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(短編集)
暗殺の年輪
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暗殺の年輪の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.26pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全28件 1~20 1/2ページ
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武家者の時代小説もよいが、藤沢周平の市井ものは情景描写が巧みなだけにドラマを見ているような楽しみ方ができる。 | ||||
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江戸時代の人々を描いた短編集。主人公自身でもコントロールできない心の奥底の禍々しいエネルギーを、静かな筆致で描写している。「ただ一撃」という老武士を描いた作品が一番面白かった。なお、鶴岡が舞台。 | ||||
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年輪とは、木の成長を、意味する。しかしその刻みは一様ではない。それは分かるにしても、この表題は、理解し難い。主人公には、付け込まれぬ精神的な強さが、欲しかった、と読んで思った。 総じて著者の初期作には、そうした抗えぬ弱さを持った、者の物語りが多い。 | ||||
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短編集ですが初期の作品とのことで味のある面白い作品が多かった | ||||
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読む価値あり | ||||
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直木賞受賞作「暗殺の年輪」は藩の権力争いに翻弄される下級武士の生き様で暗くて救いのない作品。主人公の生き方にも賛同できない。母が貞操であがなった自分の命であれば大事にすべきで、母親を死に追いやるべきではない。隠し剣秋風抄の「盲目剣谺返し」では夫の命乞いのため貞操を捨てた妻を許している。この作品は泣けるが、暗殺**は主人公の狭量さが底の浅い作品にしている。直木賞としたのは誤りであろう。 同じ暗さでも「黒い縄」の方がまだ深くて救われる。「黒い縄」の岡っ引きであった地兵衛の妾の「おゆき」が殺される。その真犯人はだれか?おしのと宗次郎生き方に共感を覚える。 「ただ一撃」の、祖父の決闘のために体を与え決闘の朝自決した息子の嫁の三緒。女は哀れであるが女の描き方が実に上手い。内容はどちらかと言えば暗いが読み応えはある。 「溟い海」は晩年の北斎を描いた作品。43歳になった藤澤のデビュー作で、オール読物新人賞を受賞した。富岳三十六景で大向こうをうならせた北斎だが、今や時代は庶民の何気ない風景を活写した歌川広重に移っている。北斎は広重に嫉妬し危害を加えようとするが思いとどまる。 新人賞受賞の言葉で、藤澤は、今回の応募は「追い詰められた気持ち」「孤独感はとりわけ深い」ものがあった、と書いている。北斎の広重の作品を嫉妬する暗い気持ちは、藤澤の気持ちと重なっており、一連の初期の作品の暗さにつながっている。 新人賞、直木賞を受賞した藤澤の作品の結末が、徐々に明るいものに変化していくのが大変に興味深い。 | ||||
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デビュー当時の作品群といった短編集。 以下、印象に残った2作品。 『暗殺の年輪』は1973年上半期の直木賞を獲得。 「暗殺」という響きが胸高まらせるものを感じさせます。 『溟い海』1971年上半期のオール讀物新人賞に選出。 (※ネタバレの箇所がありますので以下の文章はご注意) 葛飾北斎が主人公。絵師の物語で藤沢作品では異質な感じです。 これが意外にデビュー作なんて少し驚きでした。 かつて三島由紀夫は「処女作にはその作家のすべてがある」と言っております。 はて、どのへんが?と思ったわけですが、私が感じたのを以下に長ったらしく書きます。 業界の重鎮になっていた北斎は、進出で最近話題の歌川広重が描いた「東海道五十三次」に 知らず知らずのうちに興味と恐れを抱きます。 しかし、やっとの思いで広重の絵をみたとき「平凡」としか最初は目に映りませんでした・・・ はぁ?何でこんな絵が近頃評判になってんだ?みたいなところです。 ところが段々とその世界が分かってきてしまうのです。 〇引用 「広重と風景との格闘は、多分切りとる時に演じられるのだ。そこで広重は、無数にある風景の中から、 人間の哀歓が息づく風景を、つまり人生の一部をもぎとる。あとはそれをつとめて平明に、あるがままに描いたと北斎は思った」 後進に道を譲る、そのときが来たことを北斎は悟ったのです。 この引用のした部分がこれ以後の藤沢作品そのものの性質を表現していると私には感じます。 彼が描写した江戸の人情もの、庶民の生活、ばくち打ち、兵法者、藩の内情と下級武士、男と女、などの物語です。 明るくもあり暗くもある、日常の機微、人々が生きている日々の暮らしが 流れるような文章にさりげなく作りこまれているなぁと、改めて気づくのです。 小説家として、藤沢周平は歌川広重のようになりたかったのかもしれません。 一方でその前は作中の葛飾北斎のような絶望に近い暗さが胸中にあったそうです・・・ 自分は本当に作家になることができるのかとか、その不安のさなかにあったのでしょう。 文壇デビューしたのは藤沢が43歳の時でした。当時は遅咲きの部類。 それ以後の活躍は言うに及びません。 | ||||
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葉室麟は、藤沢周平の血を受け継ぐ作家という話をどこかで読んだので、一度藤沢周平の作品を読んでみようと思って、「秋月記」と同時に購入していました。 ここには、藤沢周平の初期の作である以下の五話の短編が収録されています。 ・黒い縄 ・暗殺の年輪(直木賞受賞作品) ・ただ一撃 ・溟い海 ・囮 七万石の海坂藩(最初に登場する作品です。)の藩士で室井道場に通う葛西馨之介が、藩の重役から中老の暗殺を行うようそそのかされます。 その中老は、以前馨之介の父親がその昔同じように暗殺を企て失敗した人です。 過去を引きずった馨之介が苦悩しながらどのように対応するか、確かに葉室麟に通じるところがあると感じました。 | ||||
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同時収録短編も含めたテーマの1つは欲、願望、妄想とそれを恥じる心の葛藤。巨大な理不尽、裏切り、罠を背景として先鋭化。なぜ悲劇の方が落ち着くのかな。 | ||||
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暗殺に失敗し死を賜った父。長じてその死にまつわる汚名を知った息子は、同じ人物の暗殺を引き受ける、というタイトル作「暗殺の年輪」を含むハードな時代小説集。 老剣士の一瞬の再生「ただ一撃」は鬼気迫るという表現がぴったりの逸品。その他、再会した幼馴染の男は手配中の下手人「黒い縄」、北斎の煩悶「溟い海」、下っ引きが情を通わせた女「囮」と読ませてくれる作品ばかりだ。 史実を扱ったもの以外の時代小説とは縁遠かったが、読書の幅を広げてみなければいけないと思うことしきり。なお、著者はほのぼのな作風かと勝手に思っていたが、勘違いだったようだね。【直木賞】 | ||||
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商品に使われているコンデンサーなどが国産品ではないので、耐久性について断定的なことは書けないが、購入して早速M.2SSDをセット、フォーマッティングなどの捜査の段階では全く問題なく動作している。アクセスランプはUSB接続側ではなく、その反対側にした方が確認する際便利だったと思う。フォーマット中かなり厚くなったのにはびっくりした。そのために星を一つ減らした。 | ||||
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藤沢周平のほとんどの作品を買って繰り返し読んでおります。 非常に満足しております。 | ||||
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藤沢周平といえば テレビドラマなどで観ていたことで 小説を読むことは無かった。 今回 NHKドラマで「ふつうが いちばん」を見ることで 藤沢周平の人となりに触れて 物語に登場する 直木賞落選の「暗い海」受賞の「暗殺の年輪」を読んでみたくなり 初めて読むことになった。 いくつかの短編、すべて読ませてくれた。登場人物それぞれの心の機微や こころの内面の奥深い部分に潜む嫉妬、悪意、悲哀などの暗い部分の表現が 丁寧にそして、淡々と描かれていて 私好みの作家 だったとわかり そして今回から 藤沢周平のフアンに なったのでした。 | ||||
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著者の最初期の短篇集。ここに収められている5作品のうち、「暗殺の年輪」が昭和48年上期直木賞を受賞し、他の3作が直木賞候補、「ただ一撃」が受賞後の作品で、最初からひどく巧い作家なのだとわかる。 少し湿って艶のあるなめらかな文体、メリハリのある展開、情景と心理を交錯させる構成、すべて文句ない。ことに導入部の作り方と女性心理の描写は舌を巻くほどの巧さ。「黒い縄」がいちばん面白い出来と思ったのは、女性を主人公にしているからだろう(ミステリ的謎解きも意外性があって上出来)。 皮肉にも「暗殺の年輪」がいちばん平板で面白く感じなかった。これはそれ以前の候補作の集積を考慮して、そろそろという意味合いで授賞したのではないか。他のどの作品も受賞しておかしくないハイレベル。 このアンソロジーは発表順に並んでいない。「黒い縄」を最初に置き、二番目が「暗殺の年輪」で、最後が小説としていちばん良い出来と思われる「囮」になっているのは、そういう評価を選者(駒田信二)もしているのだろう。 著者の短篇はどれをとってもハイレベルでたっぷり楽しめる。どの著書を買っても損をしたと思わせない作家で、あとは、自分の好みに合う作風かどうかということだけだろう。 そこで気になるのが「暗い」ということ。ことさら人間の暗部を見つめているわけではないし、人生に対する呪いのようなものがあるわけでもないが、著者の人柄なのか、トーンがどうにも陰鬱だ。北斎の暗澹たる心理を描いたデビュー作「溟い海」など、極限まで暗く冷たい印象。 直木賞受賞後の「ただ一撃」が、心の重石がとれたのか、何となく軽くなっているのが興味深い。 | ||||
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確かにその通りだと思います。詳しくはそちらを参照してください。 | ||||
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直木賞受賞作の「暗殺の年輪」は、奥行きの深さを感じさせる構成で読み応えがありますが、「一撃」は興味深い作品でした。藤沢周平の初期の力作を集めた文庫本ですが、作者が雑誌の編集長をしながら作家活動をしていた頃と重なるので、その心情が微妙に投影されていて現代人の苦悩にも十分通じるストーリー展開に菜っているのが、楽しめる要因のひとつでしょう。 | ||||
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短編黒い縄と暗殺の年輪2作品は、藤沢文学のエキスを、十分凝縮させた面白さと完成度、フアンなら必ず読むべし。 | ||||
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存命なら84歳の藤沢周平は、1927年12月26日山形県生まれの時代小説作家。15年前に69歳で逝去。 この本を読んだ時の衝撃を、今でもはっきり覚えています。 ええっと、たとえて言うなら、心地よいボディブローか痛快なアッパーカットか、うーん、ちょっと違うというか、そうであるようでないような、ひょっとして何気ない会話を交わしていたらいきなりクロスカウンターを食らうようなとでもいうのか、ともかく油断して無防備でいるこちらの全躯に、思いもかけない圧倒的な力技で真正面から真剣でズバッと斬りつけられそうになった感じ、でもよけるでもなく、このまま斬られてもいいわって感じ。ダメ、やっぱりうまく言えません。 しかも、なんとこれは、いったいぜんたい、時代劇というよりまさしく全篇ハードボイルドではありませんか。 何といっても文章がいいのです。私にとてもまろやかにフィットする、私の言葉の感覚や文の運びやボキャブラリーに通底する文章で、読んでいて恍惚然とカタルシスを感じることができるものなのです。 それほど熱心にではありませんが、今まで一応の著名な時代小説は、たとえば村上元三『真田十勇士』や山本周五郎『樅の木は残った』、山手樹一郎『又四郎行状記』とか吉川栄治『鳴門秘帖』、村山知義『忍びの者』あるいは野村胡堂『銭形平次捕物控』、中山義秀『戦国無双剣』に中里介山『大菩薩峠』、山田風太郎『伊賀忍法帖』および白井喬二『富士に立つ影』、座頭市の生みの親である子母澤寛『新選組始末記』または柴田錬三郎『眠狂四郎無頼控』、それに池波正太郎『鬼平犯科帳』などなど手当たり次第に読んできましたが、まさに本書『暗殺の年輪』を読んだときほど、このときほどズッシリと手ごたえのある感触を感じたことはかつてありませんでした。 | ||||
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直木賞受賞作「暗殺の年輪」を含む初期短編集。 後期の心温まる作品群と比べ、暗く重苦しいものが多いけど、それだけ深みがあります。 特に「黒い縄」「暗殺の年輪」「ただ一撃」が素晴らしい。 二、三行読んだだけで引きまれ、作品世界に連れ去られる。 文章も崇高で気高く、傑作とはこういう作品をいうのでしょう。 | ||||
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キレのある会話のやり取り、そして殺陣のシーンはあっさりと終わる。小説は臨場感のみではなく、会話、風景、背景から物事を類推し、読者にとっての意外性を説くものとなる。こうなるだろうと思うことをいい意味で裏切ったり、また、意外であるけれどひょっとしてこうなるのでは、ということをこの短編集はやってくれた。最近は何も変化がないか、変化がありすぎる小説がはやっているような気がするが、この時代を切る緊張感は結構良かったです。たまたま正月に絵師の番組があったので、イメージしやすく、読めました。ただ、この世界に浸るのは時間がかかりました。暗殺の年輪を読んで、そのまま放置し、気がつけば、一気に読んでいる感じでした。寝かすことで味わいが増す作品だと思います。 いやな人物が付きまとい、いらだたしいのは世の常。ここで登場してほしくないところで現れる。 老人が山に籠り、武術の達人に戻る。ヒクソングレイシーのようであるが、その野生は息子の妻をも襲う。勝負はあっさりと勝つ。そして戦いの後は精気を失い、衰える。 絵は心。でも作業は作業。技術は鍛錬による。いや天賦の才もある。かなうかかなわぬか。まさに後世畏るべし。自分が一番と思っていながら、新興の力の前には脅えが来る。 | ||||
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