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やぶにらみの時計



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やぶにらみの時計の評価: 5.00/5点 レビュー 1件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点5.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(5pt)

著者初期の傑作群のひとつ

著者はその初期に、本書、「猫の舌〜」、「誘拐作戦」など、さまざまなスタイルで、仕掛けを施した、実に凝ったミステリを発表していた。
本書のキモは二人称である、ということだ。

長編ミステリの全編を二人称で描写する、というのは、大変難しい。
近年では竹本健二の「カケス〜」があるが、その仕掛けが成功しているとは言いにくい。
本作も、二人称描写が、かならずしも効果的だったとはいえない。

しかし、著者が本作にこの描写法を選択したのには理由がある。
多分、従来のミステリとは異なるスタイル、というのを意識したはずである。
新しいミステリのクリエイト、という著者のフロンティア・スピリットの表れである。
それと、二人称描写による奇妙な幻惑感。
主人公の不安感が、その不安定な表現方法によって、妙にリアルに描写されている。
これが、本作を非常に印象深いものにしている。

正直なところ、ストーリーはたいしたことはない。
しかし、そのストーリー以上に、本作は仕掛けが記憶に残る作品である。
そして、著者のそのチャレンジ精神、ミステリ魂にエールを送りたい。
やぶにらみの時計 (中公文庫 A 60)Amazon書評・レビュー:やぶにらみの時計 (中公文庫 A 60)より
4122002311

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