夏物語

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評判

夏物語の評価:

3.46/5点 レビュー 82件。 A ランク

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平均点3.46pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全74件 21〜40 2/4ページ
No.54
(1pt)

お金どうするの?

主人公はまだ一冊しか本を出版していない女性。次の長編小説を書ききれないまま日々を過ごしている。コラムやエッセイや短編小説を書いて生計を立てているが、このままの人生で良いのだろうか?と疑問が湧くようになり、子供を持つ可能性について考える。

生殖倫理や自分の出自を知る権利や子どもを生むことのエゴをテーマにした本書だが、それ以前に、経済的に不安定な主人公が、シングルで子供を産んだとしてどうやって育てていくつもりだったのだろう?とそこばかりが気になった。
主人公自身、貧乏な幼少期を過ごしており、それゆえにいじめにあったり夜逃げをしたりと苦労してきたはずなのに、お金の問題を全く気にせず、AIDにより生まれた人が自分の親を知らないという問題にばかり着目しているのは不自然だしリアリティに欠けるしもっと言えばご都合的だと思う。

そしてこの作者に限らない昨今の小説にありがちな、乳やら経血やら初潮やら卵子やらに関する記述を乱発する傾向は、率直に言って安易だと思う。そういうこと書いておけばそれっぽくなりますもんね、そうですよね、とシラケてしまう(MHさんの小説の主人公がやたらにセックスせずにはいられないのも安直だと思う)。

総じて、長い割に中身のない内容だった。
上記のような身体性についての描写が多い割に、頭の中だけでこねくり回したような、妙に地に足のついていない物語で、真に迫るような迫力に欠ける。
善百合子と精子提供者を名乗る男の記述だけ血が通っていて、面白かった。
夏物語 (文春文庫 か 51-5) Amazon書評・レビュー: 夏物語 (文春文庫 か 51-5)より
4167917335
No.53
(1pt)

読者の気持ちになって本を書きましょう。

まずはこの作品を上手い帯付けて村上春樹さんの推薦文まで入れて、売れてるし、なんか凄そうだし、最近小説読んでないけど、読んでみるか! と購入させた編集者の力量は凄いです。
 肝心の中身のほうは、既存の作品をよく研究しているな、という感じで単調な独白、大阪弁の会話、子供の手記、過去にさんざん読まされたパターンを上手くなぞっているだけで、特に刺さることなく、ページが進みません。
 この本を読むならベースになっている文学の知識や教養が半端ない村上春樹さんをおすすめします。
 見た目もいいし、日本文学界(笑)で飯を食ってる出版関係者や評論家の人からするとちょうどいい人なんだと思います。
 同人誌の内輪ノリで賞を与えて、持ち上げた人の最高傑作がこれ?
 作家というより、タレントさんです。
 たいした社会経験や恋愛経験がないままの自意識過剰で私のことをわかってちゃん。
 が自分の半生をもとにした作品です。
 書きやすかったです。読んでください。
 一般の読者が完全に置いてけぼりです。
 読者の気持ちになって本を書きましょう。
夏物語 (文春文庫 か 51-5) Amazon書評・レビュー: 夏物語 (文春文庫 か 51-5)より
4167917335
No.52
(3pt)

女性であることの痛み

『乳と卵』をリメイクした前半から、AIDを材に取った後半まで、女性であることの痛み、苦しみが繰り返し描かれている。気になるのは全体のリズムやクオリティにばらつきがあることだ。この作家の場合、大阪弁全開のところはスピード感があって面白いのだが、標準語で村上春樹的な比喩を多用するところは退屈。所々、こんなに下手だったっけ、と感じる。人物造形も仙川涼子や善百合子が中途半端。何より帯や書店で「感動」を宣伝しすぎではないか。
夏物語 (文春文庫 か 51-5) Amazon書評・レビュー: 夏物語 (文春文庫 か 51-5)より
4167917335
No.51
(2pt)

主人公のイメージが途中で変わる本

最初は、女性たちの生い立ちが生々しくそれでも躍動的で市井を生き抜く下町の根源を垣間見る楽しさを感じた。
途中、子供が欲しいと言う下りからは何故か陳腐な恋愛小説と化したような、周りの人物のエピソードがなにも生きないような展開になって、過去に傷のある雰囲気のある青年に、それも背が高く多分端正な顔を持つであろう男に靡いていくさまは、滑稽ですらあった。
編集者のほうがよほど現代を写す人として何かを持って生きている感じがしたが
その死もおざなりに扱われた。
結局嘘までついて普通の不妊治療に落ち着いたという茶番、なんだかなぁというラストまで、この作者はなにを映し出したかったのかよくわからない内容だった。
主人公にわずかにあった魅力がどんどん失われていく変わった展開。
もう一冊別の作品読めば違う景色が観れるのだろうか?
夏物語 (文春文庫 か 51-5) Amazon書評・レビュー: 夏物語 (文春文庫 か 51-5)より
4167917335
No.50
(3pt)

改行の無い長い文章は読者の好みが分かれます

川上未映子さんの大阪弁を交えた会話、長い文体に驚きながらなんとか読了しました。無類の本好き、活字好きですが、小説でこれほど時間のかかるものを読んだのは珍しい限りです。多分思考経路自体が作者とは根本的に違うのを認識させられたのかもしれません。好みが分かれます。

女性の性について、これでもかと見つめている主人公の自意識に触れ、到底分かりえない心情の吐露というものと遭遇した気分です。読書というのは意識的に作家を選ぶ過程が途中で入りますので、これまで避けていた作家ではありますが、評判の良さに乗じて読み進めていたところエアーポケットにはまった感がありました。

非配偶者間人工授精(AID)という精子提供を取り上げながら、女性の性の辛さや受容性を通奏低音のように絡めて進行していました。面々と続く独白が情緒的な主人公の人柄を浮き彫りにしており、とりとめのない会話自体が作者独特の文体を彩っているのに遭遇したという感じです。

海外でも評判のようですが、翻訳自体も大変でしょうね。この文体を多言語に置きかえる過程の難しさは想像できます。ました主語述語が明確で、主張そのものがくっきりと浮かび上がる文章とは対極的な内容ですし、婉曲的に書き、その意図を察しながら読者もストーリーの展開についていくわけですから。友人との会話の中での『〇〇こつき労働力』という表現にも出くわしました。好き嫌いが分かれるのも尤もです。

第1部の緑子が第2部で成長して登場することで読者は少し救われた気がしました。ラストはその方向に向かうのはある種の必然性なのかもしれません。
主人公の幼少期の大阪の街の描写も特有の詳しさで臨場感をもって読み進めました。このあたりの上手さが作家の芥川賞をはじめ、各文学賞を受賞している力量の片鱗なのだと妙に納得しました。
夏物語 (文春文庫 か 51-5) Amazon書評・レビュー: 夏物語 (文春文庫 か 51-5)より
4167917335
No.49
(1pt)

あれ?

冒頭の貧乏自慢でまずうんざりしてしまいました。その後も感情移入する余地のないおしゃべりがだらだらと続き退屈でした。このような退屈な内容を退屈せずに書き連ねることができるのが、ある意味この作家の才能なのでしょうか。ところどころで村上春樹のような筆致になるのも気になりました。「乳と卵」を読んだときはそのように感じなかったのですが、この作品では、ところどころで「あれ、いまじぶんが読んでいるのは村上春樹?」と思うことがあったのはわたしの気のせいだったのでしょうか?
夏物語 (文春文庫 か 51-5) Amazon書評・レビュー: 夏物語 (文春文庫 か 51-5)より
4167917335
No.48
(3pt)

長編の中に波があり過ぎる

独身女性の人工授精がテーマ。
全体の流れに波があるというか、前半は冗長でまぞここを乗り切らないといけない。
姉とその子供が中心で、その後の展開とのつながりにしっくりこない。
ただ中盤からは、一気に読ませる。
主人公が作家になり編集者との関係や、人工授精で生まれた人の葛藤などは惹きこまれていく筆力。
それだけにラストにまた平凡にもどってしまうのが、なんとももったいない。
長編でなくて、もっと思い切って内容を削ったほうが迫力あり読み応えあった感。
夏物語 (文春文庫 か 51-5) Amazon書評・レビュー: 夏物語 (文春文庫 か 51-5)より
4167917335
No.47
(1pt)

共感できない、退屈

読んでいて退屈でした。また、関西弁での会話のニュアンスがよくわからず、また心地よく読めませんでした。
夏物語 (文春文庫 か 51-5) Amazon書評・レビュー: 夏物語 (文春文庫 か 51-5)より
4167917335
No.46
(1pt)

だらだらガチャガチャ書いてある

パートナーなしの妊娠、出産を目指す夏子のまえに現れた、精子提供で生まれ「父の顔」を知らない逢沢潤――
生命の意味をめぐる真摯な問いを、切ない詩情と泣き笑いに満ちた極上の筆致で描く、21世紀の世界文学!世界十数ヵ国で翻訳決定!
ってあったので読んでみた。
思ったのと違った。
だらだら長くて、ぐちゃぐちゃ頭の中でぼぉーっと考えてることを文字にして読まされて疲れた。
貧乏時代の説明もずーっとだしつまんない。
いつ精子提供がでてくるのかなと思ってたら第一部が終わった。え、、。
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4167917335
No.45
(3pt)

文才の無い人が村上春樹の真似をして一生懸命書いた本

まず、小説云々を言う前にちょっと日本語がおかしいと思うのですが、編集者は直したりしないのでしょうか。

真剣にびっくりした
とか
今夜最大にびくついた
とか挙げていけばもうたくさん。
40歳にもなって高校生のような言葉を使わないで欲しい。プロの小説家ならば、美しい日本語で書きましょう?
これは『文学作品』なんですよね?ケータイ小説じゃないんですよね?
よくこれで翻訳とかできますね。外国人の翻訳者が、この意味不明な日本語を訳せるのか?
いや、訳した方が逆に読みやすい文になるかも…。
でもまあ、後半は文章もうまくなっていたと思う。

ところで前半部分は必要だったのかな?お姉ちゃんの長話とか。銭湯行くとか、なんやらかんやら。緑子の日記も。
38歳、女、彼氏ナシ。だけどこのままでいいの…?みたいなとこから始めた方が良くなかった?
生殖倫理を問うとか人工受精だなんとかっていうテーマで売り出すのならね。
まあ普通、そこから 婚活!ってなるけど。主人公の頭ぶっ飛び過ぎだよね。

そして後半。人工受精で産まれた人のエピソードが続いてなんだか疲れてくる。あれ、私、わりとこのテーマどうでもいいわ…と思いながら頑張って読み進める。
そして作者が言及というか批判したいのは実は日本の家長制度とか、男尊女卑文化なんじゃないのかなー、てか最近の過激派フェミニストってなんか恐いよね、と思いながら進む。

そして主人公は時に人に励まされ、時に勢いで進み、精子提供を受けてめでたく妊娠&出産。精子を提供してくれたのはまさかの逢沢さん。
あれ?これってなんの話だったんだっけ
普通に好きな人の精子をクリニックで人工受精しただけやん。ただの不妊治療…。

そして素朴な疑問なんですが、そうまでして女も子供、欲しいかな?
ひとりで生きていくのも大変なこの時代に?
というか主人公、これから産後の身体抱えて、ひとりで乳幼児世話して、仕事すんの?詰むやん。
作者もそれが分かっているから、産まれたところで話を終わらせたんだろうねー。

はい、感想以上です。
悪かった点としてはやはり無駄に長いということ。
もう少し、主人公のどうでもいい思考とかは省いても良かったんじゃないかなと思う。特に前半が辛かった。
後半に入ってももっともっと駄文は削るべき。なんでもかんでも足してきゃいい、書けばいいってもんじゃないでしょうよ。
文章の幼稚さと無駄な長さが読者に負担をかけた作品のような気がします。
これを500ページ読みきった自分にお疲れさま。

あと20回くらい推敲できたら良かったんじゃないかなと思う。
あとやっぱり、村上春樹パクり過ぎじゃない?

結局この本から学んだこと : 文才のない奴が村上春樹のような個性的な文体をパクるとなんかイタイことになる。
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4167917335
No.44
(3pt)

最後に向かうところが残念

前半を読んでいて途中で、あれ?これ乳と卵?と思いつつも新鮮な部分もあり読み進め後半、そちらは事前情報として反出生主義がテーマっぽかった(現代思想 反出生主義を考える に引用が出ていた)ので期待して楽しく読んだ。後半中盤で出てくる恩田のシーンが心底キモすぎてさすがだった。キモすぎて逆に笑った。この辺は夏子と友達の気分で、よく無事で帰ってきたね〜とわかち合い慰めたい気持ちになった。これをそこらの男性作家が書いていたら絶対このキモさをなんか美化か擁護かしちゃってここまで完全に有りそうなキモさを表現できなかったろうと思う。
その後も仙川さんとか善さんは良かったし夏子もそちらが正しいって思ったりするのに「最後へ向かうところ」はやっぱり明確な理由がなくても一般的な方に流れるんだなと残念だった。帯に村上春樹氏の推薦コメント載ってて「とくに最後に向かうところが僕はなにより好きだ」とのことですが。村上春樹苦手だし納得したけど。結局反出生主義は取り残されたかわいそうな人にしか見えず。というか最後に夏子が善さん呼び出してわざわざ話すのが残酷だなと思った。善さんにそんな宣言しなくてもいいのに…。「忘れることよりも、間違うことを選ぼうと思います。」って名言っぽく言ってるけどきついなこの人と思った。そんなこと言われて泣かれても、善さん災難過ぎる。
遊佐さんみたいな、男性のことはもう信用できなくてシングルマザーになったけど子どもは素晴らしいよ産むべきだよ人生変わるよ、というタイプの人にはとてもフィットしそうな話だと思った。遊佐さんも良い人で好きですが。反出生主義はメインではなかった。
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4167917335
No.43
(2pt)

悪文のオンパレードでした

「〜を眺めながら○○を見ていた」という謎の文章のほか、(正確には490ページ、「人々が行き来するのを眺めながら、私はじっと人々が歩くのを見つめていた」←なぜこれが校正はいらない?)
変な比喩や表現や悪文が散見。
文章に知性が感じられず、また主人公も作家でありながらなぜこんなになんか鈍そうで、パッとしない頭の持ち主なのか。自分の気持ちと性的な行為が連動していないというのなら、なぜ昔のボーイフレンドが他の女性と寝たときに悲しい気持ちになるのか。なぜ逢沢は「自分の子供を産んで欲しい」といったのか。腑に落ちない部分が多かったです。ただ前半の、貧困女性のエピソードやセリフはリアリティがあって面白かったです。
後半に行けば行くほど「なんとなく」な展開になったのが残念。それでもまあストーリーやセリフよりも、似たような表現がダラダラ続く描写がとても気になりました。
文章が悪いのでこれを翻訳する人気の毒だな^^;
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4167917335
No.42
(2pt)

オチが楽観的すぎる(ネタバレあり)

乳と卵が好きでした
今回の作品はやたら長い
しかも安易なオチでした
精子バンクの話なら精子バンクで子どもを作る話にするべき
現実味がなく残念でした

テクニックを見せつけるような文章の書き方が鼻につく

もうこの著者の本は読まないと思います
真夜中の〜など、昔好きだっただけに本当に残念でした
夏物語 (文春文庫 か 51-5) Amazon書評・レビュー: 夏物語 (文春文庫 か 51-5)より
4167917335
No.41
(1pt)

ガッカリ

ちょっと内容が思っていたのと違いガッカリでした。
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4167917335
No.40
(3pt)

子どもを作ることに自己決定はあるのだろうか?

「生まれることに自己決定はない。だが産むことには自己決定がある」・・・・本当にそうだろうか?
私は10年ほど前に長年、不妊治療をしていた経験から、「生むことに自己決定はあるのだろうか・・・・?」と感じながら読んでいた。ある意味、「生むこと」には自己決定があるのかもしれない、でも、子どもを「作ること」には、そんなに自由に自己決定して作れるものではないことを実感として感じてきた。どんなに最先端の技術を使っても、命を授かるということはとても難しく、本当に奇跡的なことなのだと思う。だから、例えどんな方法を使い、どんな理由で授かったとしても、命を授かるということは生まれる側に自己決定があって、やってくるのではないかと思う。授かった命を「生む」「生まない」というのは、人が決定できることなのかもしれないが、その前の段階として、どんなに「作る」と決めたとしても、そんなに簡単に命は授かるものではない・・・・だから、もし命を授かったのであればそれに従えばいいのではないかと思った。
「作る」ということに対しての議論に関しては・・・わからない。でも、そんな方法であれ、授かるということは生んでいいということだと思う。
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4167917335
No.39
(2pt)

主張が不鮮明かな?

この小説にたびたび登場する男性編集者の言葉が印象的"貴女には小説家の才能が無いだろう"?この言葉は私にも響くし、この本の前半だけを読む限り
トラウマ編集者の通りかもしれない。
夏物語 (文春文庫 か 51-5) Amazon書評・レビュー: 夏物語 (文春文庫 か 51-5)より
4167917335
No.38
(1pt)

重いテーマに対して薄い結末に思いますし、無駄に長い文量だとも思いますし、 本屋大賞2020にノミネートされる資格を感じない残念な作品でした。

パートナーなしの精子提供妊娠、出産を目指すヒロインと、精子提供で生まれ「父の顔」を知らない男性との交流がメインとなる作品で、
無駄に長く、帯の『圧倒的感動』を信じて読了しましたが、

テーマは最近のもので面白いのに、とある女性キャラクターのヒロインに対する叫び『誰もが自ら望んでは生まれてこない子供を出産するのは酷い事』に対するヒロインの答えが、
あやふやな事にガッカリしましたし、感動は特に感じませんでした。
重いテーマに対して薄い結末に思いますし、無駄に長い文量だとも思いますし、
本屋大賞2020にノミネートされる資格を感じない残念な作品でした。
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4167917335
No.37
(1pt)

がんばれ男性諸君

第一部は星4。第二部は星-3。
もし現代日本文学が常に危惧されているように末期を辿っているのなら、この本は何かしらの賞を受賞するだろうと思っていたところ、案の定毎日出版文化賞を受賞した。只でさえ幼稚さは否めない日本の世論に左右される、素晴らしき現代日本文学。

第一部の完成度は素晴らしい。『乳と卵』の書き直しということもあって、テーマも骨組みもしっかりとしているし、もとの作品よりも夏子と緑子の人物像が浮かび上がることで、どこか『ミス・アイスサンドイッチ』に似た匂いを思わせる、川上未映子らしい敏感な生理的感覚に満たされた佳品であった。

しかし第二部は、いとも簡単にその先入観を裏切る。

「生殖倫理」をテーマにしているはずが、この問をフィクションの中に成り立たせる客観性・倫理性に乏しく、作家の所感(考察ですらない)の枠を出ない。AIDの具体的な情報(たとえば夏子が調べた情報、逢沢潤の語る話など)はもはや引用さながら、作家の手によって調理されなかった青臭い記述として並べられる。つまり、作家にとってAIDの詳細な情報は、残念ながら力量不足で消化できなかったもの、あるいは物語のディテールを固めることにおいてむしろ「書きたいもの」に邪魔をするものであった、ということがうかがえる。
作家はきっと、「生殖倫理」を問うことに興味をあまり置いていない。逢沢潤の人物像の薄さ、精子提供者の性格の歪み様に表れるように、むしろ「出産における女性の劣等性」を書くことにこそ作家の熱量を感じる。したがってそれは両性の観点をもとにした「正しい」生殖倫理というよりは、女性にのみ肩入れした感情論である。女性文学としての歴史の譜に並べるのなら、十分すぎるほどの「性的自意識」が滲み出ているけれど、文学の一作品として見るならいかがなものか。
そもそもテーマが現代的というだけで、作中で何度も同じ表現を繰り返し、挙げ句の果てにはかつての作品に用いた表現も持ってきて、同じような構成の繰り返しで進んでいくこの作品はそのテーマを伝えられるほどに「優れて」いたか? というのも、十分考えどころではあるけれど、両性の性差別を撤廃するよりも先に「女性の地位向上」を謳いあげる施策が行われる日本での受賞は当然だとも言える。

女性が男性による差別を問題として提言するのは一つの人権表現である。
しかし、この作者のような怒りをもつ女性たちが思い違いしているところは、自分の生理的好き嫌いを世論で持て囃される「政治正義」によって有無を言わさず肯定し、よくよく考えれば権利を侵害してるとは言えない些細な点(この作品で言うなら、夫が家で出す日常音が耳障りでうるさい、など)も大きく祭り上げるところである。また、それこそが男性への弾圧になっているということも省みない。

別の話で言えば、繊細で感情的、物事について細かな機敏で感覚する複雑な『女心』という立派な建前を、両性で尊んでいる風潮。
それに対比して、単純脳回路で愚直という固定観念を揺るがなく張られ続ける男の窮地。その優劣を、両性で暗黙に認めている価値観がある。
脳の造りが違うという事実からどちらも性の違いの範疇なのに、いつだって女心ばかり美しげに尊ばれるのはなぜだろう。
男女の差別をまっさらなくすのなら、両性によって根も葉もなく尊ばれる女心の聖性は、男性による盲目的男性優位主義の概念とともに、なくなるべきものだと思う。
女心がいかに繊細かを説き、男と比べ、無意識であっても結果的には差別的な男性糾弾、性的優位を得ようとする一部の動きは、盲目的男性優位主義と変わらぬ『盲目的女性優位主義』だ。

世界的な女性差別撤廃の裏側に、男性と女性という区切りの持つ偏見、隔たりをなくすべき倫理が出来上がりつつある。
恐らくは、お互いが差別になり得ない性差の違いからしっかり知ることで、相互の性を尊ぶ考え方が生まれることが、全く理想だったのだろう。
相手の差別意識を批判するのなら、まずは自分の持つ差別意識を批判することから始めなければならない。今作品では、白々しいほど、それができていない。
どれだけ世界がこの作品を認めたとしても、ディストピアにおける一時の自己満足に他ならないか、個人主義が現代においては自己中心主義であり、相応に間違った価値が置かれているためだと考える。

いま、女性作家からひとつの雪玉が投げられた。男性らはそれを食らってしまったが、どう反撃をするのだろう。それとも反撃などはせず、和解にも持ち込まずに、食らったままで沈黙をつづけるか。
男性も存分に「性的自意識」を滲ませた生殖倫理を説けばいいのに、とも思うけれど、そういうことを客観的に書ける迫真さを持ち合わせた作家は今のところいないのが現状だ。

レビュー(?)が長くなって失礼しました笑
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4167917335
No.36
(1pt)

名作か?

よく千枚以上の小説を一気に書けるなと感心するが、それにしてはすらすら読める。作者の現実をちょっとずらした小説だが、はてどこに涙を流すような感動台詞があったのやら、そういう意味で名作かどうかは分からない。ただ途中で「この世のどこかに自分の知らない自分の子などいないと断言できる男はあまりいないだろう」(うろ覚え)とあったが、いやそれは結構いるんではないかと思った。(後記)しかし「生むべきか生まざるべきか」などと初手から悩めるのは女だけで、男は何もないところから悩めないわけだから、これは男性差別小説ではないかと思い点数を下げる。
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4167917335
No.35
(1pt)

小説家の言葉

センセイによれば、この本を読むことで「読書の反応を超えたような」体験を経て、「人生の深いところから」感想が湧くらしいです。
センセイはこれまでどんな読書体験を積んだのでしょうか、、?
人生の深いところって何ですか??
いやはや、、
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4167917335