作家の人たち
評判
作家の人たちの評価:
3.63/5点 レビュー 8件。 D ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1〜4 1/1ページ
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コメディとして読むには少々ペシミスティックに過ぎる、何か絶望感の漂う短編群に続いて最後の作品、これは強烈だった!この作者はいったいどういう意図でこの本をつくったのか。作家の意図を想像するのは野暮だが、読んでいる側がおおおと思った時点でその意図は成立している。
とらえかたはいろいろと思いますが、これは物を作る人、書く人のリアリティがものすごくあふれている本です。僕も物を作る職業なので、ところどころ心が痛くなるほどのリアリティを感じました。しかしそれをただちに突き返すようなクールさも同時に感じられ、なかなか渋い作品群です。
この本の最後の「座談会」は僕はごまかしだと思う。と言うか、作者の照れ隠しだと思う。座談会を読むと作者はこの本のストーリーに出てくるような、ものを作って産み出す苦しみはあんまり経験していないようにも読めるが、とんでもないことだ。本編の作品を「座談会」でごまかすことに失敗していることは、本編自体が証明しているw
たぶん、「本書くのは苦しいことだってあるんだぞ!だけど同時に楽しいんだぞ。だから僕は負けないぞ!僕はやっぱり作家業が好きなんだ」宣言の本。
自己憐憫の表現について、イギリスのブライアン・フリーマントルのチャーリーマフィンシリーズの初期のものやレン・デイトンのバーナードサムソンシリーズが秀逸だけれど、若いころそれらの作品を読んですげーと思ったことをこの本「作家の人たち」で思い出した。
僕は倉知氏に、現在の世界情勢をシビアに見据えた、新しい時代の諜報小説を書いてほしい。取材しないとだめよ。ワシントンDC、ニューヨーク、北京、モスクワ、ベルリン、ロンドン。エリートハッカーが簡単に物事を進めている中で四苦八苦しながら自己憐憫に浸りながら逆転満塁ホームランを放つヒューミントのだらしない日本人外交官を描いてほしい。あと、倉知氏の作品は英訳して海外で売ることも考えるべきだ。ところどころにでてくる目的合理性への言及、それを喪失する絶望感、この文脈は世界に通じる。
編集の人たち、気合入れてがんばってくださいw