は至って少ない。廃墟と化した工場や、息の詰まりそうな古くて汚れた木造アパート、新築なのにちっとも暖かさや明るさの感じられない主人公の家、等々。人によっては全くやりきれない、という感を抱くかもしれない。けれども最後の最後までめげずに読んで欲しい、そういう作品である。
OUT 上 講談社文庫 き 32-3 Amazon書評・レビュー: OUT 上 講談社文庫 き 32-3より
4062734478
No.59
(4pt)

壮絶リアリティー

「柔らかの頬」があまりにも面白くないので、途中で読み始めたこの「OUT」の方にどっぷり引き込まれ、2日で読み終わってしまいました、、
他の方のレビューで「和製シドニーシェルダン」と書いてあったけれど、まさにそういう感じ。
物語の状況に引き込まれ、読んでいる最中はなんだか、私まで借金に困ったり、警察に後ろめたかったりしている気分になり、気分がなんとなく落ち着きませんでしたね(私だけ?)
確かにものすごい吸引力でした。これが面白かった、ということなのかもしれませんが。
ただ、私は普段の生活に疲れているせいか、比較的ミステリーに「達成感」や「爽快感」を求めるタイプなので(つまり物語を読んで卑屈な気持ちになったりしたくない)この貧窮にあえいだ人物の多い話には疲れました。特に、邦子や弥生には腹が立ちました。
一方、雅子の日本人の主婦にしては珍しい不屈の精神には驚き、頼もしさを感じましたが。
映画化されたらしいですが、息をつかせぬ緊迫感はまさに映画向きの話だとは思います。
こういう緊迫感が好きな人にはおすすめ。
OUT(下)-日本推理作家協会賞受賞作全集(90) (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: OUT(下)-日本推理作家協会賞受賞作全集(90) (双葉文庫)より
4575658898
No.58
(4pt)

壮絶リアリティー

「柔らかの頬」があまりにも面白くないので、途中で読み始めたこの「OUT」の方にどっぷり引き込まれ、2日で読み終わってしまいました、、他の方のレビューで「和製シドニーシェルダン」と書いてあったけれど、まさにそういう感じ。物語の状況に引き込まれ、読んでいる最中はなんだか、私まで借金に困ったり、警察に後ろめたかったりしている気分になり、気分がなんとなく落ち着きませんでしたね(私だけ?)確かにものすごい吸引力でした。これが面白かった、ということなのかもしれませんが。ただ、私は普段の生活に疲れているせいか、比較的ミステリーに「達成感」や「爽快感」を求めるタイプなので(つまり物語を読んで卑屈な気持ちになったりしたくない)この貧窮にあえいだ人物の多い話には疲れました。特に、邦子や弥生には腹が立ちました。一方、雅子の日本人の主婦にしては珍しい不屈の精神には驚き、頼もしさを感じましたが。映画化されたらしいですが、息をつかせぬ緊迫感はまさに映画向きの話だとは思います。こういう緊迫感が好きな人にはおすすめ。
OUT 下 講談社文庫 き 32-4 Amazon書評・レビュー: OUT 下 講談社文庫 き 32-4より
4062734486
No.57
(4pt)

壮絶リアリティー

「柔らかの頬」があまりにも面白くないので、途中で読み始めたこの「OUT」の方にどっぷり引き込まれ、2日で読み終わってしまいました、、他の方のレビューで「和製シドニーシェルダン」と書いてあったけれど、まさにそういう感じ。物語の状況に引き込まれ、読んでいる最中はなんだか、私まで借金に困ったり、警察に後ろめたかったりしている気分になり、気分がなんとなく落ち着きませんでしたね(私だけ?)確かにものすごい吸引力でした。これが面白かった、ということなのかもしれませんが。ただ、私は普段の生活に疲れているせいか、比較的ミステリーに「達成感」や「爽快感」を求めるタイプなので(つまり物語を読んで卑屈な気持ちになったりしたくない)この貧窮にあえいだ人物の多い話には疲れました。特に、邦子や弥生には腹が立ちました。一方、雅子の日本人の主婦にしては珍しい不屈の精神には驚き、頼もしさを感じましたが。映画化されたらしいですが、息をつかせぬ緊迫感はまさに映画向きの話だとは思います。こういう緊迫感が好きな人にはおすすめ。
OUT 上 講談社文庫 き 32-3 Amazon書評・レビュー: OUT 上 講談社文庫 き 32-3より
4062734478
No.56
(5pt)

社会はもはやロマンを与えない

深夜の弁当工場で働くパートの女たちが、ちょっとしたきっかけでバラバラ殺人に関わり、坂道を転がり落ちるように社会からアウトしていく。ある者はなし崩し的に、ある者は主体的に。ミステリ作家・桐野夏生さんの代表作の一つ。
本書の登場人物は男社会からはじきだされた女だったり、ヤクザだったり、ブラジル人だったりと、皆、現代日本社会においてアウトサイダー的な性格をもつ存在である。彼女/彼らにとって、社会は信頼やロマンを感じられる対象ではない。そこから何をもぎとるか、それだけが問題である。社会の底辺に生きる人間、この社会の内部で他人から承認されたり自己実現したりする望みなどない人間が、いとも簡単に脱社会化していく様は、読み手に圧倒的なリアリティを感じさせる。それは著者の透徹した社会認識のなせるわざだろう。
多重債務者の犯罪、中国人ピッキング集団の暗躍、多発する架空請求事件、ヤクザ経済の肥大…、現代日本社会では、社会に貢献するよう個人に動機付けするシステムが確実に機能不全に陥っている。これから日本を覆うであろう、もしくは既に覆いつつある混沌を、本書は異様な精確さで描き出している。凄まじい傑作。
OUT(上)-日本推理作家協会賞受賞作全集(89) (双葉文庫) Amazon書評・レビュー: OUT(上)-日本推理作家協会賞受賞作全集(89) (双葉文庫)より
457565888X