蒲公英草紙 常野物語

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蒲公英草紙 常野物語の評価:

3.90/5点 レビュー 68件。 B ランク

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全96件 41〜60 3/5ページ
No.56
(4pt)

聡子は日本の良心

時代は「にゅう・せんちゅりぃ」(21世紀ではありません。20世紀です)を迎えた頃、場所は山を越えれば福島、という阿武隈川沿いの農村地帯。絵に書いたような田園風景が目に浮かびます。大地主の末娘・聡子の話し相手としてお屋敷に上がることになった峰子の日記がタイトルの『蒲公英草紙』です。彼女が自分の日記になぜこの名前を付けたのか、何となくわかる気がします。うららかな春の午後、窓辺から黄色い蒲公英に紋白蝶が戯れている様子を窓辺から眺めていて思いついたようです。

 父親から帳面をもらった峰子は「しっかりお勉強をして世の中の役に立つ人間になりたい」と考えます。からだが弱く、成人するまでは生きられないだろうと言われていた聡子は、畑仕事を手伝う子供たちを見て「みんなあんなに働いているのに、聡子は何もしてないね」「聡子はぬくぬくとわがままをさせてもらっているのに、何も村に返してません」と言います。これから大人の階段を上ろうかという年頃の少女たちでも、普通にこんなことを考えられていた時代があったんでしょうね。家族のためとか、地域のためとか、国のためとか、とにかく自分のことだけを考えるのではなくて、誰かのために役に立つ人間になりなさいと親は子に教え、子はその教え通りに何か人の役に立つことをしようと思う、美しい日本人がたくさんいたんですね。

 聡子を見ていると、育ちがいいというのはまさに彼女のためにある言葉だと思います。美しい言葉遣い、周りの人への気遣い、感謝。清々しい心の持ち主は、周りにいる人の心まで暖かくさせる。そこにいるだけで心を和ませることのできる人。聡子を取り巻く人々も優しさにあふれていて、せわしない日本にも、かつてはこんな風に平和でゆったりと時間が流れていた時代があったんだなと、読んでいる私まで穏やかな気持ちになりました。

 だからこそ、村をおそった悲劇がひどくつらいものになるのですが、ここでみんなの気持ちを救うのが、常野一族の春田一家です。『光の帝国』の一話にもつながりのあるような家族が出てきましたが、みんなを「しまう」ことのできる彼らと村人たちとの交流は短くも心に残るものでした。

 最後は昭和20年8月15日。玉音放送を聴いた峰子は深い喪失感の中にいますが、だからこそよけいに聡子のとの楽しい日々に心を引き戻されてしまうんでしょう。平和な物語のラストとしてはちょっと切ない終わり方なんですが、だからこそ聡子の美しさが引き立っているような気がします。「自分が幸せであった時期は、その時には分かりません。」深い言葉ですね。
蒲公英草紙 常野物語 (常野物語) Amazon書評・レビュー: 蒲公英草紙 常野物語 (常野物語)より
4087747700
No.55
(4pt)

聡子は日本の良心

時代は「にゅう・せんちゅりぃ」(21世紀ではありません。20世紀です)を迎えた頃、場所は山を越えれば福島、という阿武隈川沿いの農村地帯。絵に書いたような田園風景が目に浮かびます。大地主の末娘・聡子の話し相手としてお屋敷に上がることになった峰子の日記がタイトルの『蒲公英草紙』です。彼女が自分の日記になぜこの名前を付けたのか、何となくわかる気がします。うららかな春の午後、窓辺から黄色い蒲公英に紋白蝶が戯れている様子を窓辺から眺めていて思いついたようです。

 父親から帳面をもらった峰子は「しっかりお勉強をして世の中の役に立つ人間になりたい」と考えます。からだが弱く、成人するまでは生きられないだろうと言われていた聡子は、畑仕事を手伝う子供たちを見て「みんなあんなに働いているのに、聡子は何もしてないね」「聡子はぬくぬくとわがままをさせてもらっているのに、何も村に返してません」と言います。これから大人の階段を上ろうかという年頃の少女たちでも、普通にこんなことを考えられていた時代があったんでしょうね。家族のためとか、地域のためとか、国のためとか、とにかく自分のことだけを考えるのではなくて、誰かのために役に立つ人間になりなさいと親は子に教え、子はその教え通りに何か人の役に立つことをしようと思う、美しい日本人がたくさんいたんですね。

 聡子を見ていると、育ちがいいというのはまさに彼女のためにある言葉だと思います。美しい言葉遣い、周りの人への気遣い、感謝。清々しい心の持ち主は、周りにいる人の心まで暖かくさせる。そこにいるだけで心を和ませることのできる人。聡子を取り巻く人々も優しさにあふれていて、せわしない日本にも、かつてはこんな風に平和でゆったりと時間が流れていた時代があったんだなと、読んでいる私まで穏やかな気持ちになりました。

 だからこそ、村をおそった悲劇がひどくつらいものになるのですが、ここでみんなの気持ちを救うのが、常野一族の春田一家です。『光の帝国』の一話にもつながりのあるような家族が出てきましたが、みんなを「しまう」ことのできる彼らと村人たちとの交流は短くも心に残るものでした。

 最後は昭和20年8月15日。玉音放送を聴いた峰子は深い喪失感の中にいますが、だからこそよけいに聡子のとの楽しい日々に心を引き戻されてしまうんでしょう。平和な物語のラストとしてはちょっと切ない終わり方なんですが、だからこそ聡子の美しさが引き立っているような気がします。「自分が幸せであった時期は、その時には分かりません。」深い言葉ですね。
蒲公英草紙 常野物語 (常野物語) (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 蒲公英草紙 常野物語 (常野物語) (集英社文庫)より
4087462943
No.54
(5pt)

小さな世界の中の至極の思い出

前作「光の帝国」は、さまざまな能力を持つ常野の人々の全体像と彼らの引き寄せられる役割、そして時のさまを描いたいたのに対し、「蒲公英草紙」は常野の人々ではない一人の女性の少女時代の回想として、思い出深い常野の人々が語られています。語りは一人称ですし、少女だった頃の視点から語られているので、今と違って、情報の量も少ないですし、子供に何もかもが筒抜けではないためでしょうか…情報の中の怖いものや大人の事情はあいまいで優しい世界になり、小さな世界の中の至極の思い出がまばゆく輝いています。

 「蒲公英草紙」に登場する常野の人々の中には、「光の帝国」の「大きな引き出し」に登場する春田一族の祖先がいます。彼らは膨大な知識や人そのものを「しまう」、そして時には「響かせる」役割を持ち、旅をしながら暮らしています。今回、常野の人々の視点から物語が語られないのは、彼らが主役であろうとしないからではないかと思っています。彼らは代々為すべきことを為すために行動し、優れた力を持ちながら表舞台に出ようとはせず、目立たぬようにけれども世界のありようを支えている人々だからです。…代々為すべきことがはっきりしているというのは、制限でもあるけれど、幸せなことなのではないかとも思います。不思議と常野の人々にはその定めに逆らうものが今のところいないので、何かの定めによって定められているかのように時には自己を犠牲にしてまで、何かを守ろうとしています。その一方で、語り手である峰子が出会う聡子は、春田一族とは異なり、常野のことをよく知らないままその能力を知らず発揮しています。聡子は祖母から聞いたわずかな常野についての知識を物語だと認識していましたから、春田一族のように知識の伝達や教育を受けていないのです。それでも彼女は少し遠くのことが見える力で自らの為すことを為そうとするのですが、春田一族の成長過程と比べて、真っ暗な道をひとりで進んでいかなければならないという周囲のサポートの少ない仕事であったといえます。それを思うとせつなくなると同時に、語り手である聡子の話し相手である峰子とのたわいない少女同士の夢やおしゃべりがどんなに聡子の支えとなっていたのかがよくわかります。峰子は聡子を理解していたわけではありませんが、聡子の小さな世界と見えるだけの外の世界をつなぐ人物としていつも沿い、かけがえのない媒介者であったと思います。それから、ラストに峰子が数十年を経てなぜ今回想に至っているのか、が語られているのですが、厳しい中にもわたしにはどこか長期的な希望のかけらが感じられました。それは峰子の代なのかも知れないし、もっと先のまだ生まれていない人々の代なのかもしれませんが…常野の人々を知ると物事を大きなスパンで見られるようになるような気がします。



蒲公英草紙 常野物語 (常野物語) Amazon書評・レビュー: 蒲公英草紙 常野物語 (常野物語)より
4087747700
No.53
(5pt)

小さな世界の中の至極の思い出

前作「光の帝国」は、さまざまな能力を持つ常野の人々の全体像と彼らの引き寄せられる役割、そして時のさまを描いたいたのに対し、「蒲公英草紙」は常野の人々ではない一人の女性の少女時代の回想として、思い出深い常野の人々が語られています。語りは一人称ですし、少女だった頃の視点から語られているので、今と違って、情報の量も少ないですし、子供に何もかもが筒抜けではないためでしょうか…情報の中の怖いものや大人の事情はあいまいで優しい世界になり、小さな世界の中の至極の思い出がまばゆく輝いています。

 「蒲公英草紙」に登場する常野の人々の中には、「光の帝国」の「大きな引き出し」に登場する春田一族の祖先がいます。彼らは膨大な知識や人そのものを「しまう」、そして時には「響かせる」役割を持ち、旅をしながら暮らしています。今回、常野の人々の視点から物語が語られないのは、彼らが主役であろうとしないからではないかと思っています。彼らは代々為すべきことを為すために行動し、優れた力を持ちながら表舞台に出ようとはせず、目立たぬようにけれども世界のありようを支えている人々だからです。…代々為すべきことがはっきりしているというのは、制限でもあるけれど、幸せなことなのではないかとも思います。不思議と常野の人々にはその定めに逆らうものが今のところいないので、何かの定めによって定められているかのように時には自己を犠牲にしてまで、何かを守ろうとしています。その一方で、語り手である峰子が出会う聡子は、春田一族とは異なり、常野のことをよく知らないままその能力を知らず発揮しています。聡子は祖母から聞いたわずかな常野についての知識を物語だと認識していましたから、春田一族のように知識の伝達や教育を受けていないのです。それでも彼女は少し遠くのことが見える力で自らの為すことを為そうとするのですが、春田一族の成長過程と比べて、真っ暗な道をひとりで進んでいかなければならないという周囲のサポートの少ない仕事であったといえます。それを思うとせつなくなると同時に、語り手である聡子の話し相手である峰子とのたわいない少女同士の夢やおしゃべりがどんなに聡子の支えとなっていたのかがよくわかります。峰子は聡子を理解していたわけではありませんが、聡子の小さな世界と見えるだけの外の世界をつなぐ人物としていつも沿い、かけがえのない媒介者であったと思います。それから、ラストに峰子が数十年を経てなぜ今回想に至っているのか、が語られているのですが、厳しい中にもわたしにはどこか長期的な希望のかけらが感じられました。それは峰子の代なのかも知れないし、もっと先のまだ生まれていない人々の代なのかもしれませんが…常野の人々を知ると物事を大きなスパンで見られるようになるような気がします。



蒲公英草紙 常野物語 (常野物語) (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 蒲公英草紙 常野物語 (常野物語) (集英社文庫)より
4087462943
No.52
(4pt)

奥が深い・・・。

人々が関りあって生きること、自分の存在意義、平和とは?
幸せって?社会の矛盾、世界の流れetc...
たくさんの要素がここに書かれている。
話の内容は少しいややこしく、難しく思える箇所もあったけれど、
だからこそ余計に考えさせられたのかな・・・

「自分の顔を自分で見ることはできない」。

まさに、その通り。誰かがあっての、自分なのだもの。
家族や友達、自分の周りにいるすべての人たちを大切にしたい、
そう思わせてくれる1冊です。
蒲公英草紙 常野物語 (常野物語) Amazon書評・レビュー: 蒲公英草紙 常野物語 (常野物語)より
4087747700
No.51
(4pt)

奥が深い・・・。

人々が関りあって生きること、自分の存在意義、平和とは?
幸せって?社会の矛盾、世界の流れetc...
たくさんの要素がここに書かれている。
話の内容は少しいややこしく、難しく思える箇所もあったけれど、
だからこそ余計に考えさせられたのかな・・・

「自分の顔を自分で見ることはできない」。

まさに、その通り。誰かがあっての、自分なのだもの。
家族や友達、自分の周りにいるすべての人たちを大切にしたい、
そう思わせてくれる1冊です。
蒲公英草紙 常野物語 (常野物語) (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 蒲公英草紙 常野物語 (常野物語) (集英社文庫)より
4087462943
No.50
(4pt)

昔はみんなそうだった

かつて日本人が敏感だった頃、みんながそれぞれを助け合う能力を持っていた。そのうちにそれが忘れられ、一部の人たちだけが受け継ぐようになった。そして受け継いだために、定住することが許されなくなった。
そんな人たちが、みんなのために何かをすることが必要な世の中なのかも知れない。常世やニライカナイはユートピアではない。そこは古き良き日本の原風景なのかも知れない。
蒲公英草紙 常野物語 (常野物語) Amazon書評・レビュー: 蒲公英草紙 常野物語 (常野物語)より
4087747700
No.49
(4pt)

昔はみんなそうだった

かつて日本人が敏感だった頃、みんながそれぞれを助け合う能力を持っていた。そのうちにそれが忘れられ、一部の人たちだけが受け継ぐようになった。そして受け継いだために、定住することが許されなくなった。
そんな人たちが、みんなのために何かをすることが必要な世の中なのかも知れない。常世やニライカナイはユートピアではない。そこは古き良き日本の原風景なのかも知れない。
蒲公英草紙 常野物語 (常野物語) (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 蒲公英草紙 常野物語 (常野物語) (集英社文庫)より
4087462943
No.48
(4pt)

どこか暖かくなる一冊

恩田陸、「常野物語」のシリーズの文庫最新刊です。
 「常野物語」にはいつも、常野と呼ばれる漂白の一族が出て来ます。彼らは普通の人とは違った能力を(例えばそれは、未来予知だったり、今回登場の一族のように、人の生きていた人生そのものを全て心の中に記憶として刻み込み「しまう」ことが出来る能力だったり)を持っています。彼らは、定住せず各地を歩き、自分たちのなすべきことを為しています。
 今回の舞台は、第二次世界大戦前の絵に描いたような田舎町。庄屋さんとでも言うべき槇村の一家がいて、その家族とともに歩む村人がいて、すべての文化はそのお館に集まり村人にとってはすべての文化や変化や生活のベースがそこにあるような、そんな古き良き時代の日本の農村が舞台です。
 語り手の主人公の少女は、縁があってその親方の末娘の聡子さんと知り合いになります。病気がちで成人までは生きられないと言われていた聡子さんの話し相手として、お屋敷のかかりつけ医の娘で年が近かった彼女が選ばれたのでした。彼女は、聡子さんやその兄さん達、そして槇村の家に出入りする人たちと関わっていきます。その中に、春田さん一家もやがて加わります。
 その春田さん一家こそが、常野の一族なのでした。
 あとは読んでのお楽しみですが、まかり間違っても悪の一族と戦ったりとかそういうベタな展開にはならないのでご安心を。人の気持ちが今よりもまだまっすぐで歪みが少なく、自分が何をすべきかをわかって感じてその為に生きているのが普通だった時代。本当はどこにもそんな時代はないのかも知れないけれど、そうした幻想の中に気持ちよくひたって、どこか心の底のほうから暖かくなってくるような話でした。
 語り手の少女の語り口調も大いに影響していると思いますが、とにかく読んでいてひどく優しい気持ちになる一冊でした。
蒲公英草紙 常野物語 (常野物語) Amazon書評・レビュー: 蒲公英草紙 常野物語 (常野物語)より
4087747700
No.47
(4pt)

新しい船出

常野シリーズの中で一番好きなお話です。一人の少女の日記『蒲公英草紙』には、彼女が出会った不思議な力を持つ人々との触れ合いや、彼女自身の成長が記されているわけだけど、彼女の品を感じさせる言葉遣いが、物語全体の質を高めています。
常野シリーズを知っている人はもちろんだけど、その他の人の胸にも響くストーリーだと思います。

蒲公英草紙 常野物語 (常野物語) Amazon書評・レビュー: 蒲公英草紙 常野物語 (常野物語)より
4087747700
No.46
(4pt)

どこか暖かくなる一冊

恩田陸、「常野物語」のシリーズの文庫最新刊です。
 「常野物語」にはいつも、常野と呼ばれる漂白の一族が出て来ます。彼らは普通の人とは違った能力を(例えばそれは、未来予知だったり、今回登場の一族のように、人の生きていた人生そのものを全て心の中に記憶として刻み込み「しまう」ことが出来る能力だったり)を持っています。彼らは、定住せず各地を歩き、自分たちのなすべきことを為しています。
 今回の舞台は、第二次世界大戦前の絵に描いたような田舎町。庄屋さんとでも言うべき槇村の一家がいて、その家族とともに歩む村人がいて、すべての文化はそのお館に集まり村人にとってはすべての文化や変化や生活のベースがそこにあるような、そんな古き良き時代の日本の農村が舞台です。
 語り手の主人公の少女は、縁があってその親方の末娘の聡子さんと知り合いになります。病気がちで成人までは生きられないと言われていた聡子さんの話し相手として、お屋敷のかかりつけ医の娘で年が近かった彼女が選ばれたのでした。彼女は、聡子さんやその兄さん達、そして槇村の家に出入りする人たちと関わっていきます。その中に、春田さん一家もやがて加わります。
 その春田さん一家こそが、常野の一族なのでした。
 あとは読んでのお楽しみですが、まかり間違っても悪の一族と戦ったりとかそういうベタな展開にはならないのでご安心を。人の気持ちが今よりもまだまっすぐで歪みが少なく、自分が何をすべきかをわかって感じてその為に生きているのが普通だった時代。本当はどこにもそんな時代はないのかも知れないけれど、そうした幻想の中に気持ちよくひたって、どこか心の底のほうから暖かくなってくるような話でした。
 語り手の少女の語り口調も大いに影響していると思いますが、とにかく読んでいてひどく優しい気持ちになる一冊でした。
蒲公英草紙 常野物語 (常野物語) (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 蒲公英草紙 常野物語 (常野物語) (集英社文庫)より
4087462943
No.45
(4pt)

新しい船出

常野シリーズの中で一番好きなお話です。一人の少女の日記『蒲公英草紙』には、彼女が出会った不思議な力を持つ人々との触れ合いや、彼女自身の成長が記されているわけだけど、彼女の品を感じさせる言葉遣いが、物語全体の質を高めています。
常野シリーズを知っている人はもちろんだけど、その他の人の胸にも響くストーリーだと思います。

蒲公英草紙 常野物語 (常野物語) (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 蒲公英草紙 常野物語 (常野物語) (集英社文庫)より
4087462943
No.44
(4pt)

やっぱり常野な感じ。

恩田陸さんの著書で初めて読んだのは光の帝国でした。
題名のあとにこの『常野物語』というワードがついていて、むむむ、っと思い買いました。



光の帝国では短編で、どちらかというとさまざまな一族の能力やそれにまつわる物語がさくっと入っている感じでしたが、今回は長編ということで、気持ちの揺れ動きやちょっとした人間関係などもかいてあり、濃いなぁ、といい意味で思いました。

内容については読んでいない方にがっかりさせないように解説すると、今回は蒲公英草紙と言うだけあって日記風な感じです。
この日記を書いた女性が時を越えて回想する、昔まだ自分が子供だった頃の話です。
子供の頃にあった切なくて、それでいて忘れることのない鮮明な記憶。


これを読み終わったあと、私は最後の終わり方について著者が強い意味を込めているんだなぁと思いました。
それを踏まえてこれからもう一度読んだりしてみようかなと思っています。







蒲公英草紙 常野物語 (常野物語) Amazon書評・レビュー: 蒲公英草紙 常野物語 (常野物語)より
4087747700
No.43
(4pt)

やっぱり常野な感じ。

恩田陸さんの著書で初めて読んだのは光の帝国でした。
題名のあとにこの『常野物語』というワードがついていて、むむむ、っと思い買いました。



光の帝国では短編で、どちらかというとさまざまな一族の能力やそれにまつわる物語がさくっと入っている感じでしたが、今回は長編ということで、気持ちの揺れ動きやちょっとした人間関係などもかいてあり、濃いなぁ、といい意味で思いました。

内容については読んでいない方にがっかりさせないように解説すると、今回は蒲公英草紙と言うだけあって日記風な感じです。
この日記を書いた女性が時を越えて回想する、昔まだ自分が子供だった頃の話です。
子供の頃にあった切なくて、それでいて忘れることのない鮮明な記憶。


これを読み終わったあと、私は最後の終わり方について著者が強い意味を込めているんだなぁと思いました。
それを踏まえてこれからもう一度読んだりしてみようかなと思っています。







蒲公英草紙 常野物語 (常野物語) (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 蒲公英草紙 常野物語 (常野物語) (集英社文庫)より
4087462943
No.42
(4pt)

ほっこり。

好きなのは、「きなこ」と「しじみ」の下り。

先に光の帝国を読みました。
その中に出てくる、人々の記憶や思いを、自分の中に「しまえる」能力を持った家族が、
ある小さな村にやってくるお話、ですかね。

メインとなっているのは、その村に暮らす少女の昔語りです。
なので、確かに常野話を期待していると、少し肩すかしを食らう感があります。

ラストが確かにもうどうしようもないという雰囲気がただよっていますが、
同時に光の帝国のラストを重ねると、意外と違和感なくなじみます。

常野の「明」部。
常野三部作を読むのでしたら、
出来れば先にこの蒲公英を読んでから光の帝国をお読みになることをお勧めします。
蒲公英草紙 常野物語 (常野物語) Amazon書評・レビュー: 蒲公英草紙 常野物語 (常野物語)より
4087747700
No.41
(4pt)

ほっこり。

好きなのは、「きなこ」と「しじみ」の下り。

先に光の帝国を読みました。
その中に出てくる、人々の記憶や思いを、自分の中に「しまえる」能力を持った家族が、
ある小さな村にやってくるお話、ですかね。

メインとなっているのは、その村に暮らす少女の昔語りです。
なので、確かに常野話を期待していると、少し肩すかしを食らう感があります。

ラストが確かにもうどうしようもないという雰囲気がただよっていますが、
同時に光の帝国のラストを重ねると、意外と違和感なくなじみます。

常野の「明」部。
常野三部作を読むのでしたら、
出来れば先にこの蒲公英を読んでから光の帝国をお読みになることをお勧めします。
蒲公英草紙 常野物語 (常野物語) (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 蒲公英草紙 常野物語 (常野物語) (集英社文庫)より
4087462943
No.40
(4pt)

むかし とこの

待ちに待った常野…「光の帝国」のあとがきから光紀たちの戦いと勝手に思っていましたがご先祖様の時代のお話でした。
常野だと考えないなら一本のファンタジーとして完成度の高い作品となっています。
ただあまりにシリーズを待ちわびていたので時代が違う時点で肩すかしを食らっててしまった格好。
先行して数作品でていれば良かったのですが。
蒲公英草紙 常野物語 (常野物語) Amazon書評・レビュー: 蒲公英草紙 常野物語 (常野物語)より
4087747700
No.39
(4pt)

むかし とこの

待ちに待った常野…「光の帝国」のあとがきから光紀たちの戦いと勝手に思っていましたがご先祖様の時代のお話でした。
常野だと考えないなら一本のファンタジーとして完成度の高い作品となっています。
ただあまりにシリーズを待ちわびていたので時代が違う時点で肩すかしを食らっててしまった格好。
先行して数作品でていれば良かったのですが。
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4087462943
No.38
(5pt)

違和感の正体は・・・?

前作とうって変わり 長編です。
しかも時代が違うせいか文体も違う為、続けて読むと最初違和感があるかもしれません。
常野一族ではない主人公 峰子の目を通して描かれています。絶望があるのにこの 清涼感は一体何なのでしょうか?

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4087747700
No.37
(5pt)

違和感の正体は・・・?

前作とうって変わり 長編です。
しかも時代が違うせいか文体も違う為、続けて読むと最初違和感があるかもしれません。
常野一族ではない主人公 峰子の目を通して描かれています。絶望があるのにこの 清涼感は一体何なのでしょうか?

蒲公英草紙 常野物語 (常野物語) (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 蒲公英草紙 常野物語 (常野物語) (集英社文庫)より
4087462943