夏物語

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夏物語の評価:

3.46/5点 レビュー 82件。 A ランク

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平均点3.46pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全90件 21〜40 2/5ページ
No.70
(4pt)

命を産むことの答え

正直な感想をいうならば、とってもしんどかった。

私自身、妊娠や出産に関して、色々と考えるところがあるからなのかもしれない。
それを抜きにしても胸に、いや胃の辺りにずっしりと、あるいはじわじわとやりきれなさ、寂しさやノスタルジーがないまぜになった気持ちが残る。

それでも読み続けてしまったのは、作中でも触れられた「リズム」なのかもしれない。
関西弁というだけでなく、地の文、心情や情景が淡々としたリズムで描かれる。
ともすれば重くなりすぎる題材であるのに、それをそう感じさせない。
言葉の端々に言葉にならない思いを散りばめたかのよう。
最後のシーン、港町の回想や逢沢さんの思い出は本当に温かくて、悲しくて、懐かしい。

救われなさもやりきれなさもあるけれど、そんな中でも間違えることを決める強さを眩しく思う。
それでも、救われなかったものに目がいってしまうのは自分がその立場にないからなのか。

せめて...という祈りを込めずにはいられない。

余談だけど、2部構成ということをレビューを読んで初めて知った。
そういえば1部はひたすら豊胸の話だったもんな...
これがまたしんどくて、少し読むのが億劫だった...
2部でこの親子が明るくやってるのは作中の癒し。
夏物語 (文春文庫 か 51-5) Amazon書評・レビュー: 夏物語 (文春文庫 か 51-5)より
4167917335
No.69
(4pt)

命を産むことの答え

正直な感想をいうならば、とってもしんどかった。

私自身、妊娠や出産に関して、色々と考えるところがあるからなのかもしれない。
それを抜きにしても胸に、いや胃の辺りにずっしりと、あるいはじわじわとやりきれなさ、寂しさやノスタルジーがないまぜになった気持ちが残る。

それでも読み続けてしまったのは、作中でも触れられた「リズム」なのかもしれない。
関西弁というだけでなく、地の文、心情や情景が淡々としたリズムで描かれる。
ともすれば重くなりすぎる題材であるのに、それをそう感じさせない。
言葉の端々に言葉にならない思いを散りばめたかのよう。
最後のシーン、港町の回想や逢沢さんの思い出は本当に温かくて、悲しくて、懐かしい。

救われなさもやりきれなさもあるけれど、そんな中でも間違えることを決める強さを眩しく思う。
それでも、救われなかったものに目がいってしまうのは自分がその立場にないからなのか。

せめて...という祈りを込めずにはいられない。

余談だけど、2部構成ということをレビューを読んで初めて知った。
そういえば1部はひたすら豊胸の話だったもんな...
これがまたしんどくて、少し読むのが億劫だった...
2部でこの親子が明るくやってるのは作中の癒し。
夏物語 Amazon書評・レビュー: 夏物語より
4163910549
No.68
(5pt)

わたしは会わんでええんか後悔せんのか

2008年の川上未映子の『乳と卵』は衝撃でした。
 それから10数年たった今、『乳と卵』をまるまる作品の中に取り込み、更にそこから新しい物語を生み出した本作は、読み応えのある傑作です。
 自身の短編をもとに長編を生み出すという手法は、『ねじまき鳥と火曜日の女たち』から『ねじまき鳥クロニクル』を生み出した村上春樹を思い出しますが、川上未映子が村上春樹作品をリスペクトしていることは村上春樹へのインタビュー集『みみずくは黄昏に飛びたつ』から伺えますので、本作執筆にあたっては村上春樹作品も確かに意識したのでなないか、と想像します。
 『乳と卵』が衝撃的だったのは、大阪弁による語りのリズムそのものを自身の文体とすることに成功している点ではないかと思うのですが、それを裏付けるように、本書の中において、夏子の作家友達である遊佐リカが、大阪弁と文体の関係について考えを述べる場面があります。
「がちの大阪弁の応酬ってのは、もうコミュニケーションとかそんなんが目的じゃなくなってて、あれはもう競技だよ。(中略)でもさ、わたしがすっげえな、と思ったその応酬みたいなものがさ、たとえば小説とかさ、書き言葉にしたときに再現できるかっていったらまたそれは別なわけだよ(中略)文体ってのは作るもんなんだよ、んでその時に大事になってくるの、耳の良さなんだわ。必要なのは、あの応酬を支えているリズムっていうかバイオリズムっていうか、かたまりが鳴らしているそのものを聴き取って、それをまったく別のものに置き換える技術なわけだよ」
 本作において、大阪弁のリズムが心地よいと感じるのは、川上未映子の耳の良さと技術力の高さによるものなんですね。
 また、本書を読んでいて改めて思ったのは、日々我々が生活していく中で感じる自分の感覚を、うまく言語化している点にも感心します。
 たとえば、初めて東京駅に行ったときの感じを
「どこから来るのかどこへ行くのか、信じられないくらいの人混みに思わず足が止まってしまう。それはただの人混みというよりは、まるで奇妙な競技を見るよう。ルールを知らないのはおまえだけだと言われているような気がして、心細くなってくる」
と、どこと儚く感じる疎外感を的確に表現していますが「うん、そうだよそうだよ」と私自身が、まったく同様に感じたことを見事に言語化してくれた、と嬉しくなります。
「葡萄の房ってさ、ちょっと手のひらにのせて持ったらさ、なんかちょっとだけ特別な感じせえへん?粒がみんなきゅっと集まっててさ、みんな落ちんようにくっついてんねんけど、でもぽろっと落ちていってさ、なんか特別な感じ。はは、せえへんか」
とか。
 世界40か国以上で翻訳され、米ニューヨークタイムズ必読100冊、米TIME誌ベスト10にも選ばれたというのも納得の力作です。
夏物語 (文春文庫 か 51-5) Amazon書評・レビュー: 夏物語 (文春文庫 か 51-5)より
4167917335
No.67
(5pt)

わたしは会わんでええんか後悔せんのか

2008年の川上未映子の『乳と卵』は衝撃でした。
 それから10数年たった今、『乳と卵』をまるまる作品の中に取り込み、更にそこから新しい物語を生み出した本作は、読み応えのある傑作です。
 自身の短編をもとに長編を生み出すという手法は、『ねじまき鳥と火曜日の女たち』から『ねじまき鳥クロニクル』を生み出した村上春樹を思い出しますが、川上未映子が村上春樹作品をリスペクトしていることは村上春樹へのインタビュー集『みみずくは黄昏に飛びたつ』から伺えますので、本作執筆にあたっては村上春樹作品も確かに意識したのでなないか、と想像します。
 『乳と卵』が衝撃的だったのは、大阪弁による語りのリズムそのものを自身の文体とすることに成功している点ではないかと思うのですが、それを裏付けるように、本書の中において、夏子の作家友達である遊佐リカが、大阪弁と文体の関係について考えを述べる場面があります。
「がちの大阪弁の応酬ってのは、もうコミュニケーションとかそんなんが目的じゃなくなってて、あれはもう競技だよ。(中略)でもさ、わたしがすっげえな、と思ったその応酬みたいなものがさ、たとえば小説とかさ、書き言葉にしたときに再現できるかっていったらまたそれは別なわけだよ(中略)文体ってのは作るもんなんだよ、んでその時に大事になってくるの、耳の良さなんだわ。必要なのは、あの応酬を支えているリズムっていうかバイオリズムっていうか、かたまりが鳴らしているそのものを聴き取って、それをまったく別のものに置き換える技術なわけだよ」
 本作において、大阪弁のリズムが心地よいと感じるのは、川上未映子の耳の良さと技術力の高さによるものなんですね。
 また、本書を読んでいて改めて思ったのは、日々我々が生活していく中で感じる自分の感覚を、うまく言語化している点にも感心します。
 たとえば、初めて東京駅に行ったときの感じを
「どこから来るのかどこへ行くのか、信じられないくらいの人混みに思わず足が止まってしまう。それはただの人混みというよりは、まるで奇妙な競技を見るよう。ルールを知らないのはおまえだけだと言われているような気がして、心細くなってくる」
と、どこと儚く感じる疎外感を的確に表現していますが「うん、そうだよそうだよ」と私自身が、まったく同様に感じたことを見事に言語化してくれた、と嬉しくなります。
「葡萄の房ってさ、ちょっと手のひらにのせて持ったらさ、なんかちょっとだけ特別な感じせえへん?粒がみんなきゅっと集まっててさ、みんな落ちんようにくっついてんねんけど、でもぽろっと落ちていってさ、なんか特別な感じ。はは、せえへんか」
とか。
 世界40か国以上で翻訳され、米ニューヨークタイムズ必読100冊、米TIME誌ベスト10にも選ばれたというのも納得の力作です。
夏物語 Amazon書評・レビュー: 夏物語より
4163910549
No.66
(4pt)

辣腕作家だあ

恐らくは自伝的要素を濃厚に含んだフイクションなのだろうが、読者を一気に川上ワールドへ引きずって最後まで放さない非常な力作である。

特に精子提供による受精を望む主人方が、提供者の異様な男、そしてその直後に遭遇した「生を望まなかった子供」である先輩女性と駒沢公園で対話する15章は、川上選手がこれまでに書いたいかなる文章よりも真正にして激烈な描写が息も出来ないような迫力で連続する。

すべての作家が書きたいと望みながら稀にしか叶えられない奇跡的な10数頁として後世まで語り伝えられるだろう。

この大阪生まれの愛すべきねえちゃんが、これほどの辣腕作家だとは、浅はかにも予想していなかったずら。
夏物語 Amazon書評・レビュー: 夏物語より
4163910549
No.65
(5pt)

今はもう秋だけど

第一部のラストの鮮烈なイメージは終生焼き付いてしまうんだろうと思う。そんなイメージを与えられる小説というのはそれほど読んだことはない。女性であるからという理由で意識されないままでもうすでに差別されているというような部分は日本はいっぱい抱えている。なんやねんなあいつは!なんやねんなあいつは!そういうものに対して、そして矛盾だらけの生そのものに対して激しい悲憤が向けられる。それでもそれは絶望の歌だけでは終わらない。読んだら、夏子と巻子と緑子、この3人を愛さずにはおれなくなるよ。
夏物語 Amazon書評・レビュー: 夏物語より
4163910549
No.64
(4pt)

辣腕作家だあ

恐らくは自伝的要素を濃厚に含んだフイクションなのだろうが、読者を一気に川上ワールドへ引きずって最後まで放さない非常な力作である。

特に精子提供による受精を望む主人方が、提供者の異様な男、そしてその直後に遭遇した「生を望まなかった子供」である先輩女性と駒沢公園で対話する15章は、川上選手がこれまでに書いたいかなる文章よりも真正にして激烈な描写が息も出来ないような迫力で連続する。

すべての作家が書きたいと望みながら稀にしか叶えられない奇跡的な10数頁として後世まで語り伝えられるだろう。

この大阪生まれの愛すべきねえちゃんが、これほどの辣腕作家だとは、浅はかにも予想していなかったずら。
夏物語 (文春文庫 か 51-5) Amazon書評・レビュー: 夏物語 (文春文庫 か 51-5)より
4167917335
No.63
(5pt)

今はもう秋だけど

第一部のラストの鮮烈なイメージは終生焼き付いてしまうんだろうと思う。そんなイメージを与えられる小説というのはそれほど読んだことはない。女性であるからという理由で意識されないままでもうすでに差別されているというような部分は日本はいっぱい抱えている。なんやねんなあいつは!なんやねんなあいつは!そういうものに対して、そして矛盾だらけの生そのものに対して激しい悲憤が向けられる。それでもそれは絶望の歌だけでは終わらない。読んだら、夏子と巻子と緑子、この3人を愛さずにはおれなくなるよ。
夏物語 (文春文庫 か 51-5) Amazon書評・レビュー: 夏物語 (文春文庫 か 51-5)より
4167917335
No.62
(5pt)

夏への思い

久々の小説でしたが、刺激的に思いました
夏物語 (文春文庫 か 51-5) Amazon書評・レビュー: 夏物語 (文春文庫 か 51-5)より
4167917335
No.61
(5pt)

夏への思い

久々の小説でしたが、刺激的に思いました
夏物語 Amazon書評・レビュー: 夏物語より
4163910549
No.60
(4pt)

反出生主義者に対する答えを求めて

僕は反出生主義者です。しかし、過去は変えられない。生まれてきてしまったことは諦め(受け入れ)今後の人生をどう幸せに生きるか、その答えを求めて、この小説を読みました。小説の面白さは文句なしの星5です。後は、読んだ後に、反出生主義者に対する、今後の人生をより良いするためのベストアンサーがもらえれば、星5をつけるつもりでした。僕が星4をつけたと言うことは、ベストアンサーではなく、ベターアンサーだったと、ご理解ください。しかし、ベターアンサーは貰えたため、読んで良かったと思っています。
夏物語 (文春文庫 か 51-5) Amazon書評・レビュー: 夏物語 (文春文庫 か 51-5)より
4167917335
No.59
(5pt)

女地獄

前編はほぼ乳と卵と同じ内容で、綿密に練られた完成度の高い作品として読める。一方、後編はもう少しフワッとした部分があり、特に最初の方は首を傾げたくなる箇所も多い。例えば、前編では主人公らは「窓の少ない家」つまり貧さゆえに社会と隔絶された超貧困層にいることが繰り返し描かれるのに対し、後編では当然のように緑子は大学(おそらく京都大学)に進学し、夏子は専業主婦の友人らと定期ランチ。この状況変化はかなりの経済的、環境的状況変化が必要と考えられるが、納得のいく説明はない。しかし、こうした細部の齟齬はあるものの、後編には圧巻のクライマックスがある。なんと言っても善と佐川の告白部分はすごいものを読んでしまったと思わせる。両者とも、理由は異なるなるものの、産まない選択をした女性である。産むべきか産まざるべきか、この選択の前で後者を選ぶということは、それほどまでに特殊であり、実存を問うものであることを思い知らされる。産む、産まない、結婚する、しない、離婚する、しない。異なる組み合わせを選んだ者同士が、否応なく傷付け合ってしまうのはなぜなのか。女同士の連帯は難しく、まさしく女地獄の様相をなす。しかし答えのない問いの前で、夏子が産まない選択を選ぶのは偽善だろう。愛する人の子どもを産む、ある意味で平凡な選択をした夏子だが、結婚を選ばないという点で、一周回って同じところに戻ったというよりは、らせんのように少し違う未来に進んでいる。悲しいのは、この作品を読んでと薦めても傷付けない女友達を探すのが難しいことである。
夏物語 (文春文庫 か 51-5) Amazon書評・レビュー: 夏物語 (文春文庫 か 51-5)より
4167917335
No.58
(5pt)

何度も読み返すだろう

今後本棚に常に残ってゆく本になると思います。
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4167917335
No.57
(5pt)

久々に

本物の文学作品を読んだ気がしました。
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4167917335
No.56
(5pt)

よかった

2部編成で、
前編は文庫化もされている
乳と卵でした。
知らずに読んだので、
どこかで読んだなど~と既視感を感じつつ1部読了。ラストでわかって確認しましたわ。
全体に軽重のバランスがよく、
確かに秀作でした。
夏物語 (文春文庫 か 51-5) Amazon書評・レビュー: 夏物語 (文春文庫 か 51-5)より
4167917335
No.55
(5pt)

久しぶりに上質な小説に出会いました

ストーリー展開も飽きさせないし、文章ひとつひとつがとても丁寧に選び抜かれた言葉で綴られている感じで、読書している時間を楽しみました。期待以上に良くて著者の他の本も読みたくなりました。
夏物語 (文春文庫 か 51-5) Amazon書評・レビュー: 夏物語 (文春文庫 か 51-5)より
4167917335
No.54
(5pt)

子どもを産むことに対する問

「その、『生まれてみなければわからない』っていう賭けは、いったい誰のための賭けなの?」

ー 産まれるということは、子どもの意思ではない
はっとさせらた。産まなければ絶対に苦しまずに済むと。

子どもが生まれた後に、子ども自身が背負うリスク、
私は果たしてきちんと考えたことがあっただろうか。

子どもが被る不幸を代わってあげることはできない。
子どもを産み育てる上で、そのことを決して忘れてはいけないと思った。
夏物語 (文春文庫 か 51-5) Amazon書評・レビュー: 夏物語 (文春文庫 か 51-5)より
4167917335
No.53
(4pt)

分からないことをそのままにして置くことの大切さ

最近、性的マイノリティについて語られる場が増えてきているが、従来の単純な男女二元論においてさえ、気の遠くなるような隔たりが私たちの間にはある。身体も性自認も男である私にとって、本作品の中に登場する女性たちが口にする「男たち」に関する言説は、男たちからの反論を寄せ付けない手厳しいものばかりである。そして、それは決して著者・川上未映子だけが抱いている個人的な感情などではなく、多くの女性「たち」の叫びであるらしいことは、ネットやレベッカ・ソルニット『説教したがる男たち』などで十分に分かる。しかし、我々男には、彼女らが言っていることを言葉の意味の上では理解できても、体感することはまずできない。我々と彼女らは、根本的に違う。というよりも、私たちは、それぞれ全く違う。そこから頭をもたげてきた「私たちは決して分かり合えないのではないか?」という絶望にも似た感情が、本書を読む間、常に私の心を占めていた。そして、同時に、私はあなたのことを分かっているよ、という態度を安易にとることが持つ無自覚な暴力性にも、注意する必要があるのである。私たちは何と難しい世界に生きているのだろう。

 本書には、性別を問わずさまざまな生い立ちや価値観を持つ人々が登場する。彼ら彼女らが私たち読者に向かって掲げてくる価値観には、一方で共感できるものが、他方で全く訳の分からないものがあることだろう。訳の分からないものが現れ出た時、もしかしたら、それを無視したり排除したりしたくなる気持ちが出てくるかもしれない。逆に、表層的な面だけを捉えて分かった風を装って、迎合しようとする向きもあるかもしれない。しかし、私には「分からないものは分からないままにして受け止める」ことが大事なのではないかと思えた。それは現状維持を促すものではない。分からないまま受け止めた上で、相手が私にどう行動してほしいのか知ることは、対話を重ねる中でできるはずだと、私は信じているからである。

 このように考えさせたのは、川上未映子が産み出した登場人物たちの多くが、私と同じ時間を生きる、この世界のどこかにいる人たちだ、と思わせる力を持っていたからだ。この作品に出会えたことを大事にしたい。

 星をマイナス1したのには、以下の理由がある。

・話の筋が、途中から予測がついてしまったこと。物語が勝手に動き出してそういう帰結に至ったというより、何がなんでもそうしなきゃならないという著者の意志が見えたような気がしてしまった。今回のテーマの場合「著者の意志が見えた気になる」のは私にとってマイナスに作用した。(我ながらなんてフワッとした理由だろう)

・『乳と卵』を初めて読んだ時の、ものすごいものを読んでしまった、という衝撃が忘れられない。つまり、その衝撃を超えるほどのものがないと思ってしまった。良くも悪くも読みやすいと感じてしまったのは、私が『乳と卵』を読んで以降、さらに多くの本に触れたせいか……?言葉で殴られることで、私が使う言葉への自覚が促され、そこから「私とはなにか」という問いへと引っ張っていかれる感覚が『乳と卵』にはあって、そこから私は著者のファンになったのだった。
夏物語 (文春文庫 か 51-5) Amazon書評・レビュー: 夏物語 (文春文庫 か 51-5)より
4167917335
No.52
(4pt)

生きていくこととは?

時間の流れと生きることのつらさ、喜びが混然となって深い感動をおぼえました。
夏物語 (文春文庫 か 51-5) Amazon書評・レビュー: 夏物語 (文春文庫 か 51-5)より
4167917335
No.51
(5pt)

Excellent.

予定より早く到着し、とても良い状態で届きました。
夏物語 (文春文庫 か 51-5) Amazon書評・レビュー: 夏物語 (文春文庫 か 51-5)より
4167917335