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クリスマス緊急指令 きよしこの夜、事件は起こる!
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クリスマス緊急指令 きよしこの夜、事件は起こる!の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.25pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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高田さんの本はほとんど読んでます。神社や蝦夷、大和朝廷にまつわる内容を殺人事件にからめて書いてるのが多いと思います。 この本は短編ですか、また違う魅力を発見しました。さすがだと思います。 | ||||
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帯に「ハートフル・ミステリ」とあるように、どれもほのぼのとした味わいがあり、あ、こんなジャンルも書くんだ、と作者の幅に驚くと同時に、そのいちいちにやはり、QEDやカンナのシリーズの学究的な求心力がストレートに通っていることを心地よく感じました。 ことにk's bar storyと題された二作はおもに対話のみで、事件というか、物語が語られてゆきますが、じらされたり、隔靴掻痒だったり、とってつけたようだったり、ということのない流れるような自然さで、見事なテクニックでラストへ導かれます。前の「クリスマス・プレゼントを貴女へ」はもしかしたら作者も自覚しているのかもしれませんが、O・ヘンリーの短編のような洒落た暖かさで結ばれ、クリスマスの鐘が心の中に鳴り渡るようなエンディングでした。 また「怪探偵」の2作は、ホームズと明智小五郎もののパスティーシュで、しかもそこにたがの外れた(狂気に近い)ノンセンスも混入してきていて、これは「アリス」的なノンセンス文学としても笑えます。けれどもこの手のハチャメチャパロディにありがちな「やかましさ」が一切ないところが、やはりこの作者らしく、透徹した求心力を別の形で感じさせられました。 「オルゴールの恋唄」は複数の家族の物語がオルゴールの奇妙な音色を契機に、輪舞のように連鎖してゆく、映画のようなほのぼのコメディと言ったらよいでしょうか。しっとりとした後味と暖かい目線が、作者のヒューマンな素顔を見せてくれます。 そしてラストの「茜色の風が吹く街で」は『九段坂の春』の原型のような、中学生たちのほろにがい青春もの。試験問題を盗んだのは誰なのか。優しい目線で過去をふりかえる、心にしみる一篇です。「もしかしたら、あの時の誰かもどこか遠くでこの空を、ぼくと同じような気持ちで眺めているかも知れない。茜色の風に吹かれながら、ふとそんなことを思った」。 高田崇史の愛読者なら、作者の意外な面をうれしい驚きで発見できる玉手箱のような一冊です。QED系のシリーズでは、歴史の彼方に埋もれた人々の怨念や満たされない暗黒の情念のほうに、ひたすら目が向いていますが、こちらは一転して、ほのぼのと心温まる、ひととひととの優しい向き合いの物語で、こちらのテイストの現代ミステリももっと書いてもらえたら、と期待します。 | ||||
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