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君と夏と、約束と。
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君と夏と、約束と。の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.29pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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青春のアフターのパクリですね。著者は小説家になろうというサイトで他所様のネタをパクりまくっている人なので、皆さまご注意ください。 | ||||
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GA文庫の新人作家っていわゆる「ラノベっぽいラノベ」が多いので、 プロットを聞いた時は 「ファミ通ネクストとか講談社ラノベの白背表紙みたいな文芸路線をGAもやるんか」と思ってた。 実際読み始めたら主人公はライトノベルには珍しく講義サボって居酒屋のバイトに現を抜かしている大学生で 絡んでくるサブヒロインも女子大生という事で「うん、確かにライト文芸調だな」と思った…思ったのだけど… 中学二年の時に主人公・ヒナタの告白を受け入れ、その直後に姿を消したヒロイン葉月と 7年ぶりの再会、それもセーラー服姿で7年前とまったく変わらない姿の葉月と再会してからの展開ときたらどうか! 一人暮らしの大学生が自分の部屋に女子中学生を連れ込んで嬉し恥ずかしの二人暮らし開始! なんという「幼な妻」感!なんという条例スレスレ感! 最近のGAはこの手の路線狙い過ぎ! 「りゅうおうのおしごと!」は愛弟子あいやJS研で誤魔化されているけど姉弟子も女子中学生だから完全にアウト。 「29とJK」に至ってはタイトルからしてレッツゴー淫行条例だし。 ……おっと、話が逸れてしまったのでレビューに戻る事にしよう。 面白い事にこの作品、ヒナタと葉月の両視点が入れ代わりながら描かれている。 そして話が進むにつれてどうにも両者の語る「過去」に食い違いが生じている事が読者に伝わってくる仕掛けになっている。 序盤はどちらかが(たぶん葉月が)「信頼できない語り手」では無いのか、と思ったのだけど 7年後にタイムスリップしてきたと思しい葉月がヒナタに頼んで自宅に帰ろうと帰郷した事で 二人の記憶している「過去」が完全に食い違っている事が発覚、 かつての恋人と思っていた相手に「あなたは誰?」という疑問が生じるまでの流れは、 食い違いを少しずつ読者に伝えていく溜めの部分が効いている事で非常にスリリング。 ただ、そこから先の「相手がパラレルワールドの人物であっても好きだと思う気持ちに変わりはない」という テーマが明確化されてからの流れがちょっと付いて行き辛い。 元の世界に戻らなくてはならない運命を抱えている事を知ったヒナタと葉月が涙を流しながら 自分の想いに向き合う流れは本来であれば「感動」する場面なのかもしれない。 けど「感動」はそこに至るまでの「経緯」を、「登場人物の背負った過去」を読者が把握しているからこそ湧く感情なのでは? ぶっちゃけ、この作品登場人物の背景となる過去を「描写」せずに「説明」してしまっているのである。 本作はヒナタと葉月、そしてヒナタのバイト先の後輩店員・喜野の三人だけが登場する非常にシンプルな配役となっている。 このこと自体はキャラを出し過ぎて掘り下げが出来なくなる作品に比べれば遥かにマシなのだが、 その三人の背景をちっとも「ドラマ」として描写せず「こういう過去があった」という説明で済ませているのである。 三人目の人物・喜野がヒナタと葉月の関係に割って入ってくるのだけど、 その喜野がタイムスリッパーである事が明かされたり、自分が元々いた時代に戻らない理由を語るのは良い。 葉月と再会して変化したヒナタに惹かれるのも、まあ良いだろう。 けど、その抱えている背景もまた「説明」で済まされているのである。 ヒナタは小学5年の時に転校してきた葉月に恋い焦がれ(どういう風にアプローチした?どう関係を深めていった?…明かされない) 葉月を失った後(どう失ったのか?周り人間の反応は?その後の変化は?……何も語られない) 人間関係に臆病になった(周りの人間とどう付き合ってきたの?具体的に憶病な姿勢って?…語られない) 喜野は数年前に記憶が混乱した状態で拾われた(具体的にどういう状態?その後保護者である店長夫婦に拾われるまでの流れは?) ヒナタと出会ったときは暗い性格だった(どういう出会い?そこからどういう風にして変わったの?本来の性格との落差は?) 元の世界に戻らないのは愛の無い家族との関係が原因(家族にどんな仕打ちを受けたの?感じた周りとのズレって?…何も描写されない) 要するに「このキャラクターはこういう問題を抱えているからこういう行動を取るんですよ」と 読者に理解を促す部分をドラマとして描かずに、全て必要最低限の説明 …いや、必要な部分も描かれていない説明不足のまま済ませて「再会したから感動してくださいねー」と 読者に振ってくるのである……「よく知らない人」が感動の再会を果たした場面を見せられても 読者としては「あ、そうですか、よかったですね(棒読み)」以外のどういう反応を示せというのだろう? ヒナタや喜野が無気力だった過去や人を愛せないまま過ごしてきた過去から抜け出して 人間的成長を遂げた、と訴えかけたいのかもしれないが成長する前の「元の状態」の描写がおざなりでは 「ふーん、成長されたんですね、立派ですね(シラケ)」以外の反応をどうやって返せって言うんだろうか? 「感動」を売りにするのは良いが、その感動という感情がどうやって読者の内に産み出されると作者は考えたんだろうか? どうにもこうにも「感動」が上滑りしている感が否めない。 この上滑りしまくった話も一応はヒナタと葉月の関係、喜野とヒナタの関係に一定の形を作って締めくくられるので 「キャラの掘り下げはえらく物足りないが、一応まとまった話」として認めようと思ったんだが… ……最後のエピローグ、これは何? 完全に蛇足じゃん。というか本編のラストで出来上がった関係が全ておジャンになってるじゃん。 要するに本編が曲がりなりにも辿り着いたオチを台無しにしているじゃないか! 何なの、この「取って付けた感」がモリモリなエピローグ。 本当に投稿時にこんなエピローグがあったの? 出版に当たって「読者が勘当しそうなオチを付けておくズラ」としょうもない入れ知恵でもされたのか? …序盤のほのぼのしたラブコメシーンの雰囲気や「人を好きになるという感情」というテーマは悪くなかったけど、 登場人物の背景を不足もいい所の「説明」で済ませた事による「感動」の上滑り感や どうにも蛇足としか言いようが無いエピローグによるぶち壊し感が足を引っ張りまくり。 最近各レーベルで流行りの文芸路線に手を出したのは良いけど、安易に手を出すもんじゃないな、という印象。 | ||||
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