■スポンサードリンク
スティグマータ
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
スティグマータの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.36pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全45件 21~40 2/3ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
イストワールとは、フランス語で物語と歴史、両方の意味を持つと言う。 誰もがみな、自分のイストワールの主人公には違いない。けれど、物語は誰かに読んでもらいたいものだ。 読むだけの価値がある、そう認証されたい思いは誰だって持っている。今作、いや今シリーズの通底奏音に、改めて気づかされる。 サイクルロードレースは、残酷なスポーツだ。フルームやコンタドールを勝たせるため、風避けになるアシストがチームを組む。2人1組でゴールまで逃げ切った場合、アシストはエースに1位を譲り、ボーナスポイントを稼がせる。自身が優勝すれば、明日の新聞の一面を飾るというのに。 しかし、そうしたアシストこそが、勝つチームから評価され必要とされる。主人公チカも、そうやって生き延びてきた。 そんな中、次のツールにかつてのスターが戻ってくる。ドーピングという禁断の果実を手にして、自らのイストワールを汚してしまった墜ちたスターが… 一見すると地味ながら確かな仕事ぶりで、サムライとして異国の地で確かな居場所を掴んでいるチカだが、 対局をいくかのような、かつては眩しく見上げていた英雄の帰還に揺れる。いまさら、何を証明しようというのか。一度は汚れた物語を、どうやって読ませようというのか。そして、スターの影はチカにも伸びてきて… スポーツに限らず、どんな仕事であれ、誰にも負けずに無垢のまま終えられるものは、ほとんどいない。あるものは負け、あるものは譲り、違うポジションを探さねばならない。それでも、人生というイストワールは続くのだ。次のイストワールを始めていくために大切なのは、築いてきた人間関係であり、それはすなわち自らのこれまでの生き様が問われている、ということに他ならない。 勝てばいい、という考えがある。勝たねば誰も覚えていない、と言い換える者もいる。それも一面の真実ではあるだろう。 しかしやはり、幸せなイストワールとは、自らに嘘をついては紡げない。たとえメダルや栄誉を得られなくとも、ヒトが人生をかけて描いた美しいイストワールは、必ず誰かの心を揺さぶるものだから。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
近藤史恵さんのシリーズです。テンポ良くサクサめる読めるし、自転車競技の内面や選手の内情もしっかり描写されており完成度は高いです。そしてシリーズ化されているので、続きで読んでも面白いしです。これから読み始めるなら最初からおすすめします。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
『サクリファイス』シリーズ ロードレース×サスペンス 自転車のことをよく知らない私でもツール・ド・フランスが世界最大の自転車ロードレースであることは知っている。レース進行と共にチームや選手の人間模様が描かれている。アシスト役の日本人ぼく(=チカ=白石誓)が巻き込まれていく。 p130 不思議な競技だ。紳士的であることを求められるが、狡猾でなくては勝てない。それもどのスポーツも、そんな一面を持っているのだろうか。 p205 スプリンターは集団から抜け出したものが勝ち、クライマーは残った者が勝つ。 p216 「なあ、おまえはプロ選手になにが必要か知っているか?」 「体力とか、才能とかではなく?」 「histoireイストワールだ」 「物語?歴史?」 「俺たちは、所詮、観客に娯楽を提供する身だ。ならば、美しい歴史や物語を抱えている方が有利じゃないか?」 p290 選手にとって、一番のガソリンは勝つことだ。 p291 ―メネンコはイストワールを欲しがっている。彼の欲しかった物語は、手に入ったのか。それともまだ足りないのか。もう、マイヨ・ジョーヌが彼の手に戻ることはないだろう。それは、彼が望んだ結末なのだろうか。だが、アスリートの中で、望む結果を手に入れられる人間がどのくらいいるのだろう。多くの敗者と一握りの勝者。だからこそ、スポーツに人は熱狂するのだ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
自転車ロードレースを題材としたミステリ青春小説、シリーズ四作目。 ロードレースに興味有る方は、是非。 一作目の「サクリファイス」は、名作です。その他も、面白いです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
20年以上前ならば、Tour de Franceで、たとえステージでも日本人の入賞、優勝など夢の中でした。現在では、シニア、ジュニアなど世界選手権での入賞や、グランツールの敢闘賞などあり、フィクションですが、感情移入しやすく楽しく読めました。 続編期待しています。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
これまでの全て読んでよかったですで、次回作楽しみにしたいです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
サクリファイスから登場人物も年をとっていて、物語も進んでいる | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
前先サクリファイス,エデンに引き続き、ロードレースとサスペンスの絶妙なバランスで物語が構成されています。 新潮社での作者インタビュー記事での「チカが引退するまでは筆を置けないと思っています。」というコメントから続編を期待しています。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
後半があっさりとしているのは好みが分かれるでしょうが、私は前3作と同じように楽しめました。今後も近藤女史のロードレースものを期待しています。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「ツール・ド・フランス」という世界一のロードレースに参加できる幸せを感じながらも、エースをひき立てながらチームの勝利のみを優先するアシスト。必ずしも個人の記録は期待されていないし、来年の契約もまとまっておらず、ひょっとして今年でこの幸せの場から退場させられてしまう可能性まで内省してしまう日本人プロレーサーの主人公を中心にロードレースと同時に進む「群像劇」「と「スポーツドキュメンタリ風ロードムービー」。あいかわらずの安定感で読者を見事にひきつけてゆく。 しかも主人公は極めてはストイックであり、ある意味ハードボイルド風でもある。「疚しいという感情は不思議だ。」「負けることには慣れている。」「たった一度の失敗であきらめたりしない。」「矛盾しているようだが戦略的には正しい。」「だが、ほんの少し、ほんの少しだけ楽しいのだ。」「必ずくる悪い一日に、いかに傷を浅くするか。」「幻想という麻薬にでも頼らなければ、走り続けられはしない。」などなど。理屈抜きで楽しめた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ロードレースをやっていない人でも楽しめる。 私はロードレースをやっているが、経験者が恐らく感じた事がある「何でこんなしんどい事やってんだろ」等々のあるあるに対し、「分かるー。」とか「こういう考え方もあるかー。」とか色々感じられる。 何より、自分が今ロードレースやっている事も決して間違った選択ではないんだな、と肯定してもらったような気分にもなる。 読む順序としては、やはり出版された通りにサクリファイスから順に行くのがおすすめ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
自転車人気が高まってきていることを感じる今日この頃、自転車競技に取り組む選手達の思いが分かりやすく伝わる本多と思います。自分でも、ロードレーサーを購入して、坂道に挑んでみたくなります。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ツール・ド・フランスの情景をスリリングに描いた人気シリーズ。聖痕を刻まれた男たちの、宿命と挑戦の物語。勝つことを運命づけられた者、再生の物語を期す者、復讐と挫折の焼き印を押されたもの…。 白石もまた、「サムライ」アシストとしていぶし銀のスティグマータを刻印されていく。「山岳下りのスペシャリスト」として、彼は来期もツール・ド・フランスに出場するだろう。しかしその1年後は、もうわからない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
サクリファイスから大好きで、シリーズ全て読んでます。 やはり、購入して間違いなし! ロードレースに関する説明がくどい感は確かにありますが、ロードレースに興味の無かった方が読むことを想定するのであれば、仕方ないところではありますね。 近藤さんは、変に難しい言葉や言い回しを使わないのと、ラストに向けての盛り上げ方が上手く、いっきに読破できてしまいます。 恐らく、この本を読んでロードバイクに乗り始める方は少ないとおもいますが、自転車競技における「アシスト」の地位は向上するでしょう。 続編を期待せざるを得ない結末なので、その点だけは、もやもやしていますので、評価を星4つとさせていただきました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読んでから時がたちすぎて、「サクリファイス」の内容をほとんど忘れてしまいました。そんな状態で読んで大丈夫かと思いながらあっという間に読了しました。 シリ-ズものですが、単独作品としても十分な水準を有した娯楽作です。作者は自転車レースはおろかおよそ運動とは縁がなさそうに見える方ですが、日本人でツールドフランスを小説の舞台にすることができる唯一の存在です。 今回も、謎解きとレースとが並行して進みます。謎解きの方は、途中で推測がつきましたが、レースの描写がすばらしく、まったく飽きませんでした。 あえてわかりにくい表題を継続しているところも含め、和製ディックフランシスが誕生しつつあるように感じました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
これはキアズマのときも書きましたが、 本作一つを取り上げて評価するなら★3つ。 文庫を待ってもいいのかも。 サクリファイスシリーズとして、 本書を最初に読むのはおすすめできません。 少なくとも、本書のキモを最大限に味わおうとするなら、 これまでの4作を読んだ方がいいでしょう。 がむしゃらにペダルを漕いでいたサクリファイスやエデンの頃より、 白石は年を重ねました。 本書の中で具体的な年齢は書かれていませんが、 冒頭の本文から察するに白石はアラサーです。 サイクルロードレースの選手として走る白石は、 自分のいる世界に慣れました。 でも慣れた世界は決して安心のできる世界でなく、 常に不安を抱えながら走る世界であり、 そんな不均衡な周囲に身を置くことに慣れているわけです。 本書は、その渦中でサイクルロードレースの選手として生きる、 白石にとっての決意表明のような一冊なのかもしれない。 これまでの4作を読んでシリーズを好きになった読者には、 ぜひ文庫を待たずに本書を読んでくださいと、 言わせてください。 これまでのシリーズとは違った味わいが待っていますよと、 言わせてください。 本作にあるのは、涙を誘うドラマではなく、 サイクルロードレースの選手としての選択や、 その世界で生きるための流儀への苦悩と葛藤だと思います。 それが、近藤さんのスティグマータですと、 そう言わせてください。 ※※※※※※※※※ ネタバレしていると思うので、 本書が未読の方は、 以降の私の感想を読まないことをおすすめしておきます。 ※※※※※※※※※ 読後、身勝手にも懲りずに、再び白石の活躍を期待していた私は、 読み終えてから言い知れぬモヤモヤとした感情に包まれました。 私は近藤さんの描くサクリファイスシリーズのファンの一人です。 今までそう思ってきました。 でも本当は、近藤さんの描く白石誓のファンなのかもしれません。 若く、天賦の才に努力で必死に近づく白石の姿に、 サクリファイスとエデンで私は心を熱くしました。 サヴァイヴでシリーズの世界観は奥行きを持ち、 キアズマで広がりを見せた印象です。 当時は続編に胸を躍らせた私でしたが、 それは身勝手にも『再び白石の活躍する姿が見られるのかも』、 という期待を寄せたにすぎなかったのかもしれません。 選手生命という峠を迎えるすべてのアスリートには、 アスリートとしての生き方を迫られる瞬間が必ず訪れます。 単純に引退するか継続するか、の判断ではありません。 これまでのプレースタイルを続けるか。 練習方法を変えるか。 試合への調整方法を変えるか。 何を変えないのか。 そうした選択の数々です。 ではどうして、そうした選択を迫られるか。 『今までと同じではいけない』そう気づく瞬間が訪れるからです。 その瞬間が、若さを失う、ということなのかもしれません。 本書を読んでそんな風に思えました。 白石は、もう私の期待に応えられる選手ではないのかもしれない。 そして著者である近藤さんは、 その白石の変化と葛藤を本書で描いたのかもしれない。 実際の多くのスポーツ選手がそうであるように、 フィクションの世界ではありますが、 白石にも避けられないものが迫っていると。 近藤さんは、それを描いたのかもしれない。 読み終えてスティグマータの感想を書きながら、私はそんな風に考えました。 白石という人物を通して、 選手生命の残りを考えながら競技に打ち込む、 サイクルロードレースの選手の覚悟、決意の一つを本作で見たようで、 本を閉じてじっくり考えてみると、 私にとってはとても味わい深い一冊となりました。 こうした味わいもまた読書の楽しみの一つであり、 こうした体験をするたびに、私はまた読書をしたいと思うのでした。 私は残念ながら白石にもどかしさを感じました。 しかしそれは裏を返すと、 彼がもっとも輝いていた時期を知っているからです。 そのもどかしさを描き、読後にこの深い味わいを残してくれた近藤さんに、 私はありがとうと言いたいです。 そして白石にはこう言いたい。 「チカ! きみが行け!」 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
白石の話です。 実在の人物(ドーピングを告発しレースからはじかれた人、発覚し問題となった人物)を思い出しながら読みました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
このシリーズ大好きです。期待通りにおもしろかった!すごくよかったです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
レースの描写が素晴らしく、作者が本当に走った事があるのでは?と思ってしまう程です。 ただ、今回の終わりは煮えきらない点がたくさんありました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私は、衝撃の傑作「サクリファイス」以来、このシリーズのファンで、この本もとても期待して読みました。著者は、物語の運びがとても上手で、文章も洗練され、惹きこまれる作品を書いてきている実力派です。 本書を読んでみて、「あいかわらず さすがの筆力」と、著者の力に敬服します。ただ、本書は、よくも悪しくもかなり重苦しく、主人公であるチカの自らの能力や年齢による力の限界についての内省の色合いが濃い作品です。これを、「深みのある作品」と感じるか、「重苦しい」と感じるかは読者それぞれの感性によるところが大きいでしょう。 いずれにせよ、実力派の著者による看板シリーズでの最新作。力のこもった、いい作品です。ツール・ド・フランスという自転車レースの最高峰を舞台にしたレースの醍醐味、絡み合う人間模様、チカの競技へ向き合う姿勢、そしてミステリーの要素などなど、さまざまな面が重層的に織りなして、この物語が成り立っています。周到な準備のうえで書かれた物語と思われ、従来作同様、本作も読むに値する優れた作品と思います。 (なお、この本は連作シリーズの1編を構成する本ですので、単体で読む本ではなく、やはり第1作「サクリファイス」から順に読むことをお薦めします。) | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!