シャングリラ病原体

【この小説が収録されている参考書籍】

【この小説が載っている参考書籍】

評判

シャングリラ病原体の評価:

3.57/5点 レビュー 14件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.57pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全21件 21〜21 2/2ページ
No.1
(5pt)

特権階級から見た世界規模の伝染病

短期間で老衰して死をもたらす世界規模の伝染病を温暖化現象と結びつけ、遺伝子工学をはじめとるるさまざまな分野の科学的説明によって説得力をもたせた、エンターテインメントである。ノンフィクションを読んでいるような気にもなる。物語の進め方は著者の従来通りの手法だ。フリーマントル愛読者にとってはそういった小説が読めるのでうれしい。初めての方は複雑かも知れない。複数の話を同時進行させ、登場人物は個人的利益を最優先にして、いかに相手をけおとすかという心理戦を基調とする。伝染病の小説で思いだすのはデフォーとカミュの「ペスト」だ。前者は統計的数値で現実味を出していた。前者の方が評価が高いようだが、カニュ愛読者のわたくしには後者の方が庶民の状態の描写が傑出しているし、小説として成功していると思う。フリーマントルのこの小説は同じく伝染病を扱いながら庶民の感染者の悲惨さはいっさい感じられない。それは政治家と科学者のみの世界が語られているからだ。緊急事態にもかかわらず、これらの登場人物は個人的利益の追及に必死で、いかに現在の地位を保つか、さらに高い地位を得られるのかに集中している。この残酷ともいえる物事のとらえ方は著者ならではもので、初期の作品の頃から一貫している。チャーリーマフィン・シリーズをはじめとする作品でまだ訳されていないものがある。それらが早く出版されることを期待している。
シャングリラ病原体〈下〉 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: シャングリラ病原体〈下〉 (新潮文庫)より
4102165460