■スポンサードリンク
クライマーズ・ハイ
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
クライマーズ・ハイの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.17pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全171件 101~120 6/9ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
JAL123便墜落事故を舞台に、地元新聞を中心とした人間同士の葛藤や謎をめぐるストーリー。 実質的に主軸となるのは事故から1週間までの間だけだが、そう感じさせない広がりのあるストーリー展開は、性格や背景を含めた、作者による人間描写のリアルさ故だろうと思う。 事故の甚大さと人間の葛藤が非常な臨場感を持って迫ってくるので、続きが気になり読む手が止まらない。 「メディア」とは、「死」とは、「家族」とは、そして「山に登る」とは。様々な考察を与えてくれる読後感となっている。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
完全に物語に引き込まれました。ページをめくる手が止まらない。 まず主人公の心理描写がたくみで、周囲の葛藤や組織のゆがみも、 目をそらすことなく描かれています。 読み終わりになると、最高にぐっときます。 この物語の人物たちに勇気をもらえました。 これからもがんばっていこうと思います。 ここまで書けるのは、実際に著者が事故を取材したからだと言いようがありません。 久々に良作に出会いました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「下りるために登る。」 自らの信念に基づき、責任を果たすというのはどういうことなのか? 悩み、苦しみ、そして自分なりの結論を出していく主人公・悠木の生きざまに、強い感動と勇気をもらいました。 いい作品です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
これはひとりの地方新聞社のデスクが、日航機墜落事故取材を通して、ひとの命の重さ、仕事のあり方、そして親と子の絆を描いた素晴らしい作品です。 当初、日航機事故のドキュメンタリー?かと思いましたが、そこに描かれる重厚な人間ドラマには引き込まれ、ハードカバーの421ページ、一気に読み終えてしまいました。 中に、墜落現場で取材した記者、佐山の記事があります。 『若い自衛官は仁王立ちしていた。 両手でしっかりと小さな少女を抱きかかえていた。 赤いトンボの髪飾り 青い水玉のワンピース 小麦色の細い右手はダラリと垂れ下がっていた。 自衛官は天を仰いだ。 空はあんなに青いというのに 雲がぽっかり浮かんでいるのに 風は悠々と尾根を渡っていくのに 自衛官は地獄に目を落とした。 そのどこかにあるはずの 女の子の左手を探してあげねばならなかった‥。』 思わず泪が出てしまいました…。 新聞の仕事は、このような事件や事故を報道することにより、命の重さや、大切さを伝えるだけでなく、二度と同じことを繰り返さないようにする警鐘を鳴らす大事な仕事と思いました。 また、他社との報道合戦、深夜までの編集会議、ぶつかり合って仕事をするひとたちのパワーを見せていただきました。 そして、表題の 「クライマーズ・ハイ」。 これは、登山者の興奮状態が極限まで達し、恐怖感が麻痺してしまう状態のことだそうで、もし、切り立ったがけを上っているときにこの状態が切れて、正常に戻ってしまったらもう、一歩も登れなくなるそうです。 ラスト、主人公が衝立岩にロッククライミングに挑戦し、登り終えます。そして今までの人生を振り返ります。 『生まれてから死ぬまで懸命に走り続ける。転んでも、傷ついても、例え敗北を喫しようとも、 また立ち上がり走り続ける。人の幸せとは、案外そんな道々出会うものではないだろうか。 クライマーズ・ハイ。一心に上を見上げ、脇目も振らずにただひたすら登り続ける。 そんな一生を送れたらいいと思うようになった。』 自分の人生は今までどうだったのか…、今後、こう思える日が来るのだろうか? 少なくとも、後悔しないよう、この主人公のようにこう思いながら日々を過ごしていけたらいいな…と思いました。 これは原田眞人監督により映画化もされています。 原作とは多少違い、端折ったところもありますが日本アカデミー賞を総なめしたことでもわかるように、力強い作品に仕上がっています。 原作同様、ぜひご覧になってください。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
『クライマーズ ハイ』登山で興奮が極度に高まり、感覚が麻痺すること。日航機事故の取材現場や新聞各社の社内は、まさにクライマーズ ハイ状態だったと思います。目に浮かぶようです。ほんとうにリアルな新聞社の内幕は、体験者でないと語れないエピソード満載です。事件を軸に息子との親子関係、同僚登山仲間の死、会社の上司部下の話をうまく絡めて一気に読ませます。臨場 (光文社文庫) | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
人間くさくて読み応えがあり、面白かった。 でも日航機事故についての情報がもう少し組み込まれても良かったと思う。 日航機事故を舞台とする必要があったのかと疑問に思うし 物語としても一部不完全燃焼だったような気がする。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
85年、夏。 あの夏は特別熱かった気がします。 中学2年だった私は、父の実家新潟へ帰省するために、荷物をこしらえ、一息ついた頃であろうか?7時のNHKニュースで日航のジャンボ機が行方不明になったことが速報で流れていた。次々へと流れてくる情報は暗澹たる物であった。その頃、関越道は全線開通されておらず、混むところが人一倍嫌いな父の運転する車は首都圏から東北道へ、そして、福島から山形新潟へ通る、今とは比べ物にならないくらい交通事情の悪さの中、深夜に向かうため、当時の人気番組「なるほど・ザ・ワールド」を見てから、眠りにつこうとした。番組には123便に搭乗していた坂本九が出ており、番組の最後には坂本九の安否を気遣うテロップが流れ、暗澹たる思いはさらに倍増し、眠れなかった。他人の生死が気になって眠れなかったことは人生の中で初めてであったろう。 本書「クライマーズ・ハイ」にはあの85年の夏を思い起こさせる。そして、事故の裏に隠された人間ドラマが凝縮されています。 。 本書読後、実家に帰り、父とあの夏の話をしました。熱かった85年夏を・・・。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
有名な本なので内容をご存じの方も多いと思いますが、簡単に紹介させていただきます。 主人公は、群馬県の地元紙につとめる40歳の中堅記者。かつて部下を死なせてしまった負い目を持ち、記者としての出世街道を外れています。 暗い生い立ちが影響したのか中学生の息子とうまくいかず、ギクシャクした家庭環境から逃れるように山登りをはじめました。山登りの先輩から難しいことで有名な岩登りに誘われ、いざ出かけようとする直前、あの御巣鷹山への日航機墜落事故が発生しました。 主人公の将来を心配する報道局長は、この未曾有の事故を報道する全権デスクに彼を任命します。 降ってわいたような事故に対処するために沸き返る新聞社内。 記者を振り分け、原稿に赤を入れ、事故の大きさに向かい合ううちに、主人公には記者魂がよみがえってきました。 上司や他部門と軋轢を起しながらも、少しでもいい紙面を作ろうとする主人公。いっしょに岩登りするはずだった先輩の不可解な入院が重なり、事件のスクープと先輩の入院の謎解きを交えて、物語はクライマックスへ……。 小説家になる前、著者は群馬県の上毛新聞という地元紙の記者をしていました。事件記者としてサツ回りも担当し、御巣鷹山の日航機事故も現場取材を経験しています。 事故から20年近い歳月が流れ、著者の経験は読み応えのある小説にまとめられました。 この作品を、著者は次のように語っています。 ――記録でも記憶でもないものを書くために、18年の歳月が必要だった。 重い主題なのに、最後にはさわやかな結末が用意されています。 ネット上の読書サークルの参加者で、「ここ10年間に読んだ本の中でベスト」と評価している人もいました。 私もお薦めします。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
1985年夏に起きた未曾有の大惨事・日航機墜落。その墜落現場となった群馬県の地方新聞社はどれほど緊迫していただろう。この作品にはその緊迫した雰囲気がぎゅーっと凝縮されています。 上司や部下との関係。夫婦、そして親子の関係。 大きな事件を軸に、登場人物たちそれぞれの人生を垣間見ることも・・・。 現実の厳しさが、びしびし伝わってきます。 最後が少しハッピーな感じだったので、救われたような気分になったのは私だけでしょうか? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
責任を負った者がそれを果たそうとするも、壁に阻まれ思い通りにならない歯痒さに共感する方が多いと思う。阻む「壁」は、時には自分自身の揺らぎであったり、組織であったり、人であったりと様々。日航機事故を巡る新聞社を描写しながら、現実に対応していく人々の生き様が描かれ、人の弱さと強さが浮き彫りにされる。 生きていれば思い通りにならないことは沢山あって、主張や妥協を経て、着地点を見つけるのも一苦労だなと思う。安西の「下りるために登るんさ」というのも、彼が目指した着地点だった。読み終えて、自分にとって、何か見出したい着地点はあるのだろうかと自問が残る。また、何かに対して「クライマーズ・ハイ」な状況になったことがあるかと鑑みるに、無い。何だかそれも哀しい・・。 ところで、読了後に新聞社の方とお話する機会がありまして。諸々の話を合わせると、おおよそ本作に出てくるような編集局、広告局、そして各部の有り方は現実なんだなあと分かりました。事前に本作で予備知識?があったために、より生生しく感じられました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
冒頭から、ググッと引きつけられて、次のページを繰らずにはいられない感じ。がっしりとした骨太な文章が強烈な印象を心に刻んでいきます。 最後が、ハッピーエンディング的でちょっと物足りない感じはするのですが…。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
御巣鷹山に日航機が墜落した事故を取材する地方新聞社が舞台。 主人公の悠木は、人付き合いの下手な中間管理職。 同僚とも家族(特に息子)ともうまく付き合えない。 社長とぶつかって左遷が決まった時、悠木はやっと少しだけ妻に心の痛みを見せることができた。夫婦っていいな、と思った。 人間関係がぎすぎすしていて、怒鳴り合いやののしり合いがたくさんあり、読んでいて少々疲れた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
新聞社デスクの、ひりひりするような、日々の葛藤を、臨場感たっぷりに描いている。思わず感情移入させられ、その場で、ビジネスの、大小のさまざまな摩擦の中にいる感覚を味わえる。これらの瑣末なしかし影響度合いの大きな日常の葛藤と、大惨事、人の生死という、エポック・メイキングな出来事とを、錯綜させて、主人公の苦悩のほどを、描いている。新聞社でのキャリアを、寒村の記者として終えた主人公であるが、なんと手ごたえある、人間らしい人生だったろうか。これもまた、猪瀬直樹の「日本凡人伝」を彷彿とさせる、凡人でありながら、筋を通した人物の、ドラマである。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
横山秀夫の本は結構読んでいるのに、 なぜかこれを読んでいなかったので今更読んだ。 率直な感想として、一気に読めておもしろかった。 元新聞記者だけあって、新聞社内部の暗闘は 生々しく伝えている。 それにしても上下関係もなく、ここまで激しくケンカが できるものなのか・・? ただ、他のレビューにもあるように最後の方が 少しあれっ、て感じがした。 クライマックス・結論のところが 「命の平等」というのが、確かに何点か伏線は 張っているとはいえ、そっちにもっていくか、 と感じた。 またエンディングが感動・感動・・・で、 著者にしてはかなりのハッピーな終わり方が、 それこそ「泣かせ」くさくてあまり好きではないかな。 でも基本はおもしろかったので、それを引いて★4つ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
傑作という評判は聞きながら読む機会がありませんでしたが、佐藤浩市氏主演でドラマ化された本作品を昨年暮れに観て原作を手に取った次第。 悠木は40歳にして訳あって部下なしのブン屋ですが、日航ジャンボ機墜落事件の専門デスクに指名されるという千載一遇のチャンスを得る。 航空機事故史上未曾有の規模の惨事を報道する地元有力紙の専権デスクという職責からくる高揚感・責任感・不安感の間を行きつ戻りつする 悠木の心情描写はその(言葉は悪いですが)ヘタレぶり、という意味においてリアリティをもって読者に迫ります。 40歳は「不惑」の年と言いますが、わたし自身もその年齢を前にして迷いっぱなし。悠木も「報道」はこうあるべしと信念はもちつつも 現実に判断を下す段になると惑いが。その悠木の惑う様を通し「仕事とは」「人生とは」「男とは」という根源的な質問が、本書のラストのラストに至るまで繰り返し繰り返し読者にぶつけられることになる。 読みながらまさに自分が「クライマーズ・ハイ」状態になって読了。傑作。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
平成17年年末に放映されたNHKテレビドラマが印象に残っていたので,原作を読んでみた。 昭和60年8月,群馬県の地方新聞社の記者・悠木は,同じ会社の安西から衝立岩に登ろうと誘われた。約束の時間が迫り,そろそろ会社を抜け出そうとしたとき,日航ジャンボ機が行方不明になったというニュースが流れた。急遽日航全権デスクに指名された悠木は,それが世界最大の航空機事故であることを知る。県内の御巣鷹山に墜落したとの確報に,編集部は騒然となる。それから1週間,悠木は全権としてかつて経験したことのない喧騒の渦に巻き込まれる。一方,安西もまた,衝立岩登頂を果たせずにいた・・・。 編集局と販売局の対立,冷えきってしまった子供との関係・・・様々な問題が悠木を悩ませる。普段,何気なく読んでいる新聞が読者の手に届くまでに,多くの人々が活動しているのを知った。 小説の展開は手に汗握るものがあり,また,同じ中年男として,悠木の苦衷にも共感できる。すべての登場人物が,ステレオタイプな善玉・悪玉ではなく,それぞれがある種の意地と誇りと正義感を主張しており,さわやかな読後感がある。悩み多きサラリーマン諸氏にお勧めしたい小説である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
地方新聞記者である主人公の谷川岳の難関の岩壁登山と、数十年前の日航機墜落時の記者経験をシンクロさせながら描写しているのだが、横山秀夫自身に記者経験があるせいか表現が詳細かつ現実的である。横山秀夫の他の著書同様読ませる作品だった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
実際の御巣鷹山日航機墜落事故をめぐって、地元「北関新聞」の熱き記者達が繰り広げる熱きプロジェクトX的ストーリー。 本作品の登場人物はとにかくすぐブチキレる。上司にたてつくなんてぇのは日常茶飯事で、記事を載せる載せないで 激アツバトルが繰り広げられます。上司と部下の諍いはもちろん、派閥や他部署の利権争いも加わって、 「北関新聞」は戦争状態。こんなんで会社がもつんかと心配になられる読者の皆さんも多いはず。 何の戦略ももたない裸の王様的上司と、それを神のように扱うゴマスリ系バカしかいない会社に勤めている 私にとっては、うらやましい限り。悠木のように上司の胸ぐらつかんで「てめぇアホか」と一回言ってみてぇ〜。 最初の頃は読んでいて気持ちよかったのですが、途中で「何でみんなこんなに怒ってんの?」と 逆に覚めてしまったのも事実。上毛新聞に勤めていたという横山さん、まさか上司と喧嘩して会社辞めた わけじゃないですよね。書いてるうちにイヤな思い出がこみ上げてきて、怒りがおさまらなくなったとか。 <横山秀夫の自伝的小説>と勝手に解釈して読んでみるのも面白いですよ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
見切り発車でスクープのリスクをおかすか、確実な裏がとれるまで待ってからにするか、新聞記者は葛藤する。日航機墜落事故の現場臨場感は素晴らしいと思う。面白く読めた。 しかし、警察機構、検察の内情表現などと比べると新聞社内の抗争は迫力で劣る。 また、タイトルとなった登山の描写は貧弱だ。描けていない。現実と回想が交互に出てくる手法も何だか邪魔くさい。これは登山の描写がうそ臭いからだと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
群馬の地方新聞社の記者が主人公。御巣鷹山日航機墜落事故の取材、報道を通して、上司と部下、親と子、生と死の関係を描いた作品です。読んでいて、言葉に出来ないけど漠然とした重さが体に来ました。親子って、命って、自分の人生って、生きるって・・と、考えがまとまらないまま、読み終わってからもしばらくは、ふと気づくとこの事を考えていました。大切だけど、直視するのが怖かったり、あらためて考えようとしない問題が、この本の中にはたくさん投げかけられていて、今全部受け止める事は難しいけど、自分の生き方を考えるいいきっかけになりました。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!