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雨心中
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雨心中の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.91pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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共に孤院で育ち、姉弟以上の愛情?で強く結ばれたふたり。母のような姉のような包容力を持つ芳子、 純粋で無垢、それだけに不器用な生き方しかできない周也。彼らが並んで乗る深夜のジェットコースターは、 思わず悲鳴を上げそうになるアップダウンを繰り返し、ときには車体がまっぷたつに裂かれて、それぞれが 別のレールの上を走り続けたりしますが、そのレールもやがて合流してジェットコースターもひとつに 戻ります・・・。 今度こそ、と芳子も周也も神に祈りを捧げますが、運命はかれらの味方をしてくれません。 ラストでは、二人がやっと幸せを見つけた、と見えたのに・・・・。 「恋愛小説家」という肩書きは彼女には似合わないのかもしれませんが、多くの人が彼女の描く愛や恋の世界を 期待しているのだろうと察しますが、この作品は少し趣を異にします。いつもの彼女を思って読み始めると、 じきにそれとは違うことに気づくと思います。 最後まで飽きることなく読みきることができましたが、辛口の採点をさせてもらうなら、「くっついては、また別れ、 また、くっつく」という展開が繰り返され、正直なところ、終盤ではちょっと飽きてしまったことも事実です。 文章の上手さもさることながら、彼女の最大の魅力は、その練りに練られたプロットだと思っている私には 意外性を欠く、ちょっと残念な作品でした。(でも、手持ち無沙汰なときに読むぶんには、とてもいい本ですよ!) ■追記 私の趣味のひとつである、「エアキャスティング」ですが、 この作品では、芳子=松島菜々子・周也=反町隆というふうに考えました。 実際は反町が夫であり年上でもありますが、松島に老けメイクを、反町には若作りをさせて、 きょうだいを演じさせたら、かなりいいカンジなのでは!ほくそえみましたが、如何でしょうか? | ||||
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さらっと読めるエンタメ小説。 施設育ちの芳子と周也は、本当の姉弟の関係よりも強靭な絆で結ばれている。生活においてどちらかというとつつましい芳子の慾望の総ては、弟の周也の世話に凝縮される。例え彼の為に身体を売ろうが。 一方の周也は無垢でまっすぐな男、時にヘマをやらかしては芳子に泣きつくダメな男でもある。 借金や買春、裏切りなど決して羨ましくもない作中の二人の展開にも関わらず、人間の露わな本質的慾望を、さらには無垢(ある種の無知)としての理想の姿を描いたらこうなるんじゃないか、と思わせる作品。 ―言ってみれば、華のないつまらない女だ。 しかし、ベッドの上で女は豹変した。その表情は、淫らという言葉がぴったり当てはまった。(中略)それは自分の意志とはまったくべつのところで蠢き出しているものだ。(中略)この女は、男に身体を売っても、快楽は手放さない。無意識の中で、むしろ、男から奪おうとしている。(本文より) | ||||
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