■スポンサードリンク
日本核武装
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
日本核武装の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.86pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ところどころ筋の展開とか主人公の言葉で「え??何で??」という無理があるが 核を語らずという原則を破った本として「まあいいか」 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ス-パ-公務員真名瀬君の伝記本です。エリ-ト官僚をめざすみなさんにはこの上なく面白い本かと | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
テレビや新聞といった旧来メディア上ではタブー視される核武装というテーマを取り扱ったという意味では野心的な作品だと思います。中国や北朝鮮の脅威、日米安保の実効性といった旧来メディアが見て見ぬ振りしている脅威を物語としてシミュレートするのも問題提起になっていてよいと思います。 ただ、設定がどうにもツッコミどころが多くてなかなか感情移入できなくて苦労しました。 主人公は東大法学部卒の財務省も選べたエリートキャリアの防衛省官僚で、ハーバード留学帰りでアメリカと中国の留学時の友人(彼らも帰国後は政府の重要なポストにある)の友情に厚いのですが、どうにも脇が甘くて公私混同気味です。防衛省の幹部候補がそんなに脇が甘くて世間知らずなの?という突っ込みたくなるシーンが序盤からちらほら。 主人公は祖母が広島原爆の被害者であることから日本の核武装には絶対反対で、世界全体でも「悪魔の兵器」である核の廃絶を目指すべきという考え方で、秘密裏 に進められていた日本での核兵器開発を阻止して破壊し闇に葬り、なかったことにする任務を強い信念でもって進めていきます。 しかし、彼の考えは抑止力を理解しない、いわゆる左翼の「お花畑」系の考えであり、隣国からの核の脅威、3度目の核攻撃から国民を守る責任を負っている防衛省のエリートキャリア、しかも彼は敢えて 防衛省を選んだ国防意識が人一倍高い設定の人の考えとしてはリアリティが無いなあ、とか 核武装推進派から、「何のためにそんなことやっているかわかるか」と聞かれて、「そう言われてみれば考えたことなかった」というのも、「えっそんなことも考えずに調査してたの?」とまた突っ込み。 主人公の恋人は一流経済新聞社の政治部の記者で、彼女と夜をともにする中で度々国家機密を核心には触れないものの、ちらちら漏らしてしまい、挙句の果てには彼女の同僚の敏腕スクープ記者に機密をゲロってしまいます。「彼は良識あるジャーナリストだから大丈夫だろう」という考えで。「流石にそれは脇が甘すぎないか?」と思わず突っ込み。 主人公の部屋に盗聴器が仕掛けられていたことが発覚したのに侵入者対策は何もせず、また侵入を許してしまいます。「引っ越したり、せめて鍵強化するとかしないんだ」とまた突っ込み。 総理大臣は「日本での核開発が公になれば日本は世界から孤立して破滅だ 」と狼狽するのですが、「いや、冷戦期の平和ボケ絶頂期の頃や民主党政権の頃ならともかく、今時の首相ならもうちょっと戦略的に考えるんじゃないかな?」とか 「海外に武力進出して国民の不満を外に向けて延命を図る中国共産党は、戦前の日本と似ている」ということを主人公や他の政府役職者が当たり前のように言ったりとか、左翼的意見もあってもよいのですが、右っぽい設定のキャラからそれが出るのがどうにもリアリティに欠けて読んでてつらかったです。 核兵器を日本が持つ意味合いの本質は抑止力であることを踏まえれば、核兵器を製作するだけでは意味がなく、抑止力たる形態で安定的に運用して、それを核保有している他国に知らしめることが核武装推進派の目的になるはずだが、劇中では核兵器推進派はとにかく一つ核兵器を製作することに血道を上げ、主人公らは核兵器開発を阻止して奪還することを目指す、というブロークンアローのような展開で、盛り上がって読み物としては面白いのだが、「作った後どうすんの?」とか「奪還して無かったことにした後どうすんの?」という問いへの答えの示唆が劇中に無いのは寂しかったです。 日本の核武装の可否の議論の本質は、日本が技術的に核兵器を開発できる能力があるか、ではなく、抑止力や安全保障というものに日本人が真剣に向き合えるか、というところなので、そこまで踏み込んで書いてほしかったです。 終盤にイスラム過激派が悪役で出てきたのは、ややご都合主義に感じられて悪印象。ハリウッド映画か?とまた突っ込み。 イスラム過激派の問題は複雑で深い話なので、日本人としては慎重に扱ってほしいです。 このようなテーマを扱った本が世に出るだけで意味があると思いますし、多くの人が読んで議論するきっかけになれば非常によいと思うのですが、私はちょっと感情移入するのに苦労してしまいました。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!