■スポンサードリンク


きりこについて



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
きりこについて
きりこについて (角川文庫)

きりこについての評価: 4.11/5点 レビュー 55件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.11pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全44件 41~44 3/3ページ
<<123
No.4:
(4pt)

軽さがむしろ愉しめる...すべては猫

これほど執拗にブス、ブスと繰り返す小説をはじめて読みました。
前半、主人公の少女のブス加減がこれでもかとばかりに繰り返されます。

そもそもブスとは なに?
人間の容れものと中身。
人にとっての美醜とは。
その人がその人としてある存在の意味...などなど
扱っているテーマは普遍で正直でまぁ重いのですが
このままだとさすがに嫌になるこのダメ押しのしつこさに
『猫の視点』を挟むことで絶妙なバランスをとっています。

テーマの重さが読者に正面切ってぶつかるのをうまくかわしている。
このあたりが作者のセンスでしょう。
ちよっとズルイやり方ですが(笑)
最後が気持ち駆け足になったのが残念ですが
黒猫ラムセス2世の独白、とくに猫的大阪弁は上等です。

山田詠美 「蝶々の纏足」
木地雅映子「氷の海のガレオン」
という少女期を描いての名作、私の中でのベストですが
そのどちらにもないカラリとした読後が魅力です。
きりこについて (角川文庫)Amazon書評・レビュー:きりこについて (角川文庫)より
4043944810
No.3:
(5pt)

大人のための残酷童話

カヴァーが子供っぽいので,誤解されても無理ないことだが,これは大人向けのファンタジーであってヤング向けではない.優しい心を醜悪な外貌に包んだ きりこ という名の女性の幼い頃からAVビデオ製作会社の副社長時代に至る成長 ( ? ) を,お互い言葉が分り合うと思い込んでいる超知性的な黒い雄猫 ラムセス2世 が描いた,という残酷で皮肉な (これが著者の持ち味なのだが) 物語なのである.最初は きりこ が余りといえば余りの無残でページが進まないが,優しさが表に出てくる頃は著者の意図も納得できるようになり,変った趣向のコメディーファンタジーが楽しめるようになる.全く奇想天外な発想で,テヘラン生まれエジプト育ちはさすがだ,と感服する.これほど途中が苦く,かつ後味のよい物語は,あまり経験がない.読んでよかった.
きりこについて (角川文庫)Amazon書評・レビュー:きりこについて (角川文庫)より
4043944810
No.2:
(5pt)

本当に自分とは

きりこはブスな女の子。
両親の深い愛情に恵まれて
自分がとっても可愛いと思い中学まで過ごすが、
好きだった男の子に言われた『ブス』の一言から
次第に引きこもっていく。
が、ある事件をきっかけにきりこは少しずつ本当の自分を
認めていく。

きりこが拾ってきた猫、ラムセス'U世の目を通して
描かれるこの作品。
単なるブスの女の子の物語かと思いきや、
そうでないのが西さんらしい。

容れ物である自分の外見と
本当の自分である中身。
どちらも本当の自分で
どちらも大切にしなきゃね、というメッセージが
強く込められているような気がする。

自分の好きなように生きることは
結局自分を一番大切にしていること、
周りの目を気にしながら生きることは
本当の自分をないがしろにしていることなんではないか、と
そうか、そうだよなぁ、と
感心させられた。

人はやっぱりどうしても外見に目が行っちゃうものだけど、
ちゃんと中身も全部ひっくるめて
人を見なくちゃ、いけませんね。
きりこについて (角川文庫)Amazon書評・レビュー:きりこについて (角川文庫)より
4043944810
No.1:
(5pt)

相対性理論猫視点

人間の悩みを賢いしゃべれる猫が違う価値観で励ましてくれる話。ひょっとすると猫はしゃべれないだけで、冷ややかなあの視線は本当に人間を見下しているのかも。
きりこについて (角川文庫)Amazon書評・レビュー:きりこについて (角川文庫)より
4043944810

スポンサードリンク

  



<<123
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!