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楠木正成
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楠木正成の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.13pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全23件 21~23 2/2ページ
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楠木正成と言えば後醍醐天皇に殉じた忠臣という印象が強いが、 この本ではかなり違う人間像になっている。 非常に泥臭く、 大河ドラマ版 における武田鉄矢の正成にも通じるところがある。 正成は商いもやる土豪であり、己が「悪党」であることに強い誇りを抱いている。 いつしか正成は既存の武家政権を、悪党の手のみによって倒し、 武家と言う身分をなくし、民が安楽に暮らせる世の中を夢見るようになる。 しかし、正成の活躍にも関わらず、既存の武家政権を倒すために足利の力が行使されてしまったせいで武家が破壊されず、 建武の親政の腐敗ののち、尊氏が背いてしまう……といったところで終わる。正行との別れの場面はない。 | ||||
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同じ作者が、同じ時代を描いた小説が他に数本あり、それぞれの主人公がクロスするように構成されているのだが、この作品については作者の持つ「こだわり」~男としてどう生きるか、どう生きたいのか~が薄かったように感じる。それは、ある程度私(たち)の中に共通認識として主人公楠木正成に対する評価があり、最後のところで作者がそれを突き崩したと私に実感させ得なかったからかも知れないと、今は思う。 | ||||
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楠木正成といえば、「青葉茂れる‥‥」の唱歌や、「太平記」の桜井の別れに代表するような武士、父、というイメージが強い人物ですが、そこは北方先生の南北朝モノだけあって、まさに強さも弱さも持ち合わせた「男!」という熱気で満ちあふれていました。 それなりに大きな力を築き上げてきた父を侮りがたくは思いつつ、 自分は父とは違うという気負いもみせる初々しい面もあり。 楠木一党の次期棟梁として家人や弟など周囲の人間からは敬慕されていても、 自分を活かすすべをまだ見定められず、どこか迷いを禁じ得ない態度が、 皇国史観の産物たる楠公崇拝に彩られた正成像とはかけ離れていて新鮮です。 『道誉なり』『悪党の裔』などで登場した時より、もっと複雑な印象を受けるのは、 やはり主役だからでしょうか。『悪党の裔』とリンクしている挿話もあり、 比べて読むとより本書の正成像の微妙なところを感じ取ることができて、満足度も高いかと。 そんな正成の人生の岐路を共に歩もうというのが、大塔宮護良親王。 ウラ主役といっても過言ではないほど、正成の行動と交互に逐一、実況中継のごとく「その頃の大塔宮」が語られ、それがこれまでの北方作品中でもっとも魅力的に描かれているだけでなく、正成の生き様に大きく関わっていくのです。 これからこの二人がどうなるんだろう!?という期待と不安の中で、胎動の上巻は終わります。 | ||||
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