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美しい国への旅
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美しい国への旅の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点1.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1件 1~1 1/1ページ
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2015年の「宰相A」から、田中文学は転換して第二期に入った。この作品も「宰相A」と同じでディストピアを描いている。ただ違うのは、今作では頭から完全に荒廃した世界を描いていることだ。まず最初の段階のたった三文で、その世界を一気に描くことに成功している。 (風が)止むこともあるけど、またいつか必ず吹いてくるのだから、止んでいても吹いていることになる。 この文章が特に秀逸で素晴らしいと思った。いかにも田中慎弥らしい。他にもそこここに田中慎弥らしが見られ、そのために読みにくいこともあるが、それは田中ファンとしてはもはや嬉しい点ですらあるだろう。 物語については、私は後半までいっても「もうそろそろ完結する」という感じがしなかった。それが不安だったのだが、果たして司令官のいる基地で、怒涛の勢いで収束する。かと思うと、それを乗り越えた主人公の旅はまだ終わっていず、結局「そろそろ完結する」感じは最後まで得られない。実際に作者は、主人公の旅の終わりを描いていない(多分)。しかも明るい感じで終わっているように見せてそうではなく、これは全然ハッピーエンドではない(多分)。主人公やその取り巻きの気持ち的にはそうとも言えるのかもしれないが、小説的にはハッピーエンドではないだろう。旅の終わりを描いていないこと、ハッピーエンドではないこと、これで私は納得というか、まあそういうことなのだろう、と思った。もっと長くしてもよさそう。再読の必要あり。 | ||||
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