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バイ貝
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バイ貝の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.25pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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日常の中で 非日常な気持ちが面白いです。 | ||||
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本文に,以下のようにある. そう.私は刑務所に入り,官費で生活をする訳ではなかった. 私は自分でカネを稼ぎ,自分で生活をしていかなければならないのだった. カネを稼いで鬱を溜め,その鬱を散ずる為にカネを遣い,ハッピーと鬱を細かく調整しながら, なんとかやっていかなければならないのだ. さて,そんな私は,自分の快,不快を,カネの嵩に換算して, 増えた,減ったとわちゃわちゃするのだが, その過程で,読者は笑い,時に俺のことかしらと訝り, そして社会のあり方に異議を申したくもなるのだけれど如何ともし難く, 作中の私がようやっとたどり着いた境地に 一服の清涼を得る. あと,スポーツに興味が持てないひとっているよね. それは,色んな理由があるんだろうけど, 本書を読んで,あっ,こんな感じでスポーツ見てる, これが理由で無関心なのだなと得心した. 惜しむらくは,バイ貝(売買)とあるのだから 買うのみでなく売る方も書いて欲しかった. 本書の場合,主人公はyowai50になろうかという小説家なので 若い編集者とのやり取りとか,売るエピソードも欲しかった. それにより本書に希薄な他者との関わりが描けたと思う. 本書は珍しく,解説から読んで楽しめた一冊. 町田康ファンには,既視感のある表現が散見されるも 夫婦茶碗以来,久々に声を出して笑った一冊. | ||||
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カネを稼ぐのは辛く苦しく、カネを遣うのは楽しくて気色がよい。 あまりに多く鬱があるようであれば一定程度カネを遣い、その鬱を散じておく必要がある。 と考えて「鎌」を買った。 という具合に、「鎌」の購入から始まる本書、その後「宝くじ」「鉄の中華鍋」「カメラ」の購入へと発展していくのだけれど、そこはまさしく予想どおり、一時は減じるかとみえた鬱も最終的には増加の一途。 特に「中華鍋」ではかなりの奮闘ぶりをみせる(焼きめしの調理場面では、実際焼きめしが食べたくなる具合の良い描写です)だけに、思惑通りに行かず物事を中途半端に終わらせたがための脱力感。 しかしながら、のどが渇き、目が充血し、唇が震え、手も震え、足もガクガクし、胃がキリキリと痛み、脂汗が流れ、フケが大量に出る、みたいな価格のカメラを購入するあたりからなにやら突き抜けた感が出てきます。 本書は、この主人公の非常に小さな世界における「悩みとふっきり、そしてまた悩み」のスパイラルを楽しめるかどうか、という作品で、そこそこ面白いですが「告白」や「宿屋めぐり」のようなずしりとした読み応えはありません。 でも本書には続きがあるみたいですね。そちらに期待です。 | ||||
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町田康さんらしい言葉使いですいすい読めました。さらっと読めるので待ち時間などに最適立と思います! | ||||
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全体的に低評価のレビューが多いが、私的にはかなり笑った 町田康作品を読むのは初めてで他の小説も読んでみたいと思う この男は計算高く合理的に散鬱しようとするのだが、根本的にそこに損得勘定を見い出すのが間違っている 鬱の心情がよく表れていると思う 私的にツボにハマったのは磯カンドのくだりと、カメラ選びに際して、妙な喩えを連発し結果的に間違った判断をしてしまう所や(ガソスー大事でしょ!) カメラのレンズの伸び縮みを、陰茎に喩える所等が爆笑だった こんなに笑ってしまうのは最近少々鬱気味だからなのかもしれない… | ||||
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ところどころ笑え、ところどころ感心させられ 面白いところも、あったと言えばあったのだけれども なんというか、その間隔が広過ぎるので飽きてしまう 結局、すべて読み終わるのに3日も費やしてしまった その上、オチはどこか納得のいかないものと来ている もうちょっと小刻みにネタを挟んでくれるとか もうちょっと話を大きく展開させるとか そういう工夫があっても良かったように感じた | ||||
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「バイ貝」とはそもそも、なんなのかなあ、とそこのところからしてつまずいてしまった私なのだけれども、あるいは、「バイ貝」とはバイバイ――bye-bye――のことかもしれぬ、なんとなれば本書冒頭には、 カネ、銭を遣うとき我々はなにものからか解放されている。 と書いてあるからである。わかったような、わからないような文章を書いてしまったが、まあ、実のところは、そんなことはどうでもよいことなのだろう。 私はただ私じしんが読んでおかしく思ったり、感心したりした箇所を紹介して、レヴューに代えようと思う。 その一つは宝くじを購入するまでに行った考察や、実際に購入してからの欝量とハッピー量のバランスに関する分析、およびその分析を過去の買い物経験にフィードバックさせて行った考察の件である。 ただただカネを遣いさえすれば心のなかから欝がなくなるという訳ではなく、遣いようによってはさらに欝になったり、思いがけなくハッピーになったりするのである。 その他、洗剤ボトル「エリート」の件や、スポーツに関する独特の解釈をする件なんかは私には面白く読めた。 このレヴューよ、君に言おう、――bye-bye | ||||
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タイトルも装丁もインパクトがあり、素晴らしく、「買い物をして鬱を晴らす」と内容も「おっ」と思わせ、手に取らせるインパクトがある。 読み始めは、面白く感じたが、著者の「何を買うのか」「どちらを買うのか」という無限ループの様な葛藤や、回りくどさが目立ち、それらを、見せ続けられる事で、正直、少しうんざりした。本にするなら、チマチマせずに、もっと大きく散財してもらい、読み手をスカッとさせて欲しかった。 私も、この本を購入したけれども、1200円分の鬱は晴れていないな。 | ||||
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買い物で鬱を散じる、と云う考えは面白く、納得させられた。 仕事で鬱が溜まるから物を購入して発散しよう、と云うただそれだけの話で、一冊本が書けてしまう力量はさすが町田康。 ただしつこいなあ、と感じた。読むのにも飽きるほど。 頁数はそうでもないが、内容がのっぺらりんと一定のリズムで進むから退屈してしまう。 それなら初期の頃のふざけたようなワードを並べてくれた方が良い気がしてくる。悪い意味で文章が端正になってしまったような。 | ||||
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読んでいて初めは面白い!と素直に思いましたが、この作品はお金を使うことで「鬱が増える」という設定になっており、文中に何度も何度も「鬱」という言葉が出てきて、内容がしつこく物語にほとんど進展がないため(ずっと自分の心境を語っているだけでほとんど何も起こらない)、読み進めるうちに何だか損したような、いやな気分になってしまいました。 でも、そういうずっとスルメを噛んでいるようなしつこい文体が好きな人にはお薦めだと思います。(ただ僕のように物語にストーリー性を求めたり、読後に気分をリフレッシュさせたいと思っている読者には不向きだと思いました。) | ||||
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タマニホンのくだりは最高でした。 その後も中華鍋のから焼きに夢中になって気づいたらTシャーツと猿股姿になってたとか、 今回も絶好調だなあと思っていたら展開があまり広がらず。 他のレビューにもあるとおり、たしかに後半はだれてしまうかも。 散鬱度を比べるとすれば「東京標然」のほうが上かなあ〜。 | ||||
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むしろウツは増えた。 この本の出版直前、マーチダ先生が宣伝のためにテレビにご出演なさっていた。 マーチダ先生は少しく太られ、相変わらずぐりぐりした目つきでそこらをにらみながらしゃべってらっしゃった。 それを見ていたら、昔読んだ先生の諸書がなつかしく思え、久しぶりに新刊を読んでみようという気になった。 アマゾンでこの本を注文した。新品で本を買うのは久しぶりだった。 本が来た。いい気分だった。久しぶりのマーチダ先生の本だ。これで私のウツは200円ほど減じた。 アマゾンの段ボールをびりびりと盛大に引き裂く。これもまた気持ちがいい行為で、30円ほどウツが減じた。 早速読んでみる。ふむふむ。庭の雑草を刈ろうと、ふむ。それで高い鎌と安い鎌、どちらにしようかと……。 この辺まではおもしろかった。久しぶりの町田節に酔いしれた。ウツも150円くらいは減ったかもしれない。 しかし、このあと、話は何も進展しないまま、あれを買おうか、やめようか、ウツが10万円、いや8万円、などとグダグダと続いていき、それでいつのまにか終わっていた。というか、最後の三分の一くらいは、ぺらぺらーとページをめくって終わりにしてしまった。 最初は良かったのだ、久しぶりということもあり、パンチが効いていて。 しかし、途中から中だるみ。ここから私の中にウツが積もり始めた。 そして後半、もう苦行である。なぜこの本を読まねばならないのか。それは新品で1200円も出して買ったからだ。 それだけを言い訳として、私はウツの海の上を、嵐の中を、雷鳴の下を、脆弱な舟で進んでいった。 結果、本が期待していたほどおもしろくなかったというのと、時間を無駄にしてしまったということで、私のウツは積もりに積もって5000円ほどになっていた。 マーチダ先生、どうやらこの本にはウツを埋める効果はないようです。そして私には、積もり積もったウツが、美しくは見えません。まだまだ金の遣いが足りないせいでしょうか。 ということで私は本棚から、同マーチダ先生の「くっすん大黒」「爆発道祖神」「土間の四十八滝」など、お気に入り=つまりウツを減じる効果が確実に期待できる本を引き出すと、それらを読んで爆笑し、「バイ貝」による傷を癒したのだった。 | ||||
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