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『吾輩は猫である』殺人事件
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『吾輩は猫である』殺人事件の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.11pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全19件 1~19 1/1ページ
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普通でした。 | ||||
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「吾輩は猫である」のラストは意外性のある完成された終わりであるものの、私のような猫好きには何ともやり切れない残念さが残る。そうして本作品を発見し、喜びと期待感を持ち読み進んだものでした。500ページを超える長い物語を飽きさせない作者の饒舌と意外なストーリー展開に引き込まれ、ラストの驚きから不思議な感動に酔わされる。作者の力量を感ぜざるを得ません。ただ、やはり本作は夏目漱石の原作がお好きな方に限定して推薦するものです。 | ||||
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長いこと積読状態になっていましたが、やっと読めました。この作者の小説を読むのは初めてです。が、残念ながら、途中で内容にじれったくなってすっ飛ばして読むことになってしまいました。自分は、漱石も「吾輩は猫」の小説も、そしてノヴァーリスも好き、少し前の時代の雰囲気も大好きなので、絶対に奥泉氏の作品を好きになるだろうと思っていたのですが・・・意外でした。 酔っ払って水がめの中でおぼれ死んだはずの猫がどうして上海に現れたのか、当時の魔都上海の様子など、最初はわくわくしながら読み進んでいったのですが、苦沙弥先生殺人事件の推理をそれぞれの猫が披露するあたりからダメになってしまいました。特に確信無さげに猫の”将軍”が延々と話す部分で「これはあまりにも主観的すぎて、結局間違っていたということになるんだろうな」と思うと、それを長々と読んでいるのが意味がないように思えてきて、さらに”マダム”や”ホームズ”の推理も同様で、このあたりまで我慢して読んだのですが「結局なんなんだ?あー、もういいや・・・」ということになってしまい・・・。先にあとがきを読み、次に最後から逆に読んでしまいました。 たぶん心のどこかで「これはミステリ小説か」と思っていた部分があって、そうなると解決に結びつきそうにない部分は無駄なように感じてしまったのかもしれません。普通の一般小説だと思って読み始めた方がよかったのかも。他のレビューアさんで「最初からSFだと言ってほしかった」と書いていた方がいらっしゃいましたが、それも同感です。 文学でもあり、ミステリでもあり、SFでもあり、ジャンル分けできない作品とも言えるのですが、読んでいる途中、行きつくところがわからない感があって、しかも長いので根気がなくなってしまうのだと思います。こちらでの評価が高いのにびっくりしたのですが、もしかして、いまいちだと感じた人や途中で投げ出してしまった人は評価を書いていないからでは・・?と思ってしまいました。 とりあえずあとは「ノヴァーリスの運用」か「雪の階」、「グランド・ミステリー」あたりのどれかは読んでみるつもりですが・・・今度は「おもしろかった!」と言えたらいいなと思います。 | ||||
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これは凄い。何より、情報量が多く四字熟語や常套句の漢語が満載だが、リズム感があって読ませる軽妙洒脱な漱石『吾輩は猫である』の文体が十二分に再現されているのに感服。それを文庫で600ページ超えの大作に仕上げるとは、驚嘆すべき力業である。そしてミステリ仕立てで「猫」の登場人物のみならず、ホームズ、ワトソン、バスカヴィル家の狗に、モリアティー教授まで出て来る超豪華キャスト。最後は時空を超えた稀有壮大なSFとなり、まるできつねうどんに天ぷらまで乗せた、何でもありのエンタメ超大作だった。 漱石リスペクトでミステリとSFを融合させた作者渾身の傑作と評価したい。 | ||||
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伯爵、虎君、将軍と、当たらずとも遠からずの推理により、隠されていた事実が明らかになっていく! そして最後にホームズがまとめてくれる、と思ったら……??? 色々な事件が発生し、慌ただしく駆け足でラストに突入。 告白しますが、私は理解力・読解力は良くありません。 泡坂妻夫『しあわせの書』の仕掛けも、アマゾンカスタマーレビューを読んでようやく気付いたし、 乾くるみ『イニシエーション・ラブ』も、一体何がすごいのかと仕掛けに気付かず、ネットで検索してネタバレサイトを発見し、ようやく理解できたのでした。 だから本書でも、誰かネタバレ解説を書かれてるかと検索したのですが、現時点で発見できず。 本書の単行本発行時・文庫化の時点ではツイッターはおろかブログも普及していなかったので、出版時の感想ラッシュ現象がないのは分かりますが、現代日本を代表する作家なのに、意外と言及が少ないように思います。 アマゾンカスタマーレビューですら、奥泉光さんのレビュー数は全体的に少ないように思います。 (現時点で『シューマンの指』のみ、突出して多い) そういえば本書も、よく分からないので突っ込んだ感想が書きにくい気がします。 まず分厚さと文字数の多さで2割が脱落、途中で半数が脱落、読了した8割程度がようやく有耶無耶に敬して遠ざけたような感想を書いてるような。 SF的にもミステリー的にも素晴らしい作品なので、細部にこだわって徹底的に論じるに値すると思うのですが。 | ||||
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漱石の「猫」を前提にした、推理小説かつ空想科学冒険小説である。 苦沙弥先生を殺したのは誰かを巡り各国を代表する猫たちが繰り広げる推理競争。このあたり機知とパロディにあふれたユーモア小説でもある。 何故「吾輩」は上海にいるのか、そもそも何故「吾輩」には名前が無いのか。これを解く鍵は寒月が発明した「タイムマシーン」。タイムパラドクスの罠にはまると「!!…??…」と何が何だか解らなくなる。 果たして最後に苦沙弥先生は殺されずにすんだのか…。 | ||||
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誠に愉快で気宇壮大な物語である。題名が示す通り、漱石「猫」の続編の様な趣きで、"吾輩"が突如上海河口上の船(その名も"虞美人"丸)で覚醒し、何と「苦沙弥先生密室横死事件」の謎に挑むという体裁の物語。全編、「猫」の文体模写と思惟の継承とで綴れられている辺り、作者の力の入れ方・凝り様と共に漱石への敬愛振りが窺える。苦沙弥先生の細君を初めとして、迷亭、寒月、東風、独仙、甘木と言った御馴染みのメンバが登場する上、あまつさえ、容疑者ともなるから堪らなく可笑しい。あの三毛子も登場する。鴎外がかつて苦沙弥先生の家に住んでいたという様なクスグリも入っている。 もう一つの趣向は(猫の)ホームズを登場させ、ホームズ流の冒険譚を物語に取り入れている点である。これに伴い、モリアリティ教授や「バスカヴィル家の犬」を思わせる魔狗が登場する辺りも可笑しい。当時の上海の租界の様子も丹念に描かれている。更なる趣向は、"吾輩"が苦沙弥先生の死を新聞記事で知った事由により、ホームズを初めとする猫仲間がP.マガー「七人のおば」を思わせる伝聞に基づいた推理合戦を行なう点である。この推理合戦に参加するのはホームズ(イギリス)の他、伯爵(フランス)、将軍(ドイツ)、虎君(中国)という当時の世相を反映している点も気が利いている。そして、彼らの推理が(多少の飛躍はあるものの)飽くまで「猫」の枠内に沿って行なわれる点が素晴らしく、「猫」のファンにとっては堪らない。推理の中に「こころ」を思わせる下宿時代の愛憎物語や「夢十夜」の変形版が出て来る辺りはますます堪らない。 そして、最後に残された趣向は奇想天外なもので、これが事件解決へと繋がるのだが、これを無茶と捉えるか漱石一門への敬慕と捉えるかは見解が別れる所だろう。勿論、後者を支持したい。私には随分とロマンティックなものに映った。漱石の思惟が良く反映されていると思う。漱石ファン必読の快著と言って良いのではないか。 | ||||
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奥泉光渾身の一作。本作の目玉は何と言ってもこの文章。まるで漱石本人が乗り移ったかのごとく、作者は「猫」の文体を完全に再現してみせる。この呼吸、このリズム。「吾輩」の我々人間に向けた舌鋒はいよいよ鋭く、愉快な仲間たちとの掛け合いの何と楽しいことか。二十世紀初頭の上海を舞台に、苦沙弥先生殺害事件を巡るミステリーは、やがて時空を股にかけた奇想天外な物語へ。「ぼくはこれを書くために小説家になった」と豪語する作者の筆は冴えに冴え、小説の醍醐味、読書の悦びを最大限に味あわせてくれる。 | ||||
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奥泉光渾身の一作。本作の目玉は何と言ってもこの文章。まるで漱石本人が乗り移ったかのごとく、作者は「猫」の文体を完全に再現してみせる。この呼吸、このリズム。「吾輩」の我々人間に向けた舌鋒はいよいよ鋭く、愉快な仲間たちとの掛け合いの何と楽しいことか。二十世紀初頭の上海を舞台に、苦沙弥先生殺害事件を巡るミステリーは、やがて時空を股にかけた奇想天外な物語へ。「ぼくはこれを書くために小説家になった」と豪語する作者の筆は冴えに冴え、小説の醍醐味、読書の悦びを最大限に味あわせてくれる。 | ||||
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本郷から上海に来るまでの記憶がない、我輩。 事件の謎を解明しようと、猫たちが知恵をしぼります。 ホームズとワトソン君(ホームズの飼い猫とワトソン君の飼い猫)が登場するからには、ホームズが謎を解くのかと思ったら、そうではない。船の中で、苦沙弥先生殺害の謎を人間たちが話しているのを、猫たちが聞くだけ。 その答えも、ミステリーの王道とは程遠い気がします。 現実離れしすぎて、どこか釈然としませんでした。 我輩が、記憶を辿ろうと奮闘する姿は可愛かったです。 それを読む価値はあるかも。 | ||||
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本郷から上海に来るまでの記憶がない、我輩。 事件の謎を解明しようと、猫たちが知恵をしぼります。 ホームズとワトソン君(ホームズの飼い猫とワトソン君の飼い猫)が登場するからには、ホームズが謎を解くのかと思ったら、そうではない。船の中で、苦沙弥先生殺害の謎を人間たちが話しているのを、猫たちが聞くだけ。 その答えも、ミステリーの王道とは程遠い気がします。 現実離れしすぎて、どこか釈然としませんでした。 我輩が、記憶を辿ろうと奮闘する姿は可愛かったです。 それを読む価値はあるかも。 | ||||
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その昔、『吾輩は猫である』や『坊ちゃん』等に感化された、という人は楽しく読み進められるんじゃないでしょうか。僕はそうでした。 「ミステリの枠を超えた」とかいう言葉で評価される事も多い作者ですが、この作品は、まあその、所謂メタ・ミステリではあるのでしょうが、然し芯の通ったオーソドックスな本格物、という風にも読めると思います。筋がキッチリ立ちますよ。意外と、と言っては的外れでしょうか。 長さを感じずに読了する事が出来ました。お奨めです。 | ||||
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その昔、『吾輩は猫である』や『坊ちゃん』等に感化された、という人は楽しく読み進められるんじゃないでしょうか。僕はそうでした。 「ミステリの枠を超えた」とかいう言葉で評価される事も多い作者ですが、この作品は、まあその、所謂メタ・ミステリではあるのでしょうが、然し芯の通ったオーソドックスな本格物、という風にも読めると思います。筋がキッチリ立ちますよ。意外と、と言っては的外れでしょうか。 長さを感じずに読了する事が出来ました。お奨めです。 | ||||
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うーん。滑り出しは面白かったんだけどね。なによりも猫のキャラクターがいい。「吾輩」を中心にして、「伯爵」「将軍」「虎君」「マダム」そして「ホームズ」と「ワトソン」が、それぞれ個性を出していて、特に伯爵と将軍の掛け合いがいい。これに密室殺人の謎がどっしりからんで、すこぶる面白い小説に出会えたと思ったのになぁ。SFはSFで嫌いじゃないんだけど、それならそれで最初からそういって欲しい。本格推理の謎解きの部分でSFが出てくるのは反則だと思う。それに、魅力的なキャラクターたちも最後であっという間にいなくなってしまったし。まあ、漱石の「吾輩は猫である」を読み直してみようと言う気になっただけでもいいか。軽妙洒脱な文体は、まさに漱石そのものだった。 | ||||
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うーん。滑り出しは面白かったんだけどね。 なによりも猫のキャラクターがいい。「吾輩」を中心にして、「伯爵」「将軍」「虎君」「マダム」そして「ホームズ」と「ワトソン」が、それぞれ個性を出していて、特に伯爵と将軍の掛け合いがいい。これに密室殺人の謎がどっしりからんで、すこぶる面白い小説に出会えたと思ったのになぁ。 SFはSFで嫌いじゃないんだけど、それならそれで最初からそういって欲しい。本格推理の謎解きの部分でSFが出てくるのは反則だと思う。それに、魅力的なキャラクターたちも最後であっという間にいなくなってしまったし。 まあ、漱石の「吾輩は猫である」を読み直してみようと言う気になっただけでもいいか。軽妙洒脱な文体は、まさに漱石そのものだった。 | ||||
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夏目漱石の『吾輩は猫である』に登場する名前のない猫「吾輩」、実は最後に溺れ死んでいなくて、どういうわけか船に紛れこみ上海へ。そこで巻き起こる壮大な陰謀とは…、ってお話し。 漱石「吾輩は…」を読んでなくても充分楽しめますが、苦沙弥先生はじめその友人たちも登場するので、読んでからだと十倍楽しめます。 事件の謎もおもしろく、猫の目からみた上海の描写なども興味深く読め、娯楽作品として最高です。漱石のファンの人に、ぜひ読んでもらいたいな。 | ||||
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夏目漱石の『吾輩は猫である』に登場する名前のない猫「吾輩」、実は最後に溺れ死んでいなくて、どういうわけか船に紛れこみ上海へ。そこで巻き起こる壮大な陰謀とは…、ってお話し。 漱石「吾輩は…」を読んでなくても充分楽しめますが、苦沙弥先生はじめその友人たちも登場するので、読んでからだと十倍楽しめます。 事件の謎もおもしろく、猫の目からみた上海の描写なども興味深く読め、娯楽作品として最高です。漱石のファンの人に、ぜひ読んでもらいたいな。 | ||||
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漱石の洒脱な文体がそっくり模写されており、感心しきり。麦酒樽で溺れ死んだはずのあの猫が、軽妙に語りかけてきて、1ページ目からぐいぐいと引き込まれます。舞台が上海に移り、なぜかノスタルジアが全編に漂う…。漱石文学の落語っぽい可笑しさと推理小説が合体した、(笑いのツボさえ合えば)これ以上ない娯楽作品です。 | ||||
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漱石の洒脱な文体がそっくり模写されており、感心しきり。麦酒樽で溺れ死んだはずのあの猫が、軽妙に語りかけてきて、1ページ目からぐいぐいと引き込まれます。舞台が上海に移り、なぜかノスタルジアが全編に漂う…。漱石文学の落語っぽい可笑しさと推理小説が合体した、(笑いのツボさえ合えば)これ以上ない娯楽作品です。 | ||||
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