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MR Medical Representative
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MR Medical Representativeの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.62pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全22件 21~22 2/2ページ
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『MR(エム・アール)』(久坂部羊著、幻冬舎)の魅力は、3つにまとめることができる。 第1は、製薬企業のMR(医薬情報担当者)の世界を俯瞰することができる。新薬開発、治験進行、研究助成金、専門学会の講演サポート、治験の統計処理、専門誌への論文掲載、薬価基準算定、新薬採用工作、コンプライアンス違反、副作用対応、医療事故、販売中止、社内の派閥抗争、女性MRへのセクハラ――などを織り込みながら、物語が展開していく。MRを目指そうという人にとっては、生きたガイドブックとなるだろう。 第2は、製薬企業の幹部、中間管理職、MR、大学病院、基幹病院の医師たちが繰り広げる人間ドラマ、企業小説として愉しむことができる。善人、悪人の色分けがいささかはっきりし過ぎの嫌いはあるが、製薬企業の死命を制する診療ガイドラインへの収載を巡るライヴァル企業との激烈な競争、駆け引きは、医師の手に成るだけあって臨場感に溢れていて、自分も登場人物の一員かのような気分にさせられてしまう。 第3は、製薬企業のあり方、中間管理職のあり方、MRのあり方を改めて考えるときの事例研究として活用することができる。この意味で、製薬企業関係者必読の一冊と言えるだろう。 製薬企業の三共(現・第一三共)での20年に亘るMR経験、その後の17年間のMR育成・支援・指導、そして、MR派遣・業務受託業のCSO・イーピーメディカル(現・EPファーマライン)で7年経営を担当した私にとっては、個人的にいろいろと考えさせられることの多い一冊であった。 本書の重要なテーマの一つである高脂血症(脂質異常症)治療薬の第1号、プラバスタチン(商品名メバロチン)のプロダクト・マネジャーとして、企業戦略策定に深く携わった経験を持つからである。 また、MRとしては、大学病院、基幹病院、開業医において、ライヴァル企業と激しい処方獲得競争を展開してきたからである。私の場合は、患者第一主義を胸に、医師、薬剤師が必要としている情報の提供、彼らとの信頼関係の構築に努めたが、自らが編み出した数々のアイディアが業績向上に貢献した時の高揚感が鮮明に甦ってくる。 | ||||
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東京中央区の日本橋本町と並んで日本を代表する「薬の街」として有名な大阪・道修町(どしょうまち)。 ここに本社をおく天保薬品の大阪支店・堺営業所MRたちが主人公です(MRを主人公にした小説としてはア ーサー・ヘイリー著「ストロング・メディスン」が有名。女性プロパーが主人公)。 堺営業所はMRとして完璧な資質を有し頼りがいのあるエリート所長はじめ、肩で風切る現実主義者のすご 腕女性MR、社長の訓辞を信条にしながらも、理想と現実の差に苦悩する新人MRなど個性豊かなチーム。同 時に本書に登場するDrたちもユニークです。 新薬採用に自分のルールを守ろうと必死の慎重派Dr、イケメン気取りのセクハラDr、MRを奴隷のように 扱う傲慢なDr、処方内容がン十年変わらない勉強不足の老齢Dr・・・等々。フィクションとはいえ一流大学 阪大医学部出身Drの記述は生々しく迫力があり、興味津々です(実際はいい先生が殆ど)。 物語はMRの日常業務での失敗談や、医師のプライドを傷つけることなく処方の間違いに気付かせるテク ニック、処方権・採用権のあるDrへの苦情の申し立て方法など軽いジャブから始まります。61ページに記 載されているトログリタゾン(ノスカール®)、ニセルゴリン(サアミオン®)、オルメサルタン(オルメ テック®)などの事実を交えながら、それとなくフィクションの世界に引きずり込む筆力は、流石本物のお 医者さんの技巧。MR必読の書です。頑張れMR! | ||||
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