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サイレント・ブレス
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サイレント・ブレスの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.52pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全139件 121~139 7/7ページ
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昨年10月に父が病院で亡くなりました。医者から「覚悟してください」と宣言されたのに、細い血管に何度も針を刺して点滴される姿が痛々しく辛く、どれだけ静かな最期を迎えさせてあげたいと思って涙したことか。。。 この小説が、今の医療の在り方を変える一石になってくれることを願ってやみません。 小説としては技術的に稚拙さを感じるところもありますが、それを補って余りある力をもった内容だと思います。 出会えてよかったと思える本のひとつです。 | ||||
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終わりを読んでハッピーエンドでないと読まない私ですが これは 終わりを読んでもどっちかわからなかった。読みかけると 切なくて惨めでどうしようかと思ったけど なぜか引き込まれて一気に読んでしまった。 心が穏やかに爽やかにほっこりする終わりでした。 自分の終末にもこんな医師に巡り会いたいと思いました。 自分の終末に思いを馳せ もう一冊買って 嫁いだ娘に送りました。 母さんはこんな風に 穏やかに自然に逝きたいよ。と。 いつか必ずくる老後への思いを終末への覚悟を伝えることができ 自分も爽やかに覚悟することができた 手元に置いておくべき本に巡りあえました。 | ||||
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素晴らしい作品でした。現役医師の経験だけでなく、著書の人柄が出るような優しい目線と読みやすい文章でぼぼ一気読みでした。誰にも必ず訪れる死にどう向き合うのか、介護、在宅介護、終末医療、描かれているシーンすべてにリアリティがあり、肉親の死、そして自分自身の死にどう臨むのか、問われているようでした。主人公の成長や周囲のサブキャラも立っていてエンタメ作品としても楽しめますが、それだけに止まらない切実な終末医療の現実を考えるきっかけになります。様々な意見があると思いますが、主人公が行き着いた答え、死は敗北ではない。そこに辿りつくプロセスが丁寧に書かれ、作品のテーマが見事に表現されています。ラストは爽やかで美し過ぎると思いましたが、死が怖いものではないという主人公の言葉に医療の現場に立つ著書の言葉が重なるようで心に響きました。次作を心から期待しております。 | ||||
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とある新聞の書籍紹介のコラムが目に留まり即購入しました。作者の思いが各章に込められている中、一番(身近な)のテーマを主題にし自分の目(考え方)が整理されていく様子がうまく表現され、死とは何か考えさせられる、時間をかけて何度でも読みたい作品です。 | ||||
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満足して読みました。娘にも読ませたいと思って、呉れました。喜んで持って行きました。娘は訪問看護の仕事をしていますので、特に興味ある作品だと思います。 | ||||
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心に深く何かが残る本です。 人生を終えるとは、そのプロセスとは、それを見守る家族は、医療関係の人々は、、、? 一人ひとりが自分なりの答えを見つけていきます。 著者は現役のお医者様、一旦社会に出てから医学を学び直された方です。 私事ですが、以前御縁があって著者の南さんとジュネーブで何度かお目にかかったことがあります。 なぜ老人医療をご専門に選ばれたのかお尋ねした私に、「老人医療は人間全体を診られるからです。」とお答えになったことを、今も良く覚えています。 それから年月が経ち今この御本を手にして、作者の南さんの人に対するそういう姿勢がこの本を生んだのだと思いました。 作者は現役のお医者様なので、介護の描写がリアルです。 私は今まで肉親や自分自身の死について真正面から向き合ったことはなかったのですが、この本を読みながら、主人公の医師、倫子の苦悩や迷いがそのまま自分のものであるかのような思いで読みました。 生きること、死ぬことについて考えさせてくれる、誠実な良い本です。 本の帯には「ミステリー仕立て」とありますが、これは不要ではないでしょうか?人の生と死は一人ひとり皆違う、それは他人の想像を遥かに超えているという意味で、人の生とその終着としての死へのプロセスはすべてミステリーだからです。 | ||||
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兎に角、物語に引き込まれます | ||||
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死に向き合う患者たちを終末医療に携わる医者の目を通じて描いたフィクション。7人7様の死の受け入れ方は、死に直面してなお自分らしくどう生きるかを追い求めている。その気持ちに今の医療は寄り添うことができているのか? 見守る家族は? 日本社会は? 個人の死が、実は個人の問題などではなく、家族と社会にとっての問題であることを訴える。 | ||||
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訪問診療で看取りも行ってる開業医です。超高齢多死社会を迎えるにあたり、最近では「平穏死」、「看取り」、「在宅医療」、「終活」などという言葉を随分目、耳にするようになってきました。このような本で在宅医療を一般の方に知って貰える事を大変嬉しく思います。ストーリーは展開が面白く、著者もDr.であるためリアルな場面が多かったのですが、自然経過で予想される死を『急変する』や、『輸液を中止することが死を早める』などと表現している事は少々残念でしたため星を一つ減らしました。 亡くなる=急変ではない事、癌終末期医療では『輸液は延命には繋がらないならない』、また『輸液を中止することが寿命を短縮する事でもない』ことを入れて欲しいと思いました。 | ||||
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実際の介護の現場や、起こりうる介護を著者が医者だけあってリアルに表現されている。人は必ず死ぬのだが、死ぬ前の身内や自分をもっと考えておくべきと考えさせられる本であった。親を持つ人にはお勧めの本です。 | ||||
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フィクションとはいえ、まるでリアルな現場で見ているようで、 とても深く重く読み応えがありました。6つのストーリーは どれも切ない話ですが、最後は温かさに救われた気持ちになり ました。 細かいことを言えば一つ一つのストーリーは申し分ないの ですが、ニューハーフの飲食店経営者が元司法浪人生だった 下りはキャラ的に違和感がありました。また、大河内教授は 「白い巨塔」から取ったネームだと感じさせます。ここら辺、 もう一工夫できなかったのかと思います。 元出版社に勤めていて、その後一念発起して医師になった方の デビュー作らしいですが、内容も文章も卓越していて老成した 感じがして、すでに一流作家のようです。 いけないこととは思いますが、医者なんかとっとと辞めて今後は 作家業に専念して、秀作をどんどん世に出してもらいたいと思い ました。 | ||||
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主人公は水戸倫子。大学病院に勤める内科医である。最近、在宅医療を行うクリニックに異動になった。そこで出会う患者たちとの物語。 一人の患者につき1つの物語で構成されている。短編集のような感じで読みやすい。 ブレス1 スピリチュアル・ペイン 末期がん患者の知守綾子。どうせ先は短いからと、タバコを吸い、外出もして思いのままに生活している。そうしているうちに、綾子の容態はだんだん悪化していくが、そんな中で綾子の周りに現れるスキンヘッドの男の正体は・・・? ブレス2 イノバン 筋ジストロフィーを患う天野保。しかし、懸命に明るく、前向きに生きようとしている。車いすを使い、一人でAKB48のコンサートに行ったりするのだ。そんな保に精一杯対応する倫子たち。この物語は、どんな結末を迎えるのだろうか・・・。 ブレス3 エンバーミング 古賀芙美江、84歳。特に悪いところはなく、老衰によって寝たきりになっている。食欲がなく、筋力も衰えているが、胃ろうや点滴で生きるのは嫌だと言う。そこへ、息子が帰ってきてできるだけ延命するように主張する。結局、胃ろうを受け入れる芙美江。その選択は吉と出るのか、凶と出るのか。そして、話は進み、意外な真相が明らかに-。 ブレス4 ケシャンビョウ 医師向けの研究会に出席した倫子。そこで元同級生の医者と出会い、身元不明の少女患者を押しつけられる。その少女には言語障害があり、ひどい人見知りで、心の病気があるようにも見えた。しかし、その状態には悲しい真実が隠れており・・・。 ブレス5 ロングターム・サバイバー 倫子の母校である新宿医大の名誉教授、権藤勲が末期がんになった。余命は3か月。彼の在宅医療の担当をすることになった倫子は(雲の上の存在だった人物を担当することに)ショックを受ける。権藤は一切の延命治療を拒否している。しかし、倫子が最初に往診した後、態度が変わり、延命治療を受けると言う。それには理由があったのだが、倫子の上司の大河内教授がその真相を見抜く。 ブレス6 サイレント・ブレス 寝たきりで意識もない倫子の父。最近は入退院を繰り返している。倫子も最後が近いことを覚悟している。最後の日々を父と実家で過ごす倫子。そこで倫子は父の、そして母の本当の思いを知る。そして母と倫子は、ある決断をする。 死を前にした時の医療に対する姿勢について深く考えさせられる。できるだけ延命してもらうのか、それとも一切の延命治療を拒否するのか。そして、医者はどういう立場を取るべきなのか。 人によって意見は異なるだろうが、私なら、助からないと分かったら延命治療はしてもらいたくない。できるだけ安らかに死ねるのなら、それが一番だと思うのだ。私たちは生まれてから、誰もが1日1日と死へ近づいていっているともいえる。だからこそ、今を大切に、精一杯生きるべきだとも思う。 そんなことを考えさせられた6つのストーリーだった。 | ||||
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勤めていた出版社を33歳で辞めて医大に進み、39歳で医師となった著者ということもあり,読みやすい文章で医療者(現役医師)から見ても納得のできる内容でした.私も終末医療に携わっているので,この本を多くの人に知ってもらいたいと思います.超高齢化社会,自宅で死ねる世の中になれるのかどうかは疑問です.37歳の独身女医という設定もある意味リアル(結婚できない女医は結構多いのは事実).星4つにしたのは次回作に期待ということで. | ||||
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薬剤師をしています。 小説というよりは、在宅医療についての考え方を学んだ感じです。 人間の生と死、終末期医療のあり方、深く考えた作品でした。 | ||||
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ここに出てくる終末期の患者たちと同じように、世の中の100人中100人が、意味の無い延命治療を拒否し、自然な死を望んでいると思います。それなのに、誰も望まない延命治療がなぜ行われるのか、というのは大きな謎ですが、それに触れることは医療の世界ではタブーなのでしょうか? 関連書として、『看取りの医者』(平野国美、小学館文庫)。 | ||||
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TBS系「王様のブランチ」のランキングで本書を知り、手にしてからは一気に読み切った。 終末期医療のあり方という深い問題をテーマに掲げながら、一つ一つのストーリーをライト・ミステリー仕立てにして編んだ小説。ソフトな文体とやさしい目線を備え、テーマの重みが、より深く、自然に読者の心に伝わる作品だ。 現役の女性医師ならではの、医療現場のしっかりしたディーテールが作品に説得力を与えているのも強み。作品に込められた小さな小さなエピソードにも、「終末期医療はこれでよいのだろうか?」という医師の問題意識と息遣いが伝わる。それが、感動を呼ぶのだと思う。 コースケ、亀ちゃん、大河内教授……たくさんのサブキャラが魅力的で生き生きと描き分けられている点も物語の魅力だ。個人的には、第2話の母親が暗い部屋で数独をしている場面が強く印象に残った。 我々世代(50代)にとって、終末期医療や在宅診療、迫り来る老い、親族の介護は身につまされる問題だ。テレビドラマ化や映画化が待たれる。 | ||||
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まだ具体的じゃないんだけど、高齢者の母親の看取りを考えていて、本書に行き当たりました。 ぐいぐい作品世界に、引っ張りこまれます。著者が現役のお医者様だからでしょう、ディテイルが実用書レベルの正確さです(たぶん)。 主役の「みとりんこ」は訪問診療クリニックの女医さん。在宅で看取る専門家です。面と向かうのは、治る見込みのない患者ばかり。最初は亡くなっていく患者さんたちを思うと、身につまされてつらい。だんだん「倫子頑張れ〜」って応援したい気持ちで盛り上がる。読み終えると、まずは母親がどうして欲しいのか、確かめておかないといけないなと思う。さらに、自分の最期はどうしたいの? って深く考えさせられる。リアリズムなんだけど、本当によく出来た真摯な物語です。 ちょっとした謎解きテイストがあり、脇役陣のキャラも立っているので、連ドラ一直線でしょうね。ヒロインは誰⁉︎ | ||||
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介護をしたことがない人間として、たとえば植物人間化した場合のシモの世話、とりわけウンチの処理はどのようにやっているのか、大方の小説やノンフィクションでは書いたのを読んだことがない。 この小説では、処理の手順だけでなく、臭い、形状まで簡潔にして、細部が想像できるように描写されている。医師にしか指摘できない病状のリアリティも通り一遍の取材では無理。さらにこの作品が偉いのは、患者と医師双方の心理と感情の過程をリアルに描きえていること。医師が小説を書いたケースは多いが、ここまで人間の細部まで分け入った小説はあまりないだろう。 | ||||
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著者のバックグラウンドに強く興味を持ち、本は図書館で借りる派の私が衝動的に購入。 ちなみに私は脳出血サバイバーで日本尊厳死協会の会員であり、終末医療への関心が高い。 本作の主人公は大学医局から在宅医療部門へ左遷された(と思い込んでいた)女医の物語。 6つの話からなる。()内は私が感じたサブテーマ 1.乳癌末期の女性ジャーナリスト (臨床宗教師) 2.筋ジストロフィーの青年 (介護放棄) 3.老衰の84歳女性 (遺産相続と胃瘻) 4.身元不明の10歳くらいの美少女 (人身売買) 5.膵臓癌のスーパードクター (治療拒否) 6.3年間植物状態の自分の父親 (リビングウィルと家族の思い) 切なさでは2の話はキツイ。6の話はウィルを残される側に思いが及ばなかった私にとって よい勉強になった。 続編を期待します。 | ||||
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