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楠木正成
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楠木正成の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.13pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全23件 1~20 1/2ページ
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吉川英治が描く歴史小説の登場人物とは決定的に違い、 北方謙三の人格も乗り移っているのではないかと思うくらい、 人間臭さが漂っています。でもそれが魅力ですし、リアリティも感じます。 派手なキャラクターではありませんが、親から受け継いた物流を軸に、 自分なりに成すべき事を淡々とこなして行く。いつか訪れる秋(時)のために。 そんな正成の佇まいや考え方は、若者というよりもある程度経験を積んだ 中年にこそ訴えかけてくるものがあるように思います。 個人的には能の観世流の元は伊賀の服部氏につながる エピーソード(諸説あり)がとても興味深く楽しめました。 | ||||
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北方さんが描く楠木正成は、男としてカッコいいと思いました。 | ||||
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問題なし | ||||
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問題なし | ||||
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商人たる「悪党」と農村の古い日本を地盤とした「武士」の対立として時代を捉え、皇室と悪党の結びつきによって新しい日本を作ろうとした人として楠木正成を据えていることがわかる。 どこかで読んだストーリーと思ったら「竜馬が行く」だった。 ちなみに司馬遼太郎がなぜ「竜馬」としたのか。本名は坂本龍馬で龍の字を変えた理由は何か。 この小説も「楠木正重」とかしておくべきではなかったのかなあ。 義に生きた寡兵の天才、楠木正成。 桜井の別れ、湊川の決戦が無く、足利尊氏が妙に賢い。 湊川を読んで泣きたかった、とだけ。 | ||||
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もう20年近く前に読んだ本だけど、今でも強く印象に残っている。 ステレオタイプな忠臣ではなく、悪党として生きる手立てとして朝廷に加勢しながら、護良親王の熱く純粋な思いに感化され、やがて不利とは分かっていながら、朝廷方を裏切る事無く、その命を賭けた。人間楠木正成をこれほど熱く描いてくれた事に、彼の本拠河内出身の身として、感謝の思いで一杯だ。あの時代、まぎれもなく南河内は歴史の中心であった。今は過ぎ去った歴史の熱い風を感じさせてくれて、ありがとう。 | ||||
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綺麗な装丁で満足しました。 | ||||
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気に入らない点 ・初めて読んだ楠木正成についての本がこれだった為に、他で聞いてた尊王忠義なカッコいい楠木公がどこにも現れなかった点。 ・戦の場面も淡々と書かれており、初心者にはお勧めしない。 気に入った点 ・リアルな人間臭い楠木公を知れた点。やはり歴史の過去の人となると現代に渡るまで沢山の脚色が施され半ば神聖化しているので、平等と客観を持って楠木公の実態を描けるのは流石である。 | ||||
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鎌倉時代末期。 楠木正成は悪党であり、父や祖父は幕府の御家人である武士や荘官と戦うことで楠木家を築き上げた。しかし、武士が本当に悪党を潰そうとするなら、悪党は武士には勝てない。もし、街道の差配の権利や鉱山利権を六波羅に召し上げられたら、楠木家は一族をあげて悪党として戦うしかない。いまは、楠木家は、悪党ではないという素振りをしているが、いつまでそんな態度を取れるかわからない。 悪党とは荘園領主に逆らった者たち。荘園領主の背後には幕府がいるのだから、幕府に逆らっているともいえる。 悪党の中にはある地域を守ろうとする者もいれば、赤松円心のように幕府に従うかたちをとりながら力を蓄える者もいる。 後醍醐天皇は、武士の支配を覆したい。しかし、不平武士の力を借りて北条氏らの武士を倒すのは、権力が武士から武士に移るだけ。だから帝は寺社勢力に目を向ける。護良親王は、武士を倒すのは武士以外の力でなければならない、と考える。 正成に長男が生まれたとき、入れ違いのように父・正遠が急死。正成は家督を継ぐ。 赤松円心は三男の赤松則祐を出家させ、三千院に送り込む。この三男と護良親王がつながる。 正成は一族総勢で六波羅兵と戦う。楠木軍とは名乗らない。六波羅の力を計りつつ、軍事調練を行う。弟の正季は、軍事専門。考えることは正成任せ。 悪党が生き延びるには幕府を倒し、新しい支配者が現れる必要がある。しかし、いまの朝廷にそんなことができるはずもない。悪党がひとつにまとまることも不可能。利で誘われれば悪党はなびく。新しい支配者に楠木一族を認めさせねばならない。となれば、幕府と戦うしかない。 この正成の決意を知った後醍醐天皇は「正成は帝のお召しに応じて決起した」ということにしたがる。正成にとっても大義名分を得られるので好都合。 | ||||
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有名な湊川の別れを描かないというボイルド楠木正成を読んでみようと思いました。 忠義を尽くすお涙頂戴ではない、軍略に優れた武士でもない、物流を主とした商いを夢見る悪党として楠木正成を描いています。 ある程度の知識がないと読めないかもしれません。 エピソードを点のように描いて繋ぐので、悪党として駆け抜けた楠木正成に過大な期待をすると裏切られた感じになるのかもしれません。 | ||||
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「お勧め」されて購入。通勤時の読書用なので中古で十分です。いろいろ探して読んでいます。 | ||||
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本書は氏の別作「三国志」の一部を抜粋し、時代と人物を入れ替えただけのやっつけ仕事的小説だと想える。猪を料理する場面には閉口した。 時代と人物の説明にしたって余りにも足りない。 鎌倉時代の両統送立は、後嵯峨天皇の子後深草上皇(持明院統)と亀山天皇(大覚寺統)の皇位継承争いによる。(後醍醐天皇は亀山天皇の孫) 位の説明は無いと、歴史モノとしてどうなんだろう? 個人的には山岡荘八や吉川英治の太平記を読書済みなので問題無いが…。 私は楠木正成は尊皇思想武士の鑑という認識で尊敬してるが、本書の楠木正成はどうも白圭の様なカリスマ大商人の先駆者という感じで感情移入出来ない。 「千早城の戦い」を読みたく下巻も購入したが、あんまり期待してない。 | ||||
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本書を読む前に、楠木正成を扱った植村清二著(中公文庫)、大佛次郎著(徳間文庫)、土橋重治著(PHP文庫)の3冊を読みました。 どれも「太平記」や「梅松論」を基にしていますが、本書は全く違う悪党・正成を描いています。 商いを生業とする正成は、地方を旅する猿楽一座から、鎌倉や朝廷、各地の武士や民の不平などの情報を収集し、指標とします。 本書の基本は、「利によって動く悪党」を描くことにあるようで、“はずみ”で討幕を決意した正成像は興味深く、お薦めできます。 ただし、いきなり本書を読むのではなく、「太平記」等を読んで全体の流れを掴んでからの方が良いと思います。 | ||||
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北方三国志、水滸伝、絶海にあらず、とがっかりが続いたが、この楠正成は、出来が良いように思われる。上巻の間は、適度な緊張感を保ちながら話が進み、楽しむことができた。下巻に入るのがちょっと怖いが、下巻もこの面白さが続いてくれたら、と思う。 | ||||
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記憶を掘り起こすと、私が読んだ北方太平記は以下。『武王の門』(懐良親王)、 『破軍の星』(北畠顕家)、『悪党の裔』(赤松円心)、『道誉なり』(佐々木道誉&足利尊氏)。『陽炎の旗』も読んだが、あれは既に足利義満時代なので「太平記」には入らないかな。 多くの人物が主役になり脇役になり、それぞれに生きて散っていく。基本的に「嫌なヤツ〜」とか「卑怯者ぉ〜」となるキャラがいない世界で(後醍醐天皇は不気味な虚空キャラだが)、誰もが悲哀に満ち、それぞれに筋が通っている。高師直が尊氏に最後の別れを告げるところなど切なかったなあ。そして、脇役として登場する楠木正成は常にカッコよかった。『道誉なり』で、湊川の合戦の描写があったはずだが(だいぶ前に読んだもので記憶が曖昧)、楠木正成が采配する戦陣を佐々木道誉が遠くから眺めやり、「美しいな」と呟く場面があったと記憶している。詩的でさえあるシーンだった。てな訳で、北方太平記フォロワーは、楠木正成主人公編を待っていたのである。 うーむ、楠木正成は脇役として小出しにされた方が美味しいキャラだったのかもしれない。生き生きとした人物像というより、なんだか理屈の部分が多いような印象が残念だった。途中から、現代人たる北方さん自身が楠木正成の行動を理解しようと努めるその過程を追っているような気がしてきた。ふと思うのは、「熱烈に天皇を慕う」という理非を超越した心情は現代人にはもう分からないのかもしれない、ということだ。別に楠木正成がそうだったというのではない(そんなことは知らない)。現代人にはもはや理解が及ばない「激烈な愛」というのがかつてあっただろう、とチラリと感じただけだ。イスラム教徒のアッラーに対する愛みたいなものだ。あるいは現代日本人よりもアフガン人なんかの方が、楠木正成の心の形を本能レベルで理解出来るのではないか。そして、現代日本の庶民に「理解」やら「納得」やらされてしまったら、それはもう武士でも悪党でもないのかもしれない。 ちなみに、湊川の合戦に突入する前に終了するあたり、イカした外し方だと感じる反面、ガッカリしている自分もいてやや複雑。しかし楠木正成最期のシーンは他の本で既にカバーされているので、敢えて省く北方さんの美意識(?)も分かる。古典的定番を如何に扱うかは難しいことだなあ、と感じた。 | ||||
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吉川英治の私本太平記を読んで、この本を手に取った。 私本太平記で描かれる楠木は正に忠孝清廉の人。 最後まで帝である後醍醐天皇に忠を尽くし死んでいく。 一方、この本で描かれる楠木は非常に人間臭い。 悪党であることにこだわり、武士との違いを描く。 帝には忠を尽くすがこれは後醍醐天皇にではなく、日本が古来から持った帝、と言うものに夢を向ける。 そもそも私本太平記には悪党と言う単語は出て来ない。 悪党=悪、ではなく、既存の政権、すなわち幕府に楯突くもの、と言う意味なのだが。 これが赤松であったり、名和であったりする。 同じ題材に対し複数の本を読むと幅が広がり面白い。 | ||||
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本書で、湊川の戦いを省略して正解だったと思う。湊川の戦いが始まる前の段階で、「軍事力を朝廷が独占し、武士を領地から切り離す」という理念の実現は絶望的だった。湊川の戦いまで書き進めては蛇足だったと思う。 本書における 悪党から見た朝臣(公家)観は 「交換可能なものを何一つ持ってもいないくせに、自身の権利ばかりを主張する連中」 だ。だからこそ、民衆に交わり農作業をやり遂げた北畠具行の気骨が光っている。本書の正成は、悪党自身の活路のために幕府に叛旗を翻した。 吉川英治氏の「私本太平記」では、朝廷と悪党の関係が少し違う。京都から少し離れた散所で、朝廷ご用達品(の余剰品)を売買する取引を通じて悪党と朝廷に接点が出来たという記述があった。朝廷と悪党の間になんらかの取引関係(利害関係)はあったと思う。(なりふりかまっていられない状況とはいえ)一介の悪党が、笠置山で菊水の旗を下賜されるということは考えにくい。朝廷と悪党の利害の一致も、正成が幕府に叛旗を翻した理由の一つとしてあってもいいと思う。 悪党と朝廷の間に どんな利害関係や人脈があったにせよ、正成が幕府に叛旗を翻した決断の価値は動かない。困難で勇気がある決断だった。当時の世論調査の結果は残っていない。当時の畿内の民衆に「楠木正成を支持するか?千早城が陥落していいと思うか?」という質問をぶつけてみたい。 「幕府の権威が衰微すると、勤皇の強い大将が現れる」という民衆の期待に先鞭をつけたのが正成だ。 西郷吉之助が(武王の門で活躍する)菊池武光を輩出した菊池氏の末裔だということは、畿内の民衆に「あのときの再来だ」と強く意識させたと思う。 誰でも人生のどこかで、いくつかの選択肢を切り捨てて決断するタイミングに直面する。本書で正成と出逢ったことで、人生の決断をするタイミングを掴む技量がほんのわずかに向上した気になりました。 | ||||
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楠木正成が足を使って人と会い、情報を収集する中で 人を信じる事や決めた事を貫こうとする姿が描かれています。 歴史を代表する忠義の人とはいえ、 最初から筋が通っていたというよりは、悩みながらであった事など 人物描写にとても共感できました。 終盤になるにつれて、熱い気持ちがわいてくるような本だと思います。 知人の経営者と幕末や戦後を語る際、 いつも北方謙三の「楠木正成」を読んで欲しいと言っていました。 創作の部分もかなり多いとは思いますが、 歴史を語る際には確かに読んでおくべき1冊と私も思いました。 | ||||
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楠木正成がどのように湊川での最後を… という描写を期待して読んでいったのですが なんとその前で小説は終了してしまいました という訳で評価は★★ わたし的にはがっかりでした といってこの小説の評価が悪いとは云ってません ただ私の求めている場面が割愛されていたので ちょっとショックでした 他の作家さんの正成を探して読むことにします | ||||
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尊皇忠義の人という従来の正成のイメージより、はるかにリアルで人間的な 正成が描かれてます。 武士に支配されることなく悪党として商売を発展させるために武力を蓄える 楠家。その武力が、鎌倉幕府打倒のための武力を必要としている帝/親王と つながってゆきます。 忠臣として忠勤を果たし大楠公とか日本人の鏡などと言われているステレオ タイプの正成は本書には居ません。楠家の素性も、橘氏の末裔などとは言わ ず、素性もしれない家系として描かれています。 物語は、楠正成の青年時代から始まり、終始正成の視点で描かれています。 正成の行動を、正成の居る場所を舞台にして時系列に描いており、他者の視 点や他の場所に飛ぶことが少ないため読みやすい構成になっています。 登場人物は正成の楠家の家人など正成周辺の人物が中心。有名人は、大塔宮、 北畠具行、赤松円心などが、登場。チョットだけ登場するのが、後醍醐天皇、 和田助家、名和長年。足利尊氏や新田義貞は名前が登場する程度です。 等身大の人間としての正成が見えてくる良書です。 | ||||
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