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地下の鳩



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【この小説が収録されている参考書籍】
地下の鳩 (文春文庫)

地下の鳩の評価: 3.83/5点 レビュー 18件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.83pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全18件 1~18 1/1ページ
No.18:
(5pt)

地下の鳩たちの物語

大阪市内の夜の街が舞台です。
私は大阪市内出身なので、その情景が浮かび上がってきます。
あんまり夜の店には行ったことないですが、「ああ、こんな従業員、客いそうだな」って感じになります笑
幼い頃に影を持つ主人公たちが、夜の街で、淡々と、一生懸命に生きる物語。
お酒を飲みながら、仕事終わりにゆっくりしたい時に読むといいですね。
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No.17:
(3pt)

お笑いなし!?大阪の夜の街を綴る純文学作品

これまで西さんの作品というと、関西弁コテコテ+純文学、という印象でした。今回も舞台は大阪ですが、より純文学へシフトした印象を強く感じました。

・・・
本作は中編ともいえる「地下の鳩」「タイムカプセル」の二編からなります。

表題作「地下の鳩」は、昔はそこそこイケてた40男の吉田が、スナックでチーママを勤めるみさをと出逢い、破滅的に共依存していく話。

続く「タイムカプセル」は、奄美大島出身のオカマのミミィ(おかまバーのオーナー)が、彼(女)の半生を振り返りつつ、自己のジェンダーについて自身は正直であったかを振り返るような作品。

・・・
で、先にも書いたのですが、実に「文学だなあ」と感じたのです。ま、何を文学であるかと定義もしないでお話するのも申し訳ないのですが。

勝手な感覚でいうと、「読者に判断が任される」ような作品については、私はより一層「芸術」性、芸も術も感じます。換言すると、解釈の余地が適切に確保された作品。

、んなことを言うと、エンタメ的作品をバカにしとるんか、と怒られそうなのですが、飽くまで私の個人的な好み、であります。

・・・
「地下の鳩」は40にもなって未だに女性に対してはイキがった態度をとる吉田、彼を恋人未満なヒモとして住まわせるみさを。この二人が出会い、もつれてゆく情景が淡々と描かれます。今回は珍しく、オチもユーモアも殆ど見かけませんでした。

「タイムカプセル」も、オカマのリリィの回顧を経て、最後は小学卒業時のタイムカプセルを掘り起こし、自分が偽って書いた文章を確認してゆく話が淡々と描かれます。

どちらも結末・オチが用意されず、本当に、ふと、終わります。

とすると、読者はやはり「何なんだこれ?」って思うんじゃないでしょうかね。でも、こうやってオチの部分だけさっぱり切り落とし、そこまで上手にしっとり読ませるということでは秀逸であったと思います。

・・・
ちなみに、これまで西さんの作品は関西弁の多用の他、擬態語や擬音語の使い方に可憐さを感じていましたが、本作ではそうした擬態語・擬音語も見られませんでした。何かありました?西さん?

・・・
ということで久しぶりに西さんの作品でした(数えてみたら五カ月ぶり!)。

関西弁のアクの強さやユーモラスさが影を潜めているのですが、文学作品としては私がこれまで読んだ作品のなかでは一番完成度が高く感じました。

ストーリーの展開ではなく、文章の美しさを鑑賞することが好きな方にはお勧めできる作品です。

はたして皆さんは本作品、どのように読みましたでしょうか? 他人の感想・評論が気になる読後でありました。
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No.16:
(5pt)

名作です

手元に置いておいて、何度も読み返したい作品
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No.15:
(2pt)

大阪の水商売の話と勘違いして買った

ネタバレありまくりのレビューです。

うーん結論から言うとつまんなかったの一言。
最初1987年の心斎橋の描写があり心斎橋駅6番出口出て畳屋町だの三津寺だの笠屋町だのオスカル(文中ではオステル)が出てきてこの時代にミナミでホステスしていた私は懐かしさで嬉しくなりこれは良い本買ったぞと嬉しい気持ちで読み進めましたが、作者にホステス経験がないからなのか、これ以降はたいしたホステスの話はなく、もうつまんなくなってきて、オカマのムカデとかおしっかとか銀歯とかそういう言葉しか印象に残らずいつのまにやら1987年から携帯でメール打つ時代になってるもどこから時代変わってたのか読み返す気にもなれず飛ばし飛ばし読みすすめ結局なんの感動も余韻もなく一時間余りで読み終えた。
うーんつまんなかった。
この作者は何を書きたかったのだろう?
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No.14:
(4pt)

大坂の夜のいろんな顔

地下の鳩とタイムカプセルの二部構成。
吉田、みさを、ミミィ、と主なキャラが個性的で際立ってる。
中年になり人生にいろんなものを抱えつつ各個人の目線でみた他人を上手に描いてる。小さい頃のトラウマを引きずり苦悩してる人達の中でミミィが最後に答えを見つける。
最初地下の鳩を読んでなんかイマイチだなと思ったけどタイムカプセルを最後まで読んだら事件の詳細が分かりつながって良く纏まってると思った。
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No.13:
(4pt)

「タイムカプセル」が秀逸

LGBTや障碍者を主人公とした小説や映画で、主人公が芸術、料理、運動、対人対応等に超常的な才能を発揮するという「埋め合わせ」的設定が多いのに辟易としているときに、これを読みました。
 実によかった。ミミィに幸多かれと祈りたい読後感です。
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No.12:
(4pt)

過去を抱えて生きる人々、この物語はアラフォーにはきっと刺さる

それぞれの登場人物「吉田」「みさを」「ミミィ」それぞれ抱えてきた過去。その過去と付き合いながら今を生きている。自分自身長く生きてきていろいろな過去を持つアラフォー世代にはきっと刺さる小説です。辛くても苦しくても前に進まなくてはいけない。是非読んでほしい一冊。

 文章を読んでいると夜の世界に引き込まれる。リアリティが凄い。なんだか料理の匂いも漂ってきそうなくらいにリアリティある文章です。各登場人物の心理描写も心を握りつぶされそうな位切なさが伝わってきます。表現はストレートで読みやすいので是非たくさんの人に読んでほしい一冊。

オススメの方
1.アラフォーの方。
2.最近辛いことが多い方。
3.夜の世界に浸りたい方。
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No.11:
(4pt)

浪速恋時雨

『地下の鳩』泣きたいくらいに、良かった。ミナミの玄人ふたりの物語。多くの人にとって、人生はこうしたどうにもならない折り合いの連続体だと、鏡を見る気持ちです。傷つけ合い傷を舐め合い、そうしてなんとか生きていくふたり。色事の裏社会に身を置く男女が寄り添う、案外どうして浪速な一作でした。2作目は「虐め」の及ぼす強烈なトラウマが、リアルに伝わる一作。現在の暮らしや仕事に救われたり救われなかったりを蛇行する秀逸な作品。深淵かつ読み応えしかありませんでしたが、ストーリーがダラダラに感じていささか長かった。もうちょっと早めに終わらせて?
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No.10:
(3pt)

味はあるが、感動とまではいかない

大阪はミナミの繁華街で、夜の仕事を営む人々が主役の二作品。

タイトル作は四十過ぎの自称イケてる男の悲哀が描かれている。過去が輝かしかっただけに、色褪せていくことが耐えられない。夜の街にぴったりの、にっちもさっちもいかない閉塞感を感じてしまった。痛々しいね。

「タイムカプセル」はオカマの巨漢ママのこれまた物悲しい話。感情が沸騰するシーンは、ちょっと痛快だ。

二つの物語はうっすらと関連していて、交差するシーンでは、あぁ、そういう事と思ったりなどする。味はあるが、感動とまではいかない。
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No.9:
(2pt)

うーん。

仄暗い感じは好きですが、呼び込みの吉田もチーママのみさをのどちらも
共感できる部分が全くなかったのであまり面白いとは思えなかったです。

横道に逸れますが新日本プロレスファンだけあって、プロレスラーの名前が
ちょこちょこ出てきて西先生のプロレス愛が伝わってほのぼのしました。
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No.8:
(5pt)

四十四歳

まさに。わたくし、四十四歳です。西加奈子さん。四十四歳の方が身近にいらっしゃったのでしょうか?四十四歳は、江戸時代だったらとっくに死んでいますよね。私も思います。身体ががたがたきてきます。泣けます。すぐ泣いちゃいます。なのに、私は四十一歳で、出産しました。子育て全力でしてます。子供は、可愛い。こんな不安定な国になるとは思わなかったわぁの時代。強く生きているのは、実は三歳の娘かもと思う程のパワーですよ。…江戸時代ではあり得ない。四十代出産!さて。大阪の南のお話。全く行方知れずの学生時代の友人は、北でバイトしていました。私は…何故か料亭のお運びの(今も生き残っているチェーン店です。)面接に行ったら、当時若社長が、゛あ、君はこっちに行ってくれますか?゛゛はい。゛行きましたなら、祇園の西加奈子さんメッタ斬りのバブルバブルした、お高いラウンジ(当時)でした。もう、バブル弾けていてお姐さん達は、元レースクィーンとか、モデルさんとか、何で私がここにいなきゃならないのだろう?と、思う程の華やかさでした。勿論、潰れました。高いし、お客さんも、高いから。(⁉)大阪南と祇園の違いっぷりは、凄まじいです。いや、祇園が。当時の祇園の京魂がさっぱり判らなかったですね。南の人間臭い人達の方が、やはり哀しみを含め私の心に響きます。バブル期世代なんですかね?四十四歳。全然経験ないですが、みんな浮かれている雰囲気が大嫌いでした。学生は、みんな私と同じく貧乏でしたよ。ミミィさんみたいなオカマさんの居るバーへ連れていっていただいた事があります。お姐さん。綺麗過ぎてびっくりしました。ショーは、えげつなかったです。ミミィさんは、凄く皮肉屋さん。凄まじいいじめ。私は田舎者なので、まだ地元の小学校、中学校は、先生が幅を効かせていましたが…吉田さんは、自信家が容姿からくるんですね。居ますね。あぁ、居ます居ます。でも、色々経験して、此処までくると…兎に角生きてこれたんだから、失うばかりの人生だけれど、まず生きていこう。1日1日頑張ろう。としか思えなくなります。
そういった小説の中の人々から、私はそんなメッセージを頂きました。西加奈子さんは、私より、六歳下ですが、何と言いますか、良く見てはりますなぁ。
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No.7:
(4pt)

感想と勧め

夜の街 哀愁漂う人々にスポットライトが当たっている。人のなんでそんなことでとか、本当にどうしようもないなあとか色々思う。
面白いよ。
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No.6:
(1pt)

期待しすぎた

知人に勧められて読んでみたんですが、私の好きな系統ではなく・・・・残念でした。
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No.5:
(4pt)

すごく引き込まれる圧倒的な世界観

「ふる」のふんわりぽかぽか不可思議ながらも心温まる作品が気に入り、著者のこちらの作品を読んでみました。

好みは「ふる」ですけれど、こちらの「地下の鳩」そしてそのアナザーストーリーにあたる「タイムカプセル」のほうが作品としては暗いのですが重厚で、すごくよいです。
最初は男性「吉田」の立場から描かれているところと、水商売などの夜の街を舞台にしていることで、私の中では苦手意識があったのですが、その後女性「みさを」の立場と交互に描かれ、あれよあれよという間に読破してしまいました。
中年でもピュアに恋をしていくところや人間のいやな部分の表現をすごくうまく描いてあり、とても共感できました。
ただ、みさをの過食症とも思える行為は、表現は巧みで、納得できる部分もあるのですが、行為自体が苦手だからかつらくてちょっと受け入れられなかったです。
「地下の鳩」を読んでいるからこそかもしれませんが、「タイムカプセル」のほうがずっと心にしみる作品でした。
いじめについてのテーマで、こちらも人間の心の内外を巧みに描かれていて、読んでいて心が痛いくらいでした。

とにかく、重いのですが、すごく引き込まれてしまう作品で、本当に素晴らしいと思いました。
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No.4:
(4pt)

大阪、ミナミ。はみ出しものたちの光

1『地下の鳩』(長編)、2『タイムカプセル』(中編)の二編収録。

1 キャバレーの呼び込み吉田(40歳)とチーママみさを(29歳)の物語。
2 1で脇役として登場するオカマバーのママミミィ(44歳)の物語。

はみ出したいわけじゃないけどはみ出しちゃって。
生きるのは苦しいけどそれでもなんとか真面目に生きていて。
著者はそんな彼らの内なる小さな光を、べつに過大評価するでもなく、ま、光ってるんやしって感じで見せてくれます。

いいよな、人の光を見るって。
いいよな、人が人をこういうふうに見てるって。
だからって苦しさが減るわけじゃないけど。いいよな。
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No.3:
(5pt)

とてもいい。すごくいい。じわっとくる。

テレビで誰かがほめていたので、読んでみました。
「地下の鳩」の方は、吉田とみさをの人生や、二人の心のすれ違い方がじわっとしんみりきた。
純文学っていうのかはわからないけど。
だけど、むしろ僕が読んで良かったと思うのは、「タイムカプセル」の方。
いじめのトラウマ(この言葉も、表現する言葉ができてしまったがために一言でかたづけられるようになってしまった、罪な言葉だと思うが)が2人の人間の人生にどのように影響したのか、ちょうど今、大津の自殺の件が話題になっていることもあり、考えさせられた。
少なくとも僕の周りではここまで陰湿ないじめはなく(気がつかなかっただけかもしれないが)、校内暴力で荒れていたという方が大きかったので、あまりピンとこない部分はあるけど、いじめに限らず、ガキの頃の軽はずみにやったことが、その後どういう傷跡を残すのか、丁寧に書かれていたと思う。
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No.2:
(5pt)

わすれられない作品

初めて著者の作品を読んだのがこの作品だが芥川賞を獲ってもいいのではないか、と思える位の作品(本人は賞なんて獲ろうと獲らないと関係ないとは思うが)だと思いました。

登場人物(ミミィ・吉田・みさを)等,皆好きです。魅力的です。あと作品に大阪の食べ物が出てくるのですが読んでいて食べたくなりました。それから「昔、苛められた人はその後もずっとそれを引きずって生きていかなといけないのですか」と言うような科白がありました。これが胸に残った。そうなんでしょうね、・・思い出して反省してます。 すみません。
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No.1:
(5pt)

面白かったです。

テレビでオススメしてたので読んでみました。
大阪の人情溢れる話なのかと思ったら
かなり人間の内面を描いた内容でした。
地下の鳩 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:地下の鳩 (文春文庫)より
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