探偵を探せ!
評判
探偵を探せ!の評価:
3.86/5点 レビュー 7件。 D ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1〜8 1/1ページ
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探偵を探せ!の評価:
3.86/5点 レビュー 7件。 D ランク
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犯人が探偵を推理するというユニークな物語展開であるが、前半はマーゴットとトミーの似たような会話の繰返しが多くやや冗長であった。中盤の第二の事件発生あたりから緊迫感が増してきて終盤は手に汗を握るサスペンスにあふれマーゴットの推理が二転三転する中で真相が判明していく。気が短く自信過剰なわりにヘマばかりのマーゴットが深刻な事件を起こしながらも挫けない姿がコミカルに描かれる。そのためか全体的に安っぽい感じがあるが読後は圧倒されるものがあった。悲劇と喜劇が中途半端に入り混じっているため笑うことはできない。むしろ不幸な人生を送ってきたマーゴットの孤独な奮闘ぶりに悲哀を感じてしまう。あまりの身勝手さにうんざりすることもあったがどこか憎めないキャラでもある。
人物描写はまず女性陣はわかりやすく描き分けられている。小悪魔的な主人公のマーゴット、母親的な役割で小言や弱音を繰返しマーゴットの反発を受ける女中のトミー、うぶな娘でマーゴットから内心で嘲笑されるスーザン。特にマーゴットがトミーの過去を振り返る場面は印象的である。「あの人は、私の本当の母親よりも、はるかに母親らしかった」(p158) 男性陣も、善良な青年のマイク、好色で精力あふれる中年紳士のミラー、頑固で気難しい学者肌のケイツと個性が分かれており読みやすかったが、やはり女流作家の限界であろうか、どこか表面的で男の迫力という点では今一つという感じである。
伏線は堂々と張られており推理の過程も十分に納得できるがミステリとしては捻りがもう少しほしいところであろうか。本作の見どころはマーゴットの揺れ動く心理描写の中で提示された手掛かりから真相にたどり着く試行錯誤の過程にあると思われる。
中盤で、雪が降り積もる深夜に地面に這いつくばったマーゴットが山荘の「三階の窓に影になって映ったトミー」(p116)に助けを求める場面があるが、映像が目に浮かぶようで見事な描写である。物語展開の上では特に意味はないシーンではあるが読後にこの場面を思い返してみると感慨深いものがあった。