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夜愁



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【この小説が収録されている参考書籍】
夜愁〈上〉 (創元推理文庫)
夜愁〈下〉 (創元推理文庫)

夜愁の評価: 3.58/5点 レビュー 12件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.58pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全12件 1~12 1/1ページ
No.12:
(4pt)

ミステリーではない。

「茨の城」が大好きで、ミステリーだと思って読み進めましたが、まさかの文芸作品でした。

が、やはり文章力も翻訳も素晴らしく、最後まで一気に読み進めました。
過去に戻っていく物語なのですが、ラストまで読んだ後に最初に戻ると、その感慨深さに涙か出ます。

主人公たちの、もう、どうしてそうなったのか。。
みんな弱くて、悲しくて。
夜愁〈上〉 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:夜愁〈上〉 (創元推理文庫)より
4488254055
No.11:
(5pt)

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No.10:
(5pt)

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4488254063
No.9:
(4pt)

第二次世界大戦前後のイギリスを活写した文芸小説

戦中戦時下で生きる男女、親子の姿を描いた文芸小説。
大戦中に巡り合った男女、男同士、女同士、親子の愛憎渦巻く葛藤をメインに据えた小説。激しい戦闘の中ででも互いを思いやり、または憎しみあったりする群像劇。
推理小説の文庫からでているのでそういうものを期待して読んだら、どちらかというと文芸小説の趣で若干肩すかしをくった気がしないでもないですが、様々な愛の形を描いた普通の小説として読めばそれなりに面白かったです。これから読む人もそこらへんを気を付けたほうがいいかも。
文章も読みやすく流麗で気品があり、小説を読む醍醐味は満喫できました(私的には)。
この著者の作品はまだこれしか読んでいませんがいずれは全て読んでみたいと思います。
夜愁〈上〉 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:夜愁〈上〉 (創元推理文庫)より
4488254055
No.8:
(5pt)

こんなにも瑞々しく、こんなにも無垢なものが・・・

2年以上もたっているのでレヴューはどうかと思いましたがこれは美しいロマンスだと思いましたので別の立場から一筆。
サラ・ウォーターズの3番目の邦訳「夜愁」は「半身」「荊の城」のようにビアンが登場するので前作の強い先入観と本書の時間が逆行していくスタイルに始めは戸惑いを感じました。
戦争中のロンドンの生活がきめ細かく描写されていて当時のロンドン市民の温もりと息遣いが随所に感じられる「人間」の物語です。
第二次世界大戦下のロンドン、5年目に突入したドイツとの戦争で決定的な勝利の兆しが見られない英国、ドイツ空軍の連夜の空襲で火の海となったロンドンで生きていく4人の女性と3人の男性の物語です(登場人物はもっと沢山いますが)。
ケイ、ジュリア、ヘレン、ヴィヴのどんなに激しい愛でもシャボン玉のように壊れやすく結局は空襲の街のように簡単に崩れるものだと思いました。
1944年の章では全般をとおして空襲で次々に破壊されていく街の描写や危険を顧みず負傷者達の救護や消火活動をするホームフロント(警官や防空警戒員や救護員、医者など)の活躍は圧巻です。
爆風で吹き飛ばされて串刺しになった女性や救出中に空襲で殉職した救護員、足ない男などたくさんのエピソードが随所に出てきます。
登場人物のケイ、ヘレン、ヴィヴのようなサービス・ウーメン(公職についた女性)やジュリアのような民間の女性、ダンカン、フレイザー、レジーのような男性は当時あそこに本当に存在していたし、あのような会話をしていたと信じたくなりました。
物語の進行は1947年(終戦2年目)から始まりページ数の一番多い1944年(連合軍がノルマンディーに上陸する前)、そして1941年(ドイツ軍の英国上陸を阻止したバトル・オブ・ブリテンの翌年)の順で過去に遡るので「彼らの出会いのきっかけやあの時のあれはそういう事だったのね」と繋がりを楽しませてくれる推理小説みたいなところもありました。
再読する時は1941年から読もうと思いますがそんな事をしたらこの小説の美しさが壊れてしまうかもしれませんね。
なぜなら最後の行がとても美しかったので。
最後に、冒頭の1947年の章に関連してですが、戦争が終わって喜ばしいはずなのに戦時公職から解かれて社会で行き場のなくなったケイのようなサービス・ウーメンが何十万、何百万もいたと聞きます。
ほとんどの女性達は男性のように新しい仕事に就けずに家庭内に戻るか結婚するかの選択だったようです。
かわいそうなケイ。
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No.7:
(5pt)

ブッカー賞最終候補作らしい佳品

「半身」「茨の城」でこのミス一位を2年連続でとったサラ・ウォーターズの3つめの邦訳です。第二次世界大戦中・後を舞台に、現代から過去へとさかのぼる構成で、複数の人間の心の闇を丁寧な筆致で追っています。本作もこのミスにランキングしているので、それを見て購入を検討される方もいるかもしれませんが、この本はミステリではありません。ミステリの要素はあるのですが、シリアスな文学作品と思った方が実際に近いです。
イアン・マキューアン「アムステルダム」やカズオ・イシグロ「日の名残り」などが受賞したブッカー賞の最終候補ですので、作品の質は折り紙つきですが、普段ミステリなどの純エンターテイメント小説やハリウッドなどの娯楽映画しか見ないという方は、楽しめないかもしれません。純文学小説やヨーロッパ映画なども好き、救いのないものでも良いものは良い、などという方にはおすすめです。
ですが、まったく面白くないのかといえばそうでもなく、もともとミステリを書いている人だけあって、謎をうまく引っ張りながら高いリーダビリティで読ませます。私は前巻の途中からは一気に数時間で読んでしまいました。邦訳された3作品の中で一番好きなのもこの作品です。ただ、大きな事件があるわけではないので、淡々とした面白さ・人間の心の謎を追う面白さにはあまり興味がないという人には退屈かもしれません。
同性愛表現がこれまでで一番顕著ですが、女性同士でも片方が男装の麗人だったり、中性的な美女だったり、男性同士でもこちらは表現が薄い上、ハンサムな青年と少年に近い美青年だったりするので、あまり生々しくはありません。耽美小説の延長上くらいの感覚で読めるのではないでしょうか。
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4488254055
No.6:
(1pt)

これってミステリ??(ネタばれ注意!)

どうしてこれが2007年のミステリのベスト10に入るんだろう?無論おれがぼんくらな本読みだからかもしれないが、第2次大戦時のロンドンを舞台にした、レズとホモの暗ーい物語を延々と読まされた気分は最悪だ。巻末解説で散々持ち上げているが、この人本当にそう思っているのかいな?「半身」もイマイチだったけど。まあ、気取った普通文学ファンなら許せるかもしれないが。
夜愁〈下〉 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:夜愁〈下〉 (創元推理文庫)より
4488254063
No.5:
(3pt)

中絶に嫌悪感をもつ人は読まないが吉

読後の感想は一言「それがどうした」だった。
あらすじは上記の通りもしくは他の方が仔細に述べてるので割愛するが、第一次大戦後間もないロンドンを舞台に様々な男女の人生模様が交錯する話である。
作中で扱われる堕胎の描写に嫌悪感をもった。
否、嫌悪感を持ったのは手術そのものよりそれを巡る当事者達の感情。
主要人物の一人が望まぬ妊娠をするのだが、「診察台で下半身裸にされるなんてみじめな私!」とヒステリックな自己憐憫にはひたっても、命を摘む行為に対し自己嫌悪やら罪悪感やらを覚えてる節が皆無で、同性としてひたすら不愉快。
輪をかけて最低なのはその恋人で、自分が避妊を怠り妊娠させたのを棚に上げ
「で、腹の中のそいつを引っ張り出すのにはいくらかかるんだ?」
とかのたまう無神経男。
女も女で「おなかの中に彼の顔をしたでっかい芋虫がいるなんて考えただけで気持ち悪くなる」とか平気で言う。
じゃあとっとと別れろよ。
話は一巡して再び現在にもどるのかと思ったら過去に遡ったまま切れてしまい半端な感がいなめない。けれども「あれ、これで終わり?」と思いはしても「こんな所で終わりかよ!!」と激怒にまで至らなかったのは、描写が淡々としすぎて続きを読みたい欲求がおきなかったせい。作者の試みは買うが、時系列の並び替えによる効果が成功してるとは言いがたく、綺麗に環が閉じず宙ぶらりんに放り出された感じがする。
登場人物達の過去も肩透かし。
戦争という外的要因を取り込んで悲劇性を高めても、登場人物たちを襲う事件はあくまで惚れた腫れた孕んだ振った振られたという卑近な事情に尽きる。
それらの卑近な事情を色彩鮮やかに描く作家もいるのだが、今回作者がとった手法はお世辞にも成功してるとは言い難く、特に現在パートの唐突な幕切れは単に投げっぱなしの印象を受ける。
次作は期待してます。
夜愁〈上〉 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:夜愁〈上〉 (創元推理文庫)より
4488254055
No.4:
(2pt)

期待高かっただけに・・・

 サラ・ウォータースの前二作を大変楽しく読んだため期待度満点で本書を手に取りました。
              正直「?」
 時は第一次大戦後。場所はロンドン。まずは主人公達のおかれているままならない、
しかし一見平和な情景が描かれる。
 
 前作を読んでいた自分はここをベースに事件がおこるのかと想像する。
 が、事件は起きない。
起きるかと思うと時間は巻き戻され、
その日常を作り出した大戦中の主人公達までさかのぼる。
 
 戦争という時間のなかで新たな事実が描かれ、現在(大戦後)の世界の新たな面が見えてくる
かとおもうと、それほどでもない。一つの謎が解ける事はとけるのだが・・・・。
 作者の語りたかった事はどうやら日常のやるせなさであるらしい。
が、あまりよくわからない・・・・こんなに未消化なままレビューを書いては
いけないだろうか、しかし・・・・残念ながら期待に応えてはくれなかった本書。
残念。
夜愁〈下〉 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:夜愁〈下〉 (創元推理文庫)より
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No.3:
(3pt)

期待はずれ

サラ・ウォーターズは、『荊の城』で娯楽性の高い、ハラハラするミステリを描いたが、本書に同種の面白さを求めると期待を裏切られる。
1947年、44年、41年と時代をさかのぼり、登場人物たちの背負う過去が明らかにされていく、という構成は新鮮ではある。
しかし、その過去はいかにも陰惨で、人物同士の関係はじっとりと重苦しく、そんな過去は別に知りたくもないのだった。
作者の、牽引力や、文章の歯切れのよさは健在だが、読み進めるにつれ、気が滅入る。
後のほうを読むと、本の先の方(後の時代)に登場する物事のあれやこれやが、どのような過去や因果関係を持つかが分かる仕組みにもなっているが、再読する気にはなれない。
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4488254055
No.2:
(2pt)

試みは面白いが、、

 数年前に”半身”を読んで、そのほの暗い感じに魅せられた。次のレズ小説は嫌だった。
 設定は、第二次大戦後しばらくしてのロンドン。いろいろ怪しげな人はでてくるが、さっぱり訳がわからない。だんだん読み進めてくるうちに、時代が古くなってきて、この怪しげな人々の背景がわかってくる、、という趣向。こういう試みはいままで、無かった訳じゃないけれど、面白いと感じた。
 内容は、ミステリー?よりは、時代小説みたいな、レズ小説みたいな、、、。ミステリーやサスペンスというには、時代をさかのぼる書き方以外に、ひねりが足りなすぎる。
 
夜愁〈上〉 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:夜愁〈上〉 (創元推理文庫)より
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No.1:
(4pt)

小説の醍醐味が十二分に味わえます。

戦中戦後のロンドンを舞台に様々な人が織りなす群像劇。内容をシンプルに要約すると、たったこれだけの話なのである。だが、それがこの作家の手にかかると、目にも鮮やかなアラベスクのように入り組んで絡み合い、読み応えのある一級の作品に仕上がっているから素晴らしい。まず目を引くのが構成の妙だ。本書は大きく三つの章に分かれている。だがそれが時系列順に配されるのではなく、1947年、1944年、1941年と過去に遡る配列となっているのだ。だから、まず結果が示される。それぞれの人物たちがどういう境遇にいるのかが描かれる。読者にとってみれば、結果がわかってしまっているのだから、本来ならその先を知る必要はないのだ。だが、本書はそこから過去に遡ることによって、いったいこれらの人物たちに何があったのか?という興味でグイグイ読ませてしまうのである。男装の麗人であり、ミステリアスな存在として登場するケイ。二人で同居しレズビアンの関係でもあるジュリアとヘレン。ヘレンの同僚で不倫の関係に悩むヴィヴ。ヴィヴの弟で刑務所帰りのダンカン。これらの人物たちが絡み合い、干渉し相乗効果を生みながら過去に遡っていく過程はとてもスリリングだ。本書はミステリではない。だが、この過去への遡行という構成自体が大きなミステリとして機能しているのである。結果、大きなカタルシスは味わえないが、謎を追うというミステリ的興趣は充分堪能できる作品となりえている。もう一点言及しておきたいのが、同性愛というテーマだ。戦中、戦後というこの混乱した時代に同性愛という世間には受け入れられない宿命を負ってしまった者たちの不安、焦り、賛歌がこれでもかというほど描かれてるのだ。ともあれ、本書は小説を読む歓びを十二分に堪能できる作品だった。読んでよかった。
夜愁〈上〉 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:夜愁〈上〉 (創元推理文庫)より
4488254055

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