探偵AIのリアル・ディープラーニング
評判
探偵AIのリアル・ディープラーニングの評価:
3.07/5点 レビュー 30件。 B ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1〜13 1/1ページ
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探偵AIのリアル・ディープラーニングの評価:
3.07/5点 レビュー 30件。 B ランク
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小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
内容としては作中で起こる5つの事件が短編集のように収録されている。
まず問題点として、完全にAI周りというかコンピューターのハードやプログラム関連の描写がおざなりで作者の知識不足が垣間見られる。
作者の知識不足がわかる設定が様々あるが、一例としてパソコン向けに作られたSDカードに入った相以がスマホでなぜか動く謎の互換性がある。
スマホとパソコンはOSが違うので互換性がなくどうやっても動かないとおもうのだが。
また、仮に互換性があの世界であるとして、容量はどうにかなるとしても、演算処理にはグラフィックボードが必要(これも正直おかしいのだが)だと作中で明言されている。
スマホにグラフィックボードなどつけるわけないのだが・・・
なぜ相以がスマホで動いているのか不思議で仕方がない。
事件捜査に物語の都合上持ち運ぶ必要があったにしろ相以専用端末みたいなのを作中で作ってそこで動かせば矛盾は起こらなかった。
少なくともAIを題材としている以上この辺りのコンピューター関連の周辺描写がしっかりできていないのは問題である。
また、本格推理としてみても、作中の推理や行動に穴が多く本格推理というには余りにも問題点がある。
以下作中で簡単に見つけられた問題点(ネタバレおよび長文注意)
・第一の事件では、作中で示された輔の父の遺体を利用した放火トリックでは、最終的な死体の位置がおかしくなってしまい事故死に見せかけることはできない。
また、組織の目的である相以が事件当時どこにあるのかわかっていなかった。
そんな状況で研究室を放火し全焼させたら目的の品の相以まで灰になる可能性もあった。
状況的の仕方無かった面もあるとはいえ相以の入手を至上命題として掲げている以上そのようなリスクは避けると思うのだが。
そして推理内容が、犯人の発言内容におかしな点があったから彼が犯人というもの。
一見普通に見えるが、このおかしな点は明確におかしいとは言えず(犯人と被害者が近い関係であったため父が伝えた等で知っていてもおかしくはない。というか普通は伝えるはず。)、少なくとも相以の示した推理では、このおかしな点以外の証拠がなく、犯人に適当にしらばっくれられたらそれ以上追及できず、決定的な証拠になってない。
結局作中で示された証拠では証拠なっておらず、犯人の証明ができていない。
・第二の事件はロバで被害者が殺されるのだが、どうやって生きている体重百キロものロバを丘の上に運んで落下させたかが説明されていない(しかも体重百キロものロバは運べないと作中で言及されている)。
またロバを運ぶという行為を行えば人目に付くはずだがそのことも言及されていない。
そして、現場にスマホを持ち込めたのは警備員だけという理由で犯人を推理するのだが、実際に現場にスマホをを持ち込む方法など他にいくらでもある(警備員に賄賂を渡す、夜間に現場に侵入しスマホを隠し回収後事件を起こし現場から脱出等)。
警備員が事件に関係している辺りまでは筋は通るのだが、犯人であると決めつけるのはいささか早計で無理がある。
おまけに犯人からは証拠のスマホは発見できないありさま。
ロバの件といい、スマホの件といい言ってしまうならただのこじつけで決定的な証拠が一切なく、犯人を犯人であるということが結局言えない。(裁判になったら100%無罪である)
しかも、警備員が犯人ということになってしまうと、少なくとも犯行を行っている時間(10分程度?)は警備員がいなかった事になる。
警備員がいなくなった事に誰も気がつかなかったのだろうか。
かなり重要な立ち位置のようなのだが。
また、警備員が犯人だと、犯行中は誰でもスマホを持ち込んで侵入が可能だったという事になり、結果的に、スマホを持ち込めたのは警備員だけ。という前述の推理根拠が崩れ去り、矛盾してしまう。
相以の推理に乗っ取るなら、逆に警備員だけは犯人ではありえないのだ。
これを推理と言ってしまってもいいのだろうか。
・第三の事件はオクタコアの構成員の高校生の妹(組織と関係なし)が相以を盗むために起こしたのだが、組織の目的かつ機密である"相以の入手"をどうやって知ったのか?
本人は「色々と調べた」らしいが秘密結社の機密がそんなに簡単に高校生が調べられるだろうか。
仮にそうだったとしても普通の高校生に機密をつかまれるような秘密組織は秘密組織として問題だと思うのだが。
そして、この事件で犯人がオクタコアの構成員の関係者と推理したのは相以ではなく公安の人物であり(相以は推理を盛大に外した。)、その公安の人物は何故か犯人に捜査員を張り付けていない。
関係者であると疑った以上犯人に捜査員を付けてマークするのが普通であると思うのだが?
後に犯人はオクタコアの本拠地に自力でたどり着き、そこで消されるのだが、マークを張り付けておく、あるいは消息不明になった時点で捜査をすれば本拠地を用意に割り出せた。
余りに雑であると言わざるを得ない。
しかも、この事件では、証拠不足という理由により、犯人が見逃されてしまっている。
上二つの事件ではろくな証拠もなく逮捕等したくせに、逮捕しないのは違和感があり、矛盾してしまっている。
・第四の事件は輔の母が密室で死亡した事件の謎を解くという一番興味深い作品だが、残念ながらこの事件の出来が非常に悪い。
というのもこの事件簡略に書くと、輔の母が輔の祖父の猟師小屋でAI掃除ロボが起こした猟銃暴発事故を隠すために自殺に偽装したという真相なのだが
1.体調に異変を感じた輔の祖父が盗まれるのを防ぐために姿見の裏に猟銃を隠すのだが、何故かこの際猟銃から弾を抜いていないどころか、おそらく薬室内に弾を入れたまま隠している。
作中でも言及されたように猟銃は暴発しやすいがそれを防ぐために薬室内に弾を入れたまま猟銃を持ち歩かないのが基本である。
猟銃を隠した後しばらくは輔の祖父は行動できていたようだし、盗まれるのを防ぐために姿見の裏に猟銃を隠すような思考ができる人間が薬室内から弾を抜くという基本的なことをしないとは思えないのだが。(猟銃から弾を抜くなど隠すより簡単な事である。)
2.猟銃により頸動脈を撃ち抜かれて死を悟った輔の母が、AI掃除ロボを窓の外に投げ、窓に鍵をかけた後、姿見の破片を手に持ち、ライターを探してカーテンに火を付けるという行動をとるのだが、頸動脈を撃ち抜かれたらこのような偽装工作を行える時間は無いと思うのだが。輔の母にどれだけ根性があろうと10秒行動できれば奇跡である。
正直に言って、死体が自分で動いて自殺に見せかけたと言っているのと大差ない。
3.猟師小屋が全焼して、遺体の損傷が激しかったのはわかる。しかし、銃による擦過射創と、鏡の破片の切創を司法解剖して間違えるというのは無理がある。銃弾でついた傷を、ナイフで刺したと間違える位無理がある。
という3つの矛盾がある。
また、この事件にはかなり弱いものではあるのだが、一応は作中の推理を示す証拠が残っている可能性があり、探偵もそれを指摘している。
しかし、証拠があるのにそれを作中で探そうと言った素振りが全く無く、結果として証拠無しで推理を行ってしまっている。
そのため、推理が探偵の想像の域を出ないという致命的なミスをしてしまっている。
また、この事件の直接的な証人が、警官一人しかいない。
そのため、彼が勘違いや偽証をしていたら、一瞬で密室は崩れさる(普通ならこの手の証人を疑い出すのはキリが無くなるのでタブーではある。しかし、この警官、猟師小屋内をくまなく探したとか言っておきながら、姿見の裏の猟銃を見逃すと言う目が節穴な人物なため、彼の証言が信用できるか非常に怪しい。)。
また、警官が無実、あるいは彼の証言通りであった事を示す証拠が一切無いため、警官が真犯人で彼が事件について全て嘘をついているで通ってしまう。
その上、そちらの方がまだ轍の母が自分で自殺の偽装をしたよりも筋が通る。
証拠さえしっかり集めていればこうはならなかった。
作者が証拠言うものをいかに軽視して、証拠など無くても構わないと言う本格推理小説を舐めているとしか思えない考えが透けて見えてしまっている。
最後の事件はある意味一番酷いかもしれない。
内容は目の前のAIがコピーされたものか否かを当てる。という興味深いものである。
記憶や性格等に関しては正確にコピーさえれており、記憶の齟齬をつくのは不可能とされている。
しかし、コピーであるか否かを当てる直接的な証拠が本物の記憶にコピー不可な領域があり、結果としてコピーに記憶の齟齬があったから。
前提として、記憶の齟齬はつけないと言っているにも関わらず、それを無視するのは、本格推理いや、普通の小説として見てもどうなのか。
上述の通り、全5作品の内容がツッコミ所や矛盾まみれでまともに作品としての体を成していない。
このような内容であるので本格推理小説としては良い出来ではないのでこのような評価をつけさせていただきました。