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(短編集)
サム・ホーソーンの事件簿Ⅱ
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サム・ホーソーンの事件簿Ⅱの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.29pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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第Ⅰ集を随分前に読み、ハイレベルな不可能犯罪の短編集として高く評価していたので、第Ⅱ集も期待して読み始めたが、期待は裏切られた。ノックスの十戒に違反していたり、有名な密室トリックそのままであったりと、物足りない真相の作品がほとんど。強いて挙げると、ホーソーン医師が登場しない番外編の「長方形の部屋」だけはシュールな理由が面白かった。 「伝導集会テントの謎」 被害者とホーソーン医師しかいないはずのテントの中で、ホーソーン医師が目を離した瞬間に起こった殺人。真相を読むと、それしかないだろうとは思うが、そのことには、ホーソーン医師は死体を目撃した直後に気づきそうなものだが。 「ささやく家の謎」 幽霊屋敷の秘密を暴くために、ホーソーン医師がゴースト・ハンターの男と一緒に屋敷を訪れたところ、どこからか囁き声が聞こえ、謎の男が現れ、他に出口のない秘密部屋に侵入したままその男は出てこない。部屋を調べたところ、その男がナイフで刺し殺されていた謎。犯行トリックはノックスの十戒に反しているが、犯人がこのようなことを行った動機は面白い。 「ボストン・コモン公園の謎」 ボストン・コモン公園で起こる連続毒殺事件の謎を出張で訪れたホーソーン医師が解明する話。クラーレの毒の特性を活かした真相。 「食料雑貨店の謎」 密室の雑貨店内で気を失った女と殺された男と発射されたショットガン。女が疑われるが、ホーソーン医師は密室のからくりを見破る。ちょっとした発想の転換のアイデアが盛り込まれてはいるが、小品。 「見にくいガーゴイルの謎」 ホーソーン医師が陪審員として参加した裁判で起こった判事の毒殺事件。誰が毒を盛ることができたのかという謎。伏線が張られてはいるものの、小手先のトリック。 「オランダ風車の謎」 雪密室となり、被害者の足跡しかない風車の中で起こった連続火災事故の謎。人物配置、物証、証言など、色々と伏線が張られていて、真相はそれを結び付けてはいるが平凡。 「ハウスボートの謎」 ハウスボートに乗り込んだはずの4人が消失した謎。ボートに乗り込む時の描写である疑いを持った。真相は分かりやすいと思う。 「ピンクの郵便局の謎」 郵便局で1万ドルの債権の入った封筒が盗まれた謎。そんな方法で隠せるのかなと疑問に感じる。 「八角形の部屋の謎」 レンズ保安官の結婚式場となる八角形の家で、密室状態で死人が見つかった謎。説明だけではわかりにくく、トリックの方法が明確には理解できなかった。 「ジプシーキャンプの謎」 ホーソーン医師の目の前で亡くなったジプシーの男を解剖したところ、銃創がないのにも拘わらず心臓から銃弾が見つかった謎。さらに、キャンプをしていたジプシーたちが馬車と一緒に警察の監視をかいくぐっていなくなった謎。真相は肩透かし。 「ギャングスターの車の謎」 ギャングの取引に遭遇したホーソーン医師の目の前で、リムジン車に乗り込んだ男が消失した謎。人間の動きがわかりにくい。 「ブリキの鵞鳥の謎」 飛行機の密室の操縦席でパイロットが刺殺された謎。密室以外のトリックも使われているが、密室トリックは某有名ミステリー作品と全く同じ。 「長方形の部屋」 学生寮の二人部屋で起こった殺人事件。殺害後、22時間も死体から離れなかった謎。 | ||||
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◆「長方形の部屋」 大学の学生寮で殺人事件が起こた。 現場に居たルームメイトの男は、すぐに犯行を認めたのだが、 なぜ彼は、二十二時間もの間、死体のそばを離れなかったのか……? 犯人が持つ特異な動機が焦点となる本作ですが、残念ながら、世知辛い現代の視点 から見ると、発表当時の読者が感じたようなインパクトは感じられないでしょうね。 ただそれは、現実が虚構を追い越したというより、単に 現実のほうが虚構を模倣しているに過ぎないと思います。 作中人物と読者の世界観のズレによって謎を作り出す趣向は、サイコ物の流行や 日本では京極夏彦作品の影響で広く一般化しましたが、本作は、そうしたものに 先立つ、記念碑的作品です。 ▽付記 本作の殺人現場のイメージにポーの某作やメルヴィルの某作が 重ねあわされているのにもニヤリ。 | ||||
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1920年代禁酒法時代のアメリカを舞台にした全編不可能犯罪ものの時代ミステリである。 「長方形の部屋」はオマケの現代ミステリですが、オマケが一番レベルが高いw 時代小説としての感想しか突っ込むところが無い。 30過ぎても独身のサム・ホーソーンは、女子大生とラブラブファイヤーになるのだが、 彼女が犯人である可能性がある事件の時、 無罪を証明するにはスカートの中を覗く必要に迫られるのが面白かった。 スカートの中を見せろと言うことがトンデモナイ破廉恥な事であった、 女性が慎み深く、男性が紳士であった古き良き20年代に憧れます。 制服をミニスカにして街を闊歩している女子高生がいる現代日本はおかしいぜよ。 パンツ見せるどころか、パンツも体も売る女子高生がいる現代日本なら、 サム・ホーソーンは失恋しなかったと思われるが、 哀れサムは変態扱いされ女子大生に振られるのだ(藁 サムは医者だが、この時代は技術革新が凄く、 飛行機パイロット等の新しい職業もどんどん生まれ、 田舎医者なんて若い女の子には受けんよと 卑屈になるサムがきゃわいい。(藁 知的レベルが高いと思われる医師探偵だが、 犯人に肉体労働者もいるのは、職業差別を否定しているようで、 ホックの人権意識は素晴らしい。 一芸に秀でた職人が、その専門を犯罪に応用した時、 それを見破るには、机上の知識だけでは苦しいだろう。 探偵にはあらゆる経験に基く知識が要求されるのだ。 サムは医者だが庶民的な人物なので、あの職人の仕事も経験があったと思われる。 気障なハードボイルドの探偵には絶対解決出来ないと思われる、 職人さんが犯人の作品はそれなりに個性的で面白かった。 高学歴で無いと就けない職種の人物より、 中卒の職人さんの方が頭が切れることも有り得ます。 当たり前のことですが、職業に貴賎は無いということを再認識していただきたい。 | ||||
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「ハウスボートから消えた四人組」事件以降、急にミランダ・グレイと親しくなったと思ったら「郵便局で消失した封筒」事件で、恋人のミランダ・グレイを疑ったので、振られたサム先生。可哀相でした。この人には恋愛が似合わないのかな?それでもサム先生はシャーロック・ホームズ気取りで事件を嗅ぎ回って回ります。しかし、サム先生も、レンズ保安官がヴェラ・ブロックと結婚出来たのは嬉しかったと思います。「八角形の部屋で殺された浮浪者」事件の合間だったと言うのを除けばですが。兎に角、前巻と遜色無い内容なので、一読の価値ありです。 | ||||
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ニュー・イングランドの田舎町ノースモントの老医師サム・ホーソーンが、数々の不可能犯罪を解決した若かりし日々を回想する、シリーズ物の短編集。第2集の本書には、1927年から1930年までに起きた、12の事件が載せられている。病院の開設、郵便局の開設、1929年の株大暴落(世界大恐慌)、レンズ保安官の結婚…などなど盛りだくさんの本書だが、最も印象的なのは、サム先生がノースモントに来て初めて恋をし、フラれてしまった顛末。悪いが失恋して良かったと思う-相手の女性は全く面白味のない、わからずやだからだ。”探偵ごっこ”で迷惑をかけても、それを夫婦間の笑い話として末永く語り合えるような伴侶に、サム先生には恵まれてほしいと思う。看護婦のエイプリルなど悪くないと思うのだが、どうなのだろう。ところで、第1集にも第2集にも、付録としてシリーズ以外の作品が載せられているが、特別おもしろくもないし、何よりもシリーズの雰囲気を壊していて興ざめである。それよりもサム先生の話を1話でも多く載せてほしい。 | ||||
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サム・ホーソーン先生の第二短編集は、1927年の秋から1930年の7月までにおこった12の事件が語られます。シリーズをはじめて読んで、とても楽しめた第一短編集に比べても、遜色のないものばかり。よくこれだけの質の高さを維持できるものだと感心させられます。コネチカット州の田舎町ノースモントとその周辺では、あいもかわらず犯罪が続きます。それも、どれも不可能犯罪ばっかり。こんな町なら、ミステリのファンに限らずとも、一度は住んでみたいと思うのでは?町でおこった不思議な事件を、素人探偵気取りで探ってまわる。なかなかいいですね、スリルに満ちた毎日が送れそうで。被害者にされるのはイヤだけど。次の事件簿がまとめられるのが、とても楽しみです。 | ||||
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相変わらずホーソーン博士の周りでは不可解な犯罪が相次ぎます胸の痛みで入院した患者を切開してみたら心臓に銃弾が撃ち込まれていたり空飛ぶ飛行機を一人で曲芸運転していたものが殺されたり前作に比べて、不可能犯罪を必ず一つは盛り込むという制約の中毎月一編書いていた関係からか質が若干落ちていますがそれでも興味深い一品です「長方形の部屋」を併せて収録 | ||||
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