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椿山課長の七日間



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椿山課長の七日間の評価: 4.31/5点 レビュー 245件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.31pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全206件 161~180 9/11ページ
No.46:
(5pt)

すごく大好きな作品

浅田次郎さんの作品がすごく好きです。

浅田さんの作品は読んでいてそのまま情景が浮かんできます。

この作品も読んでる感じではなく、物語りに入り込んで主人公たちの行動に涙したり

笑ったりドキドキしたりしていました。

浅田さんが凄いなぁと思うのは人間の心をすごくとらえているところです。

作品の題材的にはスピリチュアル的で軽いと思う方もいると思いますが、

その中にも多くは語らない人間の心の在り方や奥深さが随所にある作品だと思います。

そして浅田さんの作品は温かいです。読み終わってからもずっと余韻が残ってます。

温かい正義を持っているおじいちゃん、大人びた考えをするけど本当は甘えたい蓮ちゃん、

人の心は読みとれないけど真っ直な心を持った椿山、

強面だけど思いやりと一本筋の通った武田、なによりもみんなキャラクターが人間くさい。

そのキャラクターたちのやり取りが面白くもあり切ないです。

所々に名言があるのも見所です。

人の温かさを感じられた作品でした。
椿山課長の七日間Amazon書評・レビュー:椿山課長の七日間より
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No.45:
(5pt)

邪淫の罪

デパートの婦人服売り場で働く椿山が、あまりにも突然に過労死してしまう。
椿山課長とともに、武田組長、小学生の男の子も姿を変えて現世に舞い戻る。
何の関係もなさそうな三人だが、最後にはつながりを持たせるというストーリーは、意外性があっておもしろかった。椿山課長の奥さんや、お父さんの秘密にもびっくりさせられた。
映画では、椿山課長を西田敏行さんが演じている。
美女に姿を変えた椿山を伊東美咲さん。(これは明らかにミスキャスト)
小説も映画も、それぞれに楽しめる。
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No.44:
(5pt)

死ぬのが少しだけ怖くなくなった。

突然死した百貨店勤務の真面目なサラリーマン・椿山は、遺された家族や仕事が心配で

ある特例のもとに期間限定で現世に戻してもらうことにした。

それは、生前の自分の姿とまったく違う肉体の持ち主としてしか動けないということ。

かくて、46才のさえない中年男性が、すらりとした美人に生まれ変わってしまった!?

と、古い漫画みたいな設定のお話なんですが、浅田さんにかかるとドラマティックな

生と死をめぐるストーリーになるのがすごい。おじさんが美女になっちゃうので

かなりコミカルにこの世でもたもたしてて笑えるところもあるんだけど、家族、という

普遍的なテーマを盛り込んで次第に切なく胸を締め付けてくるので侮れない。

名作「プリズンホテル」などでヤクザをチャーミングに描くのが得意なことでも

知られる浅田さんらしく、椿山と共によみがえる「同期」のヤクザと若い舎弟たちの交流や、

いいとこに生まれたお坊ちゃまタイプの少年と家族の物語も同時進行して、

愛する人を失うこと、愛する人を残して死ぬことについて色々思いをはせてしまった。

と書くと重たそうですが、基本エンタテイメント。安心して浸って笑って大感動、

という浅田マジックを堪能できる1冊。
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No.43:
(4pt)

笑いと涙がしみる

浅田次郎は読みやすい。

読んでいておもしろい。

けれども登場人物の心中を思うとなかなかに痛い。

新聞連載時から、おもしろかったが、一冊にまとまると

なおわかりやすく、そのユーモアとウィットが染みてくる。

必ずヤクザさんが出てくるのもご愛嬌、

しかも見かけによらず、といった登場人物の多さも楽しい。

読んでいるうちに頭の中で映像化されるのも特徴かもしれない。
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No.42:
(5pt)

邪淫の罪

デパートの婦人服売り場で働く椿山が、あまりにも突然に過労死してしまう。
椿山課長とともに、武田組長、小学生の男の子も姿を変えて現世に舞い戻る。
何の関係もなさそうな三人だが、最後にはつながりを持たせるというストーリーは、意外性があっておもしろかった。椿山課長の奥さんや、お父さんの秘密にもびっくりさせられた。
映画では、椿山課長を西田敏行さんが演じている。
美女に姿を変えた椿山を伊東美咲さん。(これは明らかにミスキャスト)
小説も映画も、それぞれに楽しめる。
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No.41:
(5pt)

こうやって逝きたい

素直に面白い。新作落語を聴くような導入部(落語「ぜんざい公社」を思い起こさせる)で、ぐいっと引き込んで、あとは笑いと人の情があふれるお得意の世界へ。
 椿山課長にとっては、仕事と家族と何から何まで未練を残して現世に戻ってきてみれば、部下は妻と浮気しているわ、呆けてると思っていた父には気を使われているわ、息子は全ての事情を知っているわ、昔遊んだ女は実は本当に本気で愛してくれていたことが分かるわ……もうとんでもない事態なわけですが、ドロドロとせずに笑いだけに逃げずに実にバランス良く楽しませて貰えるお話です。
 「鉄道員」や「地下鉄にのって」といった作品も好きですが、「プリズンホテル」や「きんぴか」のように笑いのエッセンスがまぶされいる作品は中毒度が高いですね。

 西田敏行さんと伊東美咲さんが演じた映画版を観てみたくなりました。
 ……小心者なのでボタン1つで「反省」して極楽浄土に逝きたいです。
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No.40:
(5pt)

濃厚な三日間

急死した椿山課長が、成仏する前に、姿を変えて、三日間だけ現世に戻る。

あり得ない話だが、まず、死後のお役所仕事に直面する場面は、大変興味深い。

我々も、もし死んだら、こんな手続きを経るのだろうか?

あくまで空想なのだが、少々リアルだ。

そして、死後の現世には、驚くべき現実が待ち受けていた。

今回、現世に戻るのは、椿山課長を含めて、全部で3人だ。

これら、3人の絡み合いも、物語に奥行きを与えている。

考えてみると、作品と共に現世に戻って、初めて知り得る事がたくさんあった。

ひょっとすると、我々は気付かないだけで、似た様な人間模様を、見落としているのだろうか?

コミカルなこの作品には、切ない部分も多い。

単なる娯楽作品に終わらない、教えられる部分も、いくつもあった。

最終場面も印象に残った。

濃厚な三日間に、喜怒哀楽が激しく交錯する。
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No.39:
(4pt)

かなしく切なくでも、あたたかい。

自分がもし死んだとき、どうなるんだろう…こんな感じだったら少しうれしいなあ。と思わせてくれました。

少し切なくて、でも奥が深くて。最後は、私にとっては悲しすぎる結末だったのが残念です。

でも、現実の世界だって、全てがハッピーエンドじゃないからなあ…
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No.38:
(5pt)

心が洗われる

笑い、泣かせ、人情溢れる浅田さんの大ファンだが、その中でも本書は抜群。

まさに浅田ワールド!!

死後どんな世界が待っているのか?そんな疑問を解決!

はしてくれないが死の不安が拭い去られる事は間違いない。

中盤まで笑い、ラストは泣き。そして一息つき、心が洗われた気分になる。

目の前の悩みが小さな事に思えるようになる。また生き方についても考えさせられる。

 私事だが、身近に日々死と向きあって過ごしている人がいる。

本書を紹介してくれた人だが、一時は生きる気力を失くしていたが

本書を読んでから心が軽くなった様子。

とにかく、笑って笑って、泣いた!
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No.37:
(5pt)

「地下鉄に乗って」「角筈にて」・・・

浅田次郎というと,「笑わせて,泣かせて」というプロ意識が徹底した作家である。作家の仕掛けたツボに見事に嵌って,ボロボロと泣かされることも少なくないが,プロ意識が強烈過ぎて時として鼻に付く作品もある。

 そんな中で,私が好きな作品は,「地下鉄に乗って」と,「角筈にて」(「鉄道員」収録)。大切な何かが欠けているという喪失感が何とも哀しい。だから,この「椿山課長の七日間」は大好きである。ちなみに,文庫版の解説を書いている北上次郎も,上記2作品を特に取り上げて,「いちばん好きな長編」「いちばん好きな短篇」と書いていた。全く同感である。

 上記2作品のいずれかを読んで泣いた経験のある方であれば,本作品も素直に泣けるはずである。強く一読をお勧めしたい。
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No.36:
(4pt)

「家族」に対する賛歌

とにかく面白いです。一気に読んでしまいました。

死者が現世に戻ってきて、活躍する小説はいろいろありますし、実際、名作と言われる作品も多くあります。

この浅田作品は、その中でも一種独特の雰囲気を持っています。「おばQ」を思い出してしまう「よみがえりキット」。必要な時に、必要なものが出てくるという超優れものの小道具が登場します。それを筆頭に、コミカルな道具、動き、展開は、浅田作品ならではです。

でも、コミカルさにかまけていると本質を見落としてしまうかも知れません。この物語では、3人が現世に戻るのですが、一見、全く違う理由で戻るように見えます。でも、物語が進むに連れて、その共通点が見えてきます。

それは「家族」ということでしょう。幼くして別れた父母に対する謝礼と挨拶、擬似家族とも言うべきヤクザの親分子分、そして、血の繋がりのない父と子。それらは、すべて形は違うけれど「家族」の問題でしょう。これらの歪な「家族」に対する考え方をコミカルさの中にきちんと書き上げています。その意味では、「家族」に対する賛歌の小説と言えるのかも知れません。
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No.35:
(5pt)

椿山課長とその他2人がメインキャストなわけですけど。

とても面白かった。

なんとも暖かい気持ちにさせられた。

まぁ、あのボタンを押せば誰でも極楽浄土という部分はどうかなーと思うのですけど、まぁ、それは傍流のことで、この物語は非常に心温まりました。

最後の、あの2人は、本当に清々しくもあり、格好よかった。

そしてタイトルにも書いたけど、おいらは本当は主人公は、あの人だったんだと思う。
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No.34:
(4pt)

七日間の奇蹟

浅田氏というとその風貌からか「プリズンホテル」のような極道物が似合う気がするのだが、実は人情物あるいはラブ・ロマンスが得意なのだ。作者が売れない頃は恋愛小説ばかり書いていたそうである。

本作は突然死した中年男性が、遣り残したことがあると言って、美女(!)の体を借りて1週間だけこの世に戻ってくるというお話。死んだ際、天国行き、地獄行きの"振り分け"があり、更にその猶予期間がある等、定番とは言え楽しめる。

全体の設定自体はありふれているが、作者の深い洞察力とストーリー展開で、家族愛を中心とした人間愛を見事に描き出している。ほど良いユーモアも心地良い。浅田氏が初めてという人にもお勧めの一作。
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No.33:
(4pt)

コミカルであり、楽しく、涙あり、笑いあり

久しぶりの小説です。面白くてあっという間に読んでしまいました。

浅田次郎さんの小説ははじめてです。さて、どんな内容か早速ご案内します。

デパートに勤める椿山は46歳で急死。あまり突然だったその死にあたり、人生に思い残すことばかりだったのである。椿山課長はスピリッツ・アライバル・センター(現世と来世の中間地帯にある中陰の世界)で、審査されたいくつかの罪を、普通なら反省をして、反省ボタンをおせば問題なく天国へ行くシステムであったのだが、異議申し立てをして、七日間だけ現世に戻る猶予をもらい、遣り残したことを整理しに現世赴く。

非常に興味の尽きないストーリー展開です。コミカルであり、楽しく、涙あり、笑いありのうちに進みます。家族への深い愛、特に父と子との関係性を非常に理想的に描ける数少ない作家さんなのでしょうね。

今の時代、見事な男性像を物語りの中でも探し辛くなっている気がします。

司馬遼太郎さんが描いてくれた、歴史的に活躍した輝く男たちは、それなりに非常に魅力的でわくわくしながら、生き生きとした彼らの活躍に希望を感じながら読んでいましたが、それ以降、父や男の理想像というものが非常に曖昧で、魅力的な大人の男たちはいったいどこに行ったのだと思っていました。平凡であるけれど、真実に生きる男たちの姿が、この本には描かれているような気がします。

死後の世界がテーマですが、非常に楽しみながら読めました。上手な作家さんですね。
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No.32:
(5pt)

心温まるお話

そもそもの設定が上手く出来ており、死という重いテーマを時には笑いあり、涙ありで明るく書かれています。
友人の薦めで読みましたが、彼女は大泣きしたそうです(私は泣くほどではなかったけど)。
読んだ後に心温まる本だと思います。
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No.31:
(4pt)

新聞小説だったから良かったのかも

浅田次郎さんの作品は、本当に荒れてきている。

 「鉄道員」は、「メトロに乗って」より明らかに評価の低い作品なのに、直木賞になったのは、「蒼穹の昴」などで、「渡しそこなった」ので、直木賞になったと言うところでしょうかね。

 この頃から、粗製乱造、同じ素材を適当につなぎ合わせて作品にする安易な姿勢になってしまった。素材の使い回しがあった。

 編集者の問題なのか、浅田さん自身の問題なのかは分からないが、明らかに締め切りに終われたやっつけ仕事が多くなっていた。

 この作品は、もともと、新聞連載小説であるので、月刊誌の締め切りよりは厳しかったろうと思うが、逆に、環境が変わって、じっくり取り込めたのではなかろうか?

 何度か書いたが、お金に困ってないなら、一年くらい断筆してリニューアルしてほしい。
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No.30:
(5pt)

おもしろい!!!!

現在中学3年の受験生です。毎日毎日受験勉強をしています。

あるとき、父がこの本を読んでいました。「今日買ったんだよ。結構面

白そうだよ。」と。 一週間後、父にこの本を薦められました。

受験勉強中でしたが、少し読みました。

・・・・・・止まらない。

一気に読み終えました。当然母は怒りました。

今僕達が生きている現実の世界とはかけ離れた世界。天国地獄

本当にこんなことがあるのだろうか?いや本当にあるのではないかと、

思い、いろいろと想像してみました。

生きている間にどうしても「嘘」はついてしまうものである。

しかし、嘘をついたまま死ぬ、となると絶対に後悔が残る。

だから、もう周りの人たちを困らせたりする嘘はやめたい。

いろいろと思索できた。

本を読んで思索をしない人がいる。その人は、本を読んでいる意味がな

いおもう。

この本を読み終わったあと、なぜか涙が出てきた。

もし、今、自分が死んだら・・・・・家族が死んだら・・・・・・

絶対に後悔のない人生にしたいと思う。

今は15歳だけれど、1年で3年分くらい成長できるように

生きて生きたいと願う。

浅田次郎さん!!!!  ありがとう!!!!!

おもしろかった!!!!!!!!!!!!
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No.29:
(4pt)

ちょっとジンときたけど、ほろ苦い笑いのほうが印象に残ります

感動するというよりも、結構笑えました。死んでからの自分の罪に納得できずにその罪を確かめるため、現世に舞い戻るというのは、再生ものの中ではちょっと異色。とはいえ、甦りや何故か異性の肉体に再生してしまうというのはよくある話と思いつつ、中年男が熟年美女の体を手に入れたとまどいが面白い。

 あの世の設定が漫画チックで、浅田次郎ってこんな発想するんだとちょっと意外。死者から生きた人間に舞い戻った椿山課長に、あの世から渡されたキットも間抜けな感じで、真相を突き止めようと定められた七日間を懸命に生きる姿がかえってコミカルに映ります。

 残された人々の想いと、今となっては伝えることのできない椿山課長の想いが交差して、お決まりだなあと思いつつ、しんみりさせられます。

 読んでから周囲を気遣って日々真面目に生きようと思うか、人と人との関係は本当に難しいと落ち込むか、知らぬが仏と開き直るか、読者の感想の方が興味深いと思う私でした。
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No.28:
(5pt)

もしあなたがこの本を見つけて

良さそうだな、と引っかかるものがあるなら、迷わずお買いなさい。

読書っていいな、小説っておもしろいな、と思わせてくれる作品です。

生きていること、そして死ぬことも悪いことでもないな、と希望を与えてくれるし。

主人公はデパートの、有能ではあるけど平凡な課長さん。

他に任侠に生きる親分、賢いお坊ちゃんの少年の3人が、現世に未練を残して特別にあの世から舞い戻ります。

3人は宿願を果たせるのでしょうか。

ちょっとミステリーでもあるし、SFファンタジーっぽくもあるし。

ギャグもいっぱいで笑えるし、最後にはぐっときて涙をこらえることになります。

3人もいいですが、椿山課長のお父さん、役人の鑑みたいな人の人間像がいいです。

おすすめします。
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No.27:
(4pt)

浅田作品のエッセンスがつまった小説

46歳で過労死した椿山課長。気づけば彼は、現世と来世の間、中陰の世界(冥土)にいた。冥土は妙に近代化したお役所だった。罪を犯した人間も、講習を受け「反省ボタン」を押せば悔悛の情を示したことになり、極楽往生できるシステムなのだ。

椿山は、身に覚えのない「邪淫の罪」を言い渡される。家族や仕事に気がかりを残し、「邪淫」の冤罪を晴らさねばと考えた彼は、再審査を希望。そして、初七日までの期限つき・条件つき・生前とは似ても似つかぬ肉体を与えられて現世に戻る「特別逆送措置」を認められるのだった。椿山と同時に「逆送措置」を許されたのが、人違いで殺された組長と、利発なひとりの少年。この三人が、舞い戻った現世で微妙に絡み合って・・・・・

著者の書く男は、子どもから老人に至るまで、不器用なほど情に厚く、絆を重んじていてかっこいい。男気がある。椿山はどうだったのか。「邪淫」は本当に冤罪だったのか。「邪淫」の被害者とされる椿山の同僚・知子の告白に聞き入ってほしい。女だってかっこいい!

しかし正直なところ、同系列の作品でいうと森絵都氏の『カラフル』の方が好きだなと思ってしまった。『カラフル』が渾身の力を込めて書かれた作品と感じるのに比べると、本書があまりに軽々と書かれているように思えたのだ。逆に言えば、著者の筆運びの巧みさの証明にほかならないのだけれど・・・・・

ともあれ、ユーモアとペーソスに満ち、浅田作品のエッセンスがぎゅっとつまっているのも確か。読者にそれぞれの椿山像(逆送前・後とも)があって映像化は難しかったかと思うが、そちらも気になる。
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