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悪魔の降誕祭
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【この小説が収録されている参考書籍】
悪魔の降誕祭の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.31pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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<表題作の感想のみ> いやぁ、クリスマスが降誕祭であることくらい知っていた筈なのに、読み進めるまで本書の題名が“クリスマス殺人事件”の横溝的翻訳に過ぎないと気づかなかった。油断し過ぎだ……w。 ところで、金田一耕助と云えば、揶揄い半分に防御率の悪さがよく指摘される。 彼が事件に介入した後も、犠牲者はどんどん増えるじゃないかとw 長篇作品では、間を持たせるためにもビジュアル的に華やかにさせるためにも、連続殺人になり勝ちというメタな理由もあるのだけれど、このところ中短篇のマイナー作品を集中して読んでいると、耕助が必ずしも守れないわけではないし、犠牲者がでない方向に尽力することだってあるじゃないかという印象を持った。 しかし、本作はアカン。 彼が緑ヶ丘に転居してきてから一年と経っていないだろうに、早くも事務所で殺人か……ということはさて置き、そこまではまぁ彼に落ち度はないだろう。 依頼者が自分自身の身の危険を感じていたのか、あるいは周囲の誰かの身を危うんでいたのかは、その時点で明確ではなかったが、怖れどおりに実際に死んでしまったことは事実だから、一種の予告が実現されたとも云える。 そして、金田一耕助事務所の日めくりカレンダーが5日先まで進められており、この時点ですでに耕助は、そこに不穏な予感を持っている。 当然所轄の捜査も入り、被害者に近い関係者も呼ばれて、周辺事情も聞き込みされる。 そして部屋の捜索が終了しても、捲られた5日分の日めくりは見つからない。 そうなると、状況から死んだ依頼者が自殺した可能性は低いし、めくったカレンダーは所持していなかったのだから、12/25に何かが起こるメッセージにせよ、ただのイタズラにせよ、カレンダーを進めたのは犯人で、捲った紙はその人物が持ち去った可能性が高いとなる。 ここで金田一耕助と所轄の島田警部補は、その可能性について会話までしている。 もちろんこの時点では、警察が関係者の身辺警護をするまで真剣にはなれないだろう。警察にそんな余力はない。しかしだからこそ、関係者にその可能性は僅かにでもあることを伝えて12/25当日はおとなしく過ごすようにアドバイスすべきだろう。 金田一耕助の直感は鋭いが、十分自信が持てるまではなかなか周りに伝えないことは、等々力警部が再三ぼやいているが、今回は島田警部補だってその可能性を指摘しているわけだし。 もちろん関係者に自粛の強制はできないし、仮に彼らがその情報を伝えられたとして、なおさら大勢で過ごすほうが安全だと考えても不思議ではない。パーティーなんか催いたら、絶対事件が起きるでしょと確信できるのは、探偵小説の読者だけであるw しかし僅かなりと危険の可能性を伝えられていたら、さすがにあれだけ間抜けなこっそりムーブは自重したのではないかw それはともかくも、果たして殺人事件が発生し、金田一、等々力、島田などが現場に急行するが、彼らに一切罪の意識はない。むしろ自分たちの勘が中ったことをかすかに喜んでいる風も……。 そーゆーところだよ。 そんな展開がシリーズを通じて散見するから、全体として、金田一耕助に犠牲者予備軍を守る意思なんてないと揶揄されるわけだw | ||||
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「悪魔の降誕祭」「女怪」「霧の山荘」3作が収められている。 ミステリーとしては、「霧の山荘」が面白かったが、「悪魔の降誕祭」「霧の山荘」は 後の大作「仮面舞踏会」の習作のような感じがした。 横溝氏のミステリーでいつも感心させられるのは、舞台設定を十分に生かしているところで、 僕の場合は、謎解きというより、その舞台を楽しみたいと思って、作品を読んでおり、 年末になるとなぜか無性に作品が読みたくなる。 今回も、霧の軽井沢とか、クリスマスの夜とか、雰囲気の出し方がうまいなと 感心しながら読了した。 静かな夜のお供にいかがでしょうか? | ||||
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「悪魔の降誕祭」、「女怪」、「霧の山荘」の3つの中編を収める。 もっとも面白かったのは「女怪」。気の利いたラストは、読者によって様々に受け取られるだろう。ニヤリとする人もあり、悲しく思う人もあり。 表題作「悪魔の降誕祭」は重厚なミステリ。犯人の意外さと不気味さが印象的。 「霧の山荘」は駄作。 傑作とは言えないが、まあ、買って損のない一冊だろう。 | ||||
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