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雨心中
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雨心中の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.91pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全22件 21~22 2/2ページ
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今回の作品は普段のファッショナブルな感じと違って、少し幸せがやってきたらすぐに悲しい出来事が毎回やってきて新境地を求めて、そしてまたそこで悲しい出来事が…の繰り返しで何とも言えないんですが、いつもながらの唯川さんらしい女性のはなかさや心の内に秘めた愛情の深さの表現方はいつもと変わらず淡々としていて読みやすかったし面白かったです。ただ星4つにしたのは、1つの作品としては読みやすくて好きなんですが、唯川流の基本型のファッショナブル感が今回は無かったので1つ減らせて頂きました。 | ||||
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恋愛小説の旗主・唯川恵さんですが、この小説は、恋愛色が薄い。もっと、 自分では抗えないような運命とか、負のほうへ引き寄せられていく人間の 愚かさとか、シリアスかつ普遍的なテーマを描こうとしている気迫が伝わって くるようで、ある種の凄みを感じた。 親の愛に恵まれず施設で姉と弟のように育った芳子と周也。 周也と穏やかに暮らすためなら仕事を選ばない芳子と、 上司の嫌味くらいですぐにやめてしまういまどきのダメな若者風周也。 最初は、この「愚弟」っぷりにイライラした。だけど、どうやら、 芳子は、彼が失敗したり愚かな真似をすると「私が何とかしないと」 と、生きる張りを感じて、背筋がピッと伸びるみたいだ。そして彼に 好きな女の子ができると、幸せになるように、そしていつかその間に できた子を抱きしめることを夢見ると同時に、周也が人のものになって しまうことをどこかで恐れているようにも見える。 性を交わさない状態の男女の愛情は、単なるもたれあいにも一見見えるが、 この怖い世界でひとりで泳いでいくことは難しいと知り尽くしたふたりだからこそ かりそめっぽくてもともに暮らそうとなんどつまづいてもこらえようとするのだろうな、と 読んでいて説得されてしまったような気がする。 クセのある脇役たちが物語りに複雑な陰影をつけていくところも、割と、メインキャラを しっかり描き脇は脇、という感じだった初期の唯川作品にはない分厚さを感じさせる。 | ||||
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