抵抗都市

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評判

抵抗都市の評価:

4.05/5点 レビュー 20件。 D ランク

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平均点4.05pt

Amazonレビュー一覧

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全29件 21〜29 2/2ページ
No.9
(4pt)

何を伝えたかったのだろう

日露戦争で日本が負けたらという仮定の設定の大正時代。
東京で起きた殺人事件を追う刑事が、ロシア統治の下で捜査を続ける。

著者のこれまでの作品からしたらロシアを絡めてくるのはわかるのだが、あえて歴史を改変した世界での描写が作者の意図として伝わっているのかは疑問が残る。
これが第二次世界大戦後のアメリカ統治の舞台なら、歴史とは違っても理解しやすいと思われるが、ロシアが後ろ盾とした社会は読者も混乱してしまう。
著者らしい北海道が舞台でもないのも違和感。

ミステリーとしては先が気になり読ませるが、最終的な落ちつきのなさは読了後も残ってしまう。
抵抗都市 (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 抵抗都市 (集英社文庫)より
408744337X
No.8
(4pt)

何を伝えたかったのだろう

日露戦争で日本が負けたらという仮定の設定の大正時代。
東京で起きた殺人事件を追う刑事が、ロシア統治の下で捜査を続ける。

著者のこれまでの作品からしたらロシアを絡めてくるのはわかるのだが、あえて歴史を改変した世界での描写が作者の意図として伝わっているのかは疑問が残る。
これが第二次世界大戦後のアメリカ統治の舞台なら、歴史とは違っても理解しやすいと思われるが、ロシアが後ろ盾とした社会は読者も混乱してしまう。
著者らしい北海道が舞台でもないのも違和感。

ミステリーとしては先が気になり読ませるが、最終的な落ちつきのなさは読了後も残ってしまう。
抵抗都市 Amazon書評・レビュー: 抵抗都市より
4087716902
No.7
(5pt)

ありえないリアル、まるで現場に居るような迫真感

日本がロシアの占領下にあるとの想定が斬新。反ロ派、親ロ派、日本軍、ロシア軍の間で、民族主義も織り交ぜた複雑な主導権争いが繰り広げられる。事件の展開地域が東京都心から文京区にかけてで、まるで映画を見ているように情景が目に浮かぶ。主役の刑事が、外連味なく、プロの仕事に徹しているのが小気味よい。
抵抗都市 (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 抵抗都市 (集英社文庫)より
408744337X
No.6
(5pt)

ありえないリアル、まるで現場に居るような迫真感

日本がロシアの占領下にあるとの想定が斬新。反ロ派、親ロ派、日本軍、ロシア軍の間で、民族主義も織り交ぜた複雑な主導権争いが繰り広げられる。事件の展開地域が東京都心から文京区にかけてで、まるで映画を見ているように情景が目に浮かぶ。主役の刑事が、外連味なく、プロの仕事に徹しているのが小気味よい。
抵抗都市 Amazon書評・レビュー: 抵抗都市より
4087716902
No.5
(4pt)

警察小説の旗手の力作

日露戦争に「負けた」後の大正5年の東京が舞台。ロシア統治下の東京という虚構の世界ですが、歴史的背景の作り込みや冒頭の地図などから、まるで虚実取り混ぜて語られるような感覚に陥ります。

物語は、男の変死体が発見され、警視庁の新堂と西神田署の多和田のコンビの捜査から始まります。地道な捜査は全編緊張感に満ち、ここは正に警察小説の王道です。一方、ロシア統括府の大尉や反体制を取り締まる高等警察も登場し、反露を巡る軍部や学生運動も書き込まれ、きっちりとこの物語の世界観が出来上がっています。
抵抗都市 (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 抵抗都市 (集英社文庫)より
408744337X
No.4
(4pt)

警察小説の旗手の力作

日露戦争に「負けた」後の大正5年の東京が舞台。ロシア統治下の東京という虚構の世界ですが、歴史的背景の作り込みや冒頭の地図などから、まるで虚実取り混ぜて語られるような感覚に陥ります。

物語は、男の変死体が発見され、警視庁の新堂と西神田署の多和田のコンビの捜査から始まります。地道な捜査は全編緊張感に満ち、ここは正に警察小説の王道です。一方、ロシア統括府の大尉や反体制を取り締まる高等警察も登場し、反露を巡る軍部や学生運動も書き込まれ、きっちりとこの物語の世界観が出来上がっています。
抵抗都市 Amazon書評・レビュー: 抵抗都市より
4087716902
No.3
(5pt)

傑作ミステリー。ファン必読。

いうことなく面白い。
こうなったかもしれない世界、東京を舞台にしたミステリー
抵抗都市 Amazon書評・レビュー: 抵抗都市より
4087716902
No.2
(5pt)

「虚構」の中で描かれた「虚構」という真実

"IF小説(オルタネート・ヒストリー)"と言えば、フィリップ・K・ディックの「高い城の男」、我が国では、矢作俊彦の「あ・じゃ・ぱん」を読み逃すわけにはいきません。
 今回、「抵抗都市」(佐々木譲 集英社)を一気に読みました。佐々木譲を読むのは、2017/7月の「真夏の雷管」以来になります。
 日露戦争に<負けた>日本。大正5年、ロシア統治下の東京で、身元不明の変死体が発見されます。警視庁刑事課の特務巡査・新堂は、西神田署の巡査部長・多和田と共に捜査を開始します。日本国内における反露活動の情報収集と摘発を任務とする二つの組織、警視総監直属の高等警察とロシア統監府保安課の介入を受けることになります。身元不明の変死体は誰?何故、殺害されたのか?そして、その死体は。。。一体何を「この国」にもたらそうとするのか?
 ミステリ的興味に加えて、作品は<首都・東京>の神田界隈を改変しています。調査と稀な想像力を駆使して、そのエリアを「再構築」しているのだと思います。物語は「滋賀県」で起きたある有名な「事件」に始まり、そして日比谷交差点から二つの橋までの直線道路がこの「歴史改変小説」の屋台骨を支えています。世界、謀略、裏切り、「この国」、政情不安。今回、その物語の詳細を語ることは控えたいと思います。
 作者は、多くの傑作群を通してこれまでにも研ぎ澄まされてきたテーマ、「戦争に纏わる歴史」、「東京」、「警官の血」、「ロシア」について、この国の歴史を改変してまでも、より重層的に、より複合的に追求しようとしています。そういう意味では、作家の<集大成>と言っても過言ではないと思います。
 また、特務巡査・新堂は、著者による幾多の警察官の直系でもあります。(時代を鑑みれば、新堂は「暴雪圏」の川久保、北海道道警・津久井、あるいは「警官のXX」で描かれた警官たちのオリジンと言った方がいいのかもしれません)「警官」としての任務を全うすることが、一人の人間として、そして警官としての揺るぎない「信念」、「矜恃」なのだということを静かに表出させます。それは特に、前半の終盤、新堂とロシア・コルネーエフ大尉との会話の中に伺い知ることができます。

 唐突ですが、先頃、東京都美術館にてマネの「フォリー=ベルジェールのバー」という絵画を鑑賞しました。ミュージック・ホールのバー、バー・カウンターのバーメイドの大写し。バー・カウンターの鏡には、ショーの様子が映され、曲芸師の足が見え、ショーの観客たちがこの絵画の「鑑賞者」を見つめ、バーメイドは角度的にいるはずのない男を鏡の中で見つめています。絵画と言う「虚構」の中に存在するもう一つの「虚構」。それは、あったかもしれない「歴史」の中で描かれた「虚構」と似た構造を持っていますね。小説という名の「虚構」の中で描かれた「抵抗都市」。それは、反転して、今ここにある「真実」をあぶりだし、精いっぱいのリアリティを見せつけているのではないでしょうか?そんなことを思ったりもしました。
 ロシアによる「二帝同盟」と第二次世界大戦後、敗戦後のこの国の在り様は勿論異なります。しかし、バー・カウンターの鏡に映るショーの喧騒は、実は同じものなのかもしれません。
 傑作だと思います。
抵抗都市 (集英社文庫) Amazon書評・レビュー: 抵抗都市 (集英社文庫)より
408744337X
No.1
(5pt)

「虚構」の中で描かれた「虚構」という真実

"IF小説(オルタネート・ヒストリー)"と言えば、フィリップ・K・ディックの「高い城の男」、我が国では、矢作俊彦の「あ・じゃ・ぱん」を読み逃すわけにはいきません。
 今回、「抵抗都市」(佐々木譲 集英社)を一気に読みました。佐々木譲を読むのは、2017/7月の「真夏の雷管」以来になります。
 日露戦争に<負けた>日本。大正5年、ロシア統治下の東京で、身元不明の変死体が発見されます。警視庁刑事課の特務巡査・新堂は、西神田署の巡査部長・多和田と共に捜査を開始します。日本国内における反露活動の情報収集と摘発を任務とする二つの組織、警視総監直属の高等警察とロシア統監府保安課の介入を受けることになります。身元不明の変死体は誰?何故、殺害されたのか?そして、その死体は。。。一体何を「この国」にもたらそうとするのか?
 ミステリ的興味に加えて、作品は<首都・東京>の神田界隈を改変しています。調査と稀な想像力を駆使して、そのエリアを「再構築」しているのだと思います。物語は「滋賀県」で起きたある有名な「事件」に始まり、そして日比谷交差点から二つの橋までの直線道路がこの「歴史改変小説」の屋台骨を支えています。世界、謀略、裏切り、「この国」、政情不安。今回、その物語の詳細を語ることは控えたいと思います。
 作者は、多くの傑作群を通してこれまでにも研ぎ澄まされてきたテーマ、「戦争に纏わる歴史」、「東京」、「警官の血」、「ロシア」について、この国の歴史を改変してまでも、より重層的に、より複合的に追求しようとしています。そういう意味では、作家の<集大成>と言っても過言ではないと思います。
 また、特務巡査・新堂は、著者による幾多の警察官の直系でもあります。(時代を鑑みれば、新堂は「暴雪圏」の川久保、北海道道警・津久井、あるいは「警官のXX」で描かれた警官たちのオリジンと言った方がいいのかもしれません)「警官」としての任務を全うすることが、一人の人間としてのそして警官としての粛然とした「矜持」をもたらします。それは特に、前半の終盤、新堂とロシア・コルネーエフ大尉との会話の中に伺い知ることができます。

 唐突ですが、先頃、東京都美術館にてマネの「フォリー=ベルジェールのバー」という絵画を鑑賞しました。ミュージック・ホールのバー、バー・カウンターのバーメイドの大写し。バー・カウンターの鏡には、ショーの様子が映され、曲芸師の足が見え、ショーの観客たちがこの絵画の「鑑賞者」を見つめ、バーメイドは角度的にいるはずのない男を鏡の中で見つめています。絵画と言う「虚構」の中に存在するもう一つの「虚構」。それは、あったかもしれない「歴史」の中で描かれた「虚構」と似た構造を持っていますね。小説という名の「虚構」の中で描かれた「抵抗都市」。それは、反転して、今ここにある「真実」をあぶりだし、精いっぱいのリアリティを見せつけているのではないでしょうか?そんなことを思ったりもしました。
 ロシアによる「二帝同盟」と第二次世界大戦後、敗戦後のこの国の在り様は勿論異なります。しかし、バー・カウンターの鏡に映るショーの喧騒は、実は同じものなのかもしれません。
 傑作だと思います。
抵抗都市 Amazon書評・レビュー: 抵抗都市より
4087716902