■スポンサードリンク
潔白
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
潔白の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.31pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全41件 21~40 2/3ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
検察と法務省が悪意で動くとき、誰も止めることができない、という現在の法機構の恐怖をグロテスクなまでに描きだした名作。 読後感はとても重い。 それ故に名作である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
昔の不完全なDNA鑑定によるえん罪が無かったとは到底言い切れないだろう。 警察、検察というのが、容疑者を逮捕したら事実を探求するのではなく、なにがなんでも有罪に持ち込むのが仕事だとは今では周知の事実だが、こういう作品を読むと死刑という断罪が如何に重いかということが分かる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
死刑執行後、冤罪と分かる、という衝撃的な内容。再審請求を何とか阻止しようという検察と、父の無実を知り生涯をかけて汚名返上を戦う娘。中で出てくる実際の冤罪事件や清水潔氏の本の中の引用も、私自身が過去に読んだ内容と全く同じである。 テーマも興味深く、引き込まれる様に読んだが、真犯人への展開は無理があったように思う。 衝撃のラストは、実話であってこその衝撃であって、創作小説の中でそれを披露されても、あまりにも都合が良過ぎて、返って、ストーリーの価値を下げてしまったように思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
になるかもだけど、結構早い段階で犯人が分かってしまった。それでもなお面白く読み進めれるのだが 断罪の仕方が?だった。ある意味一番楽な方法だと思うので。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
事件の犯人として逮捕・起訴されたら、ほとんどが有罪になる。 不起訴や起訴猶予も結構あるそうだから、確実に有罪にできる容疑者だけ 起訴していると言われるかもしれない。だが、この小説に書かれたよ うに、証拠をでっち上げて犯人を作ってしまうと言ったことも実際に 行われているのは、再審で無罪が確定したいくつもの冤罪事件を見れば明らかだ。 「組織を守るために」「権威を守るために」警察・検察と裁判所までがグルに なって、不真正な証拠で有罪判決を確定させ、再審の道も閉ざしてしまうのは、 フィクション小説の世界だけではなく、現実の世界でも起こっている。 いったん「犯人」という濡れ衣を着せられたら、無罪を勝ち取るのがいかに 難しいかが改めて分かり、恐ろしくなった。 ただ、現実の世界では、こういう結末になることはまずないだろうと思われるので、 ラストで少し興ざめした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
司法の腐敗は現実。最近、発見して驚愕したのは、最高裁判事に昨年就任した木澤克之は、加計孝太郎の同窓同期、前職は加計学園監事、 立教大学出身者初の最高裁判事である事。権力者による国家の私物化が三権の府である司法でも行われているわけです。この国で権力機構、 権力者と対峙した場合、一般国民が小説のようなハッピーエンドを迎えられる事案はますます減少するでしょう。第二、第三の前川氏の 登場をリアルに望みます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
初期のDNA鑑定による法の裁きに対して一石を投じています。 それと検察の権力を行使した強引な手法に対して痛烈に批判しています。 延いては、人を省みず、司法の絶対的な威信に対して問題提起しています。 合わせ技のような煮え切らない情況証拠による判決にも煮え切らなさを力説しています。 決して組織として成り立つように、人を裁くものではないこと。 疑わしきは罰せず、三現主義に基づく科学的な証拠により裁くものであること。 法の裁きは、本人だけではなく、家族や親族を巻き込み、多くの人たちの人生を狂わせてしまうのです。 頁数の少ないミステリー小説ですが、中身は濃く、要所要所を切り返し、しっかり押さえています。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
死刑が執行されてからの再審請求という意味では、ほかの方も触れられているが「飯塚事件」がモデルになっている。加えて、1990年代前半のDNA鑑定が証拠として採用されていることなどを含め、ほかにも類似点はいくつかある。ただし本作が描きたかったのは、第一が司法の“暴力”で、第二は冤罪は真犯人を結果的に野放しにしていること、さらに“世間の目”ということだろう。 検察や警察が一度出た結果に固執すること、証拠の隠蔽・ねつ造が行われていること、裁判官と検察官の“近さ”、出世しか頭にない裁判官たち。これらは、お隣の中国以上に高い99.9%の有罪率と無関係ではあるまい。そういった意味では、高瀬検事の存在に救われる部分は少なくない。 また、本作のなかで免田事件に関する一般の人の反応の一つが書かれているが、同じような問題は冤罪事件のほとんどであり得ることだ。マスコミなどの対応を見ても、一見弱者寄りでありながらも実は司法行政を背後から支えている実態に触れられている。 ミステリーとしての仕掛けについては、“伏線”が微妙だが、それなりに面白い。ただ、ガチガチの本格ではないのだから、登場人物それぞれの心理や苦悩などが、もう少し深く掘り下げてあったらと思ってしまう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
のめり込んで一気に読みました。”冤罪”、加害者とされた家族の苦しみや悲しみ。まるで映画を観ているようで目の前に映像が広がっていきました。登場人物全てが個性的で人間味があふれていました。悪意も良心も持ち合わせているのが人間。権力を得たいと思い、保身に走るのも人間だし、後悔を胸に苦しみ続けるのも人間。批判的なご意見も少しあるようですが、間違いなく楽しめた一冊でした。次の作品に今から期待してしまいます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
死刑執行済み案件の冤罪をめぐる被害者遺族と検察の駆け引きは手に汗握る展開で、最初から最後まで一気読みするほどおもしろかった。 MCT118というDNA鑑定の欠陥性の隠蔽、証拠物件を巡る言い訳、最高裁の人事異動など、なりふり構わず組織防衛に走る検察の仕打ちは凄まじかった。また、灰色の無罪という、無罪であっても誰もがそれを信じるわけではなく、罪を被せたまま形だけ無罪にするという卑劣な方法もあり、何が正義なのか分からなくなってくる。 「社会のために」という初心の気持ちがいつしか「組織のために」にすり替わり、組織防衛の論理を積み重ねていつか人を殺すことになり、それを見て見ぬふりをする。ある検事が語った腹の内はまさに核心をついていると思った。 それでも、決して諦めず父親の無罪を証明しようとするひかりの姿勢には感銘を受けた。最後には衝撃の真実が明らかになり、何度も驚かされた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
手に汗握って一気に読了!話題になった「文庫本X」を読んで感銘を受けた人は、引き込まれることだろう。リアリティのあるサスペンスドラマ。おそらく筆者は、「飯塚事件」をモチーフにしていると思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
冤罪を防げない検察と司法の組織的な腐敗。非常に重いテーマが上質のエンタテインメント性と結びついた稀有な作品。 冒頭、事件を語る登場人物のモノローグが並び、通奏低音のように作品全体の重いトーンを奏でる。ヴィスコンティの「ルードヴィッヒ」のような重厚感。するっと引き込まれた。 第2章ではヒロインの人生が淡々と、しかしゆかしく語られる。男性陣も面白いが、わたしはとりわけこのヒロインが気に入った。彼女への共感で一気に最後まで読んでしまう。「見たこともない女の影」として現れる登場の仕方も絶妙。 とにかく作品の構成がオリジナルでとても上手い。あす早く起きなくてはと思っていても本を手放せない。視聴者の関心を引き付けることが命のテレビ業界でキャリアを積んだ作者の力量か。読み手をぐいぐいと引っ張っていく。 個人的には、作者の最大の魅力は日本の作家にはあまりない本当のロマンチシズムとエレガンスだと思っている。人生にはこんな心震える瞬間もあるのだという充足感を何度も感じさせてくれた。 アート作品の評価には満点をつけない主義です。次を見たいから。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
のんびり読み始めたのですが、一気に読み倒してしまいました! 帯に「死刑が誤りだった時・・・、」とあったので、ちょっと暗めで重たい司法サスペンスなのかなと思っていたのですが、ずるずるとテンポよく読み進んでしまいました。「こう来るか!?」っていう想定外の結末は、前半の伏線もばっちり効いていてエンタメ感もたっぷりです。登場人物のキャラクターも、すごく立っていて、物語の進展を判りやすくしています。是非、映像化してください。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この作者のデビュー作『尖閣ゲーム』を何気なく書店で手にとって読み、処女作という割にはよくできた面白い作品だな、と思ったので、今回も同じ名前だったので買ってみたのですが、これがなんとも1冊目より断然に面白い!やはり、作者は元テレビ局の報道マンだったというだけあって、今の日本の抱える司法の問題などにも精通し、常に疑問を感じていたからこそ書けたのだと思いますが、何よりその明確な人物描写、構成、最後の意外な結末に至るまで、まだ2作しか書いていない作家とは思えないレベルなのですごく驚きました。前半はややゆっくり読み進んでいく感じになるかと思いますが、後半は一気に読み進めるというか、面白くて他のことが手につかないといっても過言ではないくらいの出来になっていると思います。普通、たくさんの登場人物がいると混同して、一回前に戻って誰だったかな、と確認したりもするのですが、この作品では人物がそれぞれ明確にキャラクタライズされていて、すぐに頭に入るし、最後まで読み終えた後に思うと、随所に心憎いトリックが仕込まれていて、とにかくよくできた作品だと思いました。宮部みゆき、京極夏彦、原尞、東野圭吾、伊坂幸太郎など、新作も含めてだいたいは読破しているつもりですが、そうした作品の中に入れても全く遜色ない、最後まで息をつかせないミステリー、娯楽小説だと思いました。私の中では、この1年、2年の間に読んだ中では最高傑作の1つです。内容はあまりここでは書かない方がよいのでしょうけれど、とにかく誰も予想できない結末に読者はみんな驚かされるでしょうし、人が人を裁くこと、えん罪、人を信じること、あるいは人間ってこんなにも醜悪で、かつ崇高なのかを考えさせてくれる意味では、単なる娯楽小説を超え、松本清張さえ思わせる重厚な社会小説ともいえるのではないかと思います。この作者の3作目が楽しみです。最近のテレビを見ていると、テレビなんてくだらないミーハーな人たちの集まりなのだろうと思っていたけれど、こういう人もいてやはり色々と世の中を憂いながら眺めているのだなと感じ、何となく嬉しくなりました。もっとも、プロフィールでは作者はテレビ東京を退社しているフリーの方のようですから、やはり今のテレビ局の中などでおさまるような人ではなかったということなのかもしれませんが。とにかく、絶対に読んで損はない1冊だと思います。是非、映画化を希望します。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
おもしろいです。前作「尖閣ゲーム」以上に読みやすく、次の展開が気になって一気に読んでしまいました。法務大臣が再審請求中の死刑執を命じた新聞記事を見たのはごく最近です。裁判における有罪率99.9%と言われる日本の高い司法制度の落とし穴って本当にあるのでしょうか。実話を織り交ぜながら進んでいストーリーは、ドラマ好きな主婦の私には至極の一冊となりました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
死刑執行済みの事案の再審請求という意外な設定で冒頭から引き込まれた。 登場人物のキャラクターがよく書き分けられていてドラマを見ているように読み進めた。 小説なので、有罪か無罪か以外の展開が鍵とはわかってはいたが、 読者にはある程度種明かしをしながらも、 現実の社会の出来事のように有罪無罪の行方が揺れ、 その軸だけでも読み手を離さない。 そしてダメ押しとも言いたくなるようなエンディング。 著者の前作も読んだが、第2作にして隙のないエンタテインメントの域に到達した感さえある。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
表紙のデザインにつられ、何となく読み始めたら 硬い内容にも関わらず、イッキ読み! テーマは重くても筋が面白く、ミステリーの醍醐味を味わえる!司法のあり方や死刑制度を考えさせられる本でもあり、主婦層でも充分楽しめるミステリー感、偶然見つけた満足の一冊でした! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
現実の沖縄問題とクロスする近未来小説「尖閣ゲーム」でデビューした著者の第二作「潔白」は冤罪による死刑をテーマにした「真実」を巡る司法小説。正確には司法小説という形式を借りた「人と人々」、「個人と社会」に生起する「正義」と「真実」を問う小説である。奇しくも共謀罪が施行された翌日に出版され、出版の翌日には再審請求中の一人を含む二人の死刑が執行された。小説という虚構が現実を召喚したような感慨を持つが作者の綿密な取材に裏打ちされたうんざりするような司法界の実情、読む者の感情を作品に移入させる登場人物の言葉と情況描写、そして謎を孕みながら展開される物語は“現実的”である。私たちが「真実」と思っていることは実はある特定の力によりそれを「真実」と思わされているだけかもしれない。国家の真実と個人の真実。それは等価ではなく大きな乖離と不均衡が存在する。フジテレビ系で放送され高視聴率を得た熱血検事の物語「ヒーロー」はそうした真実を隠蔽する。国家は国民を守るために存在するのではなく国家を維持するために存在する。その結果として国民は守られることも抹殺されることもあるだろう。それと同じ構図があらゆる組織にも存在する。組織を防衛するための個人。その結果として守られる個人と遺棄される個人。そこで為される「正義」とは? 本文で260頁足らずという決して長くはないこの作品は「推理小説」としてはその“欠陥”を指摘されることもあろう。しかしこの「潔白」の魅力は終盤にこそ性急な展開でどんでん返しが起きるが決して複雑なプロットがあるわけではなく寧ろそうしたものに依拠しないで読ませる所にある。つまり作品としての「終わり=犯人」は記されているが「答え」は宙づりにされている。作品に埋め込まれ、さりげなく提起されている「問題」。読者はそれを作品から発掘し持ち帰ることで自ら作品の奥行きを深めることが出来る。またそうしたことを通じて読書仲間とあれこれとゆんたく(おしゃべり)しながら語り合いたくなる作品でもある。作品それ自体の物語で完結せずに空白を残し開かれている作品。それは優れた作品の特権でもあろう。ちなみにカバーに使われている写真は写真家集団マグナムに所属する著名な写真家パオロ・ペレグリンの「雪が積もった線路を歩く人物」。それは「潔白」の登場人物、国家という得体の知れない存在に与する者、抗する者たちの心象風景を象徴的に表している。俯瞰で撮影された雪の積もる線路の先が広く開かれてトリミングされたモノクロの風景。うつむき気味に歩む“その人”の向かう先には微かだが確かな光が見えているはずだ。※気持ち的には☆5ですが余白のないものは嫌いなので☆1つ分を空けておきます(笑) | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
死刑執行済みの再審事件をテーマにした司法小説。組織防衛に走る検察と裁判所、それに対する弁護士、遺族とマスコミという構図の中で、物語は始まる。もちろんそれだけでも手に汗握るストーリーだ。丹念な取材に裏付けられたであろう司法手続きの流れを知るだけでも「そうなのか!」と唸らせるし、組織防衛に走る検察の心理も説得力のある描写で描いている。 しかし、この「潔白」の真価は司法のドラマ、それだけにあるのではない。 序盤の何気ない伏線が、終盤に至る過程でまさかの結末に収束する。登場人物の機微も、著者ならではの筆致で描かれ、終始、説得力のある人間のドラマとして展開する。面白いというだけでなく、司法の現実、警察捜査の闇を知る意味でも読み応えのある小説である。文句なくオススメ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
少しだけ、と思って読み始めたら最後まで一気に読んでしまいました。文句なく面白い!司法ドラマとしてもリアリティに溢れ、そこに登場する人物の心の描写も丁寧でわかりやすく、作品の世界にすんなり入れました。オススメです! | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!