ルール

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評判

ルールの評価:

4.53/5点 レビュー 17件。 A ランク

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平均点4.53pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全26件 21〜26 2/2ページ
No.6
(4pt)

一気に読んでしまいました。

「死人の肉を食うべからず」史上最も愚かな通達。味方であるはずの同胞で奪い、襲い、だましあう。飢餓がつくる地獄絵図。戦争のおろかさと、愚直なまでの日本人の姿、それでも仲間を守る精神になんともいえない感覚になります。この作品はフィクションですが、先日TVで「同胞はみな、参謀・指揮官に恨みを抱いて餓死していった。」と出征されていたご老人が悔しげに語っていました。外交の失敗を血で償わされるのはいつも末端の一般兵。
ルール (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: ルール (集英社文庫)より
4087478378
No.5
(5pt)

人として、戦場で生きるためのルールとは

 福井晴敏絶賛、と文庫本の帯に書かれていたが、分かる気がする。追いつめられた状況を淡々と克明に書いている古処誠二。どこか共感できる節があるのだろう。ただ、古処誠二はエンターテインメントを書いているわけではないだろう。 太平洋戦争末期の日本。いつ降伏してもおかしくない状況にいた。フィリピンのルソン島で、鳴神は和泉に小隊の隊長としてゲリラが出没する地域での物資輸送を命じられる。ただそこに待っていたのは飢えるか植えないかの現状。マラリアにも感染し、限界点に近づく中、一人の兵士が米軍機を撃墜した。落ちてきたアメリカ人パイロットと遭遇し、捕虜として連れて行くことになる。 書きたかったものは極限状況の人間。前にも書いたがエンターテインメントの作家でないのは読んでいて明らか。とにかく重たい。それほど分厚くないのだが、やけに密度の濃い内容だったか。読んでいて、文字を追うのが辛くなる。 実際経験して来たものは本作に書かれている以上のものだったかもしれない。苦痛を遙かに通り越した苦痛。飢え。幻覚。死への恐怖というものではないかも知れない。そんなものを知らないし、経験したくもないが、60年前、確かに日本の誰かが経験していたことなのだろう。。だからこそ、ショックが大きすぎるのか。 メインの鳴神、八木沢、姫山、そしてアメリカ人パイロットのオースティン。彼らの生への執着。こんなところで死なないために。出来れば兵士なら兵士らしく死ぬために。ここまで酷だったという悲劇ではあるものも、体をボロボロにしてまでもルールの基に生きることをやめなかった男達のドラマとも言える、のではないか。 オースティンは目の前の状況を見てただ困惑する。人間であって、人間でないものを見ている。戦争での死は、戦場の死だけではないということの現状を。今ではやはり考えられないだろうから、か。オースティンの視点は、今を生きる自分たちの視点ともダブるかも知れない。それだけ、書かれている事は想像を凌駕している。そういう意味で、ただ出くわしただけでなく彼の存在は大きいと言える。 後半分かり始めてくる事実は重たく、そしていかに自分たちが軽く見られていたか。あまりに無力だったというか、残るものがないというか。それが戦争というもの、敗戦という事実でもあるのか。最後に多少のどんでん返しがあるものも、それはタイトルである「ルール」の意味を示すためでもあるはず。姫山の最後の一言がとにかく重い。淡々と書かれてあるから、余計にその重さがひしひしと伝わってくる。 やはり、今だからこそ読むべきか。読み通して欲しいと思う。
ルール (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: ルール (集英社文庫)より
4087478378
No.4
(5pt)

戦争文学の復活

この作家の作品はまずサイパン戦のものを読んだ。その後この小説を読んだ。兵隊の呼吸が聞こえるようだった。フィリピンは比島と書かれるが生還者は悲島とあてる。この小説は悲島に送られた兵隊を書いている。北部ルソン戦に関心があれば現地部隊の世俗考察に驚く。ことに兵隊隠語はなまなましい。大岡昇平で終わっていた戦争文学である。
ルール (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: ルール (集英社文庫)より
4087478378
No.3
(4pt)

読んでてシンドイけど、読んでいるだけでシンドイのに

苛烈で過酷な状況の中で、生きた人間であるために、その心と体の居場所を守るためにどこに線を引くべきなのか。線は引かれるべきなのか。戦争はその線をどう変えるのか。飢えと死の描写が容赦なく、正直読んでて辛かった。ここで語る必要もなく「ルール」という書名と、帯の一文「生きることがもっとも困難だった時代、 生きることがもっとも困難だった場所で」とで、この本の内容とテーマをはっきり示していると思う。
ルール Amazon書評・レビュー: ルールより
4087753069
No.2
(4pt)

人間の尊厳を考えさせられる作品

敗戦直前のフィリピンで敗走を続ける部隊、物語の中心となるのは小隊長と軍曹、そして初年兵の三人。ジャングルの中で「残酷に生かされている」人間たちを生々しく描き出す。飢えと「既に敗戦確定」と言う諦め、そして蔓延する病が軍紀の乱れを呼び、終いには人間としての尊厳さえ失わせる。人が人として生きて行くためのルール、それは「生きて行く」と言う欲望を押さえてでも遵守する価値があるのか?ルールがあるが故に「残酷な人生」を強いられているだけなのではないか?物語のハイライトではそんな問いかけが中に存在している。淡々と描かれるジャングルと戦地の恐怖の中で、生きて行く事そのものが目的となってしまった人間の残酷さを考えさせられる。序盤から中盤にかけては周りが狂って行く中で主人公たちがみせる人間らしさと人間の強さにグッとくる。しかし終盤になると主人公たちも生きるために「動物」となっていき、本当のラストで鬼となった軍曹の怖さと、人間としてのルールを破ってしまった哀しみが溢れている。
ルール Amazon書評・レビュー: ルールより
4087753069
No.1
(4pt)

人間としてのルールとは・・・

人として生きる上で守らねばならない「ルール」。それは決して破るべきではないもので、それを破ることは、「人として生きていくこと」を放棄することにも繋がる…淡々と。どこまでも冷静に極限状態の人々を描く。その筆致により、その想像を絶する凄惨さ、過酷さが一層際立つ。まだ若い作者(1970年生)が、このような戦争小説を発表したことに、驚きの声があがったことも理解できる。「戦争小説だから」「救いの無い話っぽいから」などと頭から否定せず、是非読んで頂きたい作品。
ルール Amazon書評・レビュー: ルールより
4087753069