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卵のふわふわ 八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし
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卵のふわふわ 八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなしの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.12pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全25件 21~25 2/2ページ
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評判がよく、タイトルも食いしん坊には気になったので読んでみました。 登場人物がそれぞれとても魅力的です。またこの物語で描かれている、人との関わりあいは温かく、江戸時代の人々の懐の深さのようなものを感じます。毎日の社会の中で、人間関係に悩んだり疲れたなあと感じている人には、特におすすめかも。 もちろん各章のキーアイテムとなる料理もおいしそうですし、登場人物たちの行く末が気になり最後まではらはらさせられ、作者の力量を感じさせます。これを読んで作者の他のシリーズも読みたくなりました。 | ||||
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一目ぼれした人と結婚することができれば幸せです。 だけど、暮らしていくうちに、歯車がズレていくように、自分の中の想いもズレてしまったら、 それはとても辛いことです。 時は、江戸時代。 主人公は、北末奉行所の同心・正一郎と妻・のぶのお話。 一目ぼれした相手と祝言をあげることができたのは良いけれど、なんとその相手は好きな人から 手痛くフラれてグレていた人でした・・・・・。 ちなみに、 「正一郎さんって、情けない人。イヤね〜」 って一言で切り捨ててしまうには、ちょっと可哀相なフラレ方をしています。 だからと言って、自分を慕うのぶに対して冷たい仕打ちをして良いことには、なりません。 だからこそ、相手に受け入れてもらえず長年耐えたのぶは、ついに我慢できなくなり、家を出て しまいます。 なかなか、行動派ですごいです。その行動力に思わず拍手してしまいました。 自分の心がズタズタに傷ついていくのに、その現状で我慢してはいけません。 少し離れてみると、いろいろなことが判るし、見えなかったことも見えてきます。そして、それを 知った上で、決めることができれば一番。 さて、そんなのぶが、どうなるか? のんきで、料理が大好きなお舅さんと、美味しいものや珍しいもののエピソードを絡めながら、 ・秘伝 黄身返し卵 ・美艶 淡雪豆腐 ・酔余 水雑炊 ・涼味 心太 ・安堵 卵のふわふわ ・珍味 ちょろぎ と、6つの物語で、お話は進んでいきます。 その中で、のぶは、いろいろなこと知り、気が付いて、心が揺れます。もちろん、相手の正一郎 さんの心にも変化があります。 そして、そんなふたりに、思いもよらない事態が発生し、一気に状況が変わることにより、物語は、 おさまるべきところに、ちゃーんとおさまります。 そんな物語の中で、一番心に残ったことばは、表題の「卵のふわふわ」で、おひでさんが、 「正一郎さんとおいしい物を召し上がる機会をたくさんお持ちなさい。そうすればきっと 輿入れしたときのように正一郎さんをお慕いできるようになりますよ」 と、のぶに言ったことばです。 そうです。 いつだって、美味しいものは大好きな人と一緒に食べるの一番。 そして、そんな時間をたくさん持つことができれば、絶対に幸せになれます。 | ||||
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こう暑いと食事をするのも、ちょっと億劫。とくに自分で作らないといけないとなると、面倒だから外食でいいかと思いがちで、そうなると主婦の人というのはとても大変なものであることだなぁと改めて思う訳です。 さて。 そんなわけで今日紹介するのは、食べ物を一つのテーマに据えた人情物の時代劇です。 といっても、あくまで料理は短編連作集である本書の、一つの一つのネタであり、本筋は、椙田家という八丁堀同心の家の物語。主人の忠右衛門と、妻「ふで」、息子の正一郎、そして嫁に来ている「のぶ」彼らの物語です。のぶは、正一郎に惚れていたかから、喜んで正一郎の妻として椙田家に嫁にきたものの、どうしても正一郎とそりが合わない。というよりは、正一郎との間はさめていて、正一郎から愛されている実感が全くといいほど持てずにいます。ただ、舅の忠右衛門やふでとの関係が良好であるがために、別れるところまでは物語冒頭ではならず、家にいるというのが実際のところです。 というのも、舅の彼が実によく出来た人で、同心の世界でも伝説的な人で、数々の武勇伝や逸話に事欠かない人物ではあるのですが、普段の物腰や態度には全くそんなところがなくて、おいしい物好きの食いしん坊な人のいいおじいちゃんにしか見えず、彼と話すと不思議と周りの空気はほんわかしてしまうのです。 それに助けられて、のぶも椙田の家に留まっていた(不思議なことにのぶは偏食の固まりで食べることには苦痛がつきまとうのでそのあたりは忠右衛門と逆です)のですが、のぶの方にも二回の流産という当時の武家社会からしたらいつ離縁されても仕方のない負い目を感じているところもあって、なかなかうまくいきません。 そういう椙田家が、一つ一つのちょっとした事件の中で家族関係を少しずつ変えていくのが、この「卵のふわふわ」という物語です。そして、最初に書いたように、その一つ一つの短編のネタに料理が出て来ます。 列挙すると、 黄身返し卵 淡雪豆腐 水雑炊 心太 卵のふわふわ ちょろぎ となっています。いずれも実際にしみじみおいしい物ばかりだし、うまく作品に取り入れられています。家庭内のことが中心になりますが、その周囲で推理ものとしての一面もちゃんとあり、家族もの、料理もの、同心もの、そういうものをうまく一冊に取り入れて無理なく消化しており、宇江佐真理という作家の力量を感じさせます。彼女の他の作品、例えば、髪結い伊作次のシリーズもそうですが、本当にうまい作家さんです。 最近よく読む佐伯泰英の「居眠り磐音」シリーズともちょっと違っていい感じの作品です。 | ||||
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おいしそうなタイトルと可愛い表紙に惹かれ、著者の作品に初挑戦してみました。 これがなかなかおもしろい!!(^▽^)ノシ あったかい気持ちになれる1冊です。 登場人物全員が、人間臭くて憎めない。 オススメ☆ | ||||
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この作家さんの作品を読むのは初めてでしたが、まず書店でタイトルに惹かれました。 時代物なのに童話のようなタイトルで、それに何だかとてもおいしそうです。 主人公の「のぶ」は同心に嫁いだ女性ですが、子供はなく、舅と姑には可愛がられてはいるものの夫婦仲はうまくいっていません。 舅が食通なので一話ずつおいしそうな食べ物が登場しますが、肝心ののぶは偏食なのでそれが食べられたり食べられなかったり。そんな食べ物の話がメインのように見えますが、のぶの生き方や考え方がきっちりと書かれています。 四角四面で冷たい夫に堪りかねて、家を飛び出してしまうのぶ。 二人の夫婦仲は修復するのでしょうか。 本文で是非確かめてみて下さい。 タイトルにもなっている「卵のふわふわ」のように優しくて暖かいお話です。 | ||||
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