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震度0



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震度0

震度0の評価: 3.46/5点 レビュー 96件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.46pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全26件 21~26 2/2ページ
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No.6:
(3pt)

うまい小説

警察小説、複数人物の一人称語りによる展開、謎解きを含んだプロットと来れば、横山秀夫の得意な三大噺のようなものだ。別々の人間が一つの事象を語り、複雑な人間関係と物語を貫く謎を読者に理解させ、引き込む流れはもはや職人芸。ただ、やや複雑に過ぎる人間関係にギブアップする人もいるかもしれないこと(警察各部署の職責やヒエラルキーの複雑さもその要因)、最後のどんでん返しに少し納得性が薄いこと、阪神大震災とプロットのかかわりの薄さなどを考えると、作者の別の作品にくらべてやや粗い印象がある。
震度0Amazon書評・レビュー:震度0より
4022500417
No.5:
(3pt)

マンネリを良しとするか

謎の失踪を遂げた警務課長を巡って巻き起こる、県警幹部たちの虚々実々の駆け引きと足の引っ張り合い……。県警本部長以下、キャリア組エリート警務部長、準キャリア警備部長、叩き上げの刑事部長など入り乱れての情報戦の結末は? と来て、又かと思う人と、だから読みたいと思う人に分かれるでしょうね。ただ、阪神大震災が、時間経過を表すだけに使われたのは、どうでしょうか?小説に倫理を持ち込む必要は無いと思いますが、もっと効果的な使い方があったように思います。
震度0Amazon書評・レビュー:震度0より
4022500417
No.4:
(3pt)

劇画的警察小説

◆1月17日、阪神淡路大震災の直後、N県警の警務課長が姿を消し た。外部に漏れず処理するために、県警幹部たちが自分の部下を使い、 手持ちの情報を小出しにしながら主導権争いを展開する。保身に汲々とする県警上層部の慌てぶりを漫画的に描いた作品 で、短時間で読める。面白いことは面白いし、結末に「半落ち」を思い出させるような人情 話が語られるところまで、いかにもこの作者らしい作品。ただし、「クライマーズ・ハイ」のようなストーリー性と緊迫感がないの は、登場人物があまりにもステレオタイプだからだろう。
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4022500417
No.3:
(3pt)

甘い

 「警察小説はここまで進化した!」という惹句を真に受けたわけではありませんが、昔、某県警の実態を垣間見たこともあるので、初めて横山氏の作品を読んでみました。 震災を単なる「道具立て」としたことに対するの批判が多いのは、倫理の教科書を小説に期待することのない私には意外です。 この種の作品にとって最も重要なのは面白いか否かということに尽きると思いますが、ある程度警察の実態を知っており、そこに興味の中心がある読者には物足りないと感じられるでしょう。 確かに、警察という組織は露骨な階級社会で、権力欲を隠さない者の多さも漫画的ではありますが、それは、他の組織にもあるものが戯画化され実現されてしまっているに過ぎないとも言えます。 例えば、交通違反のもみ消しに良心の呵責を覚えるような者が所属する組織に「有能」と評価されることがないのは、警察に限らない悲しむべき現実であるはずです。 「警察小説」に対しては無い物ねだりかとも思いますが、警察の暗部だけではなく、政官業の「馴れ合い」を描けばもっと興味深いものになると思いました。(既に傑作が存在しているとしたら、管見をお詫びします。) 
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4022500417
No.2:
(3pt)

前評判にのせられて読んで見たけれど・・・

 警察の内部のキャリアとノンキャリアの人との対立や、それぞれの次期ポストへの思惑などが描かれていて、たぶん現実もこのようなものだろうな、と思いながら読みました。細かい描写で警察小説の作者ならではの作品です。 ただ、「半落ち」、「第三の時効」などのイメージが強すぎるので、それらに比べてストーリー性が欠けている感じでした。横山秀夫さんの作品はどちらかというと短編の方が切れがあっておもしろいと私は思っています。
震度0Amazon書評・レビュー:震度0より
4022500417
No.1:
(3pt)

警察内部の醜悪な人間模様はちょっともう…

作者得意の、警察官それぞれの立場での思惑や欲得を絡めながら展開して行く警察小説。今回はメインの事件が警察内部(それも上層部)で起こるため、そのドロドロ具合はこれまで以上のものがあります。群像形式に引っ張られて読み進めましたが、途中でやや胸焼け感あり。「踊る大捜査線」や作者の一連の小説により、警察という組織がいかに尋常でない論理のもとに成立しているかは、広く世間の知るところとなりました。事実、後をたたない警察官の不祥事報道は、それらの「フィクション」があながち全くの虚構ではないことを裏付けています。しかし、だから全ての警察官がおどろおどろしい人間である、とは決して言えないはずです。本書にも、警察官の古典的良心をとどめる(あるいは取り戻す)人物は出て来ますが、何にせよ大多数の登場人物がちょっと毒々しすぎるような気がします。今回の作品では、共感ではなく敵意、批判ではなく揶揄、をより強く感じました。最後にほんの小さな光明を演出してはありますが、どうにも救いがない読後感でした。作者のように影響力のある作家が警察組織をこのように取り上げ続けることで、果たして日本の警察は少しでもよくなるのか。むしろ、「どうせ警察官は…」という意識が社会を被い尽し、志願者は減り、組織の志気も地に堕ちる結果になりはしないか。(少なくとも今のところ、残念ながら後者の方向に進んでいるような気がしますよね。)日本人の一人としていささか不安になります。もう一つ。この物語と阪神大震災を同時進行させる意味はどこにあったのでしょう。震度0、震災の日を命日として手を合わせる、刻々と数を増し続けた犠牲者数の報道。あの大震災が、小説の単なる小道具として扱われたような印象がどうしても残り、そこも今一つ納得できませんでした。そうは言っても出れば読んでみたくなる作家です(こうやって出れば即買っているわけで…苦笑)。新境地を開拓されることを切望します。
震度0Amazon書評・レビュー:震度0より
4022500417

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