雪盲~SNOW BLIND~
評判
雪盲~SNOW BLIND~の評価:
2.57/5点 レビュー 7件。 C ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1〜2 1/1ページ
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舞台はアイスランド最北の港町シグルフィヨルズル。おりしも時期は1日のうち3時間しか太陽が出ない1月。しかもほとんどが雪か暴風という厳しい気候です。主人公のアリ・ソウルは首都レイキャビクの警察学校を出たばかり。アイスランドは前年の2008年にリーマン・ショックをまともにくらって国家破綻の危機に面していました。たとえ北の果ての町でも仕事があるだけ恵まれていると、「ぜひ来てほしい」と現地の警察署長に乞われて、アリ・ソウルは引っ越して就職する決心をします。が、前もって相談もしてくれなかったと同棲中の恋人クリスティンとに責められ、仲がおかしくなってしまいます。
到着してみれば、小さな町の警察署は自分を入れて3名のみ。前は荒れる海、後ろは山にさえぎられた息が詰まりそうに閉塞的な土地、古くからの地域社会はみんなが顔見知りで、よそ者は自分だけという状況。来るんじゃなかった・・と後悔しているうちに事件が起きてしまいます。署長のトーマスは事故で処理しようとするのですが、アリ・ソウルはどうしても他殺の疑いを捨てきれず、自分ひとりで町の人たちに聞き込みを始めていきます・・という出だしです。
他のレビューアさんもおっしゃっているように、主人公があまりにも内省的で、恋人に会いたいのに素直に口にすることもできず、うじうじと悩むばかりで、精神的にまいりかけている様子が作中ずっと続きます。以前、アイスランド人と結婚した日本女性がテレビに登場していましたが「日本人とよく似ている。思っていることを言わない、あまり感情を表現しない」と話していて、まさに主人公のようだと思ってしまいました。
アイスランドが完全に独立したのは1944年で、それまではデンマークの支配下にあったとは、こちらのあとがきで初めて知ったのですが、この作品の登場人物たちが感情を抑えて内省ばかりしているのは、何かそんな抑圧された歴史的経緯のせいもあるのかと思ってしまいました。
アリ・ソウルは新米警官にしては勘が鋭く、彼のおかげで2つの事件は解決に向かいます。クリスティンとの関係に悩みながら、新しく知り合ったウグラとも関係を持ってしまうアリ・ソウル、彼の恋愛模様はどうなるのか、続編に続く予感で物語は終わります。また、警察署長のトーマスと同僚のフリーヌルにもなにやら複雑な事情がありそうです。ただこの警察署長、無能なのかやる気がないのか、それとも実は寛大で主人公を気に入っているのか、いまひとつはっきりしません。もしかしてそれは、どこか翻訳がぎこちないせいもあるのかもと感じました。原文がどうなのかはわかりませんが、短い文がブツブツと切れて続くことが多く、特にラストがスムーズでなく、興をそがれてしまいました。
英国とオーストラリアのamazon, kindleではベストセラー第1位になったということなんですが、うーん、そこまでかなあ・・。他の北欧ミステリに比べると小粒な印象です。とりあえずは続きを読んでみようと思います。