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きりこについて
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きりこについての評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.11pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全44件 1~20 1/3ページ
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まだ読んでいませんが、デザインに惹かれて購入しました。 | ||||
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よい | ||||
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小説『きりこについて』(西加奈子著、角川文庫)は、「きりこは、ぶすである」という衝撃的な一文で始まります。「とにかくランダムに、出来るだけまばらに、色んな人を集めて、その人たち皆にきりこを見てもらい、『どうか正直に言ってほしい』とお願いしたら、きっと九十七人、いや九十八人、もうちょっと頑張って九十九人、こうなったらやけくそで百人! は、『ぶすである』と、言うだろう」。 ある日、突然、自分が不美人であることに気づかされたきりこと、人間の言葉を話すことのできる、きりこの愛猫・ラムセス2世の物語です。 「きりこは二年間ほど、鏡を見つめ続けた」。 「『人間より、猫のほうがええ』。数年経って、改めてこのことを痛感したきりこは、猫のように、夜行動して、昼間は眠っているようになった。当然学校には行けなかったし、そのまま、高校にも、行かなかった」。 「きりこは十七歳になったが、一時的な拒食症の反動で、今度は過食症になっていた。・・・高校に行かなくてもいい。お嫁に行きたくないのなら、行かなくてもいい。そして、起きているのが辛い『何か』があるのなら、眠っていればいい。起きている間、笑っていてくれれば、それでいいのだ。パァパは昇進したばかりだし、マァマはパート先のスーパーで信頼されていた。大丈夫、大丈夫。ふたりは自分にそう言い聞かせ、きりこの眠るさまを、いつまでも見守った」。 18歳になったきりこは、レイプされたと公に告発する3歳年上のちせちゃんの力になりたいと、4年ぶりに日の射す外に出ます。「必死であった。数年会っていなかったちせちゃんの胸の痛みが、きりこには分かる気がした。男の子と性交さえしたことのないきりこであったが、ちせちゃんが傷ついている、というそれだけで、十分だった」。 「きりことちせちゃんがしたことは、ちせちゃんと同じような体験をした女性たちのための団体に、相談に行くことであった」。 「きりこはニ十歳になったこの頃も処女であったが、(AV女優の)ちせちゃんのビデオのおかげで、男女の体の仕組みについて、体育館で教わったときの六万倍ほどの知識を身につけていた。ちせちゃんのビデオのスタッフたちも、たまにスタジオにやってくる、黒猫を抱いた、お姫様のようなドレスを着たきりこの存在に、一目置くようになっていた」。 「有限会社ラムセスは、百戦錬磨の元女優の社長と、処女の副社長と、一度強姦されただけで後、性交の経験のない経理という、アダルトビデオ業界の会社としてはいささか変わった組織になった。ラムセス2世は、『性交の回数を三人合わせると、ちょうどいいかもしれませんね』と言った。きりこも、それに賛成した」。 | ||||
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相変わらずの西ワールド。テンポよい関西弁で独自の世界観が展開されます。猫、兼、語り部たるラムセス2世もいい味を出しています。 ・・・ ネタバレで申し訳ないのですが(でもこれを語らないと何も伝わらないのですが)、本作のクライマックスはきりこの「ぶす」の克服、だと思います。 外見と内面とは、恋愛等で人を評価する際に常に議論される二面でありますが、どちらかではなく、どちらも自己であります。きりこに限らず「フツー」に見える人だって、若いうちは自身の外見を受け入れるということが難しいかもしれません。 いわんや「ぶす」であるきりこが自分の「ぶす」性を自覚しショックを受けながらも素直に受け入れ、その上で自分の内面に焦点をあてて自己理解を進めるというのは、ありふれた筋ながらきりこを魅力的に映し出しています。人は外見(だけ)じゃない、それだけで判断すんじゃねえ、と。 ・・・ でも、本作でひときわ印象的なのは、そんなきりこですら、やはり外見にとらわれていたことが明らかになるシーンではないでしょうか。成人した後に、初恋のこうた君と再会し、何か以前のこうた君と違うな、前の方が良かったなと思い、ふときりこ自身も彼の外見しか見ていなかったことに気づくくだりです。 「ぶす」という外面へのレッテルの被害者であるきりこ自身も、外見の偏見から逃れられていなかった。でも、そのことに気づいたという点に、人間の成長と希望を感じました。 余談ですが、私の個人的な成長実感は、たいてい自己客観化と自己認知による気づきの直後であると感じています。だからか、自己認知を経て、一段「メタ」の視点を得て成長するきりこに、感情移入してしまったのかもしれません・・・。よく客観化できた、でかした!、って笑 ・・・ あと、本作の語り部たるラムセス2世。こういうヘンテコなポジションをポンと、実に自然においてしまうのが、西さんのすごさか。 ナレーションをつかさどる天の声のようなポジションでありながら、ちょいちょい自己を出してしまう、この猫。実は猫って、未来も過去もすべてがわかっているらしいですよ(作中の設定)。ただどうして分かるのかは分からないそう(賢いのかアホなのか分かりませんね)。 ・・・ ということで、私のお気に入り、西さんの作品でした。 外見・内面という人間の二面をどう受け入れるかという話を、関西弁でユーモラスに彩る作品であったとおもいます。全体ひっくるめると自己陶冶・成長物語でもありました。 作品の展開が一つの集合住宅からであり、そこに集う多くの人たち(AV女優になっちゃう人、新興宗教にはまっちゃう人、DVをやっちゃう人等)を貴賤や価値判断を含まずフラットに描いている点にも好感が持てましたね。 また、ちせちゃんのキャラ設定も要注意。セックス好きであっても同意のないセックスはレイプであるという性交渉の同意について示唆は、特に若い子は真剣に考えるべきトピックであると思いました。 本作、やや刺激的ながら中高生にもおすすめできると思います。また、関西弁のノリが好きなかた、猫好きにもおすすめできると思います。 | ||||
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大好きな小説です。 | ||||
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女性はキリコの感じた思いをみんな抱きながら 生きていると思う。 その思いは歳を重ねて強くなり自分自身でいたいと いう思いを損なっていく。 キリコのように生きたいと思うけれど日本の社会が その実現を阻みそう思っている自分自身が心の目を 閉じようとしてるのだと読書後思い深い読書感を えれた。 | ||||
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ジョン・アーヴィングの小説を読んでるみたいでした。 私は猫好きではないけど、猫の世界はこんなに豊かで面白いのかと思ったら、世界に厚みが出たような気がします。 | ||||
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白玉の下りで笑った。大好きなシーン。 | ||||
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面白かった。家族にも回し読みしたくらい。 なかなか良い話でした。 | ||||
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「きりこは、ぶすである」。 強烈な一文から始まるこの小説、かなり終盤まで「ぶす、ぶす」を連発しながら、主人公「きりこ」が美醜問題からくる差別に喘ぎ、自己と向き合い、「かけがえのない自分」を取り戻し、やがて本質を見極められる心豊かな人間へと成長していく様を、愛猫ラムセス2世の愛情あふれる眼差しと共に物語っている。 きりこは、客観的に見て゛絶望的なくらいぶす”なのだが、両親から「可愛い、可愛い」と言われ続けて育ってきたため、自分を世界一可愛いと信じ込んでいる。 それと同時に、彼女は周りの「可愛い女の子たち」を美醜ではなく各々の特性や人柄などで”認識”し、ある意味フェアな関係性を築いている(きりこが世界の中心という前提付きの、かなり偏った平等性ではあるけれど)。 それなのに、目の前にいる相手、置かれている状況、相手が人間か動物か...等によって、「皇女様」のように敬われていたかと思えば一転、「ぶす、ぶす」と罵られ、やがて存在そのものが忘れ去られてしまったりするのである。未熟で幼いクラスメート達はその成長過程で変化する彼らなりの価値観により、残酷なまでにきりこを翻弄し追い詰める。 でも、きりこ自身は何も変わっていない。 いつだって「きりこはきりこ」なのだ。 「ぶす」とはどういうものであるか分からない、と鏡に映る自分に向かって本気で呟くきりこに感動を覚える。 そして、思う。 「きりこがきりこである」のと同様、「私は私」なのだ。 この小説の読後感は”ひたすら爽快”に尽きる。 今、誰かに「お前、ホンマぶすやな」と言われても、「ぶすって何ですかぁ~?」とさらっと返せる気がする。 | ||||
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様々な問題に鋭く切り込みつつも……猫が中和して癒す名作です(^-^*)/ 自身が世間的にはブスと一切気付かずに、ありのままのリーダーシップで生きてきたきりこが、中学生時代にブスと気付き、美醜について悩み引きこもりながらも、最終的に『人は、外見だけでも中身だけでもなく、両方の全てが自分自身』と、ありのままに生きていく姿は見事でしたし、 関西弁を話す黒猫ラムセス2世は知的でありながらもユーモラスで可愛いらしく、 彼の存在が、作品で描かれる大きな問題の深刻さを見事に中和してくれて、反対派や中立派の方にも、読みやすい作りにはなってる点が素晴らしいです。 さて、今作品で描かれる大きな問題とは、僕自身も同じ被害者の自殺を防ぐ活動を行ない、深く知っている『性犯罪』の問題です。 性犯罪とは、どんな状態・どんな状況であれ、女性が望まない・拒否をしたら、一切性行為は許されないし犯罪となるものです。 ところが作中では、被害者が出会い系サイトで知り合った男性と二人きりになり、性行為を拒んだのに無理矢理性行為をされ、『強姦された』と訴えても、 警察・友人・知人・家族の全てから、 『出会い系を利用をした貴女の自業自得。露出の多い服装をしている貴女の自業自得』と、認めてもらえません。 そんなふうに全てから裏切られて苦しむ被害者を、きりこと黒猫ラムセス2世が救うのですが、 様々な性犯罪の状況を知り得る僕としても、彼女たちと同じく、 『出会い系サイトで出会ったとしても、露出の多い服装だったとしても、女性が望まない・拒否しているのに無理矢理性行為するのは、全て犯罪であり許されない』事だと感じます! 悪いのは全て、女性が望まない・拒否しているのに性犯罪した加害者であり、 被害に遭われた方は一切悪くありません! ちなみに作中では書かれていませんが、 性犯罪者の中には、露出の多い女性に欲情して性犯罪する輩もいますが、逆に『露出の多い=派手な女性は抵抗されそうだから嫌。自分が支配しやすい・抵抗されにくい地味な服装の女性を襲う』性犯罪者もたくさんいます。 同様に、『被害に遭ったと言われても信じられにくいし支配しやすいから、外見が醜いと感じる女性・高齢な女性を襲う』性犯罪者もたくさんいます。 よって、『出会い系サイトを利用しなければ被害に遭わないわけではありません』し、 『露出の多い服装をしてるから被害に遭いやすい』わけでもなく『露出の多い服装をしなければ被害に遭わないわけでもありません』 そんな性犯罪の大きな問題を、きちんと書きつつも、黒猫ラムセス2世の可愛いさとユーモラスさが見事に中和し、癒されつつも読みやすい点が素晴らしい名作です! 性犯罪の正しい認識や現状を少しでも多くの方に知ってもらいたい僕としては、是非読んで頂きたいと願うばかりです! | ||||
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自分は可愛いと思っていたら、小5でぶすだと気付かされた、きりこ。本人と周りの勘違いで、それまでリーダーシップをとっていたきりこだが、長づるに従って人気者からどん底人生へまっしぐら。 ここまでか!と思うほどの”ぶす”描写は、迫力満点。なるほどと納得せざるを得ない。 親友、天才猫のラムセス二世との交流が笑えてしまう。 ついに引きこもりとなったきりこ。ひとつの出会いから人生の転機を迎える。長じたきりこが色々学んじゃう人生の教科書的な作品だ。 前半の飛ばし気味の笑いは失速するものの愉しく読ませていただいた。 | ||||
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表現が面白くて何度もくすりと笑える。 猫と女の子に対して愛情たっぷりの本。 買って良かったー。 | ||||
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勇気をもらえるタイプです。きりこは舞台の主人公と真逆の女の子。ブスなのに人目を気にせずフリフリの服で貫くカッコイイ子の話 | ||||
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物語の前半はきりこの奇妙ながらも輝かしい子供時代の物語で 自分の小学生時代を思い出したような気になりながら楽しく読めます。 そしてある事件を境に世界は一転。 このあらすじを承知で、いつかこの日がくると知りながら読んでいた身であっても、 それ以降の日々の描写は心のつまるものがありました。 でも最後まで読んで大人になったきりこのたどり着いた考えの、 その一文触れられただけでとても読んだ価値のある小説になりました。 共感できるリアルな男女の価値の力関係、容姿に対するプレッシャーが描かれているため、 自分は今どうだろうか?どんな価値観で生きているだろうか? きりこのようなことができているだろうか?と思ってしまいました。 面白いのでおすすめです。 容姿がいい人にも悪い人にも、全ての悩んでいる人たちへ。 | ||||
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この作品の主人公の女の子、ブスなきりこ、インパクトありますねぇ。こういうキャラクターを主人公にして作品を書ける西加奈子さんは凄いですね。今回の作品のテーマは、美人とブスの基準は曖昧、人と猫では大違いだし、そもそも、人の価値は外見ではなく、中身ってこと。正解かどうかは不明ですが、そんな印象を受けた大変興味深い作品でした。 | ||||
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ぶす、な主人公きりこが、ぶすであることに気付き、ひきこもり、そして発見した真理。 人は外見じゃない、といっても現実は厳しい。美人と比較され傷ついたこともあれば、自分だって外見で人のことを見ていたりする。 この「外見か中身か問題」に対する最上級の答えをきりこは示してくれる。 それだけではない。きりこの優しさに注目してほしい。 きりこは人の気持ちに敏感で、傷ついた人まるごと包み込んで認めることができる愛情深い子だ。 近所に住むちえちゃんはセックスが好きで出会い系サイトを利用する女の子。ところが、強姦にあってしまう。周りは「そら、あんたが悪いわ」という反応をするけど、それはやっぱり違う。それがわからない人、この本を読んでほしい。この女の子の感じる純粋な怒りを、もっとみんなにわかって欲しい。男性にも、女性にも。 このほかにも、女性が社会に感じるもやもやした悩みをうまく言葉にしてくれていて、「ああ、そうやねん、こういうこと、あるよなぁ。めっちゃむかつくねんなぁ。。。」と共感できる。諦めないでって励ましてくれてる気がする。 元気が出る本。 全体的には、ねこが語り手で、かなり軽く読めます。サラサラっと読めるのに、本質をズバッと突く文章は流石です。 | ||||
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猫が嫌いな人は読まなくてよいと思います、私は好きなので「その通りだ」とラムセス2世に賛同しながら読みきりました。 | ||||
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新品同様のきれいな状態でした。毎日通勤電車で読んでます。 今までに読んだことの無い文章表現がおもしろい。 | ||||
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西加奈子さんの作品、読みたかったのになかなか読めず、 この本をやっと初めて読みました。 大阪で育ったんですが、自分の少女時代と重ねてしまいました。 親に可愛い、と私は言われたことがなかったので男友達に何度、ブス、って言われても傷つかなかったところは違いますけれど。 3歳のときに母親と歩いてると近所の人に顔をマジマジと見られ、 「お父さんに似てしまいはったんやねえ」と残念そうに言われたことを思い出しましました笑。 ゆうたら漫画家になった女の子(名前忘れた)みたいな人生送ってますけど、本の中で唯一、幸せになれてない人物のような、、笑 とにかく、泣ける作品でした。 男の人が、できる女の人を僻むところがすごく共感できました。 いまそのことでちょうど悩んでたので、 心に響きました。 猫のよくわからん大阪弁が逸品でした。 これからも西さんの作品、読もうと思いました。 | ||||
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