(短編集)

死者の奢り・飼育

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評判

死者の奢り・飼育の評価:

4.53/5点 レビュー 55件。 B ランク

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平均点4.53pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全132件 61〜80 4/7ページ
No.72
(5pt)

かつてのベストセラー。若い人も読むべきだ。

大江の硬い、しかしみずみずしい独得な文体。時間かけても読むことで本当の純文学の味わいを得られる。
死者の奢り・飼育 (1959年) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 死者の奢り・飼育 (1959年) (新潮文庫)より
B000JARR3Y
No.71
(4pt)

これから大江が始まる

これこそ原点で始まり、書くべきして書ける ロリに死に何でもありの大江作品、読ませるし色褪せない そりゃノーベル賞も取るよ と思わせるテーマ取りと変態性、革新性 美しさより過激や斬新、過激などという言葉よく似合う 現代でも面白いし読みやすいから本好き高校生くらいにもお薦め
死者の奢り・飼育(新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 死者の奢り・飼育(新潮文庫)より
B00IP4BY6W
No.70
(4pt)

これから大江が始まる

これこそ原点で始まり、書くべきして書ける ロリに死に何でもありの大江作品、読ませるし色褪せない そりゃノーベル賞も取るよ と思わせるテーマ取りと変態性、革新性 美しさより過激や斬新、過激などという言葉よく似合う 現代でも面白いし読みやすいから本好き高校生くらいにもお薦め
死者の奢り・飼育 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 死者の奢り・飼育 (新潮文庫)より
4101126011
No.69
(5pt)

小説らしい小説

読ませてくれる文章でした。
装飾過多に感じて所々わかりにくい表現もあるのですが、文体から情景やにおいが立ち昇ってきます。
暴力的な表現はありますが、驚くほど残虐というような描写はありません。
性表現も直接的なものはないです。
死者の奢りや飼育もおもしろかったですが、個人的にはその他の収録作のほうが好きです。
小説としての完成度が上がって行く感じがしてとてもよかったです。
死者の奢り・飼育(新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 死者の奢り・飼育(新潮文庫)より
B00IP4BY6W
No.68
(5pt)

小説らしい小説

読ませてくれる文章でした。
装飾過多に感じて所々わかりにくい表現もあるのですが、文体から情景やにおいが立ち昇ってきます。
暴力的な表現はありますが、驚くほど残虐というような描写はありません。
性表現も直接的なものはないです。
死者の奢りや飼育もおもしろかったですが、個人的にはその他の収録作のほうが好きです。
小説としての完成度が上がって行く感じがしてとてもよかったです。
死者の奢り・飼育 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 死者の奢り・飼育 (新潮文庫)より
4101126011
No.67
(4pt)

心地の良い気色の悪さ

しなやかな描写と大江らしさが心地よく響いてくる。その為気色の悪さすらとても面白く感じる。なんとも言えない読了感、不思議な読書体験であった。
死者の奢り・飼育(新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 死者の奢り・飼育(新潮文庫)より
B00IP4BY6W
No.66
(4pt)

心地の良い気色の悪さ

しなやかな描写と大江らしさが心地よく響いてくる。その為気色の悪さすらとても面白く感じる。なんとも言えない読了感、不思議な読書体験であった。
死者の奢り・飼育 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 死者の奢り・飼育 (新潮文庫)より
4101126011
No.65
(4pt)

アメリカ兵が日本人の本性を炙り出す

1957年と58年に書かれた短編六篇を収録している。
『死者の奢り』は死体置き場でアルバイトする学生の話で、『他人の足』はサナトリウムで暮らす少年の話だ。
閉塞感がみなぎり、厭な感じの迫力がある。

『飼育』落下傘で降下した黒人兵を村人たちが「飼う」。異邦人におっかなびっくりで対峙する村人の姿が笑える。
子供たちは黒人を純粋に面白がっている。つまり歪な偏見は持っていない。ノンフィクションかと思うほどリアルだ。
続く三篇は、すべて進駐軍が重要な役を演じる。
彼等の存在は旧来の価値観を根底からぶち壊すカルチャーショックであり、軽視すべきではない。
日本は敗戦国で、占領を受け入れたのだ。この事実は忘れてはならない。

あるいは隷属し、あるいは仲介の通訳に憎悪をぶつけ、あるいは脱走を助けようとする。
町中に外国兵が跋扈している状況は、人間の本性をむき出しにする。
現代文学として重要なテーマだと思うが、あまり他では読めない。貴重な一冊だ。
死者の奢り・飼育(新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 死者の奢り・飼育(新潮文庫)より
B00IP4BY6W
No.64
(4pt)

アメリカ兵が日本人の本性を炙り出す

1957年と58年に書かれた短編六篇を収録している。
『死者の奢り』は死体置き場でアルバイトする学生の話で、『他人の足』はサナトリウムで暮らす少年の話だ。
閉塞感がみなぎり、厭な感じの迫力がある。

『飼育』落下傘で降下した黒人兵を村人たちが「飼う」。異邦人におっかなびっくりで対峙する村人の姿が笑える。
子供たちは黒人を純粋に面白がっている。つまり歪な偏見は持っていない。ノンフィクションかと思うほどリアルだ。
続く三篇は、すべて進駐軍が重要な役を演じる。
彼等の存在は旧来の価値観を根底からぶち壊すカルチャーショックであり、軽視すべきではない。
日本は敗戦国で、占領を受け入れたのだ。この事実は忘れてはならない。

あるいは隷属し、あるいは仲介の通訳に憎悪をぶつけ、あるいは脱走を助けようとする。
町中に外国兵が跋扈している状況は、人間の本性をむき出しにする。
現代文学として重要なテーマだと思うが、あまり他では読めない。貴重な一冊だ。
死者の奢り・飼育 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 死者の奢り・飼育 (新潮文庫)より
4101126011
No.63
(4pt)

皮膚感覚や臓器感覚に訴えてくる表現

大江健三郎(1935-)の初期短篇。人間の孤独や政治の欺瞞の在りようが、読み手の五官の神経(特に触覚と嗅覚)や臓器感覚に訴えかけてくるような独特な表現を通して、描かれている。

収録は以下の6作。
「死者の奢り」(1957)
「他人の足」(1957)
「飼育」(1958)
「人間の羊」(1958)
「不意の啞」(1958)
「戦いの今日」(1958)

特に「死者の奢り」「他人の足」2作が、その情景の美しさもあって、印象に残っている。

□「死者の奢り」

死んでしまった《物》と生きている《人間》と、その二者に間にはどれくらいの距離があるのか。死体を前にして、青年は観念的に、妊娠している女子学生は胎児を下腹に感じながら、死体処理歴30年の管理人は自分の子や孫を想像しつつ、それぞれが死と生との距離を測ろうとしているように見える。《人間》はいずれはみな死んでしまうのだから、《物》との距離は然程遠くはないのか。しかし、意識を備えている《他者》は、《物》とは異なり、別の意識の持ち主である《私》が発する眼差しや思惑を撥ねつけ調和を拒もうとする。生は希望のない徒労のようなものなのか。冒頭の死体処理室の描写が妙に美しく感じられ、アニメーションで観てみたいという気持ちになった。

「あれは生きている人間だ。そして生きている人間、意識を供えている人間は躰の周りに厚い粘液質の膜を持ってい、僕を拒む、と僕は考えた」

□「他人の足」

物語の冒頭、脊椎カリエス療養所は、少年たちにとってまるで母の子宮であり、彼らはその羊水のなかを揺蕩っているような、生活への不安も「健常」への強迫観念もない、無時間的で、重ぼったく惚けたような安逸に包まれた、或る種のユートピアのように描かれる。「僕らには外部がなかったのだといっていい」。しかし、如何なる自閉的な《内部》に退却してみようとも、《政治》から逃れることはできない。《他者》としての学生が闖入して以来、「凡てが少しずつ、しかし執拗に変り始め、外部が頭をもたげたのだ」。そこには《政治》にまつわる欺瞞もあれば、正義の名のもとの全体主義化だって起こり得るだろう。我々はどこにいても《政治》に対して無垢では在り得ない。この意味では、我々には《政治の外部》はない。

世界とは、あらゆる《外部》性の閉包であり、それ故にもはや《外部》の余地が残されていないもの、と云えるのではないか。

「この男は外部から来たんだ、粘液質の厚い壁の外部から、と僕は思った。そして、躰の周りには外部の空気をしっかり纏いつかせている」
死者の奢り・飼育 (1959年) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 死者の奢り・飼育 (1959年) (新潮文庫)より
B000JARR3Y
No.62
(4pt)

皮膚感覚や臓器感覚に訴えてくる表現

大江健三郎(1935-)の初期短篇。人間の孤独や政治の欺瞞の在りようが、読み手の五官の神経(特に触覚と嗅覚)や臓器感覚に訴えかけてくるような独特な表現を通して、描かれている。

収録は以下の6作。
「死者の奢り」(1957)
「他人の足」(1957)
「飼育」(1958)
「人間の羊」(1958)
「不意の啞」(1958)
「戦いの今日」(1958)

特に「死者の奢り」「他人の足」2作が、その情景の美しさもあって、印象に残っている。

□「死者の奢り」

死んでしまった《物》と生きている《人間》と、その二者に間にはどれくらいの距離があるのか。死体を前にして、青年は観念的に、妊娠している女子学生は胎児を下腹に感じながら、死体処理歴30年の管理人は自分の子や孫を想像しつつ、それぞれが死と生との距離を測ろうとしているように見える。《人間》はいずれはみな死んでしまうのだから、《物》との距離は然程遠くはないのか。しかし、意識を備えている《他者》は、《物》とは異なり、別の意識の持ち主である《私》が発する眼差しや思惑を撥ねつけ調和を拒もうとする。生は希望のない徒労のようなものなのか。冒頭の死体処理室の描写が妙に美しく感じられ、アニメーションで観てみたいという気持ちになった。

「あれは生きている人間だ。そして生きている人間、意識を供えている人間は躰の周りに厚い粘液質の膜を持ってい、僕を拒む、と僕は考えた」

□「他人の足」

物語の冒頭、脊椎カリエス療養所は、少年たちにとってまるで母の子宮であり、彼らはその羊水のなかを揺蕩っているような、生活への不安も「健常」への強迫観念もない、無時間的で、重ぼったく惚けたような安逸に包まれた、或る種のユートピアのように描かれる。「僕らには外部がなかったのだといっていい」。しかし、如何なる自閉的な《内部》に退却してみようとも、《政治》から逃れることはできない。《他者》としての学生が闖入して以来、「凡てが少しずつ、しかし執拗に変り始め、外部が頭をもたげたのだ」。そこには《政治》にまつわる欺瞞もあれば、正義の名のもとの全体主義化だって起こり得るだろう。我々はどこにいても《政治》に対して無垢では在り得ない。この意味では、我々には《政治の外部》はない。

世界とは、あらゆる《外部》性の閉包であり、それ故にもはや《外部》の余地が残されていないもの、と云えるのではないか。

「この男は外部から来たんだ、粘液質の厚い壁の外部から、と僕は思った。そして、躰の周りには外部の空気をしっかり纏いつかせている」
死者の奢り・飼育(新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 死者の奢り・飼育(新潮文庫)より
B00IP4BY6W
No.61
(4pt)

皮膚感覚や臓器感覚に訴えてくる表現

大江健三郎(1935-)の初期短篇。人間の孤独や政治の欺瞞の在りようが、読み手の五官の神経(特に触覚と嗅覚)や臓器感覚に訴えかけてくるような独特な表現を通して、描かれている。

収録は以下の6作。
「死者の奢り」(1957)
「他人の足」(1957)
「飼育」(1958)
「人間の羊」(1958)
「不意の啞」(1958)
「戦いの今日」(1958)

特に「死者の奢り」「他人の足」2作が、その情景の美しさもあって、印象に残っている。

□「死者の奢り」

死んでしまった《物》と生きている《人間》と、その二者に間にはどれくらいの距離があるのか。死体を前にして、青年は観念的に、妊娠している女子学生は胎児を下腹に感じながら、死体処理歴30年の管理人は自分の子や孫を想像しつつ、それぞれが死と生との距離を測ろうとしているように見える。《人間》はいずれはみな死んでしまうのだから、《物》との距離は然程遠くはないのか。しかし、意識を備えている《他者》は、《物》とは異なり、別の意識の持ち主である《私》が発する眼差しや思惑を撥ねつけ調和を拒もうとする。生は希望のない徒労のようなものなのか。冒頭の死体処理室の描写が妙に美しく感じられ、アニメーションで観てみたいという気持ちになった。

「あれは生きている人間だ。そして生きている人間、意識を供えている人間は躰の周りに厚い粘液質の膜を持ってい、僕を拒む、と僕は考えた」

□「他人の足」

物語の冒頭、脊椎カリエス療養所は、少年たちにとってまるで母の子宮であり、彼らはその羊水のなかを揺蕩っているような、生活への不安も「健常」への強迫観念もない、無時間的で、重ぼったく惚けたような安逸に包まれた、或る種のユートピアのように描かれる。「僕らには外部がなかったのだといっていい」。しかし、如何なる自閉的な《内部》に退却してみようとも、《政治》から逃れることはできない。《他者》としての学生が闖入して以来、「凡てが少しずつ、しかし執拗に変り始め、外部が頭をもたげたのだ」。そこには《政治》にまつわる欺瞞もあれば、正義の名のもとの全体主義化だって起こり得るだろう。我々はどこにいても《政治》に対して無垢では在り得ない。この意味では、我々には《政治の外部》はない。

世界とは、あらゆる《外部》性の閉包であり、それ故にもはや《外部》の余地が残されていないもの、と云えるのではないか。

「この男は外部から来たんだ、粘液質の厚い壁の外部から、と僕は思った。そして、躰の周りには外部の空気をしっかり纏いつかせている」
死者の奢り・飼育 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 死者の奢り・飼育 (新潮文庫)より
4101126011
No.60
(3pt)

反戦多し

当時のギラギラした大江が楽しめます。ノーベル賞作家は読むようにしています。
死者の奢り・飼育 (1959年) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 死者の奢り・飼育 (1959年) (新潮文庫)より
B000JARR3Y
No.59
(3pt)

反戦多し

当時のギラギラした大江が楽しめます。ノーベル賞作家は読むようにしています。
死者の奢り・飼育(新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 死者の奢り・飼育(新潮文庫)より
B00IP4BY6W
No.58
(3pt)

反戦多し

当時のギラギラした大江が楽しめます。ノーベル賞作家は読むようにしています。
死者の奢り・飼育 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 死者の奢り・飼育 (新潮文庫)より
4101126011
No.57
(2pt)

個人的に非常に期待外れな短篇集

本書は,表題作の『死者の奢り』と『飼育』をはじめ,6作の短篇が収められている。

高校時代に読んだ『性的人間』と『セヴンティーン』をもう一度読みたくなり,それなら大江健三郎の初期の作品を読んでから再読しようと,本書を読み始めたが,ページをめくればめくるほど茫然とした。

情け容赦ない残虐な描写は一向に構わない。しかし,作品の舞台となっている戦中・戦後直後における日本人のコンプレックスと極度の対米感情の悪さはいただけない。作品に登場する米軍兵は決まってひどい役回りだ。本書を読んでいると,耳にタコができるほど聞かされた祖父の愚痴が蘇ってきた。
死者の奢り・飼育 (1959年) (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 死者の奢り・飼育 (1959年) (新潮文庫)より
B000JARR3Y
No.56
(2pt)

個人的に非常に期待外れな短篇集

本書は,表題作の『死者の奢り』と『飼育』をはじめ,6作の短篇が収められている。

高校時代に読んだ『性的人間』と『セヴンティーン』をもう一度読みたくなり,それなら大江健三郎の初期の作品を読んでから再読しようと,本書を読み始めたが,ページをめくればめくるほど茫然とした。

情け容赦ない残虐な描写は一向に構わない。しかし,作品の舞台となっている戦中・戦後直後における日本人のコンプレックスと極度の対米感情の悪さはいただけない。作品に登場する米軍兵は決まってひどい役回りだ。本書を読んでいると,耳にタコができるほど聞かされた祖父の愚痴が蘇ってきた。
死者の奢り・飼育(新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 死者の奢り・飼育(新潮文庫)より
B00IP4BY6W
No.55
(2pt)

個人的に非常に期待外れな短篇集

本書は,表題作の『死者の奢り』と『飼育』をはじめ,6作の短篇が収められている。

高校時代に読んだ『性的人間』と『セヴンティーン』をもう一度読みたくなり,それなら大江健三郎の初期の作品を読んでから再読しようと,本書を読み始めたが,ページをめくればめくるほど茫然とした。

情け容赦ない残虐な描写は一向に構わない。しかし,作品の舞台となっている戦中・戦後直後における日本人のコンプレックスと極度の対米感情の悪さはいただけない。作品に登場する米軍兵は決まってひどい役回りだ。本書を読んでいると,耳にタコができるほど聞かされた祖父の愚痴が蘇ってきた。
死者の奢り・飼育 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 死者の奢り・飼育 (新潮文庫)より
4101126011
No.54
(5pt)

言い表しようのない力強さ

死体処置室のアルバイト学生「死者の奢り」、拿捕された外国人兵士をペットと化す少年「飼育」他、人間の恥部をさらけ出したような、読んでいて厭な気分にさせられる作品集。

嫌悪感を覚えながらも、心の行き場のなさを突き付けてくるような、言い表しようのない力強さを持っている。

「飼育」は、隔絶された村落を舞台に、拘禁された黒人兵への少年の異様な愛着が一変するシーンが鮮烈だ。劇薬に近い幕引きとなるこの物語は、ビルドゥングルロマンというべきものであり、少年の姿に諦観や諦念という言葉を想起する。
死者の奢り・飼育(新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 死者の奢り・飼育(新潮文庫)より
B00IP4BY6W
No.53
(5pt)

言い表しようのない力強さ

死体処置室のアルバイト学生「死者の奢り」、拿捕された外国人兵士をペットと化す少年「飼育」他、人間の恥部をさらけ出したような、読んでいて厭な気分にさせられる作品集。

嫌悪感を覚えながらも、心の行き場のなさを突き付けてくるような、言い表しようのない力強さを持っている。

「飼育」は、隔絶された村落を舞台に、拘禁された黒人兵への少年の異様な愛着が一変するシーンが鮮烈だ。劇薬に近い幕引きとなるこの物語は、ビルドゥングルロマンというべきものであり、少年の姿に諦観や諦念という言葉を想起する。
死者の奢り・飼育 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 死者の奢り・飼育 (新潮文庫)より
4101126011