方舟さくら丸

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評判

方舟さくら丸の評価:

4.20/5点 レビュー 25件。 B ランク

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平均点4.20pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全32件 1〜20 1/2ページ
No.32
(5pt)

一冊で3度はおいしい小説

〇 ひとことで言えば多彩かつ多面的な作品だ、ということになる。まずなんと言っても面白い。細部まで周到でマニアックで緻密な状況設定、世間のはみだし者ばかりを集めた登場人物たち、小気味よい物語の進行。冒険小説のスリルと推理小説の意外性を兼ね備えたエンターテインメントだ。

〇 次いでその文章術。さすがに安部公房だと唸らないわけには行かない。小説のはじめの方には秀逸な比喩と華やかな表現をちりばめ、後半になるとまっすぐな事実描写でわき目もふらずに畳みかける。体言止めの多用が生む不思議な余韻。全篇を対象と距離をおいた表現が生むユーモアが支配している。便器から脚が抜けなくなった主人公「もぐら」と、穴の底に囚われた『砂の女』の主人公と境遇はよく似ているのだが、もぐらは『砂の女』の主人公みたいにジタバタせずに、どこか余裕をもって事態を見守る。そこにユーモアがうまれている。

〇 さらに風刺も忘れていない。やり玉にあげられるのは、国家権力の粗雑、組織人間の危うさ、老人の醜悪、簡単にひっくり返る力関係のもろさなど。ただ、チクリチクリとやるだけで深入りはしていない。

〇 最後に、全編を通じて克明に追っている主人公の心理の不思議が味わい深い。彼は世間から逃れるためにシェルターを作り、最後は真っ先にシェルターから逃れて世間に戻った。ここに何か寓意があるのだろう。

〇 この作品でいったい作者は何を言いたかったのだろうか、と一応は考えてみたのだが、すぐにやめた。その気になれば何かもっともらしいことは言えそうな気はするけれど、上に列挙したことで十分ではないか。念の入った架空の小世界を作り上げて、2日にわたって何時間もの楽しい時間を読者に提供し、社会と人間の愚かを垣間見せ、ちょっとした価値の転換に似た感覚を味合わせ得たとすれば、小説家としてそれ以上なにを望むことがあるだろう。

〇 ああ、面白かった、で良いのだと思う。
方舟さくら丸 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 方舟さくら丸 (新潮文庫)より
4101121222
No.31
(5pt)

一冊で3度はおいしい小説

〇 ひとことで言えば多彩かつ多面的な作品だ、ということになる。まずなんと言っても面白い。細部まで周到でマニアックで緻密な状況設定、世間のはみだし者ばかりを集めた登場人物たち、小気味よい物語の進行。冒険小説のスリルと推理小説の意外性を兼ね備えたエンターテインメントだ。

〇 次いでその文章術。さすがに安部公房だと唸らないわけには行かない。小説のはじめの方には秀逸な比喩と華やかな表現をちりばめ、後半になるとまっすぐな事実描写でわき目もふらずに畳みかける。体言止めの多用が生む不思議な余韻。全篇を対象と距離をおいた表現が生むユーモアが支配している。便器から脚が抜けなくなった主人公「もぐら」と、穴の底に囚われた『砂の女』の主人公と境遇はよく似ているのだが、もぐらは『砂の女』の主人公みたいにジタバタせずに、どこか余裕をもって事態を見守る。そこにユーモアがうまれている。

〇 さらに風刺も忘れていない。やり玉にあげられるのは、国家権力の粗雑、組織人間の危うさ、老人の醜悪、簡単にひっくり返る力関係のもろさなど。ただ、チクリチクリとやるだけで深入りはしていない。

〇 最後に、全編を通じて克明に追っている主人公の心理の不思議が味わい深い。彼は世間から逃れるためにシェルターを作り、最後は真っ先にシェルターから逃れて世間に戻った。ここに何か寓意があるのだろう。

〇 この作品でいったい作者は何を言いたかったのだろうか、と一応は考えてみたのだが、すぐにやめた。その気になれば何かもっともらしいことは言えそうな気はするけれど、上に列挙したことで十分ではないか。念の入った架空の小世界を作り上げて、2日にわたって何時間もの楽しい時間を読者に提供し、社会と人間の愚かを垣間見せ、ちょっとした価値の転換に似た感覚を味合わせ得たとすれば、小説家としてそれ以上なにを望むことがあるだろう。

〇 ああ、面白かった、で良いのだと思う。
方舟さくら丸 Amazon書評・レビュー: 方舟さくら丸より
4106006413
No.30
(5pt)

見つけた!

大変安く購入出来ました
方舟さくら丸 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 方舟さくら丸 (新潮文庫)より
4101121222
No.29
(5pt)

見つけた!

大変安く購入出来ました
方舟さくら丸 Amazon書評・レビュー: 方舟さくら丸より
4106006413
No.28
(5pt)

簡単には忘れられそうにない

ものすごく感動的な話ではないし、痛快な話でもない。しかし読み終わった後に、心の中に何か引っかかる塊のようなものができ、簡単には忘れられそうにない。
物語の全てが何かの隠喩であるような感じだが、何の隠喩なのかははっきりわからない。そのモヤモヤも、心の中に引っかかる。
はじめは主人公の考え方についていけないが、だんだん、主人公が自分とあまり変わらない人間のような気がしてくる。
物語の最初と最後に出てくる市庁舎の黒いガラス張りの建物に関して、主人公の受け取り方が大きく変化しているのは、主人公の成長のせいなのか、喪失感のせいなのか。
方舟さくら丸 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 方舟さくら丸 (新潮文庫)より
4101121222
No.27
(5pt)

簡単には忘れられそうにない

ものすごく感動的な話ではないし、痛快な話でもない。しかし読み終わった後に、心の中に何か引っかかる塊のようなものができ、簡単には忘れられそうにない。
物語の全てが何かの隠喩であるような感じだが、何の隠喩なのかははっきりわからない。そのモヤモヤも、心の中に引っかかる。
はじめは主人公の考え方についていけないが、だんだん、主人公が自分とあまり変わらない人間のような気がしてくる。
物語の最初と最後に出てくる市庁舎の黒いガラス張りの建物に関して、主人公の受け取り方が大きく変化しているのは、主人公の成長のせいなのか、喪失感のせいなのか。
方舟さくら丸 Amazon書評・レビュー: 方舟さくら丸より
4106006413
No.26
(5pt)

主人公の痛さが愛おしい

「ぼく」は地下採石場跡に、シェルターを作った。核戦争が起こっても生き延びられるエリートだ。
「乗船切符」はあと三枚、人選が難しい。
ある日デパートの屋上で出会った昆虫屋に声をかけたら、サクラとパートナーの女がついてきた。
共同生活が始まった。

「ぼく」は間違っても他人には愛されない、痛くて変な奴である。
肥満体で奇怪な家庭環境というところが、痛さに拍車をかける。エキセントリックな父親の造形が秀逸だ。
昆虫屋とサクラも印象に残るキャラだが、特記すべきはサクラの連れの女だ。最後まで女としか書かれない。
具体的な容姿の描写はないし、性的なシーンもないのに、不思議な色香を感じる。
作者の描く女性はなぜこんなにエロいんだろう。

例によって本筋は明確ではないが、細部が面白い。
侵入者撃退の罠とか、なんでも流せる巨大なトイレとか、ディテールが妙に楽しい。
主人公の情けなさに共感したので、最高点にします。
方舟さくら丸 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 方舟さくら丸 (新潮文庫)より
4101121222
No.25
(5pt)

主人公の痛さが愛おしい

「ぼく」は地下採石場跡に、シェルターを作った。核戦争が起こっても生き延びられるエリートだ。
「乗船切符」はあと三枚、人選が難しい。
ある日デパートの屋上で出会った昆虫屋に声をかけたら、サクラとパートナーの女がついてきた。
共同生活が始まった。

「ぼく」は間違っても他人には愛されない、痛くて変な奴である。
肥満体で奇怪な家庭環境というところが、痛さに拍車をかける。エキセントリックな父親の造形が秀逸だ。
昆虫屋とサクラも印象に残るキャラだが、特記すべきはサクラの連れの女だ。最後まで女としか書かれない。
具体的な容姿の描写はないし、性的なシーンもないのに、不思議な色香を感じる。
作者の描く女性はなぜこんなにエロいんだろう。

例によって本筋は明確ではないが、細部が面白い。
侵入者撃退の罠とか、なんでも流せる巨大なトイレとか、ディテールが妙に楽しい。
主人公の情けなさに共感したので、最高点にします。
方舟さくら丸 Amazon書評・レビュー: 方舟さくら丸より
4106006413
No.24
(5pt)

安部公房の80年代

地下採石場跡の巨大な洞窟に核シェルターの設備を造り上げた、豚もしくはモグラという渾名の青年〈ぼく〉。核戦争から生き延びるための切符を手に入れた三人の男女(怪しげな昆虫販売業者、的屋であるサクラの男と女)と〈ぼく〉との奇妙な共同生活が始まる。〈ぼく〉の生物学上の父親である暴君、猪突(いのとつ)、女子中学生狩りに熱中する「ほうき隊」の老人たち。グロテスクかつブラックユーモアに満ちたエピソードが展開され、やがてシェルター内に侵入者が現れたとき、〈ぼく〉の計画は破綻し始める。その上、〈ぼく〉は大型の便器に片足をくわえられ、身動きがとれなくなってしまうー。核時代の方舟に乗ることが出来るのは、誰なのか? 生き延びる資格があるのは誰なのか? 「箱男」「密会」と、謎とスリルに満ちた傑作を発表したあとに辿り着いた、人間の原罪を問う、安部公房の1980年代。本書は読むたびに新たな発見を得ることが出来る、公房の代表作の一つです!
方舟さくら丸 Amazon書評・レビュー: 方舟さくら丸より
4106006413
No.23
(5pt)

安部公房の80年代

地下採石場跡の巨大な洞窟に核シェルターの設備を造り上げた、豚もしくはモグラという渾名の青年〈ぼく〉。核戦争から生き延びるための切符を手に入れた三人の男女(怪しげな昆虫販売業者、的屋であるサクラの男と女)と〈ぼく〉との奇妙な共同生活が始まる。〈ぼく〉の生物学上の父親である暴君、猪突(いのとつ)、女子中学生狩りに熱中する「ほうき隊」の老人たち。グロテスクかつブラックユーモアに満ちたエピソードが展開され、やがてシェルター内に侵入者が現れたとき、〈ぼく〉の計画は破綻し始める。その上、〈ぼく〉は大型の便器に片足をくわえられ、身動きがとれなくなってしまうー。核時代の方舟に乗ることが出来るのは、誰なのか? 生き延びる資格があるのは誰なのか? 「箱男」「密会」と、謎とスリルに満ちた傑作を発表したあとに辿り着いた、人間の原罪を問う、安部公房の1980年代。本書は読むたびに新たな発見を得ることが出来る、公房の代表作の一つです!
方舟さくら丸 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 方舟さくら丸 (新潮文庫)より
4101121222
No.22
(4pt)

現代で方舟が存在したらどうなるか?という問い。

当時の世相を反映した上で作られたものなのかな、と。
(「核戦争の危機」はこの時代ではまことしやかにささやかれていた)
その方舟に乗り合わせる事になった人間達。
彼らは危機からの脱出を試みる前に内部から崩壊していく。
一人で生きる事の出来ない人間。
しかし集団でも生きる事の出来ない人間。
このジレンマを如実に描き出している。
方舟さくら丸 Amazon書評・レビュー: 方舟さくら丸より
4106006413
No.21
(4pt)

現代で方舟が存在したらどうなるか?という問い。

当時の世相を反映した上で作られたものなのかな、と。
(「核戦争の危機」はこの時代ではまことしやかにささやかれていた)
その方舟に乗り合わせる事になった人間達。
彼らは危機からの脱出を試みる前に内部から崩壊していく。
一人で生きる事の出来ない人間。
しかし集団でも生きる事の出来ない人間。
このジレンマを如実に描き出している。
方舟さくら丸 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 方舟さくら丸 (新潮文庫)より
4101121222
No.20
(4pt)

こんなものでしょう。

独特のタッチですが、感触はそこそこです。ただ最近読書から少し遠ざかっていたせいもあって、感情移入がなかなかできませんでしたねえ。
方舟さくら丸 Amazon書評・レビュー: 方舟さくら丸より
4106006413
No.19
(4pt)

こんなものでしょう。

独特のタッチですが、感触はそこそこです。ただ最近読書から少し遠ざかっていたせいもあって、感情移入がなかなかできませんでしたねえ。
方舟さくら丸 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 方舟さくら丸 (新潮文庫)より
4101121222
No.18
(4pt)

「こんな所で生き残ったって、死んだのも同じじゃないの」

この本を読んで、を思い出した。
CUBEの製作は1997年で、1984年に出版されたこの本とは互いに何の関係もないのはわかっているけど。
空間に閉じ込められた数人が、自分たちで予兆しえない事件や出来事に巻き込まれ、
時間が進むにつれて当初の心理が微妙に壊れてゆき、その壊れる様子を追うという点では共通している。
一般的に「不条理」とも括られそうな両者。
非現実的な設定もさることながら、理解不能な状況の延々とした描写、そして「えっ!」って感嘆符と疑問符を幾つも付けたくなるようなラスト…
これは好き嫌いがはっきり分かれるだろうし、正直言ってレビューは書きづらい。力点を置く場所を見つけにくいから。
しかし知的好奇心はくすぐられる。だから自分の空想力を思いっきり駆使して、この本のもつ「本当の面白さ」は何かを、
紙を火にかざしてあぶり出しで書かれたものを読むような作業を自分に課すしかない。

この本の主人公は、核戦争による世界の終末を予測し採掘跡の広大な洞窟に武装してひとり立てこもりカウントダウンを待つ。
ひとつ思ったのは、この本を現代言われるところの「引きこもり」の人が読めば、どういう感想を抱くか、ってこと。
だって、自分だけの世界の構築、自己の肥大化、自分の容姿へのコンプレックス、他人に対する資格審査、選民思考、
あげれば引きこもりに通じるキーワードはいくらでも出てくる。
でも、安部公房は後に社会問題化する引きこもりの人を描きたかったのだろうか?
私はむしろ逆で、世間一般の人共通の精神的属性を、安部はすべて引きこもり的なものに集約させようとしていると思う。

結末で洞窟から外へ出た主人公が平和な日常を過ごす街全体やそこに住む人全体を改めて凝視し、死んでいると感じたという描写は、
私たち誰もが宿命的に背負わされている疎外感を表現したかったのではないか。
すなわち、引きこもって我が道を行く人生を送るのも、社会に出て日の光を浴びて暮らすのも、どちらも孤独だってこと。
そうすると、現代の「社会的排除」という言葉で表されるような、自分が望む望まないにかかわらず
社会にいながら外界との接触がほとんどない人が現実的な存在として表面化したのは、そういう点で見れば不思議ではない。

CUBEは設定の妙から人間社会の不合理性をとことん突き詰めた形で一本の作品に結実させているが、
この本はその不合理性を咀嚼したうえで、人が生きるうえでの孤立性を浮き彫りにしようとする意図を感じる。
つまり、別に核戦争や自然災害を待つまでもなく、人はある意味孤独で、生きるうえで寂寥感を避けえないってこと。

その現実を受け入れ、「絆(きずな)」なんて言葉を安っぽく使わずに、寂寥感や排除とどう折り合いをつけ孤独に打ち勝てばいいのか。
同じところを時計みたいにぐるぐる回りつづけ自分の糞を餌に生息する昆虫“ユープケッチャ”を登場させ期待をもたせるものの
現代病とも言える孤独や疎外感を解消する具体的な手法までは書かれていないので、星1つを減じたい。
方舟さくら丸 Amazon書評・レビュー: 方舟さくら丸より
4106006413
No.17
(4pt)

「こんな所で生き残ったって、死んだのも同じじゃないの」

この本を読んで、を思い出した。
CUBEの製作は1997年で、1984年に出版されたこの本とは互いに何の関係もないのはわかっているけど。
空間に閉じ込められた数人が、自分たちで予兆しえない事件や出来事に巻き込まれ、
時間が進むにつれて当初の心理が微妙に壊れてゆき、その壊れる様子を追うという点では共通している。
一般的に「不条理」とも括られそうな両者。
非現実的な設定もさることながら、理解不能な状況の延々とした描写、そして「えっ!」って感嘆符と疑問符を幾つも付けたくなるようなラスト…
これは好き嫌いがはっきり分かれるだろうし、正直言ってレビューは書きづらい。力点を置く場所を見つけにくいから。
しかし知的好奇心はくすぐられる。だから自分の空想力を思いっきり駆使して、この本のもつ「本当の面白さ」は何かを、
紙を火にかざしてあぶり出しで書かれたものを読むような作業を自分に課すしかない。

この本の主人公は、核戦争による世界の終末を予測し採掘跡の広大な洞窟に武装してひとり立てこもりカウントダウンを待つ。
ひとつ思ったのは、この本を現代言われるところの「引きこもり」の人が読めば、どういう感想を抱くか、ってこと。
だって、自分だけの世界の構築、自己の肥大化、自分の容姿へのコンプレックス、他人に対する資格審査、選民思考、
あげれば引きこもりに通じるキーワードはいくらでも出てくる。
でも、安部公房は後に社会問題化する引きこもりの人を描きたかったのだろうか?
私はむしろ逆で、世間一般の人共通の精神的属性を、安部はすべて引きこもり的なものに集約させようとしていると思う。

結末で洞窟から外へ出た主人公が平和な日常を過ごす街全体やそこに住む人全体を改めて凝視し、死んでいると感じたという描写は、
私たち誰もが宿命的に背負わされている疎外感を表現したかったのではないか。
すなわち、引きこもって我が道を行く人生を送るのも、社会に出て日の光を浴びて暮らすのも、どちらも孤独だってこと。
そうすると、現代の「社会的排除」という言葉で表されるような、自分が望む望まないにかかわらず
社会にいながら外界との接触がほとんどない人が現実的な存在として表面化したのは、そういう点で見れば不思議ではない。

CUBEは設定の妙から人間社会の不合理性をとことん突き詰めた形で一本の作品に結実させているが、
この本はその不合理性を咀嚼したうえで、人が生きるうえでの孤立性を浮き彫りにしようとする意図を感じる。
つまり、別に核戦争や自然災害を待つまでもなく、人はある意味孤独で、生きるうえで寂寥感を避けえないってこと。

その現実を受け入れ、「絆(きずな)」なんて言葉を安っぽく使わずに、寂寥感や排除とどう折り合いをつけ孤独に打ち勝てばいいのか。
同じところを時計みたいにぐるぐる回りつづけ自分の糞を餌に生息する昆虫“ユープケッチャ”を登場させ期待をもたせるものの
現代病とも言える孤独や疎外感を解消する具体的な手法までは書かれていないので、星1つを減じたい。
方舟さくら丸 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 方舟さくら丸 (新潮文庫)より
4101121222
No.16
(4pt)

さすが、心理描写はみごとです。

少ない登場人物の中での心理描写が匠に入り混じって、すぐに引き込まれてゆきました。
方舟さくら丸 Amazon書評・レビュー: 方舟さくら丸より
4106006413
No.15
(4pt)

さすが、心理描写はみごとです。

少ない登場人物の中での心理描写が匠に入り混じって、すぐに引き込まれてゆきました。
方舟さくら丸 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 方舟さくら丸 (新潮文庫)より
4101121222
No.14
(4pt)

Library Books

安部公房「方舟さくら丸」を読了。安部公房後期1984年の作品です。全編当時出たてのワープロで全て書かれた作品です。当時としては画期的なことだったのでしょう。機械が思考に影響を与えるのでは、などと考えられていたのでしょう。その通りな作品の様式です。本作を読んだ感想はまるで星新一のショートショートの世界から長編が生まれたと思える作品です。無機質で均一的な背景が全編を覆っています。そこに自分の身をおけるかどうか、これが本作を楽しめるか、楽しめないかの分かれ道です。自分は楽しむまで時間がかかりましたが、後半から楽しめました。
方舟さくら丸 Amazon書評・レビュー: 方舟さくら丸より
4106006413
No.13
(4pt)

Library Books

安部公房「方舟さくら丸」を読了。安部公房後期1984年の作品です。全編当時出たてのワープロで全て書かれた作品です。当時としては画期的なことだったのでしょう。機械が思考に影響を与えるのでは、などと考えられていたのでしょう。その通りな作品の様式です。本作を読んだ感想はまるで星新一のショートショートの世界から長編が生まれたと思える作品です。無機質で均一的な背景が全編を覆っています。そこに自分の身をおけるかどうか、これが本作を楽しめるか、楽しめないかの分かれ道です。自分は楽しむまで時間がかかりましたが、後半から楽しめました。
方舟さくら丸 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 方舟さくら丸 (新潮文庫)より
4101121222