寒い国から帰ってきたスパイ

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評判

寒い国から帰ってきたスパイの評価:

4.08/5点 レビュー 84件。 A ランク

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平均点4.08pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全36件 21〜36 2/2ページ
No.16
(3pt)

うーん、今一つ。

名作と言われて読みましたが、私にとっては今一つ。
はっきり言ってよくわからない。
寒い国から帰ってきたスパイ (1964年) (ハヤカワ・ノヴェルズ) Amazon書評・レビュー: 寒い国から帰ってきたスパイ (1964年) (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
B000JAEIO0
No.15
(3pt)

うーん、今一つ。

名作と言われて読みましたが、私にとっては今一つ。
はっきり言ってよくわからない。
寒い国から帰ってきたスパイ (ハヤカワ文庫 NV 174) Amazon書評・レビュー: 寒い国から帰ってきたスパイ (ハヤカワ文庫 NV 174)より
4150401748
No.14
(3pt)

裏の裏をかいた作戦を遂行していたら、本当のシナリオは更にその裏だった

スパイ小説。
 1963年の東西冷戦のころのスパイを題材とする小説で、ジョン・ル・カレの出世作。前半は伏線だらけで、話の流れをつかみにくい。おもしろくなるのはラスト近くになってから。
 主人公はイギリス(西側)のスパイであるリーマス(50歳、独身)。イギリスが東ドイツに構築していた諜報網(リーマスの担当)は東ドイツの防諜担当ムントに破壊される。リーマスはムントが憎い。リーマスは諜報部をクビになり、イギリスの共産党員であるリズと愛人関係になったりするのだが、食料品店の店主が掛け売りを断ったことに腹を立てて商店主を殴り、挙句の果てに刑務所行くという落ちぶれっぷり(前半部を読んだだけではなんでこんなことになったのかわかりにくい)。刑務所から出てきたリーマスに東ドイツのスパイが近づく。失意のリーマスは、東ドイツに行き、西側情報を漏らし、東側に転向する。このとき、リーマスと関わるのがムントの下にいるフュードラー。フュードラーはユダヤ人で、ムントとは反りがあわない。
 フュードラーは、ムントは実は西側のスパイなのではないかと疑っている(個人的にもムントが失脚してくれるとうれしい)。西側は、協力者ムントを大物にするためにあえて自国の諜報員を犠牲にしてまでムントに手柄を立てさせて出世させたのではないか、と考えムントを告発。実はこれがリーマスの目的で、フュードラーに接近してムント告発にもっていき憎きムントを葬ることが任務。そのために刑務所に入ったりといった手の込んだ準備をしていた。
 ところが、ムントを告発するための査問委員会でムントはむしろフュードラーが西側のワナにひっかかっていると反論。ここでちょうどつれてこられたのがリズで、リズは状況を飲み込めないまま証言させられ、この証言によりムント完勝。リズは愛するリーマスを死に追いやってしまったと絶望する。
 ところが、査問のあと、リズはリーマスとともに脱出するようにムントに言われる。
 つまり、イギリス諜報部は、リーマスにも作戦の真相を明かしていなかったのだが、「実際の西側協力者」であるところのムントを疑いはじめたフュードラーを消すことが真の目的(この目的はフュードラーの処刑として達成される)。ムントの権限でフュードラーを抹殺するよりは、フュードラーに告発させてそれをひっくり返すことでムントの潔白性を大々的に証明した方が後々のためにも効果的。かつ、ムントはリーマスたちを逃がしてやることで「フュードラーを抹殺しても、リーマスを逃がすようなフュードラーの残党が残っている」という印象を植え込み、ムントは今後の防諜部内での地位をかためやすくなる。
 結局、リーマスはピエロの役回りで、リズとともに東ドイツを脱出しようとするものの、射殺されてしまう。
 この作品がリアルだったため、ル・カレ自身が諜報部員ではないかという風評が流れたらしい。実際、ル・カレは、ドイツ語に堪能だったことから、わずかの期間、イギリスの諜報部で働いたことがあるらしい。
寒い国から帰ってきたスパイ (1964年) (ハヤカワ・ノヴェルズ) Amazon書評・レビュー: 寒い国から帰ってきたスパイ (1964年) (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
B000JAEIO0
No.13
(3pt)
【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

裏の裏をかいた作戦を遂行していたら、本当のシナリオは更にその裏だった

スパイ小説。
 1963年の東西冷戦のころのスパイを題材とする小説で、本作はジョン・ル・カレの出世作らしい。前半は伏線だらけで、話の流れをつかみにくい。おもしろくなるのはラスト近くになってから。
 主人公はイギリス(西側)のスパイであるリーマス(50歳、独身)。イギリスが東ドイツに構築していた諜報網(リーマスの担当)は東ドイツのやり手の防諜担当であるムントに破壊されている。リーマスはムントが憎い。リーマスは諜報部をクビになり、イギリスの共産党員であるリズと愛人関係になったりするのだが、食料品店の店主が掛け売りを断ったことに腹を立てて商店主を殴り、挙句の果てに刑務所行くという落ちぶれっぷり(前半部を読んだだけではなんでこんなことになったのかわかりにくい)。刑務所から出てきたリーマスに東ドイツのスパイが近づいてくる。失意のリーマスは、東ドイツに行き、西側情報を漏らし、東側に転向する。このとき、リーマスと関わるのがムントの下にいるフュードラー。フュードラーはユダヤ人で、ムントとは反りがあわない。
 フュードラーは、ムントは実は西側のスパイなのではないかと疑っている(それに、個人的にもムントが失脚してくれるとうれしい)。西側は、協力者ムントを大物にするためにあえて自国の諜報員を犠牲にしてまでムントに手柄を立てさせて出世させたのではないか、と考えムントを告発。実はこれがリーマスの目的で、フュードラーに接近してムント告発にもっていき憎きムントを葬ることが任務。そのために刑務所に入ったりといった手の込んだ準備をしていたのだ。
 ところが、ムントを告発するための査問委員会でムントはむしろフュードラーが西側のワナにひっかかっていると反論。ここでちょうどつれてこられたのがリズで、リズは状況を飲み込めないまま証言させられ、この証言によりムント完勝。リズは愛するリーマスを死に追いやってしまったと絶望。
 ところが、査問のあと、リズはリーマスとともに脱出するようにムントに言われる。
 つまり、イギリス諜報部は、リーマスにも作戦の真相を明かしていなかったのだが、「実際の西側協力者」であるところのムントを疑いはじめたフュードラーを消すことが真の目的(この目的はフュードラーの処刑として達成される)。ムントの権限でフュードラーを抹殺するよりは、フュードラーに告発させてそれをひっくり返すことでムントの潔白性を大々的に証明した方が後々のためにも効果的。かつ、ムントはリーマスたちを逃がしてやることで「フュードラーを抹殺しても、リーマスを逃がすようなフュードラーの残党が残っている」という印象を植え込み、ムントは今後の防諜部内での地位をかためやすくなる。
 結局、リーマスはピエロの役回りで、リズとともに東ドイツを脱出しようとするものの、射殺されてしまう。
 この作品がリアルだったため、ル・カレ自身が諜報部員ではないかという風評が流れたらしい。実際、ル・カレは、ドイツ語に堪能だったことから、わずかの期間、イギリスの諜報部で働いたことがあるらしい。
寒い国から帰ってきたスパイ (ハヤカワ文庫 NV 174) Amazon書評・レビュー: 寒い国から帰ってきたスパイ (ハヤカワ文庫 NV 174)より
4150401748
No.12
(3pt)

内部調査の追い詰め型、面白いけど嫌になる

情報漏えいを題材であるがスパイもの共通の雰囲気や駆け引きがストーリーを一貫する癖となり、やがて鼻持ちならなくなって、面白いけどいやになる。
寒い国から帰ってきたスパイ (1964年) (ハヤカワ・ノヴェルズ) Amazon書評・レビュー: 寒い国から帰ってきたスパイ (1964年) (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
B000JAEIO0
No.11
(3pt)

内部調査の追い詰め型、面白いけど嫌になる

情報漏えいを題材であるがスパイもの共通の雰囲気や駆け引きがストーリーを一貫する癖となり、やがて鼻持ちならなくなって、面白いけどいやになる。
寒い国から帰ってきたスパイ (ハヤカワ文庫 NV 174) Amazon書評・レビュー: 寒い国から帰ってきたスパイ (ハヤカワ文庫 NV 174)より
4150401748
No.10
(3pt)

新訳で読みなおしたい

今となっては遥かな過去となった東西冷戦下の欧州を舞台とした、スパイ小説であり、また、同時にミステリーでもある非常に凝った作品でした。
このような分野はあまり読んだことが無かったので新鮮でした。 敵・味方が入り混じり、時に逆転劇があり、最後まで静かながら読者を引きつけて読ませます。 しかし、出版されてから半世紀たった作品ですから翻訳も今となっては違和感があるものが少なくありません。例えば、主人公の情報機関の上司が「管理官」? お役所じゃあるまいし。 多分superviserの訳でしょうか。 また会話がいきなりため口になったり興ざめの個所がありました。現代風の表現に改めればまだまだ魅力のある作品であると思います。
寒い国から帰ってきたスパイ (1964年) (ハヤカワ・ノヴェルズ) Amazon書評・レビュー: 寒い国から帰ってきたスパイ (1964年) (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
B000JAEIO0
No.9
(3pt)

新訳で読みなおしたい

今となっては遥かな過去となった東西冷戦下の欧州を舞台とした、スパイ小説であり、また、同時にミステリーでもある非常に凝った作品でした。
このような分野はあまり読んだことが無かったので新鮮でした。 敵・味方が入り混じり、時に逆転劇があり、最後まで静かながら読者を引きつけて読ませます。 しかし、出版されてから半世紀たった作品ですから翻訳も今となっては違和感があるものが少なくありません。例えば、主人公の情報機関の上司が「管理官」? お役所じゃあるまいし。 多分superviserの訳でしょうか。 また会話がいきなりため口になったり興ざめの個所がありました。現代風の表現に改めればまだまだ魅力のある作品であると思います。
寒い国から帰ってきたスパイ (ハヤカワ文庫 NV 174) Amazon書評・レビュー: 寒い国から帰ってきたスパイ (ハヤカワ文庫 NV 174)より
4150401748
No.8
(3pt)

誰もが手のひらの上で踊っていた。

東西冷戦時代のスパイが主人公の物語。
正直、ちょっと古くさいかな?と思いながら読み始めました。

登場人物たちの思想や役割、疑念、野心。いろんなものがからまって物語が二転三転。気づいたときには物語に引き込まれていました。
ラストに向けての裁判シーンは圧巻。罠にかけたと思っていた相手は疑似餌で、真の標的はその奥にいた人物なのか、いや実は主人公自身が食べられてしまう餌だったのか。そんな疑惑がどんどん膨らんで、それでも唯一本当だと真実だと思うことを守ろうと。
消耗品だった個が意思をもった個人に戻っていく。戻ったがゆえに、迎えたラストシーン。

冷戦については、物心つく頃にベルリンの壁が崩壊し、実際の社会の情勢や背景は教科書でしかしらない世代ですが、作者がこの物語でう伝えたかったことは、“思想のために犠牲となる個人”への警鐘だそうで、実際に机上で消えていく命のなんと軽いのか。それを感じさせるラストで最後の一行を読み終えたとき、しばらく呆然としてしまいました。

ただ、電子書籍でページが重複している箇所や、突然片言になる台詞まわしが気になってしまったのが残念なところ。
寒い国から帰ってきたスパイ (1964年) (ハヤカワ・ノヴェルズ) Amazon書評・レビュー: 寒い国から帰ってきたスパイ (1964年) (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
B000JAEIO0
No.7
(3pt)

誰もが手のひらの上で踊っていた。

東西冷戦時代のスパイが主人公の物語。
正直、ちょっと古くさいかな?と思いながら読み始めました。

登場人物たちの思想や役割、疑念、野心。いろんなものがからまって物語が二転三転。気づいたときには物語に引き込まれていました。
ラストに向けての裁判シーンは圧巻。罠にかけたと思っていた相手は疑似餌で、真の標的はその奥にいた人物なのか、いや実は主人公自身が食べられてしまう餌だったのか。そんな疑惑がどんどん膨らんで、それでも唯一本当だと真実だと思うことを守ろうと。
消耗品だった個が意思をもった個人に戻っていく。戻ったがゆえに、迎えたラストシーン。

冷戦については、物心つく頃にベルリンの壁が崩壊し、実際の社会の情勢や背景は教科書でしかしらない世代ですが、作者がこの物語でう伝えたかったことは、“思想のために犠牲となる個人”への警鐘だそうで、実際に机上で消えていく命のなんと軽いのか。それを感じさせるラストで最後の一行を読み終えたとき、しばらく呆然としてしまいました。

ただ、電子書籍でページが重複している箇所や、突然片言になる台詞まわしが気になってしまったのが残念なところ。
寒い国から帰ってきたスパイ (ハヤカワ文庫 NV 174) Amazon書評・レビュー: 寒い国から帰ってきたスパイ (ハヤカワ文庫 NV 174)より
4150401748
No.6
(3pt)

007は?

やはり、ソ連を中心とした社会主義ブロックはつぶれるべくしてつぶれた。
寒い国から帰ってきたスパイ (1964年) (ハヤカワ・ノヴェルズ) Amazon書評・レビュー: 寒い国から帰ってきたスパイ (1964年) (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
B000JAEIO0
No.5
(3pt)

007は?

やはり、ソ連を中心とした社会主義ブロックはつぶれるべくしてつぶれた。
寒い国から帰ってきたスパイ (ハヤカワ文庫 NV 174) Amazon書評・レビュー: 寒い国から帰ってきたスパイ (ハヤカワ文庫 NV 174)より
4150401748
No.4
(3pt)

諜報の世界を垣間見ることができる

多分、本書は私が初めて読んだスパイ小説だ。正直、小説として格別優れているとは思わなかった。スパイ小説の世界ではこの作品は最高峰に位置づけられているとのことだが、スパイ小説を読まない私にはスパイ小説としての本書の魅力を評価することはできない。

 本書は冷戦自体のヨーロッパを舞台としたもので、古臭さを感じる読者が少なくないものと思われるが、諜報の世界は厳として現在でも実在するものであり、諜報、特にヒューミントのテクニック自体はほとんど変わっていないと思われる。かつて情報機関で勤務した経験のある著者が描く諜報の世界から、我々が学ぶことが出来ることは少なくない。
寒い国から帰ってきたスパイ (1964年) (ハヤカワ・ノヴェルズ) Amazon書評・レビュー: 寒い国から帰ってきたスパイ (1964年) (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
B000JAEIO0
No.3
(3pt)

諜報の世界を垣間見ることができる

多分、本書は私が初めて読んだスパイ小説だ。正直、小説として格別優れているとは思わなかった。スパイ小説の世界ではこの作品は最高峰に位置づけられているとのことだが、スパイ小説を読まない私にはスパイ小説としての本書の魅力を評価することはできない。

 本書は冷戦自体のヨーロッパを舞台としたもので、古臭さを感じる読者が少なくないものと思われるが、諜報の世界は厳として現在でも実在するものであり、諜報、特にヒューミントのテクニック自体はほとんど変わっていないと思われる。かつて情報機関で勤務した経験のある著者が描く諜報の世界から、我々が学ぶことが出来ることは少なくない。
寒い国から帰ってきたスパイ (ハヤカワ文庫 NV 174) Amazon書評・レビュー: 寒い国から帰ってきたスパイ (ハヤカワ文庫 NV 174)より
4150401748
No.2
(3pt)

ストレートに読ませる、スパイ小説のクラシック

本書は、英国におけるミステリーの頂点、「CWA(英国推理作家協会)賞」の’63年度、ゴールド・ダガー賞(最優秀長編賞)受賞作であると共に、アメリカにおけるミステリーの最高峰、「MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞」・通称エドガー賞の’65年度、ベスト・ノヴェル(最優秀長編賞)受賞作でもある。

英米のミステリー大賞を両方受賞するという快挙をなした、“スパイ小説の金字塔”と呼ばれる、もはやクラシックの風格さえ漂う作品である。

従来のスパイ小説が007のように、超人的な能力の持ち主である主人公が、手に汗にぎる危機一髪的な事件で活躍する≪神話≫であったのに対し、本書では、われわれ同様血のかよった人間である諜報部員の真実の姿を、はじめてシリアスに活写してみせたところが、当時高い評価を得た所以だろう。

物語やシチュエーションの古さは否めないが、最近のスパイ小説にくらべればシンプルにも思える筋立てで、最後までストレートに読ませる。どうも最近の小説はどんでん返しが多くて・・・という読者には向いているだろう。恋愛もほどよく落ち着いてストーリーに織り込まれている。主人公リーマスの心からの叫びをぜひ聞いてもらいたい。

余談になるが、私は「ベルリンの壁」崩壊直後の2月に東ベルリンと東ドイツを訪れたことがある。当時の曇った冬空と“寒い国”を思い出しながら本書を味読した。
寒い国から帰ってきたスパイ (1964年) (ハヤカワ・ノヴェルズ) Amazon書評・レビュー: 寒い国から帰ってきたスパイ (1964年) (ハヤカワ・ノヴェルズ)より
B000JAEIO0
No.1
(3pt)

ストレートに読ませる、スパイ小説のクラシック

本書は、英国におけるミステリーの頂点、「CWA(英国推理作家協会)賞」の’63年度、ゴールド・ダガー賞(最優秀長編賞)受賞作であると共に、アメリカにおけるミステリーの最高峰、「MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞」・通称エドガー賞の’65年度、ベスト・ノヴェル(最優秀長編賞)受賞作でもある。

英米のミステリー大賞を両方受賞するという快挙をなした、“スパイ小説の金字塔”と呼ばれる、もはやクラシックの風格さえ漂う作品である。

従来のスパイ小説が007のように、超人的な能力の持ち主である主人公が、手に汗にぎる危機一髪的な事件で活躍する≪神話≫であったのに対し、本書では、われわれ同様血のかよった人間である諜報部員の真実の姿を、はじめてシリアスに活写してみせたところが、当時高い評価を得た所以だろう。

物語やシチュエーションの古さは否めないが、最近のスパイ小説にくらべればシンプルにも思える筋立てで、最後までストレートに読ませる。どうも最近の小説はどんでん返しが多くて・・・という読者には向いているだろう。恋愛もほどよく落ち着いてストーリーに織り込まれている。主人公リーマスの心からの叫びをぜひ聞いてもらいたい。

余談になるが、私は「ベルリンの壁」崩壊直後の2月に東ベルリンと東ドイツを訪れたことがある。当時の曇った冬空と“寒い国”を思い出しながら本書を味読した。
寒い国から帰ってきたスパイ (ハヤカワ文庫 NV 174) Amazon書評・レビュー: 寒い国から帰ってきたスパイ (ハヤカワ文庫 NV 174)より
4150401748