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(短編集)
私のサイクロプス
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私のサイクロプスの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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山白朝子さんの本です。 「私のサイクロプス」「ハユタラスの翡翠」「四角い頭蓋骨と子どもたち」「鼻削ぎ寺」「河童の里」「死の山」「呵々の夜」「水汲み木箱の行方」「星と熊の悲劇」の九編の短編をおさめています。 舞台は江戸時代。各地の名所旧跡温泉地をめぐり、原稿を書く蝋庵先生と、その版元の書物問屋に雇われていて、同行している女の輪、そして付き人の耳彦という三人が主人公です。 視点人物は、輪だったり耳彦だったりします。 蝋庵先生は旅作家なのに方向音痴で、いつのまにか、輪や耳彦とはぐれてしまい、そこで、不思議な世界に紛れ込んでしまう、というような話ですね。 「私のサイクロプス」は、一つ目の巨人にまつわる話。ダイダラボッチの話ですね。 「ハユタラスの翡翠」は、海に吸い込まれる翡翠の指輪を拾う話。 「四角い頭蓋骨と子どもたち」は、見世物小屋に売るために子どもの頃から箱を被せて育てる村落の話。 「鼻削ぎ寺」は、鼻削ぎの男に拉致される話。 「河童の里」は、河童が出るという村落の話。 「死の山」は、不思議な死の山を通る話。 「呵々の夜」は、死体を喰う家族の話。 「水汲み木箱の行方」は、不思議なポンプのように働く木箱の話。 「星と熊の悲劇」は、村落が熊に襲われる話。 それぞれ、民俗学の蘊蓄が語られたり、解釈がされたりして、なかなか面白いです。 ただ、蝋庵のキャラの掘り込みとか、ほかのキャラの掘り込みがすこし甘いように感じました。 とはいえ、叙述を工夫して、誰の視点なのか、意図的にわかりづらくして物語を盛り上げたりなど、それなりに工夫してあり、面白く読めます。 | ||||
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