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(短編集)
終点のあの子
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終点のあの子の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.03pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全33件 1~20 1/2ページ
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紙書籍の良さ、電子書籍の良さ、それぞれあると思います。 直近の芥川賞受賞者の市川先生の仰る気持ちも理解できます。 もっと俗な理由で、書籍だと置き場所に困るという話も。 けれど、紙の質感で読んだ方が自分の中により物語が浸透し、刻み込まれる時がある。この本はそちら側に定義できる作品でした。 以下、ネタバレが大いに含まれます。 『フォーゲット ミー ノット ブルー』。 冒頭の高架工事についての内容から、少女たちの普段の様子や、工事独特のあの薬剤の匂いや白い壁がまざまざと脳裏に浮かんでくるようで、もっと早くこの本を手に取りたかったと思う反面、自分がまだ彼女たちの傷に共感するような年齢の時分に読んだなら、苦しくて途中で読めなくなったかもしれない。それくらいに、表題作を始めとしたすべてのお話が、わたしたち少女だった人、あるいは今の少女たちの話でした。 主人公の希代子が、転校生で有名な建築家の父を持つ、松濤暮らしの朱里に憧れを抱き、やがて彼女の目から見た自分が「つまらないもの」であること、自分の大切な人たちが自分よりも彼女を大事に思うよう(に見える)になるに従って、彼女を変えてやりたいと思うようになります。 自分たちのような「普通」の人間の気持ちを考えようとしない朱里。 自分たちを内心で莫迦にしている朱里。 経堂駅の小田急線ホームで、電車に乗った方と、踏みとどまった方。 わたしはつまらない人間じゃない。 朱里はすごい。でも、彼女は人の痛みを知らない。思い知るべきだ。 ここからどう展開するんだろう、と予想できない気持ちで読みました。 読み進めるにつれて「わたしも朱里に一泡ふかせたい」という気持ちになりましたが、どんどん物語が加速していくに従って、それは完全に苛めに変容します。 この頃にはもう希代子にも共感できないようになっています。ただ、彼女たちの着地点を見守るだけです。ページをめくる手が早くなったり、遅くなったり。時々前に戻ってみたり。 取り返しのつかないところまできてやっと、希代子は止まりました。 そして希代子の気持ちが明らかになった時、朱里との関係はもう修復不可能のところまで来ていました。 好きだった。憧れていた。だからこそ悲しかった。彼女に変わってほしかった。 「わたしの中に占める彼女の割合」「彼女の中に占めるわたしの割合」が釣り合っていなくて悲しかった。 彼女にわたしを同じように思ってほしかった。 切実で傲慢な考えです。 でも、共感できないとは言えない。 あの方法以外はなかったのだろうか。作中でも出てくる言葉です。 でも、あの時の彼女にはあの方法しか思いつかなかった。 柚木麻子先生がインタビューで、「女子高の担任をしている友人から聞いたいじめの話に対して抱いた感情を形にした」と仰っていて、わたしも現実にあったらしいこの経験を追体験した気持ちになりました。 連作なので、お話はこのクラスの中で、主人公を変えて続きます。 「ふたりでいるのに無言で読書」の、思春期時代の考え方の違いによる分かり合えなさ(大人になったらもう少しうまく付き合えるのに、それができない)、最後の恭子さんのエピソードがほろ苦さを添えています。 無印の梅干、現実のアイドルの名前。 時折差し込まれるそのはっとするような単語が、お話にさらに現実を加味するので、登場人物たちの痛みが際立ちます。 読んで損はない作品だと思います。 わたしはあの痛みも含めて大好きです。 | ||||
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第四話で「終点のあの子」の意味がわかったとき、「本で読む中では、私にとっては初めて見るテーマだな」と思いました。終点(=憧れ)にいるように周りの友達から思われてしまうような立場にみえても本当はいつも見捨てられてきていると感じている有名カメラマンの父親を持つ女の子、見た目はさほど美人ではなくて、という設定が、細かく練られているなと思いました。 | ||||
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思春期の女子達を描いた小説の割にはそれほどドロドロしていなくて良い。 読んでからしばらく経つが内容はほぼ忘れた。すれた女の子が意外といいやつだったという記憶だけが残っている。 | ||||
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辛口になってしまうかもしれませんが特に残るものがありませんでした。 文章は読みやすいですし思春期の少女たちの気持ちやすれ違いもよく描けていたと思います。 そういった意味で過去の自分を思い出すきっかけのようなものにはなりましたが、 最後まで読んでも"共感"ができるだけにとどまってしまい、読み終わればそれまでという印象です。 悪くいってしまうと"毒にも薬にもならない"作品でしょうか、、、 決して駄作ではありませんがもう一歩踏み込んで書いてほしかったというのが正直な気持ちです。 | ||||
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わりとパターン的には、1.新しく誰かと仲良くなる(憧れの相手等) 2.何かあって離反する というところで、この作家はそういうシナリオが多いみたいだ。そこで、仲良くなるプロセスとか心理描写のうまさには定評があるということで、デビュー作でこれだけ書けるのだから凄いものだ。些細なことで一喜一憂する思春期の心情を追体験できる作品となっている。 4話目がイマイチ評価が低めなのは、ハッピーエンドになってるからと思うが、「あの子」にも落ち着きどころを与えたかったという作者の親心なのか。まあ、無いものねだりになるが、作者は基本的に異性愛の人で、「あの子」もそこまでぶっ飛んだ人でもないってあたりが、ちょっと物足りなくも思った。 | ||||
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お嬢様高校に通う女子高生らの日々を描く連作短編集。女子同士の軋轢だの嫉妬だの見栄だの、あるある系ではあるものの、女性作家ならではの細やかさだ。 ひとときは大親友(のよう)であっても、何かのきっかけで視界にすら入らないような関係となり、それでもどこかにひかかりを持ち続ける。そんなナイーブさが上手く表現されている。 ひとつの出来事を主役を変えて別の見方するのだが、読者にまどろっこしさを感じさせない展開となっている。結末が必ずしもハッピーじゃないのがリアル。 タイトルに込められた意味は最終話でわかる。 | ||||
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友達にオススメされて読んでみました。 少女の心理がよく捉えられ書かれていたので、読んでいて 「私も学校という限られた空間の中で特別な雰囲気のあるものに惹かれてたな」と、学生の頃の感性が蘇った気分になりました。 柚木麻子の本をもっと読んでみたいです。 | ||||
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「フォーゲットミー、ノットブルー」「甘夏」「ふたりでいるのに無言で読書」「オイスターベイビー」の4編からなる短編集。趣味がないから、趣味を作りたいと思うのはなんかちがうかも。読みやすいです。 | ||||
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共学でしか過ごしたことがないから、女子校のことはわからないけれど、 なんかものすごいドロドロ。 読んでいて途中でイヤになった。 | ||||
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吉本ばななの『TUGUMI』や、山田詠美の『放課後の音符』などの一時期のジュブナイルに必ずいた、個性的かつ魅力的な「あの子」。「あの子」はとても素敵なのに何故か周りと距離を置いて、「あたし」だけを特別扱いしてくれる…。そんな甘い、紋切り型の友情小説かと思いきや、いい意味で裏切ってくれる。青春小説のアンチテーゼ的な作品。 | ||||
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彼女の本を読むのは、これが二冊目なのですが最初に読んだのはちょっと話題になった 「ランチのアッコちゃん」でした。元気がもらえるような、胸のすくような、でもちょっと軽い感じも する本でしたがとても気に入り、他にも読んでみるかと手にとってみたのがこの本です。 読み進めるうちに「アッコちゃん」の”軽さ”(良くも悪しくも)とはまったく異なる”ブンガクの匂いの する「心理描写小説でした。この作品でなにか大きな賞をもらって一気に人気が出たそうですがそれも なるほどです。自分の学生時代を思い出しながら書いた作品なのかもしれませんが、連作形式で 綴られる各章の主人公たち(そして脇役たちも)匂いや体温が伝わってくるリアルさ(女学生たち のリアルなんておじさんである私が知ろうはずもないですが、勝手にそう感じました・笑)がすごくて 特に衝撃的なできごともなく淡々と進むストーリーなのですが最後までまったく飽きずに読めました。 中でも第三章?の美少女恭子とブスな女の子(名前を失念)のお話には目が釘付けになりました。 いちばん惹かれたのは、「人称」というか地の文が誰の視線で書かれているのか決められていない点 でした。さっきまで恭子の視線(心情・語り)だったのに、二三行あとにはブス子の視線にいつの間にか 転じているのに、それは混乱をよぶのではなく、瞬間瞬間で彼女たちのひとりひとりに感情移入できる ように企まれた極めて巧妙な文章スタイルなのかな感じました。まだ三十代半ば、これからどんなふうに 成長していくのか将来が楽しみな作家です。けっこう多作のようなのでしばらく読む本に悩まなくてすみそうです。 | ||||
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学校の読書感想文用に購入しました。 短い期間なので、読みやすさで選びました。 | ||||
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評価の高さから、気になって読んだものの…。全く面白みを感じませんでした。 私自身も女子校出身なので人間関係のいざこざは経験してますが、この作品の登場人物には誰にも感情移入できず、揃いも揃ってイライラする人たちでした。 学校サボりまくって海見に行く、とか、イジメをきっかけに勉強に打ち込んで有名大学に合格、とか、クラスの美人とオタクが交流を深めるとか、ありえなさすぎる上に話自体もおもしろくなく、読んだ時間の無駄でした。 こんなに酷評するのは初めてかも。 | ||||
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ここのレビューを見てびっくりしてしまった。 この作品に高評価をつける人がこれほど多いとは。 この人のほかの作品はどうだか知らないが、少なくともこの作品はここまでの高評価を受けるような代物ではない。 繊細な描写がどうのと言われているらしいけれども、技巧的なことでいえばもっと優れた作家は他に数多くいるし、この人が特別ということもない。 その時点でこの作品は文学や芸術といったものにはなりえていないのである。 ではエンターテイメントとしてはどうだろうか。 息もつかせぬ展開で最後には読者の予想をすべてひっくり返してしまうような仕掛けが、どこかに施してあっただろうか。 まことに残念なことに、そういった仕掛けはないし、そもそもこの小説は物語の設定や流れからして「そういう作品ではない」のである。 つまりどんでん返し的なものを期待してはいけない類の小説なのだ。なのに文学にもなりえていないとは、滑稽ではないか。 たぶんこの作者は、エンターテイメントも、文学も書けないのだと思う。 『終点のあの子』は、この種の小説の退屈さを心地よいと言っちゃうような人々に同意を得ればよいと、 能力の足らない自分(作者自身)に言い聞かせ、言い訳をして、エンタメや文学及び芸術として勝負することを捨てて書かれた作品であろう。 ただの日記、あるいはエッセイである。 文学を書く人間でやっていきたいのなら、悪いことは言わない、作者はもっと文章を勉強すべきである。 プロなのだから、私のような素人とは違うのだから、繊細で芸術的な文章を売り文句とするのなら、「すごい」と言わせてほしい。 そのくらいでないと困る。文章の上手な作家、昔の文豪とか、海外ならフローベールとか、現代の日本作家なら奥泉光とか村上春樹とか、 そういう作家と比べたときに、文章がこれでは物足りなさすぎる。 エンターテイメントでやるなら、もっと映画を観るなり、中途半端な知的探求に遊ぶことはせず(しているのかはわからないが)、 もっと通俗的な何かを学んでくれと言いたい。 ここに高評価を残している人も、文学と呼ばれるものに触れた「自分」に星5つをつけているのではないのかね? 読書をすることはすごいことでもなんでもないことをここに言っておく。芥川や太宰やチャンドラーやカフカを読んでいたって何も偉くないしすごくない。 周囲がもてはやすことは決して作家のためにならない。駄目なもんは駄目、いまいちなもんはいまいちと言ってやらないと、 作家の将来を壊すことになる。この作品はどう考えたってそこまで優れたものではない。これから読む人も、一度読んだ人も、冷静に、各誌から絶賛を受けたとかそういう肩書きに惑わされずに評価を下すことである。 | ||||
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柚木さんの作品は、どれを読んでも、はずれがありません。おもしろかったです。 | ||||
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はじめて読む著者。女性の世界、それも学生時代というかなり制約された世界で生きる少女たちが、 とてもリアルに描かれていた。特に、各キャラクターの心理描写がとっても優れていた。 自分は男だが、狭い世界で生きる少女になったような、痛い気持ちの揺れ動きが手に取るようにわかった。 舞台は数人の少女たちの視点が、同じ高校という定点を中心に展開されていくが、どの人が主人公ということはなく、 多感の時期の少女の喜怒哀楽がとても生き生きと描かれていて面白かった。 | ||||
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「本やさんのダイアナ」を読んで、この作者の初期のものと思って手に取りました。同じ女子高、同じクラスの子たちをそれぞれ主人公にして描く連作ですが、ここまで書き込んだものはあまりないかもしれませんね。同年代というよりは、20代後半、30代の女性読者におすすめのような気がします。男性読者もトライしてよいのですけどね。 | ||||
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近所の本屋さんには置いてなく、取り寄せでも数週間かかると言われたが、数日後に届いたので驚きました。 | ||||
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はじめて柚木麻子氏の小説を読んだ。 想像以上のうまさに舌を巻く。 人の脆さや醜さ、危うさを ここまで爽やかに瑞々しく描き切る現代小説家は、 そんなに多くはないと思う。 物語のラスト、すべての登場人物をギュウと抱きしめたくなった。 | ||||
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とてもおもしろく読みました。 女子高生の微妙な心理を描いておられて各々の登場人物に感情移入しました。 話が変わると前の話で脇役の子が一人称になっていて、見る側と見られる側の 違いがよくわかりました。 著者のことは人気があるらしいけど読んだことがありませんでした。 朝日新聞に(間隔はわかりませんが)エッセイを連載されていて、 そこに書かれていることを読んで共感できることが多かったのと、 たまたま見たテレビ番組に出演されていて新刊の話や読書遍歴を話されて いて興味を持ち、それなら最初の作品をと思ったのがきっかけです。 他の作品もよみたいと思いましたし、この作品を人にも薦めたくなりました。 | ||||
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