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最終法廷 ヨアヒム・フェルナウ弁護士
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最終法廷 ヨアヒム・フェルナウ弁護士の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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「最終法廷 ~ヨアヒム・フェルナウ弁護士~ 」(エリザベート・ヘルマン 小学館)を読み終えました。 舞台はベルリン。州裁判所の前で、ひとりの老婦人がホームレスの男に向けて発砲します。直後に老婦人は倒れ、ホームレスは逃げ去ります。事件現場に居合わせた貧しき弁護士ヨアヒム・フェルナウは、己が野心から老婦人の弁護士に名乗りをあげることになります。しかし、発砲した女性・マルガレーテと狙われたホームレスの男・ヘルマーとの間に特につながりを見つけることができません。マルガレーテも発砲したことは認めたもののその理由については口を閉ざして話さない。そして、ヨアヒムに付きまとう謎の「灰色の男」が現れますが、発作がもとでマルガレーテが亡くなったことにより事件は不起訴になってしまいます。その後、行方知れずのヘルマーからヨアヒムに「灰色の男」からつけられているとの連絡が入ります。そして、事件は連続殺人事件のような、或る<謀略>に基づく大掛かりな事件へと発展していくことになります。誰が?どんな理由で? 思ったより読み終えるのに時間がかかりました。私の能力不足のため登場人物を整理するのに時間がかかりました(笑)。 いくつかの美点を挙げれば、まずは東西ドイツ統一に纏わる影が事件全体を覆っていることによって歴史に基づく物語の深さが堪能できること。また、スリラー故にストーリーについてはその「つかみ」しか話すことができませんが、そのスケールの大きなパトリシア・ハイスミス的趣向による事件が堅固に構築され、細やかに描写されている点に尽きるでしょう。伏線が回収されまくります。 一方、難点があるとすればヨアヒムによる担当検事・ザロメへの狂熱的な恋愛の発露とその思いにあるのかもしれません。作者にとっての読ませどころかもしれないヨアヒムのザロメへの感情をどう受け入れればいいのか?私は、残念ながら最後まで信じ難い思いのまま巻を置くことになりました。その点において、私はこのスリラーの読者として相応しくなかったと言えるかもしれません。 | ||||
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