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黄砂の進撃
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黄砂の進撃の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全30件 21~30 2/2ページ
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この「黄砂の進撃」は「黄砂の籠城」と対になる物語。 中国側の視点で語られていて 義和団がどのような経緯で決起したかがわかる。 清末における中国でのキリスト教の布教活動や 中国側における政治の中枢の腐敗などから 「義和団の乱」が起こるべきにして起こった経緯や 20万もの義和団が北京にある公使館区域を 包囲しながらも攻め切れなくやがて十一か国側の援軍により 義和団が鎮圧されるまでがわかる。 | ||||
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この小説は史実に基づくと、作者が書いています。 今の世も、中国とは、いろいろありますが、まだ平和だと思える戦争のない今の日本に生まれたことを、感謝します。 村民と教団のいざこざが、だんだん大きくなり、義和団へとなりました。 義和団へ入れば、妖術で不死身になれるなんて、信じた村民たち。 主人公の張を中心に規模は大きくなっていきます。 それにつれて、戦いもどんどんエスカレートしていきます。 中国側から、見ているので、私たち日本人には、顔をそむけたくなるようなことも、あります。が、最後の最後に柴という日本人将校だけは、他の人とは、少し違っていた、という言葉に救われた気がしました。 | ||||
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何事にも、表と裏などいろいろな見方があり、決して一面的にみられるものではなく、多面的複合的に見ないととんでもない誤りを犯してしまいます。本書は義和団事件がどうして起こったのかを、義和団の内側から見た作品で、新鮮な刺激を与えてくれる作品で、ものの見方を広げてくれます。現在、世界各国で軍備増強が続けられている状況を、松岡さんは危惧されているのかもしれません。また、物語にエンターテイメントを与えるため、若い女性を登場させているのも、松岡さんらしいと感じました。 | ||||
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義和団の乱というと、極端に言えば“農民一揆の大きい奴”程度にしか知らなかった・思っていなかった。が、事情はかなり複雑だったようだ。 本書では、そんな歴史評価を改める勢いで、その真相に迫っている。 もちろん、歴史書ではないので真偽を議論するものではないけど、冒頭に「この小説は史実に基づく。登場人物は実在する」と明記しているところに著者の本気度を感じさせてくれる。 さらに、そんなややこしい時代の歴史物語だが、エンタテインメント作品としても楽しませてくれた。 全作「黄砂の籠城」を読んでいないので、早く読まねば。 | ||||
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最初のページに書かれている言葉が、この本の象徴をよく表しています。 国家として、そして自分たちの国の為に、どのように戦い、自国を想っていたか難解ながらも、強く描かれています。 浅田次郎さんの作品とは違った視点で、中国の近現代史を学ぶには、とても良書でした。 今まで、自分の知らなかった世界が判ったことと、このような歴史があることがとてもわかり また、世界観が広がりました。 | ||||
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義和団の乱を日本側、柴五郎の立場から見たのが「黄砂の籠城」、そして義和団内部、張徳成の立場から見たのが本作「黄砂の進撃」だ。なぜ民衆が蜂起したのか、なぜ軍隊と一緒に在外公館の密集する東交民巷を攻撃することになったのか、そしてなぜ清朝に裏切られる結末に至ったのか。日本人を攻撃する立場の主人公を日本人が書いた本。総集編として単行本で「義和団の乱」が刊行されたようなので、これから読んでみようと思う。 | ||||
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小説なので内容はともかく、驚いた、いや面白かったのは解説です。まだまだシナかぶれと言うか、70年以上前の史観に捕らわれているんですね。 | ||||
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張徳成という舟漕ぎ上がりの男を主人公として、「義和団事変」を「義和団」及び清政府・朝廷双方の内側から描いた作品。本作の特徴はイギリス、日本を含む諸外国の侵略と対比させた漢民族の矜持を描いている点であろう。現在の日中関係を考えれば、賛否両論を巻き起こしかねない危険な賭けだが、それだけに作者の情熱・信念が窺える。 もう1つの特徴は、当初、「西欧のキリスト教vs『義和団』の妖術」という対立構図を用いている点である。私は「義和団」が本当に妖術を(見掛け上の)武器として用いていたか否か知らないが、妖術では如何にも弱いと思っていた。ところが、読み進むに連れ、この妖術がある種のキーワードになっている点に気付いた(本作のヒロインは妖術使いを演じる若い女性)。即ち、「義和団」の大半の構成員は、妖術を盲信してしまう程に無学な民衆であって、徒手空拳の身で欧米の列強と闘う愛国心を持った人々だったという主張である(これにも賛否両論があろう)。この当時、共産主義という言葉・概念は清には無かったと思うが、この背景が張徳成の理想、「全ての人は平等であり、等しく教育を受ける権利がある」、に繋がっていると思うし、これが作者の信念なのだろう(現在の習近平政権を考えると複雑な心境だが)。作中では明記されていないが、「義和団事変」が後の「辛亥革命」の起爆剤になったと作者が考えている節がある。 本作(及び姉妹編)に柴五郎という武官が登場する(本作の追記では、会津藩出身のために後に要職に付けなかったとあるが、私の知る限り、後の陸軍大将)。本作のラストがこの柴五郎と生き残ったヒロインとの会話になっている点が、作者の深意であり、今後の日中関係のあるべき姿を示唆している様に映った。「義和団事変」の内情を描きながら、今後の日中関係のあるべき姿をも示唆した勇気ある力作だと思った。 | ||||
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義和団の乱を中国側の視点から描かれている。 著者の筆致は迫力があり、面白いけれども、進撃という言葉は気になった。 中国は指導者に恵まれず、勝ちきれなかった。 進撃とは言えない闘いだった。 | ||||
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黄砂の籠城を、義和団側から描く作品。 なぜ義和団が出来たのか、なぜ清朝が無謀な宣戦布告に至ったのか、よく分かる。現代のイスラム系テロリストと共通するところがあり、そこも納得できる。 義和団側の視点だから日本人は敵になってるが、まさかそこに脊髄反射を起こして憤る単純な読者はいないだろう。黄砂の籠城の方は、日本人すごい小説だー礼賛小説だーなどと脊髄反射してるのもいたが、それが間違いなのは本書でよりよく分かるはずである。ほんとは黄砂の籠城の方にも書いてあるのでよく読めば分かるのだが。 本書で感動的な結論となってる共産主義の芽吹きが、黄砂の籠城を読むと、本書で正体不明だった密偵の正体判明とともに、レーニン信奉者の過激思想が明かされる辺り、高度な皮肉でもある。栄禄のキャラも籠城と進撃で違っていたり、事態の解釈が異なったり、色々なことを教えてくれる本。 追記 上記の皮肉という言葉について、もう少し説明しておく。本書進撃では、共産主義的な理想が主人公の最終到達点として描かれてるが、黄砂の籠城を読むと、ナフカ二等兵の言動、主張、行為により、社会主義が倒されるべき悪と明示されている。すなわち共産主義は作者の理想でなく、あくまで義和団側を描く話での登場人物らの結論である。そのへん単行本の義和団の乱ではより明確になっている。 陸軍大将とは階級でしかなく、柴五郎の人生は閑職続きだった。北京籠城の功績からすれば不当な扱いである。 紅灯照の妖術は史実であり黄蓮聖母も実在した。 | ||||
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