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ウォリス家の殺人
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ウォリス家の殺人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.27pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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初めてヴァンダインの作品を読みました。古典ミステリーに入るでしょうが、簡潔な文章でとても読みやすい。外国という壁も感じず、ストレスなく楽しめました。 派手さはなく登場人物に特殊能力者もサイコパスもいませんが、物語は二転三転し、終盤はドキドキさせられ、あっという間に読み終えました。 それぞれが闇を抱え、それが物語に深みを与えていますが、お間抜けキャラやクスッとできるシーンなど一服の清涼剤的ユーモアがあれば言うことなしでした。 最近は衝撃の結末を求めるあまり現実離れしすぎて共感できないものも多いですが、「そうそう、ミステリーってこういうものだよね。」と再認識させられるお手本のような小説でした。また作者の他の作品も読んでみます。 | ||||
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物語としても面白く読めそちらに気をとられるともう真相から遠いところに 事実関係を整理すれば、本当に単純なことに気づきさえすれば即犯人の姿も浮き上がってくる。 それなのに構成の妙と語り口から真相が見えにくくなっているというシンプルながら巧妙な犯人当て作品でした。 | ||||
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こんな名作揃いなのに、 毎年1冊づつの邦訳。 ずるい!ファンは渇望しちゃいますね。 意外な犯人なのに、辿り着くまではドキドキで、 十分楽しませてもらえます。 むしろ時間が早く過ぎてしまう様な、遅すぎる様な。 この忙しい2010年代、古典的ミステリィーを堪能する贅沢を。是非 | ||||
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面白いストーリーでもないし、意外な犯人でもないし、うなるようなトリックがあるわけではありません。強いて言えばアリバイ崩しなんでしょうが、なんかしょぼいです。まあ、フェアープレー本格好きの人には良いかもしれません。 | ||||
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本作は、何者かに殺害された人気作家ジョフリーの幼馴染で、 歴史学者のモーリスによる一人称の語りで構成されています。 モーリスが、ジョフリーの伝記を執筆することになり、その過程で、 自然と事件の真相を究明する探偵活動も行わせるという設定は、 地味ながらよく考えられています(歴史学者という職業もミソ)。 ただ、関係者たちの悪意や、陰鬱で気が滅入る人間模様が描かれていくなか に、逆転の発想ともいえる決定的な伏線を忍ばせる手際は堂に入っているの ですが、犯人特定のロジックと呼べるほどには昇華しきれていないのが残念。 その伏線を何らかの手がかりとして具象化した上で、 最終局面の演出も、もう一工夫欲しかったところです。 とはいえ、ラストで読者に突きつけられる真相――親子愛に基づく―― の皮肉は痛烈で、ディヴァインらしい“毒”を存分に味わうことができます。 | ||||
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1960〜70年代にかけて、英国で黄金時代を引き継ぐ 本格探偵小説の作風を継承した作品を残した著者の、 最近になって邦訳された諸作の一つ。 2008年の週刊文春ミステリーベスト10で 海外部門第8位となっております。 歴史学者のモーリス・スレイターは、 幼馴染みの作家ジョフリー・ウォリスに招待され、 彼の住むガーストン館に滞在することになります。 モーリスは、ジョフリーの妻ジュリアから、 夫の様子がおかしいと相談を受けており、 夫は兄のライオネルから脅迫を受けているようなのです。 果たして、ある晩、ジョフリーは行方不明になり、 兄のライオネルも姿を消します。 そして、発見された射殺死体…。 モーリスは、行きがかり上、 事件の捜査を行うことになります。 やがてジョフリーの過去や、 彼を取り巻く人間関係が明らかになっていき、 最後に真犯人が明かされます。 この作品、読みどころは、本書解説によれば、 「作者のファインプレーが光るフーダニット」だそうです。 しかし、正直なところ、私にとっては、 特別意外な犯人ではありませんでした。 途中から誰もが怪しくなってくる展開なのですが、 この書きぶりだと、犯人はこの人では、と予想した人物でした。 でも、これではなぜ高い評価を得ているのか分からないので、 いろいろと書評を探ってみると、分かりました。 かなり、うまい伏線が張られているのです。 作品の最後に犯人を決定づける重要な事項が示されるのですが、 そこに行き着くためのかなり大胆な伏線が 何箇所か張られているのが、本書の特徴です。 ただし、私は残念ながら、 読み終わっても気づきませんでしたが…。 そこで、本書の感想ですが、 この作品は、私のような勘に頼って犯人当てをする人間は駄目で、 伏線を見極めながら、 論理的に犯人探しをするような方(極めて通のミステリ読者) に向いているのではないかと思いました。 そうした方なら、必ずや楽しむことができるでしょう。 | ||||
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「悪魔はすぐそこに」を読んでから本編を読んだが、前作に比べるとパズラーとしての組み立ては弱い。何度読み返しても、これでは犯人はわからないのではと思う。 1つの条件が成り立てば犯人は最初から1人しかいないと総括的に言ってはいるが、その条件とは1つの仮定の元に推理されると成り立つ条件であり、最初から絶対的事実として存在しているものではない。(多くは書けないのですが) ただ犯人の意外性は結構仰天もので、一物も二物もあるうさんくさい家庭内での殺人というプロットは個人的に好みなので、楽しんで読むことはできた。 | ||||
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小難しい展開もなく淡々としてるのに妙に納得させられました。 結構みなさんは途中で犯人が分かったみたいやけど、私自身は最後の最後まで分からずに犯人を知った時にはビックリでした。 これって最近のドンデン返し型ミステリーを読みすぎてるせいなのか、深読みしすぎるんですよね(笑)。 登場人物の背景も深く掘り下げられてるので、それぞれの事情があり誰でも容疑者になりえるところが巧いです。 原作は約30年近く前の作品やけど全然色褪せてなかったです。 最近では少なくなった王道ミステリーやったので楽しめました。 | ||||
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帯に「英国探偵小説の王道」を行くとのコピーが付けられた作品。確かにロンドン郊外の田園にある館を中心としたミステリなのだが、全体的に迫力に欠け、パズラーとしてもさしたる出来とは思えない。物語は歴史学者のモーリスの一人称で語られる。 モーリスが、少年の頃からの知己である人気作家ジョフリーの館に招かれる所から物語は始まる。ジョフリーには悩みがあるようだ。その原因は突然現われた兄のライオネルである事が示唆され、実際にジョフリーがライオネルの家を訪れた晩、殺人事件が起こる。最初は被害者はライオネルと思われたが、実際はジョフリーだった。これでライオネルが犯人では流石にミステリにならないので、ここから様々な伏線が散りばめられる。しかし、モーリスの性格が温和に設定された事もあって、関係者の描写が穏便に過ぎる。"館もの"の一種なのだから、作中、悪意が満ち満ちていると言う雰囲気にして欲しかった。一方、物語の進行に連れ、ジョフリーはモーリスからも嫌われていたイヤな奴で、ジョフリーの過去を調べるに連れ、更に嫌悪感が増すと言う展開。これが、様々な動機の可能性を産み出してはいるのだが、本命は自然と分かってしまうので、効果的とは思えない。このジョフリーの過去の暴露劇と結末近くのモーリスと犯人との追走劇が、終盤に唐突に纏めてやって来るのも、巧みな構成とは思えない。モーリスが真犯人を突き止めた際、担当警視が「我々にも分かっていたんですよ」と言う始末。 登場人物の性格描写もパズラーとしての出来も今一つ。もっと登場人物の個性を強烈にして、読者を物語に引き込めばミステリとしての出来も良くなったと思う。 | ||||
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本格ミステリーの醍醐味を味わいたい読者向きの一冊。際立った名探偵は出てこなが、逆に意外な犯人に仰天し、結末までの犯人隠しの冥利と二転三転する犯人探しがたまらない。 派手さは無いが複雑なガラスのパズルを何度も組み合わせたような物語の展開は必読に値する名作と言っても過言ではない。 | ||||
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1960年代に活躍した英国本格ミステリー界の巨匠ディヴァインの技巧が冴え渡る遺作の翻訳紹介です。本書は生涯に十三作の長編小説を著した著者の最後の長編で、六十一歳で惜しくも逝去された翌年の1982年に刊行されています。本書には、有名な人気作家だが若い頃に隠された暗い秘密を持つ被害者のジョフリー、成功した弟に嫉妬して恨みを抱く兄ライオネル、夫に隠れて家の近所で浮気する妻ジュリアなど、とても善人とは言い難い悪意を抱えた人物が多く登場しますので、もし日本の横溝正史が書いたら得意の呪われた家族テーマのドロドロした愛憎渦まく作品になっただろうなと思わせます。そんな中で本書の語り手で被害者の友人の歴史学者モーリスが一番まともな人物ですが、彼も結婚に失敗し離婚した意地の悪い妻と一人息子から憎まれている苦い境遇でした。モーリスはウォリス家から最近ジョフリーの様子がおかしいから来て欲しいと懇願されて、田舎の邸宅ガーストン館に招かれます。やがて滞在する内にジョフリーが兄ライオネルと仲違いして脅迫を受けている事実が判明します。そしてある晩兄弟が忽然と姿を消し数日後にジョフリーの死体が発見されます。 本書には中盤からスコットランドヤードのカズウェル警視が登場しますが、彼は脇役に徹し探偵役は語り手のモーリスです。事件が終盤に向かうにつれて新たな事実が次々に判明し、誰もが疑わしくなる展開は真犯人の的を絞らせず読者を翻弄させます。遂に明らかになる真犯人の正体は意外性十分で多くの方が見事に騙されるでしょう。著者の犯人の隠し方は誠に絶品で、大胆な伏線も周到に張られており、少しずるい部分もありますが読み手に誤まった先入観を持たせる手際が素晴らしいです。唯一真面目過ぎてユーモアに乏しいのが難ですが、最後に酷薄な人間関係を修復する優しさも味わえ、久々に良く出来た昔懐かしい探偵小説を読んだ満足感にひたれた一冊でした。 | ||||
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